アズールレーンクロスワールド   作:サバ缶みそ味

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 アズレンのイベント……龍鳳がめちゃくちゃエチエチでした。さすがトニーさんやでぇ……

 


14.鉄血のシュペー

in鎮守府_本館の隅の花畑

 

Side長良

 

長良「綺麗な花がたくさん咲いてるね~」

ライプツィヒ「これ、シドさん一人でやったんですか?」

 

 私たちは片手にスコップ、もう片方に如雨露を持っているシドさんに視線を向ける。シドさんはどこか誇らしげに頷いた。

 

シド「……もともと俺の家は養蜂の他に園芸もやっていたからな」

 

 花畑の隅には養蜂箱がいくつか設置されている。最近シドさんの趣味に養蜂があることを知った。探索でこっそり蜂の巣や植物を採取し本館の隅で庭いじりをしているのをよく見かけた。シドさん、お花が好きなんね~

 

シド「俺の故郷には丘一面に様々な色の花が咲いていた…」

ライプツィヒ「素敵ですね…見てみたいです!」

シド「年中咲いていてとても綺麗だった……とてもな」

 

長良「?」

 

 気のせいか、シドさんが少し寂しげに花畑を見つめていた…

 

長良「ねえねえシドさん、あても手伝ってもいい?あてもこういうの好きなんよ~」

ライプツィヒ「わ、私も手伝ってもいいですか?」

 

シド「……ちょうど人手が欲しいと思っていたところだ。かまわない」

 

長良&ライプツィヒ「やったーっ!」

 

 私はライプツィヒちゃんと一緒に手を取って喜びあった。よーしこれから頑張るよ~

 

ライプツィヒ「そ、そうだ…シドさん。さ、さっきから気になっていたんですが…」

 

 ふとライプツィヒちゃんが少し躊躇いながら花畑のほうへ指をさす。

 

 

ライプツィヒ「な、なんでライリーさんが磔にされているんですか…?」

 

 花畑のど真ん中でライリーさんが十字架に磔にされた人のように磔にされていた。あ、ライリーさんが涙目でこっちみた。

 

 

ライリー「(´;ω;`)」

 

 

シド「あれは畑のかかしだ」

 

長良「か、かかしですか?」

ライプツィヒ「た、助けなくていいんですか?」

 

 ライプツィヒちゃんの優しい一言にライリーさんが涙目で何度もうなずく。しかしシドさんは静かに首を横に振った。

 

シド「あれは自業自得だ」

 

ライリー「(´;ω;`)」

 

 そのあとディアスさんが迎えに来るまでライリーさんはしばらく花畑の案山子となっていました。

 

___

 

in加工屋_建造室

 

 

Side指揮官

 

指揮官「さて…今度こそコアデータで建造するぞ」

 

 ライリーが使った素材による建造、今回は限定艦のみならず出現する確率が低い艦や本来建造でも出てくることがないKAN-SENが建造されたらしい。どうしてこのような結果になるのか明石は報告書の作成や素材の調査や彼女達の検査でてんてこまいだ。

 

指揮官「ふう…明石が気の毒だな」

 

 あとでマタタビをあげて謝っておこう。

 

 建造をしようと思ったが、如何せんこのコアデータをどう使えばいいのかわからん。ふーむ…キューブと一緒に突っ込めばいいのか?

 

オイゲン「ああやっぱりそこで立ち往生してた」

 

 そこへオイゲンがやってきた。ジャン・バール達に新大陸の説明をしてたのか些かくたびれているように見えた。

 

指揮官「オイゲン、ご苦労さん」

オイゲン「まったく、説明して納得してもらうのに一苦労だったわ。それに、指揮官は使い方わからないだろうからどうせコアデータを一緒に建造装置に突っ込むかもしれないからと思って様子を見に来たの」

指揮官「(;^ω^)」

 

オイゲン「やっぱり……どうしてあんた達はこう力任せにすんのよ。ほら、貸しなさい」

 

 コアデータを渡すと、オイゲンは建造装置の端末にコアデータを入れた。なるほど…そこに入れるのな。いろいろセッティングしてもらっている間にあとはキューブを入れるだけとなったようだ。

