第8話です。よろしくお願いします。
side マーティン・ウェリス
ホグワーツに入学してから十日ほどが経った。今のところの感想を言うと……。ものすごく暇である。
宿題やレポートは確かにあるが、父さんにめちゃくちゃ鍛えられたことにより、一年生の課題ぐらいならば、まったく大したことはない。俺もユラナもすぐに終わってしまう。ならば、闇の魔法の特訓をしたいところだが、人がたくさんいる中で呪いを打ちまくる訳にもいかない。ハリーやロンの手伝いはハーマイオニーがしてくれているため、俺たちは暖炉の炎を眺めているしかすることがない。
(チート能力は嬉しいけど、暇過ぎるわね)
ユラナが念話呪文で話しかけてきた。
(そうだよな。でも、そろそろ飛行術の練習が始まる。あれはハリーが無双するはずだから、俺たちはあんまり目立たなくて済むぜ)
(そうだといいけど)
その翌日についに飛行術の授業が始まった。フーチ先生の指示で俺たち生徒は練習場に並ばされる。
「皆さん、それでは目の前の箒に『上がれ』と叫んでください」
彼女が生徒全員に告げ、あちこちで上がれという声が聞こえてくる。
俺も、
「上がれ」
と叫んだが、まったく箒は動かない。ハリーなどはとっくに箒を手にしている。
まあ、普通にやっても駄目だよな。そう思ったので、今度は少し低く冷たい声を出してみた。
「上がれ」
箒は少し恐れたかのように震えて、すぐに俺の手に収まった。何、この箒、ドMなの?
ユラナの方を見ると、彼女もまだ上がっていなかった。
「おい、トーンとか変えると上手くいったぞ」
俺が声をかけると、彼女は頷いて、
「お願い、上がって?」
と語尾にハートマークがつくかのような声で箒に言った。すると、箒はすぐさま持ち上がった。この箒も変態かよ。
全員が箒を手に持ったところで、フーチ先生はそれに乗って数メートル上に飛ぶよう指示した。
フライング気味に地面を蹴ったネビルが上空に登っていく。フーチ先生の降りろという指示も当然、届いていない。
しかし、ネビルは塔に引っ掛かり、ローブが破れたことにより落下していった。みんながざわめいている中、俺はこっそり落下するであろう方向に近づき、
「デューロ!(沈め!)」
とネビルが落ちる直前に唱えた。柔らかくなった土地のおかげで衝撃は少なくなっただろうが、まあ、骨折ぐらいは避けられないだろう。この対応を評価され、グリフィンドールに十点が与えられた。
ネビルはフーチ先生に連れていかれて、しばらく待つことになった。
(で、お兄ちゃん、このあとハリーとマルフォイが揉めるけど、止めなくていいの?)
(俺がすることじゃないだろ。まあ、ハリーに任せとけよ)
その直後である。
「なぁ、見たかあのアホ面」
マルフォイが小馬鹿にしたように言う。その手にはネビルが落とした思い出し球が握られている。
「おい、マルフォイ、それを渡せよ」
ハリーが言うと、マルフォイは鼻で笑った。
「取れるものなら取ってみろよ」
そう言って上空に彼が飛び、ハリーの手の届かないところに向かった。ハーマイオニーが止めていたが、ハリーもそれを追って上がっていく。
すると、マルフォイは思い出し球をさらに上に投げた。彼の手から離れた以上呼び寄せ呪文で手にすることはできるが、ハリーをクィディッチのシーカーにさせるために俺は手を出さなかった。
結果、その後、ちゃんとハリーはマクゴナガル先生にその実力を認められ、無事にクィディッチのシーカーになった。
side ユラナ・ウェリス
お兄ちゃんが言っていたように今はかなり暇だ。でも、そのぶんハリーやロン、ハーマイオニーを愛でる時間があるから、楽でいいのよねぇ。
飛行術が終わってしばらくして、今度は呪文学で物を飛ばす練習を始めることになった。一年生は全員喜んでいたが、私としてはもともとできている。
(お兄ちゃんさ、そろそろ私たちも本格的に鍛えない?)
呪文学の授業の前の晩、お兄ちゃんに聞いた。
(鍛えるってどうやってすんだよ。父さんはいねぇよ)
(父さんじゃなくてさ、私たちだけで鍛えるの)
(どこにそんな場所がある)
(必要の部屋は?)
しばらく彼からの返答はなかった。
(分かった。考えてみる)
そう言って彼は念話呪文をオフにした。彼にも何か考えがあるのだろう。
さて、翌日、ついに呪文学の時間になった。唱える呪文は「ウィンガーディアム・レヴィオーサー(浮遊せよ)」である。
辺りに羽根ペンが舞うと思いきや、思った以上に上手くいかない。いや、私、お兄ちゃん、ハーマイオニーの三人はできているが、それ以外の生徒は誰もできていなかった。
ハーマイオニーはロンに正しいやり方を教えようとしているが、ロンは、
「そんな言うなら、自分でやってみろよ」
と言った。ハーマイオニーが簡単に成功させたところ、ロンはさらに不機嫌になってしまった。
「大丈夫? ロン」
私が声をかけた。
「君もできているんだろ」
不満気に彼は言う。
「そうだね。でも、私もお兄ちゃんより先にはできなかったよ。でも、頑張ったからできるようになった。だからさ、今はムカついているかもしれないけど、ほら、頑張ろ」
ロンは黙ったまま、練習を再開したため、私は安心した。しかし、どういうことだか、ロンとハーマイオニーの関係は拗れてしまうのだった。
キャラ崩壊が進行中ですねぇ笑
時間なかったので、短くなってしまいましたが、次も楽しみにしてください。
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