このすばらしい世界にお節介を!   作:弐式炎雷

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早く本編に行きたいなー


この転生に祝福を!

「・・・そうだ、はっきり思い出した。」

そうだ、俺はあの時子供を助けようとして庇ったんだった。

でも気づいた時のタイミングがギリギリで俺までは車を避けることは出来なかったようだな。

 

「そうです。あなたが身をていして守ってあげたお陰であの子は死なずに済みました。

…しかし、助けたあなたは車に跳ねられて死んでしまったのです。」

 

…成る程な。でも少し疑問があるな。

「なあ、かみ さま?でいいのか、俺は自慢じゃあないが結構体は丈夫な方だと思う。

車に跳ねられた位で死ぬとはおもえないんだが…?」

そう、俺の家は剣術の流派をもっており、よく親父に死ぬまで鍛え上げられていたので体の頑丈さは普通よりも上のはずだ。

車よりも親父の扱きの方が何倍も恐ろしいし痛い(怖)

 

「はい、おっしゃる通り貴方は車に跳ねられた位で死ぬような方ではありませんでした。しかし今回は子供を助けようと無理な体勢で助けた事が原因となったのです。

跳ねられたあと、受け身もとれない状態で地面に叩きつけられた後に後頭部を強く強打したのが原因で、貴方は…その…」

 

「ああ!わかった!もう理解したありがとう!」

 

やべ、聞かない方が良かったかも…想像してなんか気持ち悪くなってきた…。  そうだ大事な事聞かないと。

 

「なあ、あの後ってどうなったのか聞いても良いか?」

 

「はい、勿論です。」

そういって彼女は手の間に映像のようなものを出した。

 

「あのあと貴方はすぐに救急車に運ばれました。

病院でも今できるすべての処置が行われたそうですが…残念ながら貴方は息を引き取りました。

すぐに貴方のご家族も駆けつけてくれたようですね。」

 

映像を見ると汗だくになりながら肩で息をしている状態の家族が病院に詰め寄っていた。

母さんと妹は泣きながら騒いでいるし、親父と兄さんは静かだが顔はかなり歪んでいて壁に手を叩き付けている。

 

「…貴方はとても愛されていましたよ。

あの後、助けた子供のご家族と運転手の方がご家族の方に謝罪に来ていました。」

 

そういってまた映像を見ると、今にも運転手を殺しそうな妹とそれを必死になって止めている兄さんがいて、母さんはいまだに親父の胸の中で泣きつつも少し落ち着き、親父はなにも言わず土下座して謝る運転手と謝り続けている子供の家族に険しい目を向けていた。

 

「それだけではなく、貴方の葬儀にはご友人だけでなく親戚の方や知り合いの方等がたくさん来て悲しんでいました。

貴方は沢山の人を助けていました、だからこそこんなにも沢山の方が貴方の死を悲しんでくれているのですよ。」

 

…ああ、そうか。

俺はこんなにも沢山のいい人に恵まれてたんだな。

よくしょうがないと思いつつも人の頼みを断れないせいで、お節介焼きやらオカンやら言われていたが、それで自己満足していた。

でも、これを見て俺のしたことは無駄じゃ無かったんだと改めて感じることができた。

 

「  泣いているのですか?」

そういわれて手を目元に持っていくと、手が濡れていた。

どうやらいつの間にか泣いてたらしい。

 

「いっ いや違うんだよ、これ、は…。」

そういっても涙は止まらない。

拭っても止まる様子がない。

すると突然優しく包まれる。

 

「・・・泣くことは恥じることではありません。

いきなり死んだと言われても実感などわくはずがありません。

それに貴方のお陰で一人の小さな命が救われたのです。

そして貴方はこれまでに沢山の良い行いをしてきました、だから今だけは泣いてください。

ここには私しかいません。私の胸でよければいくらでも泣いてください。」

 

気づけば神様が俺を優しく抱き抱えていた。

とても優しく、それでいて温かく。

…ダメだ。こんな風にされたら我慢などできる筈もない。

そう感じ、俺は少しの間、神様の腕の中で泣き続けた…。

 

