復讐の刃   作:彼是

2 / 9
短編なのでプロローグから凄く飛びます。

酷い戦闘バランスが含まれます。
わかりにくい表現もあるでしょう。
意見などがあれば下さい。次回の作品に影響させます。


準備はいいですか?俺は出来てる。



決戦の時

「ふざけるな!許せるものか!こいつ…こいつは!俺から全てを奪ったんだぞ!村を!友人を!両親を!………ロザリーも!」

 

 白く大きな広間の中心で真っ黒な邪悪な魔剣《ネクロス》に寄生された左耳にピアスを装備した長髪の男が鬼神の如き表情で叫んだ。

 この台詞を聞き、左目に【竜の牙】柄に竜の意匠が施された専用の剣【真魔剛竜剣】を装備した壮年の男は後悔の念に駆られる。

 

「【ピサロ】……」

 

 そう呟いた少年は相当ダメージを負ったのか、ボロボロの身体を光り輝く専用の剣【ダイの剣】を支えに立ち上がろうとする。知り合いと両親が殺し合いをする光景を想像してそれを止めようと気合を入れ立ち上がる。

 

「ふん…余計な事を…」

 

 少年と交戦し腹を裂かれ、中から黒く輝く核昌(コア)が見える様々な魔物の特徴を得た【超魔生物】の男が忌々しそうに呟く。

 しかし男にとってもある程度助かった。強力な自己再生能力を使い身体を治し、一対一で宿命の男と全力で戦いたい。しかし大魔王への忠誠がそれを許さない。残り僅かの命を燃やし大魔王の忠誠と武人の願いを叶える。それが、不気味な男(ピサロ)が乱入してきて、そいつが邪魔な男の相手をする事に異論は無い。

 

「もうすぐだ……もうすぐ…………みんなの仇を討つんだ……」

 

 魔界でも見かけない程の魔剣を持つ男…ピサロは虚ろな目で宿敵である【バラン】を見ながらぶつぶつと呟いている。その光景は異常そのものだがピサロの持つネクロスからギョロリと目玉がいくつも出現し、触手が右半身を侵食し黒く変色していく。

 寄生しているネクロスはドクンドクンと鼓動し、凄まじい暗黒闘気を放つ。その影響が全身に様々な変化が起きる。

 左目は真っ赤な複眼になり、両肩から魔物の腕が生え、右手は深く裂け再生し肌がむき出しになる。身体は蠢き、触手が血管を駆けずりまわる。

 急に進化した為、肉体の一部に亀裂が走る。特に腹部に大きな傷が出来る。その傷はじわじわと再生するが、傷からは不気味な呪詛が聞こえてくる。

 

 知り合いの異常な光景に少年【ダイ】は思わず後退してしまう。ダイの人生は言うなれば光。酷い人間もいるにはいたがほぼ全ての人間が心を入れ替えている。彼の人生にここまで壊れた人間は居なかった。ダイは人としての本能でわかってしまう。この人はもう戻れない。

 

「………」

 

 身体を治していた男【ハドラ-】はこの不気味な男を思い出していた。かつて参謀だった『ミストバーン』に聞いた人間だ。自分もダイに固執し執念で生きていると言っても過言では無いがこの男に比べると本当に執念で生きているのかと疑問に思う。

 

「クッククッ」

 

 思わず笑ってしまう。地位を捨て、魔族の体を捨て、プライドを捨てもダイに勝ちたい。その為に生きていたがこんな事を気にするのか。俺もまだまだのようだ。

 

「うおおおおおおーーーーッ!!」

 

 ハドラーはそんな事を吹き飛ばす様に高熱を持つ闘気【魔炎気】を全身から放つ。地面が吹き飛び、肩の生体バーニアが開き、魔炎気が勢いよく噴出する。その高温と莫大な闘気に近くにいたダイは高熱で顔を顰める。

 

「ハ、ハドラー…」

 

 ダイはこの状況でも闘気を纏わせ戦う意志を持つハドラーに驚愕する。

 ハドラーの身体には魔界でも危険で誰も使おうとしない【黒の核晶】と呼ばれる爆弾が核と融合して、その影響で寿命がもう余りない。残り少ない命を削り、宿敵であるダイと決着をつけようとしている。

 しかしハドラーに黒い核晶を埋め込んだ【大魔王バーン】は魔法力を注ぎ、いつでも爆発させる事が出来きる。ハドラーの意思に関係なくだ。

 

「……」

 

 ダイは剣を強く握る。ハドラーは俺と全力で戦いたいと、全てを捨てる覚悟でここにいるのに俺はどうだ?【黒い核晶】が誘爆する、その為に全力を出せずにこのまま本気になれずいる。更にピサロが実の父であるバランを殺そうとしている。

 ハドラー(魔王)は決断した。ピサロもバラン等よりも(勇者)と決着をつけたいと……

 

「…………」

 

「い、いかん!」

 

