アズールレーンクロスワールド   作:サバ缶みそ味

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 新しいアズレンのイベント…北方のようですが

 ついに北連の艦隊が新たに出てくるのかな……キューブと資金を貯めなきゃ(白目


19. 古代樹に巣食う蜘蛛【影蜘蛛:ネルスキュラ】

inアステラ

 

Sideジャベリン

 

ニーミ「指揮官達、大丈夫でしょうか……」

 

 ニーミちゃんが不安そうに呟く。アステラで待機している私達は指揮官達の帰りをじっと待っています。

 

ジャベリン「大丈夫だよ!指揮官達ならきっと無事に帰ってくるよ!」

 

 指揮官達なら救難信号を出した調査団の人を救助し、怪我無く無事に帰ってくるはず!今私達ができることは信じて待つしかないです。

 

ニーミ「そうですよね…!指揮官達は皆さんお強いですから!」

ジャベリン「うん!……あれ?あれってカッシンちゃん?」

 

 ふと見るとカッシンちゃんがあたふたとどこかへ走っていくのを見かけました。普段は眠たそうにのんびりしてるカッシンちゃんだけど…何か慌ててるように見えました。

 

ニーミ「どうしたんでしょうか…?」

ジャベリン「何かあったのかな?行ってみよう!」

 

 私達はカッシンちゃんが向かった先へ追うことにしました。しばらく走ると着いた先は捕獲したモンスターを観察する場所…確かあそこにはプケプケちゃんがいる所です。

 

 

プケプケ『ギュエッ‼ギュエッ‼』

 

 そこにはプケプケちゃんがあたりをきょろきょろしながら大きな声を上げて鳴いていました。何やら落ち着きが

ありません。そんなプケプケちゃんの前にカッシンちゃんがわたわたとしていました。

 

ジャベリン「カッシンちゃん!」

 

カッシン「あ、ジャベリンとニーミ…」

 

ニーミ「慌てたみたいですが何かあったのですか?」

 

カッシン「じっと待ってりと眠たくなっちゃうから、コーラを飲みに行こうとしてたら……プケプケが飛ぼうとしてたのを見かけたの」

 

 なるほど、だからカッシンちゃんが慌ててたんだね……え、ちょっと待って、今プケプケちゃんが飛ぼうとしてたの!?

 

ジャベリン「ま、まだ怪我が治ってないから飛んだらいけなんじゃ…!?」

カッシン「うん、だからどうしたらいいかと思って…」

 

プケプケ『ギュエッ‼ギュエッ‼』バサッバサッ

 

 ああいけない!プケプケちゃんが飛ぼうと翼をばたつかせています‼まだ治りかけだから無理に動かすと傷が開いちゃいます!

 

ジャベリン「あわわわ、ど、どうしよう!」

カッシン「総司令、呼んでくる?」

ニーミ「でもその間に飛んでしまったらいけません!」

 

 えーと…指揮官ならこういう場合、どうするのでしょうか…?

 

ジャベリン「そうだ!指揮官がやってたようにしたらいいかな?」

ニーミ「見様見真似で、ですか!?」

 

 ちゃ、ちゃんとできるかどうかわからないけど…でもそうしないとプケプケちゃんが飛んでっちゃいます。

 

カッシン「ん、それなら指揮官のやってたの見てたからできるかも…」

 

 指揮官がやってた保定の仕方をカッシンちゃんは覚えているようで、落ち着きが無く動くプケプケちゃんに慎重に近づいていく。私とニーミちゃんはそれを息をのむように見守る。

 

プケプケ『ギュエッ‼ギュエッ‼』キョロキョロ

 

カッシン「ん……落ち着いて」

 

 カッシンちゃんはそろりそろり近づき、ギュッとプケプケちゃんの胴体に抱き着くように密着する。よし、うまくいった!

 

 でも、プケプケちゃんは止まることなく動き続けた。更には翼を大きくばたつかせ飛ぼうとしだす。

 

カッシン「あわわわ…!?」

 

ジャベリン「いけない!わ、私達も手伝おう!」

ニーミ「あ、でも……いや、やるしかありません!」

 

 私達もプケプケちゃんに近づき、抱き着くように密着する。3人ならばなんとかなる、指揮官も「3人寄ればなんじゃらほいっ」って言ってました!

