前に小説を投稿していたのですがリアルが忙しいのと書いてるのがクラスメイトにばれて色々と言われたのが恥ずかしくてとんでもなく長い間放置していましたが、色々あって今回からリハビリをかねて趣味程度に書いていく事にしました。久しぶりの投稿なので暖かく楽しんで頂けると幸いです。
プロローグ
突然ですか皆さん、あなたはいきなり訳のわからない状況におちいった時、どうしますか?
慌てる?泣く?自棄になる?怒る?受け入れる?冷静に考える?まあこのように人によって様々だろう。
自分ならこういった行動をする、なんて思う人はたくさんいると思う。なぜかって?だってそうそうそんな事態になる事なんてないだろう。
だからこそ思います、人は本当に訳の分からない状況になった時ってこんな風になるんだと…。
「残念ですが、貴方は死んでしまいました。」
目が覚めると、知らない空間にいて知らない女性からこんなこと言われた。
「・・・はい?」
「え…えっと、ですからあなたは残念ですが死んでしまったんです。」
どうも目の前の彼女が言うには俺は死んでしまったらしい。だが俺には全くその記憶がない。というかここにくるまでの出来事がハッキリと思い出せない。
「突然のことで分からない事だらけだと思いますが、あなたがここに来るまでのことを覚えていないのは、人は一度亡くなると記憶がある程度消えるからなんです。
特に事故死や殺害などで亡くなった方は覚えていると精神が病んでしまうのを防ぐために消すことになっているんです。」
…なるほど、確かに死ぬほどの痛みや経験を覚えていたらよっぽどのことがない限り狂ってしまうかもしれないな。
「だけど、俺はここに来た経緯を知りたい。
できれば思い出すことは出来ないか?」
そう、俺は今死亡した原因だけでなく自分の名前すら思い出せない。
だからこそ、何か思い出せないとなにも分からないのだ。
「はっはい…できますがよろしいのですか?
痛みはありませんが死ぬときの事を思い出すので色々とおすすめはできませんが…。」
「かまわない。
ほとんど何も覚えていないんだ、自分の名前さえも。
だから思い出したいんだ、以前の俺がどんな人間たったのか。」
そう言うと目の前の彼女は優しく微笑んで、
「…分かりました、ではあなたがここに来るまでに何が起こったのか、思い出してもらいますね。」
そういって彼女は俺に向けて手をかざした。
その瞬間俺は色々と思い出した。
俺の名前は天城結城、普通の高校生だった。
父さんと母さん、兄と妹が一人ずつの5人家族だった。
父さんは少し厳しくもしっかりしていて頼もしく格好いいとても尊敬できる人で母さんは少しおっとりしているが美人で家族が大好きなとても優しい人だった。
兄さんは俗に言う完璧超人…だろうか?高身長のイケメンで勉強もできて性格も良い。
スポーツもそつなくこなす、まさに絵にかいたような人だ。
妹はこちらも大和撫子というか非の打ち所のない美少女だ。
陶器のような白い肌にスッとした鼻先、少し切れ長の目にスタイルの良い体型、顔だってそこらのアイドルよりかわいいと思う。
兄妹揃って完璧過ぎると思う。
だが俺はそんな兄妹と仲が悪いと言う訳ではない。寧ろ良い方だと思う。兄は小さい頃から俺に優しくしてくれたし、妹も俺をよく「兄さん」といって慕ってくれていた。
本当に良い家族に恵まれたと思う。
対して俺は身長はそこそこ高いと思うが、兄のようにかなりイケメンというわけではない。
せいぜい中の上くらいだとおもう。勉強は一応志望校に推薦を貰えるくらいにはできる。運動も苦手ではない、家では剣術をしていているのでよく父さんと兄さんにしごかれたからだ。
まあ、自分でも自慢できるのは家事と世話焼きな所くらいだと思う。
俺はある日、休日に買い物に出掛けていた。
今日は欲しかったゲームと本の発売日だったからだ。
母さんに行ってらっしゃいといわれ、歩いていたら色々な人から挨拶を貰う。
家は家族がちょっとした有名人だからよく声をかけられる。
「おう、結城くんおはよう。
散歩かい?気を付けてな~。」
「あら結城ちゃん、おはよう。
この間はありがとうね、助かったわ。」
「あっ!兄ちゃんおはよー!
ねえねえ!また遊んでよ~!」
散歩に出ていると色んな人から話しかけられる。
というのも、俺はよく色んな人からの頼み事やらを引き受けてしまうので、こういったことは良くある。
そんなとき目の前に子供がいた、周りを見回しているのを見る限り迷子だろうか?
そんなとき後ろから車が来ているのが見えた。
だが車は前の子供が見えていないのか、減速の様子すらみえない。
子供も車が来ているのがわかっていないようだ。
「っ!くそ!!」
考える間もなく気がつけばからだが動いていた。
全力で走ってギリギリ間に合うかどうかの距離だったと思う。
子供は庇えたが、俺は間に合わず思い切りぶつかった。
子供を抱えた状態でゴロゴロと転がった。
流石に人をひけば運転手も気付き、青ざめた表情でこちらに駆け寄ってきた。体は丈夫な方だがめちゃくちゃ痛いなこれ。
骨折もしてるし頭を打ったのか意識が朦朧としている。
「お、お兄ちゃん…?」
腕の中の子が恐る恐る聞いてくる。どうやら怪我は無いようだ。
「…だ だい…じょうぶ?」
掠れた声で確認する。
ぼんやりだが、運転手の人は電話でなにか言ってる、恐らく病院にでも連絡しているのだろう。
だけど、どう見ても手遅れだよなこれ。
もうほとんど何も感じないもん。
子供は泣きながら、大丈夫だよ、死なないで!といってる。
…ああ、良かった。なんとか守れたみたいだ。
だんだんと眠くなってきた…もうすぐ死ぬんだとなんとなくわかる。
後悔はしてないけど、悔いならいっぱいある。
まだ両親に何も恩返ししてないし、兄さんや妹とももっといっしょにいたかった。
馬鹿だと思いつつも体は動かなくなっていく中で、最後の力で口を動かす。
「…な、あ君
ひ とつ…だけ、お願い、しても…いい?」
「ぐすっ、ぅぅ…う、うん!
聞く!聞くから死なないでお兄ちゃん!!」
「俺の家族に…つたえて、欲しい…んだ。俺を育ててくれて…本当に、ありがとう…と、もうひとつは、ごめん…だけど運転手の人を恨まないで…欲しい、って。」
必死で口を動かし、子供に伝える。
「う、うん!絶対に伝える!伝えるから死んじゃ嫌だよお兄ちゃん!」
そういったのを聞いて、笑いつつも遠くから聞こえるサイレンの音を聴きつつ、目を閉じた。
どうですかね…ちょっとシリアス強いかなと思いました。
でもこんなにシリアス強めなのこれからはあんまり無いので見逃して頂けると幸いです。