 

指揮官「助かったよ、オイゲン。ありがとな」

オイゲン「お代はおいしいお酒を奢ってもらうわね」

指揮官「おうふ…」

 

 タダじゃないってか。集会所の酒場を予約せんとな……気を取り直してキューブを入れて建造を行う。コアデータの場合は時間は表示されずにすぐに建造完了となるようだ。

 

 

 

シャルンホルスト「このシャルンホルストの辞書に逃げはない!む……?」

 

 勢いよく出てきた彼女は俺をじっと見つめて腕を組んだ。ちらりと隣にいるオイゲンに視線を向けると納得して頷いた。

 

シャルンホルスト「ふむ…お前が指揮官か」

指揮官「よかったー、分かってくれたみたい」ホッ

 

シャルンホルスト「見た目はずいぶんと変わっているが……随分と腕が立ちそうだな」

オイゲン「まあそれにはいろいろと訳があるのよね…」遠い目

シャルンホルスト「??」

 

 シャルンホルストは不思議そうに首をかしげるがふっと笑って手を差し伸べた。

 

シャルンホルスト「戦闘では遠慮なく私を使ってくれ。期待に応えよう!」

指揮官「あまり無理をしないでね」

 

 シャルンホルストは一瞬目を丸くするがすぐに笑って握手を交わした。

 

___

 

in執務室

 

Sideオイゲン

 

指揮官「それじゃあ編成なんだけど……」

 

 指揮官が少し気まずそうに顔を上げる。これから出撃する艦隊を決める会議なのだが……空気があまりよろしくない。

 

ジャン・バール「……」

シャルンホルスト「……」

 

 ジャン・バールとシャルンホルストがガン飛ばしあっていた。

 

ジャン・バール「指揮官、出撃するならオレで十分だろう?こんな火力が劣る奴は足手まといだ。というか憂さ晴らしでぶっ飛ばしたい気分だ」

シャルンホルスト「ほぉ?随分自惚れたやつがいるな。こういう奴から一番に敵に沈められるんだ」

 

指揮官「け、喧嘩はやめような?な?」

 

 ジャン・バールはかなり機嫌が悪そう。まあ明石の検査がかなり長かったから……というか一方は

 

 

加賀「も、もうそろそろいいだろうか…?」

 

ディアス「やばい…尻尾がモッフモフだよこれぇ」モフモフ

シド「かなりいい肌触りだ」モフモフ

 

瑞鶴「あ、あわわわ……」

江風「か、加賀さん相手になんということを……」

 

 かの加賀相手に遠慮なく尻尾をモフモフしているディアスとシド。そんな様子にいつ加賀がキレるか青ざめている瑞鶴と江風。そして一方で…

 

 

ライリー「ねえ、どうしてスカート穿いてねえの?見せびらかしてんの?」ジーッ

ウォースパイト「スピードを上げるためにあえて廃したのよ」

ライリー「なるほど、ねぇ…」チラッ

 

シェフィールド「……」無言の発砲

ライリー「あぶねぇっ!?」

 

シェフィールド「あ、これは失礼しました。明らかに害虫の気配がしたのでつい…」

ライリー「明らかにこっち狙ってたよね!?こっち見て撃ってたよね!?」

シェフィールド「次こそは必ず仕留めますので」

ライリー「怖いよ!?」

 

 あっちはライリーを〆ようと襲い掛かるシェフィールドと呑気に紅茶を飲むウォースパイト。

 

シュペー「……」ジーッ

ベニマル「にゃ?おいらに何か用かニャ?」

 

ボルチモア「す、すごい…猫が喋ってる!?」

高雄「これは面妖な…だが可愛い!」

 

オイゲン「……はぁ」

 

 これじゃあ収拾がつかないわね…私がやるしかないか

 

オイゲン「ほら静粛に、指揮官がどうしたらいいか戸惑ってるじゃない」

指揮官「(´・ω・`)」

 

