アズレン2周年‼(遅刻)
アズールレーンクロスウェーブ発売記念‼(遅刻)
モンハンワールドアイスボーン発売記念‼(遅刻)
勢いでやってしまった
水平線の果てへ広がる大海原。
そこには陸地すら見えず青い景色だけが広がり、日に照らされて輝き、ただ波が揺れる音だけが響き、静観としていた。
何もなく果ても見えない静かな海面にふと波が揺れた。一筋の小さな波が漂いだしたかと思えば次第に波が連続して揺れ始める。それだけではなく、どこからかザザザと波を切るような激しい音が近づいてきた。
すると白波を起こしながら海上を大きな物体が通り過ぎた。その形は大きなシュモクザメの形を模した船のような形をしたものだった。
よく見るとその船のような物体の上には自身の身長よりも長く伸びた銀髪のポニーテールをした色白の肌の少女が乗っていた。
黄土色の瞳の少女は苛立ちながら後方を睨む。彼女の睨むその先、そこにはこの少女を追うように海上を駆ける人の姿が見えた。
ある者は海軍の軍帽を被り肩に大鷲を乗せ、ある者はどこか貴族のような騎士の出で立ちをし、ある者は鬼のような角を生やしており、またある者は動物の耳を生やし、ある者は体を覆うマントを羽織り、そしてある者は怪物の形をした鉄の塊をつけていた。
異様な姿ではあったが共通することは大小様々な火砲、を身に着けて海上を駆けており、そしてその六人は女性であるということ。
軍帽の被った長い銀髪の女性が大弓を構え、狙いを定めて矢を射った。放たれた弓矢は勢いよく飛ぶとその最中で火を纏うと5機の小さな航空機に変貌した。
航空機達は追っている少女へと飛んでいくと取り付けていた鉄の玉をバラバラと落としていく。海面に落ちれば水柱を立たせて爆発を起こす。鉄の玉はどうやら爆弾のようだ。
少女はシュモクザメの形をした船を巧みに操り航空機から落とされていく爆弾を躱していく。うまく躱すが落とされた爆弾の数が多いためか船にあたりわずかな損傷を受けた。少女は舌打ちして後方を睨んだ。
「ったく、しつこいなぁ‼」
少女は船を旋回させて迎え撃つ形に移ると船の腹びれの部分に取り付けられている砲塔から砲弾を放った。砲弾は弧を描き追手の彼女達へと落ちていく。
「敵の砲撃、来るぞ!」
「わわわっ⁉あぶないっ⁉」
軍帽の女性の注意でこちらに砲弾が飛んでくることに気付いた動物の耳を生やした少女は慌てて砲弾を躱す。それを皮切りに彼女達に向けて何度も砲弾が飛んできた。巻き上がる水柱と水飛沫を潜り抜け、軍帽の女性は角の生えた女性と騎士のような出で立ちをした女性へと目を向ける。
「金剛、ウェールズ!頼んだ!」
角の生えた女性、金剛と騎士風な女性、ウェールズは頷くと装備している大きな火砲を動かして照準を定める。
「狙いは定まっていますわ!」
「外さない…っ‼」
二人の火砲から大きな轟音とともに主砲が放たれる。勢いよく飛んでいく砲弾はシュモクザメのような船に直撃し船体が揺らぎ、黒煙が舞い上がった。
「っ!?この…調子に乗ってんじゃないわよ‼」
少女の怒りとともに船体に備わっている火砲が激しく何度も砲弾を放ちだした。飛んでくる激しい弾幕にマントを羽織った女性は好戦的な笑みをこぼす。
「どんどん畳みかけていくぞ!島風、オイゲン、行くぞっ!」
「わわっ!?クリーブランドさん、待ってくださいっ!」
「……」