 

プケプケ『ギュエッ‼ギュエッ‼』バサッバサッバサッ

 

ジャベリン「お、落ち着いて!飛んだらダメだよ!」

 

カッシン「もう浮いてる…」

 

ニーミ「ええっ!?」

 

 カッシンちゃんの言葉を聞いて下を見下ろせば、地面から離れいた。プケプケちゃんが飛んじゃいました!どどどどどうしましょう!?もう飛び降りることができない高さまでなっちゃってますぅ!

 

 

ソードマスター「おおい!どうしたっ!?」

 

 

 そこへソードマスターさんがやってきたのですが……時すでに遅し、プケプケちゃんは翼を大きく羽ばたかせてどこかへ飛んでいこうとしてました。

 

ジャベリン「と、飛んじゃっていきますぅぅぅぅっ!」

ニーミ「ど、どこへ飛んでいくのですかぁぁぁっ!?」

カッシン「え、えーと……行ってきまーす」

 

 

プケプケちゃんは私達を乗せて古代樹の森の中へと飛んで向かいます……ど、どこへ行くの!?

 

 

ソードマスター「なんと…こりゃあいかんっ‼」ダッシュ

 

___

 

in古代樹の森_北西最奥部、影蜘蛛の巣

 

Sideソルト

 

指揮官「オイゲン、高雄っ!すぐにルーキーを連れて離れるんだ‼」

 

 すぐさまオイゲンと高雄とルーキーを非難するよう指示を出す。

 

高雄「ルーキー殿、歩けるか!」

ルーキー「だ、大丈夫っすよ!」

 

 高雄がルーキーの肩を組んで蜘蛛の巣から降りる。ネルスキュラは折角捕らえた獲物が逃げられることに腹を立てたようで鎌状の前足を振るおうとしてきた。

 

指揮官「させっか!」

 

 俺は飛竜刀【銀】を引き抜いて刃で鎌状の前足を受け止めて弾き返す。その隙にライリーが黒電弓ウェイザスを構えて弓矢を放つ。

 

ライリー「てめえの相手は俺らだっ!」

 

ネルスキュラ『ギュシャアアアアアッ‼』

 

 ネルスキュラは威嚇するように前足を上げて体を震わす。標的をルーキー達から俺達に切り替えた。これでヘイトは稼げると安堵し、後方を見れば高雄とルーキーは蜘蛛の巣を抜けたようだ。

 

オイゲン「指揮官っ!」

 

 ルーキーと高雄に続いてオイゲンが蜘蛛の巣を抜けて俺を呼んだ。振り向けば、オイゲンはやや不安そうな表情をしていた。

 

指揮官「大丈夫だ、任せておけ!」

 

 あまり不安にさせちゃいけないよな……うまく言えないがこれしか言えなくて申し訳ない。俺の返答にオイゲンはやや苦笑いして頷きその場を離れた。

 

ライリー「いいよなぁ!俺も心配されてーっ!」

 

指揮官「帰ったらちゃーんと皆にお前の今回の武勇伝を語ってやるよ」

 

ライリー「約束だかなんな!」

 

指揮官「それよりも今はネルスキュラに集中だ!」

 

 今はネルスキュラに集中せねば。痕跡のおかげで大方予想はついていたが…新大陸のネルスキュラは少し違っていた。

 

 まず奴が纏っている皮だ。旧大陸ではゲリョスを捕食してそのゲリョスの皮を纏うのだが、ここでは青白い毛が少し残っている皮……おそらくトビカガチの皮を纏っている。毛は静電気をためやすい性質だが、皮は耐電性がある

。耐電性のあるゲリョスの皮の代わりにトビカガチを捕食しているのだろう。

 

 次に毒だ。奴はトビカガチを狩るのに必要な毒を摂取するためにプケプケも襲うようだ。プケプケを捕食し、毒腺も食べることでより強力な毒を得ていると思われる。

 

ライリー「たぶんだがあのプケプケを襲ったのもこいつの仕業なんだろうな…」

指揮官「ああ……気を抜くな」

 

ネルスキュラ『ギュギュギュギュッ‼』

 

 ネルスキュラは腹部を前に出し、白い糸の塊を3回こちらに向けて飛ばしてきた。あれに当たると瞬く間に糸が絡みつき捕らわれてしまう。

 

ライリー「んなもんあたっかよ!」

指揮官「そいっ!」

 

