歌女と黄金の王(仮)   作:破滅竜ファントムブラスター

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修正 4話

 現場から姿を消し元の森の中まで移動した後、先程の現場を千里眼を使って確認する。

 

「まだあの警報が鳴ってるなか彼処に行くとは……先程の愚物ノイズに関係があるものか?」

 

 何人も同じ服の人間が辺りを調べており、ノイズの残骸等を回収している。さらにその中には一際異質気配を放つ二人の女子がいる。

 

「あれも黒服の関係者なのか?……まだ子供に見えるのに周りの奴より強い気配があるな…」

 

 あの手の者たちとは関わらないの吉だろう。もしかしたら先程の戦闘音を聞き付けたのかもしれない。

 

「やはり、早く必要最低限の出力を理解するべきだな。

 

……それにしても拠点を用意せねば…」 

 

 現在、ギルガメッシュの体に転生した俺は拠点もなければ金もない状態である。Fateと違い、使い魔サーヴァントとして呼び出されたわけでなく、完全な肉体を持ているのだ。腹もすくし寝床だって必要だ、幸い寝床変りになるものなら宝物庫あるが金は無い。どうしたものか………「ガン」…む?

 考え事をしながら歩いていると足に金属質な物が当たり、音をたてる。その音が鳴った方に目を向ける。

 

 それは森の中では異質な1m程の黒い立方体の箱だった。

 

表面はツルツルとした物で鏡のように周囲を反射していて、繋ぎ目など全く存在しない。調べるために指先で少し触れると箱から光が放たれた。

 

 

 

『あぁ!やっと繋がった!師匠繋がりました!』

 

 映ったのは十代の少年であった。だが、全くもって見覚えなのない少年で、その少年が後ろに手を振り大声をあげ誰かを呼んでいる。すると奥から見覚えのある老人が画面に映り始めた。

 

「む?貴様は……」

 

『ひさしぶり、と言うべきかのぉ。それともはじめましてか?ギルガメッシュ』

 

 この世界に転生させた爺さんだった。

 

「また会うことになるとはな。それで?今さらどうした?」

 

 というか早く通信を切りたいと思ってしまう。以前は思わなかったがこの爺さんとあまり関わりたくない気持ちが顔に出てしまう。

 

……ふむ、意識はあるが感覚は体に依存してるか…ワシからは既に力を与えたが本来、お主に力を授けねばならない奴がやっと時間を作れたのでな最後の受け渡しの為に繋げたのじゃ』

 

「…先程の奴か?」

 

『ひゃ!ひゃい!こ、こ、このたびは僕の不始末で申し訳ごじゃいましぇん!!』

 

 爺さんが画面から退き、最初の少年が前に出て謝ってくる。ものすごく噛んではいるが……。

 

「……あぁ、始末書を書かされてた者か」

 

『うぐっ!……はい、そうです』

 

 始末書のことは思い出したくないのであろう、少年の言葉じりからその感情はありありと伝わる。

 

「それで、貴様は(おれ)にどうしたい?何が出来る?」

 

 この少年がいったい何が出来るのかそこがわからないと受けとることは出来ない。下手をすれば宝物庫でことが済んでしまうかもしれないから。

 

『師匠のように転生などは出来ませんがそちらに物を送ったり、何かを改竄かいざんしたり、ちょっとした加護を与えたりとかですかね』

 

 加護の辺りで体に蕁麻疹が出そうになってしまった。まぁ、神嫌いギルガメッシュの体なのだから神から加護なんて唾棄するべきものなのだろう。

 

 とりあえず、宝具でも出来るだろうが面倒だからこいつらに任せるか…

 

「なら、この世界に我の戸籍を用意しろ、あと幾らかの金銭もだ」

 

うわぁ…さらっと面倒なこと言ってきたよこの人……。えっと、戸籍はいいんですがお金ですか?それなら持ってる宝石とか売ればいいんじゃないですか?』

 

 戸籍は了承させたが金銭の部分で不満を見せてきた。たぶん、本物の英雄王ギルガメッシュと会ったことは知らないのだろう……。王との契約を守る為にここは譲ってはならない、少し圧をかけるか。………あと、聴こえていないと思ってるようだがしっかり耳に届いているからな。

 

「ほぉ…?貴様はこの我の財を出さして経済を壊滅させてやろうと言うのか?なるほど、自分よさのやらかしが今回の事態になっているのにその尻拭いを上司どころかあまつさえ我にやらせようとはな不敬であるぞ雑種!