砲弾を撃ちながら颯爽と駆けていくクリーブランドに続いて島風はあたふたとしながら、オイゲンは黙ったまま頷いて砲弾を放ち弾幕の応戦をした。
「島風、雷撃だ!」
「は、はいっ!酸素魚雷ですぞっ!」
島風は砲弾を躱してカウンターの如く魚雷を放った。波をかき分けるかのように高速に駆ける3つの魚雷はシュモクザメの船体に直撃して爆発を起こした。
「くぅっ!?やってくれたわね…‼全員ぶっ潰しってあげる‼」
ギロリと睨んだ少女の声に応えるかのようにシュモクザメの形をした船の先端が音をたてながら光りだす。光に気付いた軍帽の女性は険しい表情に変わった。
「光学兵器…‼奴に光学兵器を撃たさせるな‼」
彼女に撃たさせないように金剛とウェールズは主砲を撃ち、島風とクリーブランドは砲弾を撃ち続ける。しかし少女は船を巧みに操り弾幕を躱し続けた。先端の光が集まりだし大きく膨張していく。
「もう遅い!撃たせてもらうわ‼」
少女は残虐な笑みをこぼして光が限界までに膨張している船体の先端を彼女たちへと向けた。
その時、光学兵器が放たれる寸前にオイゲンが動いた。
「オイゲンっ!?」
軍帽の女性は驚きの声を上げ止めようとするがそれよりも速く、オイゲンは動いていた。シュモクザメの船体から放たれた光学兵器を自身に装備されているサメの頭のような形をした大きな砲塔で盾にして一気に迫っていった。
砲塔は熱を帯びて火を吹かし黒煙を上げるがそれにもお構いなしに目の前まで近づいたオイゲンは目を丸くして驚いている少女に無表情で見下す。
「この程度?……とても残念だわ」
別れの言葉を継げると同時に備わっている主砲を向けて放った。シュモクザメの船体は爆発を起こし火と黒煙を激しく巻き上がる。オイゲンは一定の距離を離れるとすぐに軍帽の女性に視線を向ける。
「エンタープライズ、とどめを刺しなさい‼」
「‼…ああ、これで終わりだ…‼」
エンタープライズは狙いを定めて再び弓を放つ。放たれた弓矢は艦載機へと変わり、上空からシュモクザメの船体とその少女に向けて爆撃を激しく放った。
落とされた爆弾に何度も直撃して連続して響く爆発音とともに黒煙が舞い上がり、最後に大きな爆発を起こした。エンタープライズ達は煙が消えるまで火砲を構えて待機していた。煙が消えるとそこにはシュモクザメの船も少女の姿も消えていた。姿がないことを確認した彼女たちは大きく息を吐いて武器を下す。
「ふぅー…なんとかなったな」
「き、緊張しましたぁー…」
クリーブランドと島風はほっと胸を撫で下ろす。金剛はくすっと微笑むがウェールズは黙ったままオイゲンを見つめていた。オイゲンは疲れたかのように背伸びをする。
「んんっ…大したことはなかったわね」
背伸びを終えて少し退屈そうにため息をこぼし大海原の先を見つめた。そんな彼女を見ていたエンタープライズはやれやれと苦笑いして無線をつないだ。
「指揮官、ピュリファイアーの撃沈に成功した。これより鎮守府へと帰還する」
____in鎮守府、母港
「オイゲン、また無茶をしたな」
帰還するや否やウェールズが私に厳しい視線を向けて言い寄ってきた。
「別に、無茶なんかしていないわよ?」
「己の艤装を大破寸前。しかもこれで76回目だ。それを無茶、無謀だと言っているんだ」
まさか回数まで数えていたとは。最近は一緒に遠征や出撃をするようになっているが…まさか指揮官、ウェールズを私の見張り役にしているのじゃないのかしら?