 

 

 

 

 

「 わ、悪いな。情けないとこ見せちまったな。

もうすぐ大学生なのに子供みたいに泣いちまって。」

しばらくしたら落ち着いて、冷静になったとたんに凄い恥ずかしい。

いや、あれはないわ。物凄い可愛い女性の腕の中で泣くとかめっちゃ恥ずかしいわ。

 

「おきになさらず♪

先程も言いましたが泣く事は恥じることではありません。

それに私から貴方を慰めたのですから謝る必要などございませんよ。」

 

「 そうか、ありがとう。」

「はい♪」

 

ヤバい、この子めっちゃいいこだ(泣)

 

「それで、俺はこれからどうなるんだ?

輪廻転生とかみたいになったりするのか?」

できれば天国にいきたいなぁ…地獄行きとかにはならないと思いたい。

 

「はい、貴方…いえ、この際ですのでアマギさんと呼ばせていただきますね。

アマギさんは複数の選択ができます。

 

1つは天国に行って平和に暮らすこと

2つは生まれ変わって新しい人生を歩むこと。」

 

あぁ~良かった、地獄行きじゃない。

「なのですが…実は余り天国というのはオススメ出来ないのです。」

「えっ!?なっなんで?」

 

「実は天国とは、おそらく人間の方々が想像しているような楽園ではないかもしれません。穏やかで静かな時を永遠に近しく送ることができる。そこには争いも、苦しみもありません……退屈だと仰る方も少なくありませんが…。」

 

おおう…ま、まあ平和である事には違いないか。

それでも何もない場所で永遠に過ごすのはちょっとアレだな。

死んでもなお娯楽を欲するは人の業だろうな。

 

「うーん、天国はちょっとあれだな。

俺は二つ目の方がいいけど、どっちも自分には微妙だな。」

生まれ変わってしまえば記憶も消えるのだろうが、神様と話をした手前、記憶や自分自身が消えてしまうのは嫌だぞコレ。

 

「そうですね。

本来はどちらも寿命を全うした方が行うものですから。

…実はもう一つ選択があるのです。」

 

「もう一つ?」

 

「はい、それは私の後輩の女神が担当している世界に送るというものです。」

 

「それは、いわゆる異世界転生ってやつか?」

 

「はい、しかしその世界は、正直に申しまして平穏無事という訳ではありません。人々は今、魔王と呼ばれる脅威と戦いながら生きています」

 

「へぇ~大袈裟というかテンプレだな。」

 

「大袈裟ではなく事実なんです……それに日々の糧を得る為には人里の外に生息するモンスター、危険な生物を相手取らなければいけません」

 

「つまり、その世界に行ったら。」

 

「はい。剣を、魔法を、武力を以て。」

 

うーん、今までの選択肢だと断然こっちの方がいいな。

だけどね…

 

「流石に俺でも魔王やらモンスターなんかと渡り合えるかは正直不安があるな。」

そう、モンスターと言えばドラゴンやら悪魔やらファンタジーでお馴染みの存在である。魔王に至っては規格外の象徴とも言えるべき存在だ。

流石に人より武術に長けていても無謀であろう。

 

「ご心配しないでください。

私達神々の決まりで、転生者には何でも一つ特典を授ける事が義務とされています。」

 

「特典?」

 

「はい、例えば伝説の神器とか無限の魔力とか最強の身体能力とかそういったいわゆるチートを授けているんです。」

 

「成る程な、確かにそういった能力があればモンスターとも渡り合えるよな。」

 

「……ごめんなさい」

 

「お、おいおいなんだ薮から棒に」

 

「他の、もっと安全な世界に送って差し上げられれば…

チート能力を持っていても無敵ではありません。

前世なんかとは比べ物にならないくらいの危険も多いのです。

…私はアマギさんがどれだけ優しい人で素晴らしい行いをしてきたか知っています。

だから、こんな世界ではなく、もっと安全で楽しい世界に送って差し上げることができれば…。」

 

「そんなこと言わないでくれ。

俺はむしろアニメや小説のような異世界に行けると聞いて喜んじまってるよ、神様が気にすることなんてなんにもないよ。」

 

「……ありがとうございます。

やっぱりアマギさんはとても優しい方ですね。

では、アマギさんに差し上げる特典についてお話しします。

本来なら特典は一人につき一つだけなのですが、アマギさんは前世の行いや人柄を評価し、三つまで特典をつけさせていただきます!」

 

「はいっ!?