 

『ひぃ!す、すびばせん!よろこんでやらせていただきます!はい!』

 

 少し口調を強くしただけで半泣きの状態で奥へと走っていく少年。やはり、あの手の圧にはなれていないようだ。すると画面にあの爺さんが映り出した。

 

『……全くあまり圧をかけないでもらいたいのぉ、勢いでポックリ逝ってしまうかと思うたぞ』

 

「ぬかせ、あの程度ではびくともしなかったくせに喰えぬ爺よ。あの小僧はあれでいいのか?」

 

『かまわん、かまわん。これも勉強の内よ。では伝えることも伝えたし終わりとするかの。少しそこにおればお主の要求したものは手にはいるであろうよ』

 

 からからと笑う老人を最後に写し画面は暗転した。

 

数分後、黒箱は光と消えその場にはひとつのアタッシュケースだけが残った。

 

 

 

 

 

【とある不動産屋】

 

 私はそれなりに大きな不動産屋を経営している。

 

 今日その店に若い男がやって来た。金髪で顔が整っており日本人離れした者だった。だが、見た目に反して服装は実に質素だった。とくに汚れなどはないが普通にそこら辺で売っているジャージに身を包んでいる。周りにいる他の従業員に目を配らせるが暇してる者はいないのか目を合わせる者はいない、…私しかいないのか……。

 

「本日はどういったご用件でしょう?」

 

「貴様の持つ一番いい土地を寄越すがよい」

 

 ……あぁ、これめんどくさいタイプだ。

 

「と、言われますと土地のご紹介でしょうか?ご利用内容はどういったもので…」

 

「貴様には関係無かろう」

 

 ああぁーー、誰か変わってくれぇ!この客めんどくさいよぉ!!

 

「いえ、事と次第によっては他のところにも連絡せねばなりませんので…」

 

「……拠点を建てる。他の業者は要らん、こちらでやる」

 

「(拠点?言い方がずいぶん変わっておるな……、外人だからか?)さようですか。では少々お待ちを探して参りますので。」

 

 

 

 

 

「お待たせいたしました」

 

 数分後、数枚の紙を持って青年のもとに持っていく。受け取った青年は無言で数枚めくる。

 

「………貴様、この我をなめているのか…」

 

「いえ、決してお客様のことをないがしろにするようなことは」

 

「ならばなぜ一番いい土地(・・・・・・)を紹介しない」

 

「そ、それがお客様に渡せる最高ランクの…」

 

「奥の棚にある黒金庫の二段目…」

 

「!?な、何故それを……」

 

 その中にはこの店一番の一等地の情報がある。何故このような若造が!

 

「この我を見くびるなよ…、それともこれ・・があれば問題が無いか?」

 

 カウンターの上にひとつのアタッシュケースが置かれた。………こんな大きな物を持っていたか?

 

 男はこちらに中身が見えるように開け、私はその中の物に驚愕し声がでなくなってしまった。

 

「な、な、え、え!」

 

「疑うのであれば手にとって確認するがいい」

 

 恐る恐るアタッシュケースの中からひとつの束を取り出し、パラパラとめくる。

 

「(み、見せ掛けではなく本物!こ、これ全部!)わ、わかりました、すぐに用意いたします!!」

 

 

 

 

 

「ならばこれを貰おう。金はそこから取るがいい」

 

「か、かしこまりました!これが証文でございます」

 

「ふん、ではな」

 

 男は証文とアタッシュケースを取り店から出ていった。

 

「いったい、どこのおぼっちゃまだよ………はぁ…」

 

