原作と違って最初から好感度高めなエーコちゃんと筋肉量多めなアッシュくんのお話。
たぶん続かない(大嘘)
あとゼロワン面白いね。
シルヴィア「かなり恐怖を感じた」
「あんたがあたしを飼うんじゃないわ。
あたしがあんたの
(……どうしてこうなった?)
アンサリヴァン騎竜学院の生徒アッシュは目の前で胸をこれ見よがしに大きく張り出し、太陽のような明るい笑顔を浮かべそう宣言する角の生えた少女に対して頭を抱える他無かったのである。
そもそも、どうしてこのようなアトラスオオカブトだと思って買ってみたらコーカサスオオカブトだった時のような奇妙な状況に陥ってしまったのだろうか?
この状況を少年アッシュはほぼ筋肉に等しい脳ミソをフル回転して回想を交え遡った。
二つの列強国に挟まれたロートレアモン騎士国。
その国に存在するドラゴンと契約を交わした者たちが集うアンサリヴァン騎竜学院。そこでは少年少女たちが竜飼い人になるべくしてひび研鑽を積んでいた。
少年アッシュ・ブレイクもその一人である。
その由緒ある学院の廊下を少年アッシュ・ブレイクは授業に向かうため歩いていただけだったのだが。
案の定、廊下は他の生徒により騒々しくなっていた。
「やべぇよ…やべぇよ…」
「(うわ。」
「お…おい誰か話しかけろよ…」
「無理だよ!だってあいつ教官ぶん殴ったらしいじゃんか!」
「ああ…それどころかあのお姫様がヤツのせいで皆の目の前で失禁したらしいぞ…」
「やめてください…アイアンマン!」
(またか…いつもこれだよ…トホホ…)
アッシュは心の中で静かに溜め息をつく。
お分かりいただけただろうか、すでにお気づきの読者をいるだろうがアッシュ・ブレイクの名はおそらく、否、確実にアンサリヴァン騎竜学院に知れ渡っていた…。
「だって…あの筋肉の前じゃ誰だって怖がるだろ!いい加減にしろ!」
「そうだよ(便乗)。聞いたか?あいつの身長2m以上あんだとよ」
「しかも北◯の拳とか魁!◯塾とかに出てきそうな顔してるよな」
「炭酸抜きコーラ飲んでそう(小並感)」
「おまいらなにびびってんだよwwwたかが
「オイお前!聞かれたらどうすんだ!?あいつ三年生の竜に関節技かけたんだぞ!?」
「それマジ?www」
(やめてくれ…やめてくれ…別に教官殴ってないしドラゴンに対して関節技決めたことないから俺!
…姫様お漏らしさせちゃったのは事実だけど)
かなり悪い意味で。
(俺、ただ見返したかっただけなのになぁ…)
アッシュががっくりと肩を落とすと、それに応じてごきごきとキン◯マンのごとき筋肉が音をならし、たまたま近くにいた女子生徒が「ひっ」としゃくり声を挙げ顔面蒼白となり内股になってしまった。
そして漂うアンモニア臭、それを感じつつ彼は多大な罪悪感を背負った。
なぜアッシュがここまでの筋肉を得たのか?
それは彼の特殊な事情が関係していた。
普通ならばこの学院の生徒はアルビオンの森(とくにケツ龍皇とは関係ない)でマザー・ドラゴンによって体内にドラゴンの幼生を宿しその証として<星刻>をその身に刻まれるのだが、彼の場合はそれが大きく違っていた。
なぜならば彼の<星刻>はまるで蛇がのたうち回るかのような意匠をしており周囲の人間から気味悪がられ敬遠された。
そして先ほどの男子学生の言葉の通り彼にはドラゴン、もとい相棒が未だに目覚めていないのである。
それが拍車を掛けてしまい彼は学院のすべての人間からから問題児の烙印を押された…。
周囲の人間から敬遠され軽蔑され暗澹たる日々を暮らすアッシュだったが彼は折れなかった。
(俺には
…それなら!)
他のことで皆を見返して見せるッッッッッ!
それからはもう修練の日々であった…。
学院内にあるボランティアのチラシを見つければ片っ端から応募して参加。
それどころか自主的に学院の肉体労働に手を貸し、すべての講義が終われば学院に内緒で滅多に人が来ない街の北側の川の土手の下で三人のおっさん連中の土木作業を手伝った。
そして自由な時間が有れば勉学と筋トレに費やした。
ボランティア…学院の肉体労働…バイト…自主練が終われば又ボランティア…と
この生活を繰り返すこと約9年…いつしか彼は
muscleになってしまったのだ!