 俺とライリーは飛んでくる糸の塊を躱して左右に分かれて回り込み、俺は後ろ脚を狙って太刀の突きを放つ。

 

ネルスキュラ『ギュギュギュギュッ』ブンッ

 

 手応えは浅かったようでネルスキュラが振り向きざまに前足の鎌を振るってきた。俺は見切り、後方へ下がり今度は気刃斬りを放つ。

 

指揮官「っと!」

 

ライリー「こっちも見とけよーっ!」

 

 ライリーは瓶を装填しネルスキュラの左側面から矢を射る。続けるようにステップを踏んで弓矢を放つ。

 

ネルスキュラ『ギュギュギュギュッ!』

 

 ネルスキュラが後ろへ下がったと思えば、奴は口から糸を吐きいて糸を引っ張る勢いでこっちに突っ込んできた。そうだった、こいつこんな動きもしてくるんだった!

 

指揮官「ぶべっ!?」

ライリー「どわっと!」

 

 ライリーは寸のところで躱すことができたが俺は反応が遅れて奴の攻撃に巻き込まれた。吹っ飛ばされながらもすぐさま受け身をとって体勢を立て直す。俺がひるんだのを見てネルスキュラがこちらに迫り前足の鎌を振り下ろそうとしてきた。

 

ライリー「やらせるかっての!」バチバチバチッ

 

 ライリーはすぐさま弓矢を擦らせ低姿勢で火花を散らす弓矢を引いて竜の一矢を放った。勢いよく飛ぶ竜の一矢はネルスキュラの腹部に直撃。

 

ネルスキュラ『ギュギュッ!?』

 

指揮官「ナイス!おりゃぁっ‼」

 

 貫通した勢いでネルスキュラは怯む。その隙に気刃斬りを入れ続け、大回転気刃斬りを打ち込んだ。

 

ライリー「狙い撃つぜっ!」

 

 ライリーが狙いを定めて弓矢を射る。だがネルスキュラはやられてばかりではなく、足を物凄い速さでトトトトッっと動かして大きく横へ移動して躱す。その動きのままライリーの後ろへと回り込んだ。

 

指揮官「ライリー、後ろだっ!」

 

ライリー「まじかっ」

 

 ライリーは振り向いて下がろうとしたがそれよりも早くネルスキュラの前足の鎌が振るう。

 

ライリー「あでっ!?」

 

 鎌をかすりライリーはバランスを崩す。それを逃さないネルスキュラは口をもごもごと動かした。

 

 バキィッビキィッ

 

 関節を動かすような、液が含んだ音を響かせながら奴の顎下に隠している鋏角を広げるように展開しだす。奴が出した鋏角には紫色の毒液が垂れている。

 

ネルスキュラ『ギュギュギュギュギュギュッ‼』

 

 大きく広げた鋏角をライリーめがけて挟むように振るう。

 

ライリー「ひでぶぅっ!?」.∵・(´ε゚((

 

 躱そうとしたが遅く、ライリーは振るってきた鋏角に直撃して吹っ飛ばされた。

 

指揮官「ライリーっ!」

ライリー「うぐぅ……げほっげほっ‼」

 

 ライリーは起き上がるも体をふらつかせながら咳き込む。呼吸がすこし荒い……このネルスキュラの毒は猛毒か!

 

指揮官「ライリー、漢方薬だ!」つ【漢方薬】

 

 俺はポーチから漢方薬を取り出してライリーに投げ渡す。ライリーは受け取り漢方薬を開けようとするが、ネルスキュラが足を速めて迫り両前足の鎌を振り下ろそうとしてきた。毒で弱った獲物を執拗に狙うか!

 

指揮官「やらせるか!」

 

 俺は急いでかけて太刀を振り下ろす。邪魔されたことに苛立ったようで俺に向けて鎌を薙いできた。この間にライリーは漢方薬を一気飲みして飲み干す。

 

ライリー「うげぇ…ほんとこれ苦げぇ」

 

指揮官「良薬は口に苦しだ。仕方ない」

 

ライリー「くっそぉ…だったらこいつを倒してベルファストたんにナデナデしてもらうんだぁぁぁぁっ‼」

 

 やる気が一気に上がったようで、ライリーは瓶を装填し直してネルスキュラに狙いを定めて矢を射る。

 

指揮官「よくわかんないけどその意気だっ!」

 

 ライリーの勢いに続くようにネルスキュラに気刃斬りをお見舞いする。このまま大回転気刃斬りを入れたいがネルスキュラが大きく前足の鎌を振るおうとしてきた。間に合うか…!?

