秋月・・・作者はこの娘のことをよくわかっていない
ふと思いました。そういえば屋上に上がったことがないな、と。私は最近小説というものにハマっています。いろいろなものを読みます。ときにはネット小説というものも読むときもあります。そんな、小説を読んでよく出てくるのが屋上です。
屋上は、いろんな場面で使われます。お昼休憩、放課後、喧嘩、プロポーズ、ときには未知との遭遇。本当に色んなところに出てくる屋上。自室で長10cm砲ちゃんの整備をしてるときに思い出しました。ここの鎮守府は屋上に上がれるのでしょうか?うーん…この鎮守府部来てかれこれ3年ほど。今更提督に聞くのはあれですね。どこか屋上に関して書いてあるような場所は…。
「案内板…。」
そうだ!案内板です!そういえば掲示板の隣に鎮守府の案内板があったはずです。そうと決まればすぐに行きましょう。部屋を出ると急に指してくる日光に思わず「眩しいっ!?」と小さく叫んでしまいました。長10cm砲ちゃんの整備を始めたのは10時ごろ。その時ちょうど窓から日光が差し込んで影になってしまうのでカーテンを閉めていたのですがもう、すっかりお昼すぎのようです。一度部屋に戻り時計を確認するともう1400。しまった…食堂がもう閉まっています。それにしても暗いですね。影になるのを防ぐために部屋の電気を消して作業机の真上の電気だけつけていたのですが外から見るととても暗いです。
お昼ご飯は諦め、案内板を見に行きます。とてもいい天気です。背伸びをすると今までずっと座ってきたせいで思わず「んん~…。」と変な声が出てしまいます。案内板は一階。私の部屋は二階。すぐ付きます。外では他の娘たちが訓練でもしているのか、声がたくさん聞こえてきます。私はここ一週間ほど主力部隊の一員として前線で戦っていました。昨日その作戦が終わり今は三日間の
休暇中といったところです。駆逐艦は私の他には参加してないので今この建物にいるのは私だけです。
案内板です。ここは駆逐艦寮です。他に駆逐艦以外の艦種の寮、食堂、提督がいらっしゃる本棟があります。来て最初の頃はよく見ていましたがしばらくして構造を覚えてからはすっかり見なくなりました。そのときは屋上に興味を持っていなかったので、屋上のところは全く見ていませんでした。どれどれ…。
「開いてる…。」
良かった。どうやら屋上は開放されているようです。消灯時間までですが、それまでは空いているみたいです。早速行ってみましょう。
屋上は四階まで上がる階段をまた上がればいいようです。この扉をくくれば…念願の屋上です!
ここが屋上…!思ったより色々おいてあります。転落防止用の金網、花壇、ベンチ、自販機まで。そして何よりもとても広いです。私達駆逐艦は艦種の中で最も数と種類が多いです。なので駆逐艦寮は他の艦種の寮より建物が高く広く作られています。高さなら本棟に匹敵するほどです。せっかく自販機があるなら何か買いましょう。なにせ、お金は余ってます。他の娘たちは酒保でよくお買い物をするらしいですが残念ながら私にはそこまで購買欲求がないのであまりお金は使いません。強いて言えばたまに小説を買うぐらいです。自販機がおいてあるとは予想してなかったので、部屋にしまってある財布を取りに行きましょう。
部屋に戻ってきました。電気をつけて机の棚の鍵を開けます。財布は、その中です。手にとって中を見ると千円札が二枚。小銭もそこそこ入っています。
そうだ!そういえば冷蔵庫にもしものときに買っておいたサンドイッチがあったはずです。
「あった…。」
冷蔵庫を開けるとそこには三つのサンドイッチがありました。具材はどれにしましょうか…。二、三分ほど考えてハムと卵に決めました。冷蔵庫に入れていたせいでキンキンに冷えたサンドイッチと財布を持ってもう一度屋上に向かいます。
再び屋上に来ました。さっきは気づきませんでしたが、私のように軽食を取ることを想定していたのかテーブルもありますね。自販機で適当にお茶を買い椅子に座ります。この場所は金網越しですが海が見えますね。サンドイッチの袋を開け食べます。
うん。美味しいです。お昼ご飯が食べれないと思っていたので助かりました。……今の時間帯だと、おそらく他のみんなは洋上訓練でしょうか。駆逐艦寮から見える海は訓練海域の反対です。なのでここからは砲撃音はしません。いや、しないというわけではないのですが。実際に耳をすませば砲撃音は聞こえますし。でも、それでもこんなに静かな海は初めて見た気がします。なんだか、こんな感情は初めてです。
しばらくずっと同じ場所で海を見ていました。気づけば日も傾き始めてますし、訓練が終わって、寮に戻ってくる娘たちの声も聞こえ始めました。ということは、そろそろ食堂が開く時間です。流石に夜は普通に食べたいので、そろそろ開くというなら早めに行きましょう。空の袋と少しだけ残ったお茶を持って席を立ちます。扉の横においてあるゴミ箱に袋を捨て、扉を開けます。
扉を開けると昼はついていなかった電気が階段を照らしていました。そして誰かが部屋に戻っていく声がよく聞こえてきます。私は「食べたあとにまた来よう。」と思い、階段を降りていきました。
私は屋上に行ったことがない