オイゲン「指揮官もあたふたしてないでちゃちゃっとまとめなさい」

指揮官「す、すまん…それじゃあ今度の新大陸遠洋への出撃だがry」

 

ジャン・バール「指揮官!オレで十分だ‼」ドンッ

シャルンホルスト「私が出撃しよう‼」クワッ

指揮官「よし、決定!」

オイゲン「雑すぎるでしょうがっ‼」

 

 指揮官に拳骨を入れて改めて編成の会議を続けさせる。

 

指揮官「ふざけたら怒られるので真面目にするぞー……第一艦隊の旗艦はオイゲン。前衛はシュペー、ニーミ。後衛はジャン・バール、シャルンホルスト、加賀だ」

 

ジャン・バール「ちっ、余計なことを…」ジロリ

シャルンホルスト「ふん、足を引っ張るなよ?」ギロリ

ニーミ「け、喧嘩はダメですよ!?」アタフタ

 

指揮官「次に第二艦隊だ。旗艦はボルチモア。前衛は高雄、シェフィールド。後衛はウォースパイト、ホーネット、ユニコーンで出撃してもらう」

 

ボルチモア「よし!私に任せておいて‼」

高雄「任せられたからには全力で戦おう」

 

 

シュペー「……」

 

 ひとまずなんとか出撃はできそうね…あっちの戦闘バカはまだいいけど、気がかりなのはシュペーだ。

 

シュペー「……指揮官。敵の殲滅行ってくる」

指揮官「ああ。無事に帰ってくるんだぞ」

 

シュペー「……無事に帰還?果たしてできるのだろうか…」

 

指揮官「…?」

 

オイゲン「…指揮官、これ」

指揮官「…む?ファイル?」

オイゲン「これは鉄血のKAN-SENの資料よ。シュペーの項目はちゃーんと見てちょうだいね」ノシ

指揮官「…???」

 

 この資料を呼んだ後指揮官はどうするか……指揮官、悪いけどあんたを試してもらうわよ?

 

 

___

 

in新大陸遠洋__第一艦隊

 

Sideニーミ

 

ニーミ「第二艦隊と別行動となりましたが…敵艦がどこから来るか、気を付けねばなりませんね」

 

加賀「案ずるな。見つけ次第、すぐに殲滅だ」

 

 流石は重桜の一航戦、加賀さんだ。すでに艦載機を何機も発艦させて索敵を見落としなくやっている。

 

ジャン・バール「ふん、空母よりもオレが先に見つけてやる」

加賀「ほぉ…やれるものならやってみるといい」

 

 あわわわ…どうしてジャン・バールさんは喧嘩腰なのだろうか。皆さん仲良く協力してほしいです…

 

シュペー「……」

ニーミ「シュペーさん、何かありましたか?」

 

シュペー「……指揮官は私に優しく無事に帰ってこいって言ってきた。指揮官はどうして兵器の私達に優しくするの?」

 

 …KAN-SENのリュウコツに残されているかつて船だった時代の記憶、通称艦歴。

 

 私達の知らない遥か昔に世界は大きな大戦をしていたという。その時代からあった鉄血では初陣から撃沈、あるいは自沈をした艦があった。

 

 シュペーさんもその一人。ただ一人、孤立無援の中戦い、最期は自沈した。

 

 その艦歴のこともあってシュペーさんは感情を押し殺して戦いに臨む…

 

 

オイゲン「そうね…少なくとも、指揮官はあんたの事を兵器とは思っていないわよ」

シュペー「…どうして?」

 

 不思議そうに首を傾げるシュペーさんにオイゲンさんは苦笑いする。

 

オイゲン「指揮官は…お人好しすぎる人だからかしらねぇ」

 

 どういうことなのだろうか。私もシュペーさんと同じように首を傾げた。

 

 

加賀「話はもういいか?敵艦隊発見だ!」

 

ジャン・バール「ちっ、先を越されたか…!」

 

 加賀さんの声に私達はすぐさま戦闘準備に移る。遠方から黒い船の形をした物体が見えた。

 

加賀「全部で6隻。駆逐艦Pawn2隻、軽巡洋艦Knight4隻‼」

シャルンホルスト「烏合の衆か…容易い。先手を取るぞ!」

 

 相手から仕掛けてくる前に倒します!