 

ライリー「これでもくらえっ‼」

 

 ライリーが放った弓矢がネルスキュラに直撃するとネルスキュラの体が痙攣しだす。

 

ネルスキュラ『ギュギュギュギュ!?』((;`皿´)))

 

ライリー「っしゃあ!麻痺ったぜー!」

指揮官「ナイス麻痺!畳みかけろーっ!」

 

 麻痺している間に一気に攻める。ライリーは強撃瓶を装填して矢を射続け、俺は気刃斬りを入れてフィニッシュに大回転気刃斬りをお見舞いした。

 

ネルスキュラ『ギシャアアアアアッ‼』

 

 麻痺が解かれるとネルスキュラは前足を上げて威嚇しだす。複眼の色が青から赤へ、どうやら激昂したようだ。大きく後ろへ下がると同時に口から糸を吐いて地面につけると体を引っ張らせてこちらに勢いよく突っ込んできた。

 

指揮官「当たるかっ!」

ライリー「あぶねっ」

 

 俺は動きを見切ってぎりぎりのところを躱し、ライリーは焦りながら回避をとる。離れたネルスキュラを追って迫るが、ネルスキュラが振り向きざまに勢いよく前足の鎌を薙ぐ。

 

指揮官「っと!」

ライリー「こいつをくらえっ!」

 

 俺は躱して横へ斬りこみ、ライリーは狙いを定めて弓矢を射った。ライリーの放った弓矢はネルスキュラの左前足に当たるとバキッという音を立てて鎌が砕ける。

 

ネルスキュラ『ギュギュゥッ!?』怯み

 

ライリー「よし、まずは左前の鎌!」

指揮官「これで頭を狙いやすくなる」

 

 この勢いを落とさずに攻めていかねば。太刀を構えてネルスキュラに迫る。

 

ネルスキュラ『ギュギュギュギュッ‼』

 

 ネルスキュラは残りの右前足の鎌を振り下ろす。俺はタイミングよく見切り、振り下ろした前足を踏み台にして高く跳ぶ。

 

指揮官「くえらええっ‼」

 

 狙いを定めて大きく太刀を振り下ろし、兜割りを放った。赤い一閃が迸り、ネルスキュラに一撃を与える。

 

ネルスキュラ『ギュギュギュゥッ!?』

 

 その際に奴が纏っているトビカガチの皮が破けた。頭ではなく体にまとう皮に当たったか…次は狙いを外さない。次はどう動く…?

 

 

ネルスキュラ『ギュギュギュッ‼』

 

 振り下ろした太刀を躱すとネルスキュラが大きく後ろへ下がるかと思いきや、軽く跳ぶようにステップを踏んでのしかかってきた。

 

指揮官「あべしっ!?」.∵・(´ε゚((

 

ライリー「にゃろっ!」

 

 ライリーがお返しに弓矢を放つがネルスキュラは上へ糸を吐いて登って躱すと、振り子のように己を揺らしてその勢いでライリーめがけて突っ込む。

 

ライリー「あぶっ!?」

 

 ライリーは回避をしたが、ネルスキュラはその回避を終えたライリーを狙って腹部から針を出すとライリーに突き刺した。

 

ライリー「あげっ!?」

 

 ライリーは起き上がろうとするが足が覚束ない…そうだ、ネルスキュラの腹部の針には睡眠性の毒があるんだ。

 

指揮官「ライリー‼元気ドリンコ!」

 

 持っているであろうから呼びかけるがライリーはふらふらと体を震わせる。彼も寝まいと必死にポーチから元気ドリンコを探ろうとしているが、願うことなく寝息を立てて倒れた。

 

ライリー「むにゃむにゃ…もう食べらないよ…」

 

指揮官「もう寝言いってやがる…!」

 

 このままだとネルスキュラの格好の餌食だ。急いで駆けようとしたが、ネルスキュラがこちらに狙って糸の塊を飛ばしてきた。

 

指揮官「くっ…このっ!」

 

 執拗に糸の塊を飛ばして近づけないようにしてくるか…‼掻い潜るように近づいたその時、足元でベチャっと嫌な音がした。見れば糸の塊……ネルスキュラが飛ばしていた糸の塊だ。

 

指揮官「しまっ……!?」

 

 俺が足を取られたのを見たネルスキュラが俺に向けて糸を吐きながらこちらに迫った。糸を振り払おうとするが次第に体に糸が絡まり身動きができなくなった。

 

指揮官(こいつ…ライリーじゃなくて俺が狙いかっ!?)