 バランはダイを止めようと声をかける。黒の核晶は臨界寸前だ。ダイの持つ【竜闘気(ドラゴニックオーラ)】では黒の核晶が誘爆してしまう。もし爆発してしまえば、この死の大地に致命的なダメージを与え、地上まで吹き飛ぶだろう。

 【竜の騎士(ドラゴンのきし)】ではバランとダイだけならば耐えられる可能性はあるが地上で戦っているダイの仲間は必ず死ぬだろう。

 

『大丈夫……だと思う。今、遠隔で爆発させないって事はまだ時間はあるはずっ』

 

『!?……確かに先ほど爆発させらられば二人共危なかっただろう。…しかし!』

 

「バァァラァァンッッ!!」

 

 二人が思念波で会話している間にピサロの変貌は終わっていた。先ほどは飛翔呪文(トベルーラ)でここまで来た様だが、今ではボロボロのスカイドラゴンの翼が生え浮いていた。更に全身の色が黒緑に変色したネクロスは二回り程肥大化していた。

 

「ッ!」

 

 バランは迫り来るネクロスを神々が作りし最強の剣、真魔剛竜剣で受け止める。真魔剛竜剣はオリハルコンで出来ており、呪文を弾き、世界で一番硬い。更にバランは人、竜、魔の神々が作りし最強戦士竜の騎士(ドラゴンのきし)だ。

 

「!?お、おおおっーーッ!!」

 

 バランは攻撃を受け止めた瞬間に驚愕し踏ん張り、完全に防御体制を取る。その行動に一番驚いたのは、嘗て死闘を繰り広げた息子ダイだ。ダイは自分が知っている中でバランは特別であり、様々な問題があるがその圧倒的な強さは誰よりも信頼している。

 

「ぐっ……なめるなぁっ!!」

 

 バランの額に竜の騎士(ドラゴンのきし)の証であるドラゴンの紋章が浮かび上がり、バランは竜闘気(ドラゴニックオーラ)を纏いネクロスを折ろうとする。

 

「殺す……殺してやるっ!!」

 

「な、なにぃ!?」

 

 竜闘気(ドラゴニックオーラ)とは特殊な闘気だ。ほぼ全ての呪文を弾き、巨大な闘気で貫く以外ダメージを与えられない。更に攻撃力に関しても武器の素材がオリハルコンでなければ、その膨大な力で耐えられない程だ。

 

 

 その竜の騎士(ドラゴンのきし)であるバランが神々が作り真魔剛竜剣で折ろうしてもネクロスは折れることは無かった。

 

 

 

 

 

[ば、馬鹿な……]

 

 大魔王の居城である大魔宮(バーンパレス)の王座に白い闇の衣に包まれた【ミストバーン】の不気味な声が響く。

 ミストバーンは口少なく、一度口を閉ざせば数百年口を聞かないと言われるミストバーンが映像を見て動揺している。

 

「…ふ……ふふふっ……」

 

 

 王座に座る、額に鬼眼を持つ老魔族である大魔王バーンは妖しく笑う。彼からすればこれは全て遊戯。老魔族であるバーンは悠久に近い時を生きた。更にその殆どを地上の侵略の為に費やした。

 更に言えば魔王軍を作り、率いて地上を侵略したが戦力的にはミストバーンとバーンのみで地上侵略は事足りたのだ。

 全ては遊戯。もし魔王軍の中で頭角を現し、後の天界の神々との戦いに参加出来る者が現れればいい。その程度の事なのだ。

 

「まさかあそこまで強くなろうとは……よい拾い物をしたものだ」

 

 バランの妻ソアラが人間に殺され、怒り狂ったバランがアルキード王国を滅ぼした時に拾った青年がピサロだ。バーンはバランを勧誘すると同時にバランの事をピサロに伝え、鬼眼の力を与えた魔剣ネクロスを与えた。

 その後ピサロは鬼眼の力で進化に進化を続け、遂にバランに迫った。彼は様々な魔物を喰らい取り込み、既に人間では無い。

 

「暗黒闘気だけではないな。執念…ハドラーもそうだが想いと言うのは存外馬鹿にならんな」

 

[………想い……]

 

 ミストバーンはバーンと共に魔界から来た。自分の全てをバーン差し出しているミストバーンは主に言葉に考えを深める。

 過去、ヒュンケルと呼ばれる少年を拾い教示した事がある。そのヒュンケルも才能も素晴らしく、両親の敵を討つ為に生きる執念を持っていた。

 

 

 

 ピサロが何度切りかかろうとバランは膨大な経験を元に巧みに受け流してく。その度にピサロの顔が歪み、ネクロスが振るえ禍々しさを増していく。

 

「ギギギッ……殺せ……殺せ……殺せ」

 

「ッガガヵァ!!」

 

「ぐぐぅ……。何っ!?」

 