 

 私達が駆けたと同時に加賀さんが飛行機の形をした青い紙のようなものを何枚も取り出して投げた。青い飛行機の形をした紙はすぐさま艦載機へと変化し敵艦隊へと飛び立っていく。

 

加賀「ふっ、せいぜいあがけ‼」

 

 合図とともに艦載機が爆撃を行った。先頭にいた2隻の敵駆逐艦が落とされた爆弾に多段ヒットし撃沈する。巻き上がる黒煙を潜り抜け、私達は一気に敵艦へと迫った。

 

ニーミ「くらえっ‼」

 

 先手は私、敵軽巡に砲弾を連射させ当てていく。2隻の敵軽巡は反撃として私を狙って撃ってきた。迫りくる弾幕に私は慌てることなく構える。

 

ニーミ「…オイゲンさん、予測通りです!」

 

 敵の砲撃をオイゲンさんが前へ出て艤装で防いだ。爆風と水飛沫が私たちに当たるが私もオイゲンさんも傷一つない。

 

オイゲン「ふ……この程度?残念ね」

 

 オイゲンさんは不敵に笑ってお返しと言わんばかり主砲を何度も撃った。被弾した敵軽巡は煙と炎が舞い上がる。

 

シュペー「とどめっ!」

 

 敵の側面からシュペーさんが迫り、鋭く大きな艤装の手で思い切り振り下ろす。敵の装甲は切り裂かれ爆発を起こして撃沈した。

 残り1隻となった敵軽巡は宝塔をシュペーさんに向けて放とうとするがその寸前、飛んできた砲弾、白波を切って迫った魚雷が直撃し撃沈していった。

 

ジャン・バール「オレの主砲だな」

シャルンホルスト「いいや、私の魚雷だな」

 

 その直後ジャン・バールさんとシャルンホルストさんはガンを飛ばしあう。

 

ニーミ「け、喧嘩はダメですよ!?」

加賀「やれやれ…指揮官、敵艦隊撃沈させたぞ」

 

指揮官『よくやった。引き続き探索を頼む。あと喧嘩しちゃダメだからな!仲良くしないとダンケルクのドーナツあげないぞ?』

ライリー『ひゃああうまいいいいっ‼』モッシャモッシャ

 

ジャン・バール「ダンケルクの……ちっ、次も足を引っ張るなよ」

シャルンホルスト「それはこっちのセリフだ」

 

ライリー『喧嘩したら俺が全部食べ……ンゴッフ!?』

シュプロッシャー『ああっ!?ライリーさんが喉つまらした!?』

シェフィールド『じゃあ止めを刺しましょうか』

 

指揮官『ちょ、やめっ!?お、オイゲンたちも気をつけてな!』

 

 ……ほんと賑やかな指揮官たちですね。でも私は好きですけどね。シュペーさん達も指揮官と仲良くなればきっとわかるはずです…

 

加賀「喧しいほど明るいな。ここの指揮官は…」

オイゲン「すぐに慣れるわよ。さあ索敵を続けましょ」

 

 

__数十分後__

 

 

加賀「敵艦発見だ!次の敵は少しばかり厄介そうだな…」

 

 艦載機で敵艦隊を発見した加賀さんは好戦的な笑みを見せた。艦載機が飛んで行った先にセイレーンの艦隊の姿が見えてきた。敵艦は軽巡級2隻、重巡級2隻、そして中央にいる、その中でひと際大きな黒い船の物体が1隻。

 

ニーミ「あれは…戦艦級セイレーン、戦艦Rook‼」

 

オイゲン「少しばかり気を引き締めないといけないわね…」

指揮官『敵の戦艦が現れたか……無理はするなよ!」

 

ジャン・バール「それぐらい分かっている!」

 

 敵艦よりも早く、ジャン・バールさんが狙いを定めて主砲を放った。勢いよく飛んで行った砲弾は敵軽巡にヒットし撃沈させる。襲撃に気づいた敵戦艦は主砲を私達にゆっくりと向けた。