…がむしゃらに突き進んだ結果がコレである。
すべてに気がついたときはすでに遅かった。
そう、彼は元の中性的な容姿を失ってしまったのだ。
おまけに彼が筋肉モリモリマッチョマンと化したせいで今度はありもしない噂話が流れ初めてしまった。
やれ教官をぶん殴っただのやれ魔獣に挑んで叩きのめしただの地下闘技場で賞金を荒稼ぎしているだのととにもかくにも出鱈目な噂話が尾ひれどころかジェットエンジンが搭載されてしまいついには話を聞き付けたどこぞの女性
ちなみに聖天竜騎士は騎士国では数少ない存在であり人々の憧れの的である。おまけにその女性はある騎士団の団長だったのだ。
もちろん結果はその女性の勝利だがアッシュはあろうことか彼女の着ている
勿論、その女性聖天竜騎士の面子を保つため学院側は両者の了解を得て勝負の内容を有耶無耶にしたが、人の口に戸は立てられぬ
とはよく言ったもので勝負の内容が学院どころか王都まで流れてしまったらしい。
結果、アッシュ・ブレイクという少年はやべーやつ認定されることとなった。
「もうすぐ騎竜祭だったな。」
相棒がいないという事情から彼はたった二人の友人からドラゴンを借りて実技の授業を受けていた。
どういう訳かアッシュは他人のドラゴンを乗りこなせるのだ。
それに事情が事情であるため勿論学院の許可は得ているのだが。
「やっぱ姫様に謝るべきだよなぁ…あの事…」
彼の頭を悩ますのはドラゴンのことでなく数日前の授業のことであった。
数日前の騎竜の授業で彼は友人のドラゴンを借りて授業に望んでいたがその日は運悪くドラゴン同士で接触してしまったのだ。
教官から「接触はアーダメダメ!(西田◯行)ドラゴンこわれちゃ~う!」と注意喚起するほどである。
最も接触事態はそこまでのモノでなく軽いものであったが接触した相棒の騎手がいけなかった。
接触してしまったのはロートレアモン騎士国の第四王女シルヴィア・ロートレアモンの
他のラノベならば優しいヒロインムーヴをキメて笑って許すとこだろうが、ランスロットを溺愛するシルヴィアは果たせる哉激怒した。
「お前は授業をなんだと思っている!?遊び半分で授業に望むなど甚だしいにも程があるあるぞ!」
彼女が生真面目すぎる性格が拍車を掛けアッシュを激しく糾弾した。
他の生徒たちは「そこまで怒る必要ないだろ…」と心の中でで思っていた。恐らく教官も同じ事を考えていたのだろう。
いかんせん彼女がこの国の第四王女だという事実が災いし誰も諌めることができなかったのだ。
ちなみに教官の横に立つアッシュにドラゴンを貸した友人は「よくあの筋肉ダルマに面と向かって話せるなぁ」と思っていたが。
「すまなかった、これは俺の不注意と怠慢が招いた事だ本当に申し訳ない」
アッシュはドラゴンから降りると究めて誠実に頭を下げて謝罪の言葉を口にした。普段ならここで彼女は矛を収めていただろうが不幸にも彼女は諸事情が重なり機嫌がよろしくなかったのだ。
「その筋肉でできた脳ミソで考えてみるがいい!貴様の学費、衣料費、食費、住居費、教材費!いったい誰が払っているとおもっているのだ!?」
「国民の税金だろう?知っているとも、だけど今それは関係ないんじゃないか?」
「違うのだ!私が言いたいのは国民の血税で穀潰しを続けているのが気に食わんのだ!」
「ああそうだな、俺は穀潰しさ。だがな、それに報いるためにも色々やってるぞ俺は」
「ふん!所詮そこいらのゴミ拾いくらいなものだろう!?貴様がどこぞ聖天竜騎士と戦って善戦したなどと聞くが所詮は噂であろうな!」
「いや…それはだな…」
「第一こんな腑抜けた筋肉ダルマが穀潰しを続けているのが由々しき事態だ!働かざる者食うべからず!我が家の家訓だ!さっさと退学したらどうだ!?」
「腹が減っては戦はできぬとも言うが?」
「論点をすり替えるな愚か者!」
「あーらら」と言いながら友人は呆れ返った。他の生徒もそうだろう最早これではシルヴィアのヒステリックだ。
皆、付き合わされるアッシュに珍しく同情した。