 たった、一日の数十分て数日の疲れが出た気分だ……。もうたいした事では驚く気がせんぞ、それくらい濃い客だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後・・・

 

 

 

「ふぁぁぁあああ!!!!」

 

 売り渡した土地に立派な巨大ビルが建っていた。

 

 


 

 

【ギルガメッシュ】

 

 ふむ、これで土地は手にはいった。拠点自体は宝物庫の中に有ったから広大な土地さえ用意出来ればよかったからな……。あと必要なものは……

 

 

 

ウウウウウウウウウウウウウウウウウ

 

 

「……この我の気分を不快にするか…雑種!

 

 買った土地に向かって歩を進めてるとあれノイズが現れたことを知らせる音が街中に響く。

 

 さらには、その存在は目の前の森から現れ出す。

 

「ちょうどよい、貴様らに対する武器の裁定をしようと思っていたのだ」

 

 幸いこの辺りは人通りが少ないのか逃げる人間がいない

 

「精度を下げてやろう…精々、我を楽しませろよ…」

 

 


 同時刻

 

 

 

 

 

「ノイズの反応パターンを検知!」

 

 ここ最近増えつつあるノイズの出現を検知し特機部二(トッキブツ)内で少し騒がしくなる。

 

「現場に翼たちを送れ!我々は近隣住人の避難に当たるぞ!」

 

 

 

「!司令!付近に高エネルギー反応を検知しました!!」

 

 

 

「これは、以前観測した!」

 

〔 UNKNOWN 〕

 画面に表示されるUNKNOWNの字、以前ノイズをシンフォギアとは別の力によって倒したされる者の唯一の手がかりである。

 

同時刻

 

 

 

「前回よりワンランク質を下げたのだ、簡単にはくたばるなよ」

 

 開く砲門は前回と同じ十門で砲門からのぞく短剣、小剣の類い。全てがCランクそこそこ。眼前の敵は5倍の五十、前回は砲門の倍の数はあっさりと倒せたことからそれほど強くない相手にこれならどうなるかと思いつつ武器を放出させる。

 

 

 

「……威力は問題はない、手数もさしずめ問題ないか」

 

 宝剣一本につき2~3は余裕で倒していき目の前の敵は徐々に数を減らしていく。

 

「む?」

 

 あと少しで地上にいたノイズを倒しきる時に異変に気づいた。

 

「ほぉ、空を飛ぶ奴もおるのか……」

 

 空中にはさらにコウモリのような形をしたノイズが十体ほど…、

 

「だが、この我を見下ろす等を万死に値するは!戯けめ!」

 

 今まで地上に向けていた砲門を半分ほど上側にずらし射出する。地上ほど密集している訳ではないので幾つか当たらずに消えるが射出される武器に限りはなく地上を掃討する頃には空中のほうも片がついた。

 

「なかなか有意義な時間であった。フ、ハハ、ハハハハハハハハ!

 

 

 

 ノイズが出た時は不機嫌になったが後々必要になるであろう情報を手に入れることができた事に思わず口が緩み、笑いが漏れる。

 

 

 

 本部からの通信から数分後、現場についた機部二(トッキブツ)のスタッフと翼、奏の奏者二人。

 

「今回も手遅れか…」

 

「そうね。でも幸い被害者はいなさそうね」

 

 昼を過ぎ夕方に差し掛かる現在。もともと街からすこし外れた通り道、ノイズの残骸と思われる炭素のみ。その中には人型のような物はなかった。

 

「だな。それに翼、あれを見てみろよ」

 

「これは以前と同じクレーターね。でも以前より被害が小さい?」

 

「たぶん前回は大技、今回は小技がメインだったんだろうな」

 

「なるほどね。……奏あれ!」

 

 翼が指を指す方向に目をやるとそこには一台の防犯カメラがあった。

 

「カメラか!今回の奴の正体がわかるかもな!」

 

「そうね。叔父様には私から連絡しておくわ。奏は他に前回と違うところ探しておいて」

 

「おう、任しとけ!」

 

 

 

 


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