 

 ライリーはすやすや寝ている…先に俺を仕留めてからやるってことか!まずい、はやく解かねば。必死に藻掻くがなかなか糸は解けない。

 

ネルスキュラ『ギュギュギュギュギュッ‼』

 

 バキィッビキビキィッ

 

 俺の目の前でネルスキュラは下顎から毒液をたっぷり含めた禍々しい鋏角を広げていく。

 

指揮官「やばいやばいやばいやばいやばい‼」

 

ライリー「( ˘ω˘)スヤァ」

 

 

__

 

Sideオイゲン

 

 

 ルーキーを避難させて様子をこっそり見に来た私と高雄は言葉が出なかった。こんな樹海にあんな大きな蜘蛛がいるなんて思いもしなかったわ…見れば見るほどぞっとする。きっとライプツィヒとか蜘蛛が苦手な子が見たら気を失うでしょうね…

 

 指揮官達はそんな禍々しいモンスターにも恐れることなく立ち向かう。攻撃を食らっても立ち上がり果敢に立ち向かう……いつの間にか高雄も息をのんで指揮官達を見守っていた。

 

高雄「オイゲン……指揮官殿達は勇ましいな」

オイゲン「そうね、あれが指揮官のもう一つのお仕事なんだから」

 

 高雄は少し不安そうに指揮官達を見つめる。高雄も心配よね、でも指揮官ならきっと……

 

オイゲン「!?」

 

 目を離していたらライリーが倒れているのが見えた。そして倒れているライリーへ駆けつけようとする指揮官にネルスキュラが糸の塊を飛ばしている。

 

高雄「ら、ライリー殿は無事なのか!?」

 

 高雄は刀をつかんで今にも引き抜いて駆けつけようとしていた。私もすぐに駆け付けたい、でも今は危険だ。高雄をつかんで止め、指揮官を見守る。

 

 だが、指揮官は蜘蛛の糸の塊に足を取られ、動けない間にネルスキュラの吐く糸に絡まれ身動きができなくなっていた。指揮官が藻掻いて解こうとしていると、ネルスキュラの下顎から毒々しいハサミを展開しだす。

 

オイゲン「…っ!」

 

高雄「オイゲンっ!?」

 

 気づけば高雄よりも先に私は駆けていた。このままじゃ指揮官が危ない。私が行ってもどうにかできるのか?そんな疑問がよぎるよりも早く、指揮官のもとへと駆けようとしていた。

 

 

バキバキバキッ

 

 その時、木々を押しのけるように勢いよく何かが音を立て近づいてきた。私はその音のなるほうへと視線を向ける。

 

 

 

プケプケ『ギュエエエエッ‼』

 

ジャベリン&ニーミ「ひゃあああああっ!?」

カッシン「……!?」

 

 飛び出してきたのはプケプケと……そのプケプケに乗っているジャベリン達だった。

 

オイゲン「ええっ!?」

 

___

 

Sideソルト

 

プケプケ『ギュエエエエエッ‼』

 

 あれは……アステラで保護されてるプケプケ!?なんでこんなところに!?というかよーく見ると……ジャベリン達がプケプケに乗っているではないか。

 

指揮官「え、ちょ、ジャベリン!?カッシンにニーミも!?」

 

ニーミ「あっ!?し、指揮官!?」

カッシン「えーと実は……」

 

プケプケ『ギュエエエッ‼』バタバタ

 

ジャベリン「ひゃあっ!?」

 

 驚いている間に飛んでいるプケプケは体を震わせジャベリン達を蜘蛛の巣へと落とすと、勢いよくネルスキュラに体当たりをした。

 

ネルスキュラ『ギュギュギュッ!?』

 

 プケプケの体当たりをくらったネルスキュラは怯んで鋏角を閉じる。プケプケは更に翼をばたつかせて跳んだ勢いでネルスキュラに蹴りを入れていった。

 

 だめだ!まだ傷は完治していない!これ以上動き続けては傷が開き命に関わる!俺は必死に藻掻いて絡まる糸を解こうとする。

 

ネルスキュラ『ギュギュギュギュッ‼』

 

 しつこく攻めるプケプケに苛立ったネルスキュラは右前足の鎌を振るって襲う。振るわれた鎌にプケプケは怯み、体勢を崩して倒れてしまった。足をばたつかせて起き上がろうとするプケプケにネルスキュラが仕留めようと鎌を振り下ろそうとしていた。まずいっ!はやく解けないと!