「まあ、謝ったのだからもういいだろ。足りないのならば幾らでも頭を下げるが…」
「謝ってすむ問題ではない!貴様、聞けばまだ
「…だからどうした?」
瞬間、アッシュの纏う雰囲気が変わった。
「地雷踏んだァ!?」と友人と他の生徒とあと教官が心の中で叫んだ
まだ見ぬ相棒の話に関しては彼にとっては看過できないモノなのだ。
最も今の今まで自分に対する罵倒暴言嘲笑は自分の不甲斐なさが原因と納得していた。
だがそれだけで済めばよかったがシルヴィアは地雷どころか魚雷を踏み抜いた
「主に似て腑抜けたドラゴンだな。いやあるいは、とっくに死んでいるのではないか?」
「おいっ!あんたふざけたこといってんじゃ…」と友人が言い欠けたその瞬間だった。
「今、俺の
威圧…否、それは恐怖だった。そう、恐怖である。恐怖ったら恐怖である。
「あ…あぇ…?」
シルヴィアの目の前に立つのは腑抜けた筋肉ダルマではなく激情に駆られた鬼の姿であった。
アッシュはシルヴィアに詰め寄り北◯の拳フェイスをよせた。
怒鳴り散らすことはないがかれは静かに怒っていた。
友人と他の生徒は、有り金溶かした顔になっており教官に関しては気絶している。無能だね。
「なんて言ったか聞いてるんだ。俺は」
「あぅ…あ…うぅ…」
シルヴィアはこれまでにない恐怖を感じていた普段は毅然とした態度をとっている彼女ではあるが元々臆病で泣き虫なのだ。
だからといって免罪符にはならないが。
彼女の足は震え唇は乾ききり呼吸は荒くなり目尻には涙が溢れそうになっていた。
彼女は自分が何を考えていたのかすらわからなくなってしまったのだ。
そしてその瞬間は訪れてしまった…。
「ひっ…あぇ…うぅぅ…」
「なぁ、答えるだけでいいんだ何て言ったのか…ん?」
「ひっぐ…ひっぐ…ふえぇ…」
「」
シルヴィアしまいには大粒の涙を流す。事情が事情のため誰もアッシュを責め立てなかったが問題はそのあとである。
彼女のすぐしたの地面に濡れたようなシミが現れたのである。
そして漂うアンモニア臭。
アッシュと友人、他の生徒は確信した。
彼女は失禁してしまったのだと…。
結局、そのあとは彼女のお目付け役のメイドが来てささっと片付けたがアッシュはその間自分の軽率さを恥じた。
すぐさまシルヴィアに謝ろうとしたがすぐにメイドに引き留められた。
授業は終わり際であったためお開きとなったがアッシュは激しく後悔した。
「やってしまった…」
「気にすんなよ」
頭を抱えるアッシュに友人は優しく肩てを置いた。
「けどなレイモン…」
「気にすんなっていってんだよ。あの姫様もいい教訓になっただろ?失禁したのは授業のまえにトイレに行かなかった彼女の落ち度さ」
後にこの『お姫様失禁事件』は表向きには無かったことにされたがやはり人の口に戸は立てられぬというものである。
シルヴィアをよく思わないでいる連中がそれをタネに陰口を叩くようになってしまった。
この事件で互いに傷が残ってしまったのは確かだろう。
アッシュは自分のつまらぬ意地で彼女の名誉に傷をつけてしまったことを後悔し、シルヴィアに謝ろうとしたが等の本人はアッシュを見ただけで逃げ出すようになってしまいズルズルと引き摺ってしまったのである。
どうしたら彼女に謝ることができるかあれやこれやと思案している内にあるチラシが目に入った。
騎竜祭のエントリーに関するものだ。
アッシュは、「これだ!」と思い付いた。
盛大な花火が野獣の咆哮のような音を立て大気を震わせる。
見ればすっかりお祭りムードである。
そこにアッシュと友人のレイモンとマックスが主にアッシュのせいでできたモーセの十戒状態の道を歩いている。
因みに金髪がレイモン、眼鏡が本体なのがマックスだ。
「なあマジで出るの?」
「そうだぞアッシュ。どういった風の吹きまわしだとか思ったが…」
マックスが眼鏡をを拭きながらそう言った。
「出るさ。そのためにレイモンのブリギッドを貸してくれと頼んだじゃないか」