 

 

加賀「敵戦艦の主砲、くるぞ!」

 

 掛け声と同時に重い音と共に主砲が放たれた。弧を描いて飛んでくる砲弾が私達めがけて落ちてくる。私達は駆けて躱し、砲弾は海面へと落ちて爆発と共に大きな水飛沫を散らす。

 

 それを皮切りに敵艦隊から一斉に砲弾が飛んできた。私とオイゲンさん、シュペーさんは攻め手を止まぬ弾幕を掻い潜るように躱して迫っていく。

 

加賀「ふん、その程度かっ‼」

シャルンホルスト「手緩いぞ!」

ジャン・バール「こそばゆい攻撃だ…その程度で倒せると思っているのか?」

 

 後方から続いている加賀さん達は艤装の装甲や式神の力で敵の砲弾を防ぎ突き進む。もう少しで距離を詰めるところ、私は戦艦の主砲がこちらに向けているのに気付いた。

 

 

オイゲン「ニーミ、シュペー!」

 

ニーミ「は、はいっ!」

シュペー「…!」

 

 オイゲンさんの声に私とシュペーさんは回避を優先に動き、勢いよく放たれた敵戦艦の主砲を躱す。

 

 でも大きく飛び散らす水柱と風圧でオイゲンさんと私、そしてシュペーさんと分断された。

 

シュペー「……‼」

 

 シュペーさんは前進を止めず、ただ一人で戦艦へと迫っていった。

 

ニーミ「シュペーさんっ!?」

 

 私は単騎で向かうシュペーさんを追おうとしたが敵重巡の主砲がこっちに飛んできた。当たる寸前、オイゲンさが突然前へ出て艤装で防いだ。

 

オイゲン「っ!むかつくわね…‼」

 

 舌打ちしたオイゲンさんは反撃として1隻の敵重巡Bishopに向けて砲弾を何度も放った。直撃した敵重巡は黒煙を上げる。

 

 仲間を沈めさせまいと側面からもう1隻の敵重巡が私達に主砲を向けて撃とうとしたが私たちの頭上を何機もの艦載機が通り過ぎ機銃、爆撃をして妨害し、黒煙を上げている敵重巡に爆撃で沈めた。

 

加賀「珍しく無茶をするな?」

オイゲン「戦闘バカのあんたに言われたくないわよ」

 

ニーミ「あのっ、シュペーさんが…っ!」

 

 私たちの視線の先には単騎で戦艦と戦うシュペーさんが。砲弾を放ち、魚雷を放ち、敵艦の副砲を艤装の手で防ぎ戦っている。しかし、被弾が多く艤装から煙が少しずつ舞い上がっている。このままだといつ放たれるかわからない敵の主砲に当たればひとたまりもない。

 

 

 

指揮官『ザザッ……オイゲン‼…ザザッ……シュペーをっ‼』

 

 

 突然、指揮官から通信がかかった。声からしてものすごく慌てているのが伺える。指揮官の声にオイゲンさんは少し嬉しそうに、苦笑いしながら頷いた。

 

 

オイゲン「指揮官、百も承知よっ!」

ニーミ「え、ちょ、オイゲンさん?」

 

 するとオイゲンさんは私の制止を抜けて敵戦艦と戦うシュペーさんへと向かって駆けていった。行く手を阻もうと放つ敵艦の弾幕を潜り抜けていく。

 

加賀「…ふ、これは面白いな!任せろ!」

 

 察したのか加賀さんは好戦的な笑みを見せて幾つもの艦載機を発艦させた。オイゲンさんを狙い撃とうとする敵艦に向けて艦載機の機銃で牽制させ、爆撃で攻める。

 

ジャン・バール「ふん、随分と楽しませてくれるな……おい、今回は譲ってやる」

シャルンホルスト「ふっ、任せられたには全力でやろう!」

 

 今度はジャン・バールさんとシャルンホルストさんがオイゲンさんを追うように駆けていく。先頭を駆けるシャルンホルストさんをカバーするようにジャン・バールさんが彼女に狙いを定めて撃とうとする敵重巡に向けて主砲を向けた。