 バランが振りかぶられたネクロスを真魔剛竜剣で受け止めたが、ピサロの背中からもう一本ネクロスが飛び出てきてバランを襲う。

 咄嗟に紋章閃と呼ばれる紋章から闘気を集束してネクロスの軌道を逸らすが少し肩を切り裂く。

 

「はぁっ!!」

 

「っぐ……」

 

 バランはピサロを蹴り、距離を取る。竜闘気(ドラゴニックオーラ)で包まれたバランの身を切り裂いたネクロスは歓喜の雄叫びを上げる。

 

「ギギギャギャァ!!」

 

「は……ははは……はは……」

 

 ピサロは壊れた表情のまま歓喜の涙を流す。傷つけることが出来た。殺す事が出来る。ピサロの全てを大陸(王国)ごと吹き飛ばした化け物に傷をつけた。その真実に驚愕しているのはピサロだけではない。

 

 

 

 

「そ、そんな……」

 

 ダイはハドラーとの戦いを消極的にこなしていた。誘爆の可能性がある以上、威力のある攻撃が出来ない。更にピサロの件もあり、どうしても後手に回っている。

 更にあのバランが傷付いた。その真実に焦りを覚える。

 

 過去、バランと戦いではバランの竜闘気(ドラゴニックオーラ)を破る為に未熟だったが勇者ダイと獣王クロコダインの必殺技でやっと貫けるほどだった。

 

「余所見とは……余裕だなダイ!!」

 

「!?ぐっ……」

 

 ハドラーが腕に仕込こんだ破邪の剣でダイを吹き飛ばす。ハドラーの一言で咄嗟のガードが間に合ったのでダメージは殆ど無いが回復する隙が無い。

 ピサロが乱入する前の傷すら治せていないので体力も相当減っている。

 

「はぁ…はぁ……」

 

「どうした!なぜ反撃してこない!」

 

「っ………」

 

 ダイは咄嗟にハドラーに真実(黒の核晶)を伝えそうになるが口を閉ざす。ハドラーが真実を知ればバーンに反旗を翻すだろう。そうする前にバーンが黒の核晶を爆発させダイの仲間は死ぬ。

 その為、ダイはハドラーに対して打撃攻撃のみで応戦するしかなかった。

 

「ここに来て怖気づいたか!オレはお前の師の仇だぞ!本気だせダイ!」

 

「うっ…ううっ……」

 

(どうしたらいいんだ!このままじゃ本当に打つ手が無いっ……)

 

 バランの方も早々に決着が付くことも無く、時間だけが過ぎて行く事に焦りを覚えるダイ。その姿を見てハドラーは拳を強く握る。

 

「なぜだ!なぜ本気を出さない!オレは……オレはそんなお前と戦う為にこの身を魔物にしたのではない!!」

 

 ダイの消極的な戦いに、ハドラーは更なる闘志を燃やす。ハドラーは勇者ダイを評価していた。それこそ自分の全て(肉体)を引き換えしてでも決着をつけたかった。だからこそ、何故こうも戦いに消極的なのかわからなかった。

 始めの小競合いはそれなりに戦いに集していた。しかし今はどうだ?ダイは勿論、歴戦の戦士バランですら集中を疎かにしていた。それがハドラーには解せなかった。

 

 バラン達はハドラー達より上空で戦っている。その為ハドラーは一度、地に立ちダイに語りかける。

 

「……お前達が何故全力で戦わんのかは知らん。だが!オレには時間が無い!ダイ!容赦はせぬぞ!」

 

 そう言うとハドラーから魔炎気は噴出させダイに切りかかる。

 

「くっ!」

 

 ダイは剣で捌かずに真正面から受け止めてしまう。

 

「魔炎気!」

 

「なっ!?ぐっ…っぁ!」

 

 ハドラーから高温の魔炎気を浴びせられ、ダイは一瞬怯んでしまう。ハドラーへ竜闘気(ドラゴニックオーラ)での攻撃が出来ないダイは限りある竜闘気(ドラゴニックオーラ)を温存する為、竜闘気(ドラゴニックオーラ)を纏っていなかったのだ。

 

「【爆裂呪文(イオラ)】!」

 

「ぐっぁぁ!!」

 

 ハドラーの溜めが無い【爆裂呪文(イオラ)】でも今のダイには十分なダメージになる。吹き飛ばされたダイをハドラーはバーニアを吹かし追いかけ、右拳で顔を殴りつける。

 

「はぁっ!」

 

「ぐっ!!」

 

 ハドラーは床に叩きつけバウンドさせ再度ダイを殴りつけ踏みつけ地面に陥没させる。油断せず間髪居れずダイの腹を蹴り飛ばす。 

 壁に激突したダイにパラパラと壁の破片が落ちてくる。ハドラーは追撃に両手で火柱を起こし、【極大閃熱呪文(ベキラゴン)】を放った。

 




ロト紋大好きなんですよね。敵がガチで殺すきで来てる感じが……

プロットの練習にオススメな作品があれば教えてください……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。