マジで!?いや、いいんですかそんなことして!」

 

「問題ありません。アマギさんはそれくらいしても許される位の善行をつんでますから♪

それに私は神様の中でも結構偉い神様なんです!

これくらいの要求を通す位は簡単です!」

 

「お、おおぅ…そ そうか。

そういえば、まだ神様の事何も知らなかったな。

もしよければ教えてもらえないか?」

 

「あっそうでしたね。

私はコノハナサクヤヒメ、日本を守る神の大柱の人柱の一人で

名を“サクヤ”ともうします♪」

 

「…お 思ったより凄い神様だった…いや、でした。

すみません敬語も使わず…。」

 

「おっお止めください!?

アマギさんに敬語を使っていただく必要などありません!

というか私は敬語が無い方が嬉しいですから。」

 

「……そ そっか。

そういうことならサクヤ様って呼ばせて貰うよ。」

 

「様は要りません!サクヤで結構です!」

 

「わっわかったよサクヤ。」

 

「よろしい♪」

 

ははっ、優しくて可愛いって凄いな~流石は神様だ。

↑(少し勘違い)

 

「ではアマギさん。

特典を3つ申してください。

その本に書いてあるものでもいいですし、アマギさんが思っているものでも大丈夫ですよ。」

 

「その前に、俺は異世界語は喋れるのか?」

 

 

「それは問題ないです、神々の親切サポートで…その、脳に負担かけて覚えられるようにしてありますから。」

 

の 脳に負担?なんか怖いけど聞いたらもっと怖くなりそうだから止めとこう。

 

「…決めたよ。

せっかく3つも貰えるんだから、少し贅沢にいかせてもらうわ。」

 

「クスッ はい、何でもどうぞ♪」

 

「一つめは俺が前世で見て覚えているアニメやゲームの能力を使えること。

 二つめは俺の家事スキルとかそう言うのを上げてほしい

 三つめは俺の前世での家族の皆に不幸がないようにしてほしい。」

 

「ええっ?

いいんですか?もっとこう不死身の肉体とか、最強の力とか色々とあると思うのですが…。」

 

 

「いや、一つめの能力でほとんどできるし、二つ目の能力は大事だぞ?異世界ってことは前世のような便利な道具やらそういったものはないだろうから、生活する上で欠かせないしな。

三つめはやっぱり親孝行も何もできないで死んでしまったからな。

せめて、家族の皆には幸せに生きて欲しいんだ。

両親は勿論、兄さんや妹にもせわになったからな。」

 

「…やっぱり貴方は優しい人ですね。

わかりました!アマギさんが転生した後、私が貴方の家族の皆さんについて対応します!

ちょっと、妹さんがヘタをすると後を追いかねない勢いになりつつあるので…。」

 

後を追いかねないって…あいつ自殺しようとしてんのかよ!!?

た、確かに少しブラコンみたいなとこあったけど…

そこまでするか普通!?

 

「わっ悪いな、是非頼むよ…。」

 

「はい、お任せください。

では、名残惜しくありますが、

アマギさんを向こうの世界に送りますね。 

どうか、貴方のこれよりの生に幸多からん事を願っております。」

 

「ああ、何から何までありがとうサクヤ。」

 

礼を言い終わると、サクヤは指を鳴らす。

 

 途端、己の足下には幾何学の模様が蠢く円陣が現れた。発散される光が柱となり自分を取り囲む。

 

神々しくも可憐な笑顔で俺を見送るサクヤがぼんやりと見える。

 

 

 

 

 

「アマギさん、また いつかお会いしましょうーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




少し長めになってしまいました…
ここは自分的に凝りたい所でしたので、堪忍してください。
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