 

 

ジャン・バール「邪魔だ‼」

 

 力強く放った主砲の砲弾は勢いよく飛んでいき、敵重巡に直撃し爆沈させた。呆然と見ている私に加賀さんが軽く小突いた。

 

加賀「なんだ、お前も行かないのか?」

 

 好戦的に笑む加賀さん、楽しんで戦うジャン・バールさんにシャルンホルストさん…後れを取るわけにはいかない私はふっきれた。

 

ニーミ「わ、私もできますよっ!」

 

 私も遅れまいとオイゲンさん達の下へと駆けた。私を援護しようと後方から加賀さんが放った艦載機が後続する。

 私はオイゲンさん達に向けて撃ち続けている敵軽巡に主砲を向ける。後続していた艦載機は編隊を組んで敵軽巡に爆撃をした。

 

ニーミ「沈めっ!」

 

 私は主砲と同時に魚雷も放つ。爆撃と砲撃を食らって黒煙を上げる敵軽巡に魚雷が直撃し撃沈させる。

 

 よし!次はシュペーさん達の所へ向かわないと!

 

 

__

 

 Sideシュペー

 

 私は艤装から煙が舞い上がっても攻め手を止めなかった。

 

 止まってはいけない。止まったらまたあの時のような最期を迎えてしまう。そんなの嫌だから私は戦うしかないのだ。

 

シュペー「…!」

 

 敵戦艦は止むことなく副砲を撃ち続ける。私は掠りながらも同じように撃ち続けた。

 

 

 少しばかり艤装が重く感じてきた……まだ、まだだ。最期まで戦い抜くんだ。

 

 

 ふと、敵戦艦の主砲がこちらに狙いを定めて向けているのに気付く。避けないと……いや、気づくのが遅かった。あれは放たれる寸前だ。

 

 私は覚悟して艤装で防ごうと構える。

 

 初陣が最期なのは鉄血じゃよくあること……

 

 

 

オイゲン「シュペーっ‼」

 

 敵戦艦の主砲が放たれた直後、私の前にオイゲンが割り込んできた。オイゲンは艤装で防ぎ、水飛沫とやや熱い爆風が過る。

 

シュペー「お、オイゲン…!?」

 

 驚く私に防ぎ切ったオイゲンはやれやれと見つめてきた。

 

オイゲン「ここの指揮官はあんたが沈むのは絶対に嫌と思っているわ。一人で無理しないでちょうだい」

 

 その間にも敵戦艦は副砲で撃とうとしたが飛んできた砲弾が直撃して遮られた。

 

 

シャルンホルスト「まったく…よく無茶をしてくれる」

ニーミ「や、やっと追いついた…」ゼエゼエ

 

オイゲン「お互い様よ…シュペー、あんたはもう一人じゃないんだから」

 

 オイゲンは優しく私を撫でた……なんだろう、なんだかとてもうれしい。

 

シュペー「……ありがと」

 

シャルンホルスト「さ、あとはこいつだけだ。終わらせるぞ!」

 

 シャルンホルストさんが相手よりも先に主砲を放った。敵戦艦はヒットして船体から黒煙を上がるも止むことなく副砲を放ち続けていく。

 

ニーミ「これ以上撃たせません!」

 

シャルンホルスト「よし、放て!」

 

 続けて二人が魚雷を放った。白波を切って迫る魚雷は敵の船体に直撃し爆発を起こす。敵戦艦から黒煙と共に炎が上がり、動きが鈍くなってきた。あともう少し。

 

オイゲン「火力全開‼Feuer‼」

シュペー「これで止め‼」

 

 私とオイゲンは全力で主砲を放った。私たちの砲撃は全弾ヒットし敵戦艦はついに爆発を起こして撃沈した。

 

 

オイゲン「…ふぅ、指揮官、敵艦隊撃破成功よ」

 

 

指揮官よ、よかったぁぁぁぁっ‼』

 

し、指揮官が泣いてる!?すごく嬉しそうに泣いてる!?

