たまにはギャグも書いてみたくなるね
「大和さんを離してください!」
「フフフ。私ガ離ストデモ思ッテイルノ?」
大和です。今敵の姫級に捕まっています。どうやら、私を深海棲艦にするつもりらしいです。……正直言ってなっていいと思うんですよね。深海棲艦。
というのも、今でこそ対姫級で出撃してる私ですけど、普段絶対出撃させてませんからね。出てもたまーの演習ぐらいですよ。しかも、どうやら私の性能が皆さんの思った道理ではないようで、思ったより火力がない。割と大破しやすい。なんかがっかりするんですよね、皆さん。それで補給やら入渠で使う資材がとても多いんです。
そのせいで私皆さんになんて言われてると思います?…ただの大食い、不沈艦(笑)、所詮ロマン戦艦、とかですよ。いや、知らねえし。そっちが勝手に私を過大評価してるだけだし。相手ちっちぇえじゃん。こっちクソデカな砲で狙ってんですよ。当たるわけねえじゃん?不沈艦、不沈艦とか言われてるけどいや、沈むときは沈むもんだし、普通に魚雷痛いですよ?カットイン魚雷すっごい痛いですよ?私遅いんですからあんなに魚雷ばらまかれたら避けれるわけがねえって言う。あ、あと航空機。無理。当たらん。知ってます?私の対空機銃全然当たらないんですよ?不思議ですよね。あんなに針鼠なのに。自分でも思います。ていうか、この前提督にもおんなじこと言われましたね。提督という存在の手前。苦笑いで謝りましたけど普通に傷つきますよ?私。あのあと、部屋で、泣きましたよ?一人、体操ずわりして。そういえば、おんなじ大食いって呼ばれてる赤城さんはチヤホヤされてるんですよね。まあ、そりゃそうでよね。あの人食ったぶんちゃんと仕事しますからね。
てなわけで、まあ別になってもいいかなあって。ほら、強そうじゃないですか、姫級って。駆逐艦ですら戦艦顔負けな火力してるんですから。そういえば、普段さんざん私を貶している皆さんが必死に自分を助けようとしてるんですけど。まあ、理由は分かります。そもそも、自分が火力が出ないって言われてるのはロリそもそも主砲当たらないんで着弾時の爆風でダメージ出してるんですよね。あれ。そういうことで、直撃すれば当然いくら姫級とはいえ轟沈一歩手前ですよ。流石は、最終兵器と言われたわけですよね。そして、その最終兵器が今敵の手に渡ろうとしている。普通に考えて阻止しますよね。
……私がさっきから説明している間にずっと説得が続いていたんですけど、どうやら無理っぽいですね。傍から見ればかなり盛り上がるシーン何でしょうけど、ずっと真顔で過ごしてました。いや、そりゃそうでしょ。あんなに蔑んでたのに。白々しいにも程がありますよ。
んで、隣にいる姫級が指を出してー、私の胸にぶっすー、刺しました。あ、思ったより全然痛くないですね。…お、なんか注ぎ込まれてる感じがしますね。おーっと?私の艤装が変化してきましたよ?なんかどんどんゴツくなってますね。深海棲艦特有のあの生物みたいな艤装です。
「フフフ。コレデアナタハ私ノ従順ナシモベ…。私ヘノ忠誠ハ絶対ヨ…。」
「ああ…大和さん、そんな…。」
なんか、勝手に絶望してますね。当の本人がそれを全く気にしてないんですが…。そういえば、この姫級さっき私をシモベとか言ってましたね。て言うことはこいつが新しい上司なんですね。じゃあ、願いましょう。こいつが有能であることを。…いや?絶対的な忠誠心が湧くならそんなこと関係ないのかな?うーん、それはそれでいいかも。絶対的な忠誠心とか言われてるけどそれ絶対不満出ませんよね。やること成すこと全部ああ、この人の為だー、って思ってたらずっと幸福ですもんね。
…おや?何か海面がボコボコと?……おやまあ、何かでっかいのが来ましたよ。これはあの有名なダイソン(戦艦棲姫とも言う)が従えてるあいつじゃないですか。はえー、この子までついてくるんですか。あ、どうやらこの子で終わりみたいですね。刺さってた指が抜けました。…あれ、忠誠心湧いてこないぞ。……あ、これ自由になれるチャンス?深海棲艦になったから艦隊から抜けてもなんの問題もないよね?…うん。こいつ沈めよ。深海棲艦にしてくれたのは嬉しいけど、私は自由になりたい。逃げたら追っかけてきそうだし、最悪失敗作だー、って言われて沈められるかもしれない。ならば、沈めるしかない。うん。
「サア、マズハソコノ艦娘達ヲ沈メルノヨ…!」
「は?やだ。」
なんでそんな面倒なことしなきゃいけないんだ。相手何人いると思ってんだ。私除いて11人ぞ?あんた倒すためにわざわざ、連合艦隊で来てやってんぞ?
「エ?ア、アレ?」
「あー、まあ、深海棲艦にしてくれたことは感謝します。でもね、自由になりたいんで、しもべは却下で。あ、あと沈めますね。深海棲艦だから人じゃないんで、ね。別に、ね。」
すかさず、戦艦パンチ。まあ、いいでしょ別に。深海棲艦だから人道もクソもなくても。相手はきれいに遠くに高く舞っていって、さあ、あとはせっかくなので新装備の確かめとう言うことで主砲を向けて…
「撃て。」
ズドーンっ!!!っと今までよりも派手な音がして飛んでいく弾。なんと、当たりました。流石深海棲艦の武器ですね。憐れ姫級は爆発四散。さて、では私はこの場を離れましょう。いやー、まちに待った自由ですよ!
