アズールレーンクロスワールド   作:サバ缶みそ味

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 ストーリーズ買っちゃいました…厳選が止まらないのじゃ

 レウスの名前はもちろんコタローです


41.狂惨の爪 【惨爪竜:オドガロン】

in瘴気の谷__キャンプ地

 

sideオイゲン

 

 

  なんとか間に合った。いち早く向かった指揮官を追ってキャンプへ着くと指揮官はすぐにでも出立しようとしていた。

 

オイゲン「し、指揮官!急ぎすぎよ!」

 

指揮官「おぉ!オイゲンも来たか。じゃあ行こう!」

オイゲン「だから待ちなさいっての!!」

 

  待ち切れないのかすぐに出立したくてソワソワしてる。大発見をしたかのように興奮している指揮官をおつかせないと…!

 

ディアス「ソルト、待ってってばー!」

シド「何か面白いものでも見つけたのか?」

 

ミネアポリス「ほらライリー、もうすぐ着くぜ」

ライリー「ふぅ…はぁ…ったくもー、お前ら早すぎだっつぅの!」

 

  指揮官の後を大急ぎで追ってきたディアス達が追いついた。彼らが着たことでようやく指揮官の足は止まった。

 

ディアス「夢中になると中々止まらないんだから。急ぐのはいいけどオイゲンを置いてけぼりにするのは良くないよ」

 

指揮官「そうだった…すまん、どうも俺の悪い癖が出たな」

 

  まったく、次からは気をつけてほしいわ。それか私がなんとかしてその悪い癖を叩き直してやろうかしら?

 

ライリー「ところで何かわかって瘴気の谷に来たんだろ?何がわかったんだ?」

 

指揮官「答えはここの深層にあるはず。進みながら話そう」

 

  さあ行こう、と指揮官はウキウキしながら瘴気の谷へと下りていく。生物の骨があちこち見える坂を下り、瘴気が漂う洞窟へと進む。

 

ミネアポリス「こいつはすげぇな…まるで墓場みたいだ」

 

 ミネアポリスは初めて見る景色に目を輝かせながら興味津々に辺りを見回している。彼女は狩りとか罠とか得意らしいけど、彼女の常識を上回る自然に圧倒されたようだ。

 

オイゲン「指揮官、本題に入るけど…何がわかったの?」

 

  ルンルン気分で突き進む指揮官に単刀直入に尋ねる。あの時何か閃いたのか、我先にと瘴気の谷へと向かった。きっと指揮官はこれまで悩んでいた『答え』に辿り着いたのかもしれない。

 

指揮官「そうだな…まだ推測かもしれないが、瘴気の谷と陸珊瑚の台地の関係性となぜ古龍の骨が瘴気の谷にあったのかが分かった」

 

シド「ついに分かったのか?」

 

指揮官「まず瘴気の谷は生物達にとって最期を迎える場所にとっていい場所であることだ」

 

ディアス「こんな危なっかしい所が?」

 

  首を傾げるディアスと同じように私も傾げた。生物に害がある瘴気が漂う場所がいい所なのだろうか。

 

指揮官「まあ偶然の産物なんだろうけど、この谷は深い構造だから己の死に際に捕食者に襲われにくい。それにここはある捕食者を除いて屍肉が主食の生物が多い」

 

ライリー「確かにな。深いところなら安全に最期を迎えられるが、ここまで来るのにかなりの体力がいる。寿命が近いモンスターならここに来たと同時に力尽きるだろうな」

 

ディアス「なるほどー、だからリオレイアやレイギエナとかの骨や死骸がある訳だ」

 

ミネアポリス「つまりどういうことだ?」

 

シド「川に産卵するため遠い海から戻ってきた鮭が卵を産み、子孫を残した後に力を使い果たして力尽きる、と似たものだ」 

 

ミネアポリス「そ、そういうことなのか?」

 

  シドの説明で私もミネアポリスもある程度理解できた。

 

指揮官「そして死骸は微生物達によって分解され、大地の栄養となって土に還る。栄養を取り込んだ大地はより豊かな自然を育むんだ」

 

オイゲン「瘴気の谷の上には陸珊瑚の台地が…でも指揮官、あんな摩訶不思議な自然にはならないんじゃない?」

 

  死骸が養分となって自然を豊かにするのはわかる。でも陸珊瑚の台地のような不思議な自然にはなりえないのでは、と疑問に思う。

 

指揮官「そこに関係するのが古龍だ」

 

ディアス&ライリー「「あぁ〜なるほど〜」」

 

  指揮官の答えにディアスとライリーは納得して頷く。彼らが納得しても私達にはどういうことかさっぱりなんだけど

 

シド「古龍には風を起こしたり炎や熱を操ったり、自然を超越する圧倒的な力を宿している。俺達はそれを龍属性エネルギーと呼んでいるんだ」

 

ミネアポリス「龍属性エネルギー…?」

 

