このすばらしい世界にお節介を!   作:弐式炎雷

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異世界での初勝利に祝福を!

既に手負いの状態ではあるが、目の前の黒豹モドキの殺意は消えてはいなかった。 胴体を切られてなお敵を仕留めようとするその姿には敬意さえ覚える。

 

「手負いの獣ほど怖いって言うしな。 油断せずに行くぞ。」

 

そういって体に力を溜める。

溜めた力が赤いオーラとなって体から噴き出す。

 

目の前の黒豹モドキは突然様子が変わった俺に戸惑いはしたものの、すぐに切り替え襲ってきた。

 

手負いながらも逃げもせず真正面から向かってくる相手に対して、自分も全力で迎え撃つ。

 

赤いオーラが噴き出すことにより攻撃力が上がった状態で繰り出す。

右に左に太刀を振り回し、身体を横回転させながら踏み込み、一瞬のうちに360度を薙ぎ払う技、その名も…

 

『気刃大回転斬りぃぃ!!!』

 

叫びながら太刀を振り、黒豹モドキとすれ違う。

少しの静寂の後、黒豹モドキは地に伏せた。

首から下半身までにかけて歪みのない一本の巨大な切り傷が付けられていた。

 

「……ふぅ、悪いな。 だが、この死合い…俺の勝ちだ。」

 

そういって太刀を鞘に納める。

瞬間に体から噴き出すオーラも静まった。

 

「まあ、なんとか勝てて良かった…流石に複数で襲われたら厄介だったな。」

しっかし、転生してすぐにこんなのに出くわすとかな~…サクヤがごめんなさいって言ってたのもわかる気がするわ。

 

そんなことを思いつつも、また強い殺気を感じた。

すぐに前に飛び出す。

その直後、側の茂みからさっきの倒した奴より若干小さいが同じ黒豹モドキが現れた。

 

「おいコラ!!まさかの連戦!?

いやふざけんなよ難易度おかしいだろ!!」

 

キレれながらも再び構え直す。内心は荒れていても頭は冷静だった。

 

(彼奴はさっきの奴より小柄な分、動きが早そうだな…接近戦でもいいが、警戒して別の方法ので倒した方がいいか。)

 

などと考えつつ、手に持っていた斬破刀を消す。

特典で貰った《前世で見て覚えているアニメやゲームの能力を使えること》は武器などを出すだけではない。

ゲームや漫画などの能力…つまり魔法や異能も使えると言うこと。

 

(ものは試しだ!やってみるか…)

 

目の前の敵から目を離さず、腕を前に構えて叫ぶ。

 

 『メラミ!!』

 

叫んだ瞬間、俺の手から現れたボーリング玉ほどの炎が黒豹モドキに向けて発射される。

 

 

しかし黒豹モドキは素早い動きでメラミを避けた。

 

「避けられた!? やっぱりさっきの奴より速いな……それなら!」

 

驚きつつ、素早く切り替え別の呪文を放つ。

 

「流石に雷よりは速く動けないだろ!」

 

  『ライデイン!!』

 

そう叫んだ瞬間、上空から大きめの雷撃が黒豹モドキを襲った。

 

「ガアアアアアァァァ!!!」

 

黒豹モドキも雷撃は避けられず、バチバチィ!!と感電した。

焦げた匂いと黒い煙を出しながら黒豹モドキは倒れた。

 

 

「こ、これが呪文か…!

や、ヤベェな…メラミ(・・・)ライデイン(・・・・・)位でこの威力かよ・・・。」

 

そう、先程使っていたのはドラゴンクエストというゲームの魔法である。このゲームで使用できる呪文の種類はとても多く、今使用したメラミやライデインも、ドラクエの中では中級程の呪文だったはず。

にもかかわらず、先程の呪文はかなりの威力があった。

 

「あれでこの威力なら、上級や最上級なんかの威力はどんなだよ…。」

自分の力に圧倒され、俺は少し恐怖を覚えたがそう無闇に使わないことを決めて納得した。

 

「…さて、こいつらどうすっかな……。」

そういって倒した黒豹モドキ2体の死体に目を向ける。

 

 

 

       ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 

そして冒頭に戻る。

 

「いや、なんとか勝てたからいいけど、マジでチートだな。

俺の能力…そういや、この世界は俺みたいな特典貰った転生者がいるってサクヤが言ってたな…、それでも魔王倒せないとかヤバくないか?」

 

サクヤは言ってた。

 

チート能力を持っていても無敵では無い。

前世なんかとは比べ物にならないくらいの危険も多い…と。

 

「…まあ、貰った特典ばっかに頼ってても強くなるわけないよな。

鍛練も忘れずに鍛えればいいか。」

 

そういって納得しつつ、目の前の黒豹モドキに向けて能力を発動する。

 

「もしかしたらこいつら売れるかもしれんし、持っていくか。

町に行っても資金がないとヤバイしな…。」

 

『アイテム作成!  ふくろ!!』

 

そういって作り出したのは一見普通の布袋だった。

 

そして布袋を片手に黒豹モドキの死体を手に持つと、 なんと俺よりでかい黒豹モドキの死体が袋の中に入ってしまった。

 

 

「いや~まさか作れるとは思わなかった…。

ある意味ドラクエの中でぶっちぎりのチートアイテム。」

 

 そう、先程俺が作ったのはただの布袋じゃない。

先程も説明したドラクエの袋だ。

この袋は一見ただの袋だか、剣や槍などの様々な武器は勿論、盾や鎧、その他にも色々な素材なんかが収納できるという訳のわからんものなのだ。

 

「ゲームの中でも袋に装備させますか? …なんてアイコンが出たこともあったし、前世ではこいつ魔物の一種なんじゃねぇの?

なんて思ったりもしたわ。」

 

そんなことを言いつつ黒豹モドキの死体を仕舞いおわった。

あんだけでかい魔物を入れても重さが変わらない袋に恐怖しつつ、町へ向けて歩いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




一日で二話連続投稿は失敗しました…。
すみません(泣) 次はちゃんと投稿が間に合うようにします!
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