「待って!」
「はい?」
「大和さん…ですよね?私達が知っている大和さんなんですよね…!?」
「え、あ、まあ、そうですね。一応。」
誰が私の自由の邪魔するのか、と思いましたけど、ああー、そういえばこの人たちのことをすっかり忘れてました。うわぁ、面倒だなぁ。
「じゃ、じゃあ、鎮守府に一緒に帰りましょう?みんな待ってますから!」
「は?嫌なんですけど。」
さっきの話を聞いていたのか?ちゃんと言ったはずなんですけど、自由でやって行きたいって。そんな、話してる内容が聞こえないような距離ではないと思うんですけどねー。
「だ、大丈夫です。皆には私から話します!そんな見た目だからって遠慮する必要はないんですよ!?」
「は、いやだから。」
いや、違うそうじゃない。そうじゃあ、無いんだよ。聞いてなかったね?絶対聞いてなかったよね?
「もうやめろ。大和はもう深海棲艦になってしまったんだ。いくら姫級に逆らえたとはいえ、心までは染まってしまっているだろう。ならば、もう沈めてあげるくらいしか私達には残っていない…。」
「長門さん…。」
ちょ、おい連合艦隊旗艦。何かって言ってんだ。こっちは何も変わってないんだけど。なぜそうなった。もうちょっと説得頑張れよ。いや、されても戻るつもり無いけど、早すぎん?沈める決断早すぎん?
「撃て!」
「大和さんごめんなさい!」
ちょー!早い!早いって!
「ちょ、危な…危ないですって!」
なんとかダイソンの子が防いでくれるけど、流石に物量がやばい。…耐えるなぁこの子。流石深海棲艦してるだけあるわぁ。いや、でも限界はあるから早くこの状況の打破を…。早く打破して自由な生活を…!
「ああもう!鬱陶しい!撃て!」
「うぐっ!」
「きゃあ!?」
さっきから全然やまないので思わず、全砲門斉射をしてしまったがこれあかんわ。火力がバカ高い。…あれ。もう装填終わってる?え、早くない?え、つっよ。
「…えーと、よし!撃て!貴方も撃って!」
これは強い。ついでにダイソンの子にも撃ってもらう。どんどん艦娘たちが大破していく。…そろそろ、帰ってくれないかなぁ。流石に沈めるのはこっちも後味悪いですよ?
「クッ!諦めません!大和さんは、ここで沈んでもらうんです。それが…それが私達にできる唯一のことだから!」
考えて?もうちょっと自分の命考えて?使命感強すぎるよ?だめだなぁ、帰る気全然ないじゃん。これは一体どうすれば…うーん、これは数的優勢のせいかな?さっきからどんどん大破させてるけどせいぜい5,6隻。まだまだ戦力に余裕がある。てことはそれを失くせばいい。でも、私とダイソンの子でやるには少し骨が折れる…長門型とかいるし…あ、そうだ。これ自分で深海棲艦とか呼べないかな?一応姫級なんだからそれぐらい出来そうなんだけど。…どうすれば呼べるんだ?こ、こう、来い!って念じたら来るかな?
「あ、なんか来てる。」
数分ぐらい念じてたら、なんか向こうの方から黒いものが…。あれ、深海棲艦の艦載機だよね。
ドーン!
っと急に艦娘の近くから上がる水しぶき。あれは私が作ったものではない。
「な、何だ!」
「た、大変です!ヲ級による空襲とレ級による砲撃です!」
「な、何だと!?なぜ奴らが…。」
「他にも4隻程敵が…ど、どうしますか!?」
「……撤退だ。」
「え、そ、そんな。撤退って大和さんは、大和さんはどうするんですか!」
「大破した艦が多いのにここに援軍では流石にきつい。全滅もあり得るかもしれない。私はこの艦隊の旗艦だ。私情で判断するわけには行かない!全艦撤退するぞ!」
お、これは撤退するかな?…よし反転して帰っていった。
「ふー。疲れた…貴方もお疲れ様。」
ダイソンの子をなでてあげる。こうしてみると、なかなか可愛い。いつまでもダイソンの子と呼ぶのも何だから名前を決めてあげたほうがいいかもしれない。
「姫…。」
「フイッ!?」
急に話しかけられるもんで変な声を出してしまった。話しかけたのはさっき出てきたヲ級だ。…ちゃんと話せるんだ。ヲ、ヲ、とした言わないのかと…。ヲ級の他にもレ級やら他の深海棲艦で計5隻。私を含めて6隻。これで一艦隊というわけか。
…よし。周りに艦娘もいないわけだし。もう好きなところ行っちゃおう。ダイソンの子は途中で決めよう。うん。航行しとけばいつかいいの思いつくはず。
「…姫?」
「よーし。行きますよ!」
「ドチラヘ…?」
「どこか遠くへ。私達は自由なんですから!」
「ワカリマシタ…。」
数ヶ月後、色々な海域に神出鬼没する旗艦がまるで大和型戦艦のような深海棲艦が度々報告されるが、濃霧の中や、意識が朦朧としてるときのみ確認されなかったり、そもそもその艦隊が艦娘を襲わないためこの艦隊は本当は存在しないのではないかと言われている。