「そうだけどさぁ。いきなり俺の部屋きてブリギッド貸してくれって言われたときはどうしたんだと思ったぞ?」
「ああそうだな、レイモンの部屋を片付けていた時に凄まじい顔で出て来たのだから驚いたぞ」
「あーそれに関しては…すまなかった…」
「まぁいいけど」
グラウンドには出場する選手とドラゴンが集まっていた。
アッシュも選手の一人だ。最も他の選手はアッシュを恐れて物凄く離れているが。
「がんばれよー」とレイモンがアッシュとブリギッドに発破をかけマックスは「死者はだすなよ?」とアッシュに釘を刺した。
やがて生徒の歓声があがる。
生徒会長の御出座しである。
紅の髪を靡かせ凛々しく舞台に立つ彼女の名は『レベッカ・ランドール』である。
いってしまえば彼女は一挙一動で生徒がいちいち反応するくらいの人気者なのだ。
「諸君!私はただつらつらと御託を並べるつもりは毛頭ない」
「おおっ」と生徒から歓声が挙がる。誰も彼も長い話などゴメンなのだろう。
「私は、このアンサリヴァンの伝統行事に君たちとともに居合わせることができたことを誇りに思うこの騎竜祭の結果は公式として記録が残されるのを皆は良く知っていることだろう」
レベッカは胸を張り豊かな二つの果実を揺らしそう告げた。
アッシュは「もしかしたらバストサイズ俺の方が大きいかもしれない…」と自分のmuscleに畏れを抱いた。
「よって、ここで一位になるのではなく私は過去の記録を皆に塗り替えて欲しいと思っている。その原動力として…」
「優勝者には、このレベッカ・ランドールと1日デートできる権利を与えよう!」
瞬間、男女問わず大きな歓声が挙がったがすぐに静まり返ってしまった。なぜなら…
「デート…か」
そう、選手たちは思い出した。あのバケモノが出場することを…。
デートという言葉を聞き微笑むアッシュであるが他の選手からは鬼神の嘲笑に思えてならなかったのだ。
もちろんレベッカもその限りではないもしかしたらあのトンでも筋肉必殺デーモンとデートするかも知れないからだ。
「えっと…とにかく、次は出場選手代表の言葉だ!
シルヴィアが金髪と豊かな乳房を揺らし舞台にたったもののその表情は絶望そのものだったという…。
(あーでもない…こーでもない…)
レース開始の時間、アッシュはひたすら謝罪の言葉を考えていた。
しかし他人から見れば勝負に望むグラップラーの表情だ。
「おい、アッシュ!」
「ん?あ…レイモンかあとマックス」
「人をついで扱いとは失礼だな」
「なあホントに優勝して謝るのか?」
「してもしなくても…だ。表彰式なら接近できるチャンスは幾らでもあるさ」
わざわざ観客席から身を乗り出す友人二人にアッシュは肩をすくめそういった。するとマックスが眼鏡の縁に手を宛ながら言った。
そう、彼は出来れば優勝して表彰台に立ってシルヴィアに接近して謝罪するつもりなのだ。わざわざこんな方法をとるのは彼女がアッシュを見ただけで逃げ出してしまうためだ。表彰式の場なら生真面目な彼女なら逃げ出すようなことはしないだろうと彼は思っていた。
「アッシュ…力んでお姫様にトドメを指すなよ?」
「お、おいマックス…冗談だよな?」
「ああ冗談だ…ははっ」
「ンモー」
そんな二人の掛け合いのお陰でアッシュは緊張がほぐれるのを感じた。そしてスタート直前の合図が鳴り響く。
「ああ、善処する」
「おう、気を付けろよな!」
「いいか!絶対死者はだすなよ!」
「わかってるさ」
アッシュは誇らしき友人二人にサムズアップをして見せた。
「On your mark!」
生徒会長レベッカの声が鳴り響く…そして…。
「なあマックス」
「どうしたレイモン?」
「思ったんだけどさ」
「うん」
「わざわざ俺のブリギッドに乗らなくてもアッシュ走って優勝出来るんじゃね?」
「フッ…確かにな」
「「HAHAHAHAHAHAHAHAHA!」」
ヤケクソに笑いながら彼らは誇らしき友人一人の武運を願った。
エーコちゃんは次回に持ち越しです。ゆるして。