異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》   作:獣の爪牙

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「ありがとね、鳩子ちゃんだっけ?」

「櫛川鳩子と言います。よろしくどうぞ」

桐生さんのポットがあるな、の言葉でお茶でも飲みながらということになった。

お茶汲みといえばで鳩子がお茶を振舞ってくれた。

 

「んでこっちのなんでも創れる万能っ子が……」

「千冬」

千冬ちゃんにはイスが足りなかったため斎藤先輩に普通のパイプイス、桐生さんには本人の強い希望で魔王が座ってそうな玉座を創ってもらった。

「千冬か、気に入ったぜ。おれたちの元に来ないか?」

「むり」

あまり穏当ではないやり取りに少し落ち着かないが即答で断ってくれてホッとした。

「一くん、そんな簡単に行くわけないでしょ」

「いやだってよ、ワープゲートも創れるっていうじゃねーか。なんだよワープって。ぶっちゃけずるくね?」

「それは確かにそうだけど……」

「じゃ分かった、この玉座だけくれ」

「……いらないからおっけー」

千冬ちゃんの許可が下りた。

 

まさか本当にくれるとは思ってなかったのか桐生さんは目を見開いた後、小さくガッツポーズをした。千冬ちゃんに礼を言った後、

「決めたぜ。今度からこいつはアジトのおれ専用席にする」

と、完全に玉座に心を持っていかれていた。

それに対しておれは

「外観もさることながら、座る所綿で創られてるんで座り心地もいいと思いますよ」

「うっわ、マジだ。やべー。寝ちゃいそうだ」

桐生さんは嬉しい悲鳴をあげている。

「黒いコートと桐生さんの雰囲気がよく似合ってます」

「かかっ。そうだろ?」

一でいいぜと桐生さんは手を伸ばしてきた。

「じゃあおれは寿来で」

そう言い、その手を掴んだ。

 

「とまあ、男共はほっといて。すごい大人っぽいあなたが」

「部長の高梨彩弓です。以後よろしくお願い致します」

「安藤くんと一くんの妹さんは知ってるから紹介はいいよ。それでこっちの精霊の子は」

「リーティアよ。よろしく。自己紹介も済んだみたいだし、バカに構ってると話が進まないからどんどん行くわよ」

 

一さんとおれの方を向きながら言われた。

悲しみ。

 

「さっきのリアクション見ると精霊を見るのも初めてみたいだから一から話すわ。この戦争は別世界のあたし達精霊の偉い人達が始めたあんた達の世界で言う所のコロッセオね。で、ただ戦わせるだけじゃつまらないから、選ばれた奴に一つ能力を与えた。これが異能。ここまではオーケー?」

 

「ちょっと待って……」

鳩子は混乱し、灯代が異を唱えるも、

「灯代さん、口を挟みたくなるのは分かりますがまずは一通り聞きましょう。その上で分からない事があれば私が質問しますから」

 

「……分かりました」

灯代は納得してくれたみたいだ。

 

「話が早くて助かるわ。それで肝心の戦争の内容だけど」

とそこでリーティアの表情が真剣味を帯び、嫌な予感がした。

 

「このバトルは生き残りを懸けた殺し合いよ。そして最後まで残れば願いが叶うとされているわ」

 

生き残りを懸けた殺し合い。

文芸部のメンバーは安藤を除いてみな固まったように動きが止まった。

 

一番外れて欲しかった情報が正しいと言われた。もう後には戻れないかもしれない。

 

窓を見ると空には暗雲が立ち込めていた。

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