 

 

 

オイゲン「Feuer‼」ズドォンッ

 

ネルスキュラ『ギュギュッ!?』hit‼

 

 

 いつの間に来ていたのか、オイゲンが主砲を放ち、その砲弾はネルスキュラの顔面に直撃しネルスキュラは怯んだ。

 

高雄「はああああっ‼」

 

 そしてオイゲンの後ろから高雄が駆け、怯んだネルスキュラに迫ると刀を引き抜いて一刀を入れた。

 

ガキィィィンッ!

 

 が、高雄の一太刀はネルスキュラの甲殻に弾かれる。高雄は目を丸くしていたが臆することなく刀を構えた。

 

高雄「攻撃は効かなくとも時間稼ぎにはなる!こいっ‼」

 

ネルスキュラ『ギュギュギュギュッ‼』

 

 怒り吼えるネルスキュラの攻撃を高雄はなんとか躱していった。その間にオイゲンとジャベリンが俺のもとへ駆けつけてきた。

 

指揮官「オイゲン、ジャベリン!どうしてry」

オイゲン「指揮官そんなことは後!」

ジャベリン「今すぐ解きますね!」

 

 ジャベリンは持っている槍で、オイゲンは蛇のような形をした艤装で糸を解いていく。一方未だにスヤスヤ眠っているライリーのもとにはニーミとカッシンが駆けつけていた。

 

ニーミ「ライリーさん起きてください!」ユサユサ

 

ライリー「うぅん…もう食べられないよ」( ˘ω˘)スヤァ

 

ニーミ「どうしましょう…なかなか起きてくれません」

カッシン「だったら……」

 

 カッシンはゆっくりとライリーの耳に口を近づけていき、大きく息を吸うと……

 

 

 

カッシン「ライリーさん……シェフィールドさんのカチューシャ持ってったのシェフィールドさんに伝えていい?」

 

 

 

ライリー「だめええええっ‼」ガバッ!

 

 

 カッシンがライリーの耳元で何かを囁くと突然ライリーはガバリと起き上がった。カッシン、いったい何を言ったのだろうか……

 

カッシン「ライリーさんおはよ」

ニーミ「ライリーさん!寝てる場合じゃないですよ!」

 

ライリー「お、おう……って、それどころじゃないなこれ!?」

 

 ライリーはネルスキュラの攻撃を必死にかわし続けている高雄、傷を負っているプケプケを目の当たりにすると一目散に駆けていく。

 

ジャベリン「ふう、ようやく解けました!」

 

 そして俺に絡みついていた蜘蛛の糸が解けた。よし、これで動ける!

 

指揮官「オイゲン、ジャベリン、助かった!」

 

オイゲン「指揮官、気を付けて!

 

指揮官「ジャベリン、プケプケにこれを飲ませるんだ」つ【秘薬】

 

 俺はポーチから秘薬を取り出してジャベリンに渡す。応急処置をしなければプケプケが危ない、いちはやくネルスキュラを倒して対応しないと…!

 

ジャベリン「はい!急いでプケプケちゃんを助けます!」

 

 飛躍を受け取ったジャベリンは駆け足でプケプケのもとへと駆けつける。

 

ジャベリン「プケプケちゃん!もう大丈夫だからね!」

 

プケプケ『キュウゥ…』((;+ω+))

 

 

 

ネルスキュラ『ギュギュギュッ‼』

 

高雄「なっ⁉どこへ行こうとする‼」

 

 プケプケのもとへと駆けつけたジャベリンにネルスキュラが反応し、高雄からジャベリンの方へと標的を変えて迫ろうとしていた。

 

 

ソードマスター「うおおおおおっ!」ダダダダダダッ

 

 

 するとそこへソードマスターさんが蜘蛛の巣をかき分け、猛ダッシュで駆けつけてきた。背負っている太刀を抜刀してジャベリンに襲い掛かろうとしていたネルスキュラに斬りつける。

 

指揮官「ソードマスターさん⁉」

 