「なども大破して帰ってくるお前を見てギョッとする私や指揮官の身にもなってくれ」
「心配ないってば。ちゃんと弁えているから…って、あんたまで心配してんの?」
「む?悪いか?」
ウェールズは不思議そうに首をかしげる。あぁ、やっぱりこいつは天然ね。今後、戦闘で私が無茶をしたら身を挺して庇ってくるかもしれない。心配してくれるのは嬉しいのだけれどもあんたまで無茶されたら指揮官が困るわよ…
これからは多少は考えておこうかと決めたその矢先にエンタープライズがウェールズと同じように厳しい面持ちでやってくるのが見えた。
「オイゲン…」
「はいはい、もうわかったわよ。今後はあんな無茶な戦闘はしないわ。始末書も真面目に書くからいいでしょ?」
ウェールズといい、エンタープライズといい、お人好しすぎるのよあんた達は…と愚痴をこぼしそうになっていた私にエンタープライズは一瞬きょとんとする。
「あ、いや、それはいいのだが……指揮官が呼んでいるぞ」
「…指揮官が?」
ああ、これは完全にお説教かもしれないわね…
___in鎮守府、指揮官室
「指揮官、入るわよ?」
ノックして入ると白髪と黒髪の混ざったオールバックの強面の初老の男性、私たちの指揮官が少し思いつめたような表情をして立っていた。白い海軍の服に金色に輝く五つ星のバッチ、元帥の称号のバッチを身に着けている。
「オイゲン、今回も輝かしい活躍をしたが、その反面無茶をしたな」
「もう…ウェールズといいエンタープライズといい、指揮官も心配しすぎよ。これ以上無茶したら今度は鎮守府の全員に心配されそうになるからこれからは弁えるわ」
その言葉に指揮官はほっと安心してくれたようで、少し表情が和らいだ。どうやら呼ばれたのはこのことではなさそうだ。
「それで、要件はなに?」
「……近日、新しくできる鎮守府に最初の秘書艦として君を任命することになった」
私が?、と最初は驚いたがすぐに違和感を感じた。どの鎮守府にも最初に着任されるのはラフィー、ジャベリン、綾波の3人のうち1人だ。そして着任して7日後、私ことプリンツ・オイゲンが着任するというのが流れなのだ。しかし今回はそれを飛び越して私が最初に着任される…
「つまりはそこの海域は戦闘が激しいのね?」
「ああ、その海域にどういうわけかセイレーンが活発に活動しているようだ」
セイレーン、突然海に出現した謎の勢力。
セイレーンは人類に敵対し脅威を与えて海の侵攻をし続けている。そんなセイレーンに対抗するために人と同じ成りで艦船の記憶と力を持つKAN-SENが創られた。ユニオン、ロイヤル、鉄血、重桜と様々な勢力ができたが今は全員結託し、セイレーンとKAN-SENの戦いは続いている。
「確かに最近このあたりの海じゃセイレーンは見かけないわね」
「セイレーンはある海域に侵攻の手を広げ、人々の航海の妨げにもなっている。オイゲン、君は新しい指揮官とともに海域を奪還、セイレーンの目的を暴いてくれ」
ふーん…少しは楽しめそうね。考えるとわくわくしてきたわ。この鎮守府から出るのは少し寂しいけれどもね…
「いいわ。それでその新しい鎮守府はどこかしら?暖かいところ?それとも寒いところ?」
鎮守府には北から南まで様々な場所がある。噂じゃとてもおっかない所にもあるらしい…眉唾ものなんだけど。
場所を訪ねたが指揮官は少し思いつめたような面持ちになって言うのを躊躇いだした。え、そんなにやばい所なの…?指揮官は一度咳払いをして私を見つめる。
「プリンツ・オイゲン―――君は新大陸の鎮守府へ着任してもらう」
「……………は?」
え? 新大陸? なぁにそれ?
「驚くのも仕方ないだろう…私も先週知った」
「いやいや!?なんなのその新大陸って!?聞いたことないわよ!?」
「我々がまだ足を踏み入れていない未踏の大陸………何十年も前に発見されたがまだ徹底した調査さえもされていない場所らしい」
「何十年も前も手付かず!?」
そんなにも前に発見されているのに調査さえされていない…もしかしてその鎮守府ジャングルじゃないわよね!?驚きを隠せない私を励ますかのように指揮官はポンと肩を叩く。
「なに、大丈夫だ。君の指揮官に会ったがとても逞しく、頼もしい人だった。彼に任せても大丈夫だろう」
「そ、それでどんな指揮官だったの…?」
指揮官といっても子供からお爺さんまで様々いる。新大陸というよくわからない所に行くのだから少しは頼りになる人じゃなきゃ。子供とか弱そうな人だったら私、帰るわよ!
そんな私の問いに指揮官は少し考えながら天井を見上げる。
「えーと………銀ピカだった」
「…はぁ?」
ますますお先真っ暗なんだけど…
やりたくてやってしまった
反省はしている(焼き土下座
地の文ですが、顔文字もつけたりするかもしれません
またーりとやっていきます
狩人提督もつづけますよー