side マーティン・ウェリス
ダイアゴン横丁に行った翌日、俺たちは両親に連れられキングズ・クロス駅に向かった。ホグワーツには特急に乗って向かうらしい。例外的にどっかの誰かは空飛ぶ車で向かったことがあったらしいが。
(やっとあの人たちに会えるわね)
妹のウキウキした心の声が聞こえる。まあ、気持ちは分かる。俺も柄にもなく楽しみにしている。
「ホグワーツに行くのを楽しみにしていてくれて嬉しいよ」
俺たちの様子を見た父さんが言う。
「まあね。俺としても本当に楽しそうなところだしな」
ハリーポッターシリーズを読んだ人間には一度はこの世界に入ってみたいと思ったことがあるのではなかろうか。
「そうね。私とブライアンが出逢った場所だし、あなたたちにも素敵な出会いがあると思うわ」
そう言ったのは俺たちの母である。
「そうだね。期待しとくよ」
(もう素敵な出会いはある意味済ませてるんだけどね)
(空気読めよ、妹よ)
そんなことを言っていると、列車が出発する十一時が近いてきたので、俺たちは柱の中に向かって走り出した。いや、初めての人にとってはこれはちょっと怖いわ。
駅は見送りに行っている人たちで大混雑していた。つーかまじで俺が人酔いする体質じゃなくてよかった。
「それじゃあ、そろそろ行くよ。列車も出るし」
父さんと母さんは俺たちの頭を撫でて抱き寄せた。
「気をつけてね。何かあったら、ふくろう便を送りなさいね」
「そんなこと言わなくてもちゃんと送るよ。父さんからも仕事頼まれてるし」
父さんはカラカラ笑う。
「仕事も大事だが、学生の本業は学問だ。お前たちなら大丈夫だと思うが、頑張れよ」
俺たちは頷いて電車に乗った。
さて、中は大変混雑していた。ただでさえ細い通路に荷物をたくさん持った学生たちがいるのだから仕方ない。
空いているコンパートメントはもちろんなかったが、幸いあてはある。ダイアゴン横町で知り合いを作っておいてよかった。
俺たちはしばらく歩いてそのドアをノックした。中にいたのは、眼鏡の似合う男の子、ハリー・ポッターと赤毛で背の高いロン・ウィーズリーだった。
side ユラナ・ウェリス
私たちは声をかけて部屋に入った。
「こんにちは、ハリー。元気?」
私が言うと、ハリーはほっとしたような表情を浮かべた。やべ、ちょっとそれは可愛すぎ。鼻血出そう。
(ねぇ、今の可愛すぎない?)
(いや、なんで俺に聞くんだよ。お前が考えているようなグフフな展開にはならんぞ。おい、兄受けとか考えるな)
そんな会話を念話呪文を使ってしながら、荷物を降ろした。
「ハリー、知り合い?」
ロンが聞く。
「そうだよ。僕と一緒にダイアゴン横丁に行ったウェリス兄妹だよ」
「はじめまして。兄のマーティン・ウェリスだ。よろしくな」
「私は妹のユラナ・ウェリスよ。あ、一応言っておくと、私たちは純血だよ。まあ、血がなんであれどうでもいいけど」
「僕はロン・ウィーズリー。よろしくね。二人はどの寮に入りたい?」
やはり、ここでもその話か。まあ、どこに組分けされるか楽しみではあるよね。
「私はどこでもいいかな。自分が楽しいと思えるなら。そして、お兄ちゃんと一緒にいれるならね。まあ、ホグワーツにいる限り、一緒にはいれるんだけどね」
私がそう言ったとき、空気が微妙なものになった。え、私なんかやらかした?
(お前のブラコン告白のせいで微妙な空気になってるぞ。前世で学ばなかったのかよ)
(いや、だって事実じゃん。それにお兄ちゃんだって隠れシスコンでしょ?)
(いや、俺は断じてシスコンじゃない)
(ツンデレ乙)
(こいつ、ウゼぇ……)
ロンが空気を元に戻すかのように言う。
「そうなんだ。なんか仲がよくていいね。僕は兄妹は多いけど、こういう感じじゃないからさ」
おずおずと言うロンはなんか可愛い。やべ、こっちも私には射程圏内かも。
「そっか。ウィーズリー家って兄妹が多いことで有名だもんね。でも、兄妹多いのも幸せそうでいいなぁ」
私が言うと、お兄ちゃんは笑いながら答えた。
「お前みたいなのがたくさんいたら、俺は過労死しかねんわ」
なんでこんなときに念話呪文使わねぇんだよ。
「うるさーい。お兄ちゃんは黙っときなさい」
私の声にハリーは笑いながら、
「仲いいんだね」
と呟いた。
「それでさ、ロンは何か魔法使えたりする?」
ロンは頷いてスキャバーズ、後のピーター・ペディグリューとユニコーンの毛らしきものが見えた杖を取り出した。
「うん。フレッドに魔法を教わったんだ。やってみよう」
ここで黄色になったピーター・ペディグリューが出てきたら、さぞかし面白いだろうなぁ。そう思っていると、ドアがノックされた。
外にいたのは、泣きそうな顔をしているネビル・ロングボトムとハーマイオニー・グレンジャーだった。
「ごめんね、僕のヒキガエル知らない? トレバーっていうんだけど」
お兄ちゃんが答えた。
「いや、すまん。知らんな」
そう言うと、彼は杖を取り出し、
「アクシオ、トレバー!(トレバーよ、来いっ)」
と唱えた。すると、数秒後、お尋ね者のヒキガエルはお兄ちゃんの左手に貼り付いた。私とお兄ちゃん以外なぜか呆気に取られていた。
(なぁ、俺なんかやらかした?)
(ごめん、こればっかりは分からない)
お兄ちゃんはヒキガエルをネビルに渡した。すると、彼はおずおずと、
「あ、ありがとう……」
と言った。そして、ハーマイオニーが声を出す。
「凄いわね。それ、かなりレベルの高い呪文のはずよ」
あーなるほど。あの微妙な空気はそれで起きたのね。
「まあ、昔から鍛えられてきたからな。それで、二人は誰?」
「自己紹介がまだだったわね。私はハーマイオニー・グレンジャーよ。よろしくね」
(可愛すぎぃ。なんでこんなホグワーツの生徒のレベルって高いの)
(だから、狙いをつけるな。百合展開は嫌いじゃないが、お前にはまだ早い)
私が残念そうにしていると、ヒキガエルが見つかって嬉しそうなネビルが、
「僕はネビル・ロングボトム。よろしくね」
と言った。
「で、あなた魔法を見せてくれるんでしょう? やってみてよ」
とハーマイオニーがロンに言った。いや、呼び寄せ呪文見せられたあとに言っちゃダメでしょ。可哀想じゃん。
「いや、何でもないよ……」
ロンが残念そうに言った。
(本当にごめんね、私の馬鹿兄貴のせいだよね)
(おい、呼び方違うし、なんで念話呪文使っているときに言うんだよ)
お兄ちゃんの声が聞こえたけど、私は無視した。
書いてて思った。ハリーが空気過ぎる。
こりゃ駄作と言われてもまったく文句言えませんね。まあ、感想、評価募集中です。是非ともよろしくお願いします