ソードマスター「ふぅ…ふぅ…この子達がプケプケに乗って飛んでったの見て大急ぎで駆けつけてきた」

 

 

 ソードマスターさんは息を整えると太刀を振るってネルスキュラを退けさせ、近づけさせまいと太刀を構えた。

 

 

ソードマスター「この子達には指一本も触れさせんぞ!ソルト、ライリー‼思う存分やれ‼」

 

指揮官「はいっ‼」

 

ライリー「よし…高雄、ありがとよ。あとは任せときな!」

 

 高雄と交代したライリーは狙いを定めて弓矢を射る。顔に直撃して怯むと今度は俺とライリーに標的を変え、糸の塊を飛ばしていく。

 

指揮官「そいっ!」

 

ライリー「あたるかよっ!」

 

 俺は飛んできた糸の塊を斬り落とし、ライリーはステップを踏んで躱しながら弓矢を射っていく。ネルスキュラの懐まで迫った俺は太刀を薙ぐ。

 

 ネルスキュラが反撃で右前足の鎌で引っ掻こうと振るうがタイミングを見て回避をとり、気刃斬りを入れていく。するとネルスキュラが下顎をもそもそと動かす。鋏角を展開させる気だ、そうはさせない!

 

指揮官「ライリーっ!」

 

ライリー「おっけーい‼まっかせろぉ‼」

 

 ライリーは頷いて鏃を地面に擦らせ火花を散らせると低姿勢で弓を構える。大きく引かれる弓矢からバチバチと火花を散らせて竜の一矢を放とうとした。

 

ライリー「ぶちかませやぁぁっ‼」

 

 気合の声とともに竜の一矢は放たれる。勢いよく飛んだ弓矢はネルスキュラの下顎へと炸裂。

 

ネルスキュラ『ギュギュギュッ⁉』

 

 急所をくらったようでネルスキュラは大きく怯む。今がチャンスだ!俺は太刀で一突き入れると、奴の足を伝って高く跳び太刀を力いっぱい振り下ろした。

 

指揮官「おらああああっ‼」

 

 赤い剣閃が過り兜割りがネルスキュラに炸裂する。

 

ネルスキュラ『ギュギュギュギュ……ッ」

 

 ネルスキュラが大きく怯むと足を藻掻かせ倒れると動きが止まった。動かなくなったのを確認し、俺とライリーは武器を収める。

 

指揮官「ふう…やったな」

ライリー「ナイス」

 

 ハイタッチを交わし一息つく。ひやひやしたが……ネルスキュラの討伐は成功だ。

 

 

オイゲン「指揮官?」ムッスー

 

指揮官「ひゃいっ⁉」

 

 背後から声を掛けられギョッとする。後ろではむすっとしているオイゲンがジト目で睨んでいた。

 

オイゲン「何が「任せておけ!」よ。危なかったじゃないの」

指揮官「たはは……」

 

 確かにそうはいったけど…狩人は危険がつきもの、戦いのさながらで怪我を負う。オイゲンには毎度毎度心配かけさせて申し訳ない……

 

指揮官「すまなかったな…無理はしないよ」

 

高雄「そう落ち込まないでくれ指揮官殿、オイゲンも指揮官が多少怪我をすることは承知さ……最も、指揮官殿が捕らわれた時は拙者よりも早く駆けつけたのだがな」

 

オイゲン「あ、あれは反射でうごいたのよ!」アセアセ

 

 そうか……オイゲンにも心配かけさせないよう気をつけなきゃな。

 

 

ライリー「ソルト、プケプケの方だが…」

 

 そうだ、怪我をしているのにそれでも飛んできたプケプケの容態を見なきゃ。俺とライリーはプケプケのもとへ歩み寄る。ジャベリンが秘薬を飲ませた後、ソードマスターさんが応急処置をしてくれていた。

 

ソードマスター「うーむ……」

 

ジャベリン「ど、どうですか…?」

ニーミ「この子は大丈夫なんですか…?」

 

ソードマスター「うむ…心配ない。少し傷が開いてしまっているが命に別状はないぞ。またゆっくり治せば大丈夫だ」

 

ジャベリン「本当ですか⁉ありがとうございます!」

カッシン「よかった……安心した」

 

指揮官「ソードマスターさん…」

 

ソードマスター「これまで数多のモンスターを見てきたが……お前達の危機を察したのか駆けつけてきたのは珍しい。よっぽど信頼してるようだな」

 