 

オイゲン「ちょ、な、泣きすぎよ…」

 

指揮官『ぶ、無事でよかった…ズビッ…み、みんな帰艦してくれ』

ディアス『ご、ご苦労さま……ズビーッ』

ライリー『ど、ドーナツ置いてあるからな…っ…グスッ』

 

 どうして指揮官たちは泣いてるのだろうか……私は不思議に思っていたがオイゲンたちは苦笑いしていた。

 

オイゲン「まったくもう…さ、帰艦するわよ」

シャルンホルスト「ふふふ、面白い指揮官たちだな!」

ジャン・バール「…ふん」

 

____

 

in鎮守府_母港

 

Sideオイゲン

 

 第二艦隊は帰艦しているようね…私達も帰ってきたけど、指揮官はまだ埠頭にいない。本来なら迎えに待っているのだが今回は珍しく来ていないことにニーミは不思議そうに首をかしげる。

 

ニーミ「指揮官、どうしたんですかね…?」

シュペー「???」

 

オイゲン「さあてね。もうそろそろ来るんじゃないかしら?」

 

 もうそろそろ…ほら、言ってるそばからこっちに向かってきている姿が見えてきたわ。指揮官、私達鉄血の資料を読んでくれたみたいだし、きっと……

 

 

 

 

 

ライリー「うおおおおおお!シュペーちゃんうおおおおおっ‼」ダダ゙ダッ

 

 

 

オイゲン「」

 

 

 指揮官かと思ったら、ライリーがこっちに走ってきてるんだけど!?ちょ、指揮官は!?

 

 しかもよく見たら勢いよく走ってきているのはライリーだけじゃなかった。

 

 

ディアス「うおおおおお‼俺がシュペーちゃんを抱きしめるんだあああああっ‼」ダダダタッ

 

シド「……‼」ダダダッ

 

指揮官「いいや、俺だああああっ‼」

 

 

オイゲン達「」

 

 指揮官含め4人が一斉にシュペーに向かって走ってきた。この様に私だけでなく加賀もジャン・バールも面食らっていた。

 

 そしてキョトンとするシュペーに指揮官たち4人が抱きしめた。

 

 

シュペー「えっ、あ、あのっ…」

 

 

ライリー「シュペーちゃん!もう一人じゃねえからな‼俺がいるから安心してくれよなっ‼」

 

ディアス「毎日美味しいご飯作ってあげるからね!うーんと楽しんでくれていいからね!」

 

シド「……ハチミツをやろう」

 

指揮官「シュペー…言ってる通り、もう一人じゃないんだよ。お前も俺たちの家族で、仲間で、同じ調査団の一員なんだ。もう一人で戦わなくていいんだよ」

 

 

 

 指揮官たちの言葉にシュペーは目を丸くして見つめた。彼女の目は少しずつ潤んできている。

 

シュペー「指揮官…みんな…こんな私でもいいの?」

 

指揮官&シド&ライリー&ディアス「もちろんだ‼」

 

 

シュペー「ありがとう……‼」

 

 

 シュペーは涙を流し、笑顔で指揮官たちを抱きしめた。

 

 よかった、指揮官はちゃんとわかってくれていた……

 

オイゲン「ふふ…これでシュペーは大丈夫ね」

ニーミ「よかったです…」

加賀「…面白い指揮官だな。興味がわいた」

シャルンホルスト「ははは!やっぱり思った通りの指揮官達だ。ここなら頑張れる気がする」

 

ジャン・バール「それはかまわないが……助けなくていいのか?」

 

オイゲン達「あ」

 

 

 今のシュペーは艤装の手で指揮官達を抱きしめている…と、いうことは…

 

 

指揮官&シド&ライリー&ディアス「」メキメキメキ

 

 

オイゲン「ちょ、指揮官っ⁉」

シャルンホルスト「な、なんかメキメキいってるぞ⁉」

 

 

 この後指揮官曰く、『初めて短時間で4乙した』とか言ってた。い、意味が分からないわ……





シュペーちゃんに抱きしめられてヒートエンドしたい(オイ

 今年の更新はここまで。

 皆様、よいお年を!
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