ハリーポッターと転生の双子   作:黒い柱

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こんにちは。第13話です。


仕掛けられた罠~本気の大勝負~

side ユラナ・ウェリス 

 

 季節は移り変わり、冬が完全に明け、春の日差しがホグワーツを照らしていた。しかし、生徒の表情は悲痛なものへと移り変わっていく。そう、時代や世界線が変わろうと学生の大敵である、学期末試験が待ち構えているのである。

 私とお兄ちゃんはチート能力のおかげで勉強する気など毛頭ないが、周りはそうはいかない。初めて受けるテストに万全の準備をしている。ウィーズリーの双子ですら、大人しく勉強し始める始末だ。

 特にハーマイオニーはそんな顔色の変わった周囲が引くぐらい必死である。私が抱きつきにいっても簡単に避けられてしまった。

 しかし、緊張感のまるでない私でも試験は想像以上に簡単だった。最終日など余裕で解き終えて、軽く眠っていたら、起こされたのは試験が終わって15分後だった。

「お兄ちゃん、ハリーたちは?」

「ハグリッドのところに行ったみたいだぞ。つか、お前試験中に寝るとか緊張感なさすぎじゃね?」

「あー、ハーマイオニーの寝顔見てたら、朝の3時になってて……」

 私がうつむきながら言うと、

「いや、普通にキモいわ。お兄ちゃん、お前が間違った道に進まないか、心配だよ……」

 ドン引きしながら答えてきた。本人にはバレないように気をつけよう。

 そんなこと言い合っているとハリーたちが戻ってきた。

「おかえりー。どうするの?」

「ユラナ、おはよう。ダンブルドアが今日はいない。スネイプが石を狙うなら今日だ」

 ハリーが真剣な眼差しで言う。私が寝てる間に、そこまでしてたのね。

「あのね、ハリー……」

「こんなところで悪だくみかね?」

 私が真実を言おうとしたときである。後ろに立っていたのはスネイプ先生本人であった。

「なんでもありません。スネイプ先生」

 笑顔で答えたのはお兄ちゃんだ。 

「なら、こんな天気のいい日は外に出てはいかがかね? これ以上グリフィンドールの点が引かれる訳にはいかないだろう?」

 そう、軽く言って去っていった。その後ろ姿に声をかけたのは、お兄ちゃんである。 

「スネイプ先生!」

 ちらりとこちらを振り返る。 

「今夜時間、ありますか?」 

 スネイプ先生は小さく頷いて今度こそ去って行った。

 (お兄ちゃん、どしたの?)

 (ちょっと話したいことがあってな)

 お兄ちゃんの表情からは何一つ読み取れない。私は彼が何をするつもりなのか考えながら、決戦のときを待つことにした。 

 9時ぐらいに私はハーマイオニーに呼ばれて薄暗い談話室に降りた。すでにハリーとロンは準備万全である。

 が、ネビルがそこで道を塞いできた。

「僕、僕……君たちと戦う!」

 確かに、これ以上グリフィンドールの点が引かれるのはまずい。私も逆の立場なら必死になって止めたかもしれない。

「バカ言うな!」

「これ以上規則を破っちゃならない!」

 なまじ言っていることが正論だから、誰一人反論できない。三人が困った表情で私を見る。

「ネビル、本当にごめんなさい」

 私は小さく謝って全身金縛りの呪いをかけた。だって三人からあんな目で見られたら断れないじゃん。

 その後、軽い妨害などがありながらもどうにか四階の廊下にたどり着くことができた。

「ねぇ、三人とも、僕の透明マントを預けるから、戻ってもいいんだよ?」

 ハリーが三頭犬がいる部屋の扉の前で言う。

「ここまで来たら行くしかないだろ」

 とロン。

「ええ。こうなったら、一蓮托生よ」

 とハーマイオニー。 

 なんか死ぬみたいなフラグ立てまくりの空気だったので、わざと明るく、 

「お姉ちゃんにまっかせなさい!」

 と言ってみた。すると、三人はクスクス笑っていた。そして、ハリーがドアを開ける。

 勢いよく襲ってきた三頭犬に対して、私が失神術を放つとズルズルと彼は倒れてしまった。

 なんか、三人がヤバいものを見る目で見てきてる気がする……。

 隠し扉をくぐって落ちた先には悪魔の罠が待ち受けていた。案の定、動く縄が襲ってきた。 

 対処法をわきまえてるから、いいけど、これ結構恥ずかしいなぁ。私、縛りプレイは受け入れてないし。

 私が早々に落ちていき、三人の絶望の色が濃くなる。しばらくすると、対処法を閃いたハーマイオニーが炎を出してどうにかなったが。

 そして待ち受けていたのは、羽のついた鍵である。ここはグリフィンドールのシーカーであるハリーが簡単に鍵を掴んで終了。動くチェスのある部屋に向かった。

 正直、チェスに関してはロン以外、下手くそだから、ロンに任せるしかないか。そう思いながら、私たちは挑むことになった。

 駒が動くにつれてロンは険しい顔になる。

「……詰みが近い。僕が取られるしかない……」

 ロンが唸る。

「それは、ダメ!」

 とハーマイオニー。するとロンは、

「これはチェスだ。誰かが犠牲にならなくちゃ勝てないんだ!」

 と答えた。そしてしばらくして実際にその通りになってしまった。

 激しくロンが殴られる。ハーマイオニーが痛々しい悲鳴を挙げた。私だってこうなることは分かっていたけど泣きたい。咄嗟に地面を柔らかくしたが、ロンは気を失ってしまった。

 その後、ハリーがチェックメイトをかけ、どうにか勝利。私たちは次の部屋へと進むことができた。 

 そこで待ち受けていたのは、気を失ったトロール三匹。原作では一匹だったよね。と思いながら、通り抜けていると、あと少しで次の部屋へと進む扉に着くというところで、低い唸り声が響いた。

 トロール三匹が一斉に起きたのだ。彼らはすぐさま私たちに襲いかかる。

「ハリー、ハーマイオニー、先に行って! ここは私がなんとかするから!」

「ダメだよ、ユラナ!」

 とハリー。

「師匠を、お姉ちゃんを信じなさい! 大丈夫だから!」

 そう言って、二人を次の部屋にねじ込む。次の魔法のパズルはハーマイオニーの頭脳があれば、どうにかなるだろう。

 (ふーん、ここが私の仕事場って訳ね)

 そう思いながら、杖を取り出し、十八番の呪文を唱える。 

「フルプレント(分身せよ)」

 この姿は普通の人なら三人の自分をコントロールしなくてはならないため、体力的にもかなりきついが、スタミナには自信がある。私は久しぶりの本気の勝負にほくそ笑み、トロールに向かって行った。

 

 




 前回よりかは少し短くなってしまいました。賢者の石編はあと少し続きます。よろしくお願いします。感想、評価も募集中です。
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