指揮官「いえいえ、俺達よりも……彼女達を信頼してますよ。たぶん心配する彼女たちの気を察したのでしょう」

 

 そう言いながらかがんで治療を受けてスヤスヤと眠っているプケプケを撫でた。危ないところ身を削ってまでも駆けつけて助けてくれてありがとうな。

 

指揮官「ソードマスターさん、お願いがあるのですが…」

ソードマスター「うん?」

 

____

 

inアステラ_観察エリア

 

Sideジャベリン

 

総司令「うむ……古代樹の森で調査団の救助、及びにネルスキュラの発見と討伐。ご苦労だった」

 

 総司令さんは報告書を読み終わるとちらりと指揮官とライリーさんに視線を向ける。二人とも緊張してるみたいです……

 

指揮官「そ、それで……総司令にお願い、いえ、提案があるのですが…」

 

総司令「提案、とは?」

 

指揮官「今回、保護したプケプケをアステラのオトモンにしようかと……」

 

総司令「む…?」

 

 『オトモン』?いったい何のことでしょうか?初めて聞いた言葉に私やカッシンちゃんたちは首を傾げる。

 

ライリー「オトモンってのは『ライダー』っていう職業の奴と一緒に行動し活動をするモンスターのことだ。しっかりと教育、訓練をし、クエストを熟すのさ」

 

オイゲン「人と一緒に?」

ライリー「おうさ。ちゃんとした知識と管理をしないといけないし、それにモンスターを管理する資格も厳しい」

 

 新大陸でオトモンを適用するのは初めてになる、とライリーさんは言いました。指揮官の提案に総司令さんは深く考え込んでます…総司令さんは私とカッシンちゃんの後ろで待機されているプケプケちゃんの方へ視線を向きました。

 

総司令「……本来、プケプケは狡猾な性格を持ち、自分より弱い相手に襲う習性もある。まだ若い個体だからどうだか確かではないが……」

 

指揮官「ち、鎮守府の方で管理します!竜舎を建てて、俺がしっかり管理します!」

ライリー「一応ソルトやディアスにはライダーの資格はあるし…俺も手伝う。見た感じ大人しいがもし危なかったらすぐに野に返すぜ」

 

総司令「むぅ……」

 

ジャベリン「あ、あの!私たちも手伝います!ちゃんと勉強して覚えますよ!」

カッシン「ご飯もちゃんとあげるし…一緒に寝てあげる」

ニーミ「私も頑張って手伝いますので…お、お願いします!」

 

 総司令さんに頭を下げてお願いします!

 

 すると総司令さんはくすりと笑うとプケプケちゃんの方へと視線を向けた。

 

総司令「ソードマスターから詳しいことは聞いた……お前はどうだ?」

 

プケプケ『クルルル…』((*・ω・))

 

 プケプケちゃんは大人しく鳴いてゆっくりと座り込みじっと総司令さんを見つめた。それを見た総司令さんは満足そうに頷き指揮官さんの肩をたたいた。

 

総司令「よし…!このプケプケは今日からアステラの一員だ。ソルト、プケプケの飼育管理と彼女たちにオトモンの管理についてしっかり教えるんだぞ」

 

指揮官「あ、ありがとうございます‼」

 

ジャベリン「やったぁ!」

ニーミ「よ、よかったです!」

 

 許可をもらえたことに私とニーミちゃんは手を取り合って喜び合う。カッシンちゃんは嬉しそうにプケプケちゃんに近づきプケプケちゃんを撫でた。

 

カッシン「よかったね…」

 

プケプケ『((* ・ω・))』ペロペロ

 

 なんとプケプケちゃんが長い舌でカッシンちゃんをペロペロとしちゃってます⁉

 

カッシン「ふふっ、くすぐったい」

 

 

ライリー「ちょ、ずるいぞ!俺もペロペロry」

シェフィールド「ライリー様、少しお話が」

ライリー「ひえっ⁉しぇ、シェフィールドちゃん⁉」

 

シェフィールド「カッシンから聞きました……私のカチューシャを勝手に持ち出したようですが、どこへやったのです?」ゴゴゴゴ

 

ライリー「」/(^o^)\




やったー!長良ちゃんの新しい衣装だー!かわいいー!耳かきしてー‼

運営さん……カッシンちゃんの新衣装、まだですかね?
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