ディアス「そのエネルギーは古龍の血や肉、甲殻にも含まれているよ。そして寿命を迎えると同時に放出される」

 

ライリー「そんで屍とエネルギーは自然の養分となって還元される…その養分はかなりの力があり、自然や生態系に大きな恵みとなるのさ」

 

指揮官「古龍のエネルギーは未知数だからね、陸珊瑚の台地のような不思議な自然を創り上げることもある」

 

  なるほど…古龍のエネルギーが大地の養分となって豊かな、いや豊かすぎる自然を築いたというわけね。

 

ディアス「でも陸珊瑚の台地を創り上げるのに長い年月をかけて瘴気の谷に蓄えられていったんだろうねー」

 

  長い年月…古龍のエネルギー…瘴気の谷…そして寿命を悟ったモンスター達。これらの言葉を繋げていくとふと気付いた。

 

  死期を悟ったモンスター達は瘴気の谷を目指していた。それを古龍に当てはめると…!はっとした私は指揮官の顔を見る。指揮官は深く頷いた。

 

指揮官「もしかしたら、古龍渡りは寿命を迎えた古龍が瘴気の谷を目指して移動なのかもしれない」

 

ライリー「そういうことか!それなら一理あるかもな!」

ディアス「じゃあ今回のマグダラオスの古龍渡りは死に場所を求めて新大陸に来たってこと?」

 

  あんな巨大なモンスターさえも寿命を悟ってここまで来たというのね……

 

シド「そうなるとどえらいことになるな」

オイゲン「どういうこと?」

 

指揮官「マグダラオスの体内にはマグマによる熱エネルギーが蓄積されていて、常に放出をする。マグダラオスが死ぬと生命エネルギーと同時に体内に溜まっている熱エネルギーも放出されるんだ」

 

オイゲン「マグマ…もしかして火山の大噴火みたいなことになる?」

 

  指揮官とシドが一緒に頷く。それじゃあ大惨事になるのでは…?

 

指揮官「マグダラオスが瘴気の谷の深層にいれば多少は…たぶん」

シド「だがあれだけの巨体だ。それらは生態系の大きな源になりより豊かな自然へと変わるだろう」

 

  微生物が長い年月をかけて分解するかの如く、ゆっくりと自然に還り、豊かにしていく。改めて自然って不思議よね。

 

ミネアポリス「難しい話だが自然を豊かにするってことだな!」

 

ミネアポリスもなんとか納得したようだ。

 

ライリー「おっ‼あれ見てみろよ!」

 

  ライリーが興奮気味に向こうを指差す。それと同時に導蟲が青い光を発しながら飛んでいく。その先には黒い岩の様な塊が見えた。あの塊、見たことがあるわ。確か大蟻塚の荒地にも同じ物があった。

 

オイゲン「あれって、マグダラオスの痕跡!」

ディアス「間違いないね…!ソルトの仮説が当たってるかも!」

 

  だとすればマグダラオスは深層にいるはず!指揮官へ視線を向けると案の定指揮官はハイテンションになっていた。

 

指揮官「さあどんどん行こう!マグダラオスがいるぞ!」

 

青く光る導蟲の行く先に向かって指揮官の進むスピードが速くなっている。私達も指揮官に続いて深層へと進む。

 

  深層へ進んでいくとあちこちに見えていた生物の骨は見えなくなり、代わりにキノコのような形をした植物やゴツゴツした岩場、キラキラと光っている水辺が見えてきた。それに漂っていた靄、瘴気も見えない。

 

ミネアポリス「わぁ…なんか神秘的な場所だな」

オイゲン「ここは瘴気が薄い?」

 

指揮官「どうやら深層は瘴気が漂っていないようだ」

シド「たぶんこれのせいだろう」

 

  シドがジャーキーを取り出して光っている水溜まりへと投げた。するとジャーキーがジュウっと音を立て溶けていった。

 

ライリー「強烈な酸の泉だな。迂闊に触れると溶けるなこりゃ」

ミネアポリス「まじかよ…」

 

 完全に溶けて無くなってしまった様にミネアポリスは絶句する。どうしてこんなところに酸の泉が…

 

指揮官「もうすぐ谷の底だ!」

 

 指揮官はウキウキしながら奥へ奥へと突き進んでいく。谷の底へとたどり着けばきっとそこにマグダラオスがおるはず。あの巨体を誇る龍がまた見れるということに私も少し喜んでいた。最初は怖かったのに…これも指揮官の影響かしら。

 

指揮官「ここに!ゾラ・マグダラオスが……あ、あれ?」

 

 前進していた指揮官の歩むスピードがだんだんと落ち、立ち止まってしまう。何があったのだろうか?私も指揮官が見ている先を見つめると、そこには先ほど見かけた熱を帯びた黒い大きな塊だけが広い谷の底にポツンとあった。

 

 指揮官達はどういうことか不思議に思いながら辺りを見回す。しかしマグダラオスの姿はない。ここから通る道もない…

 

指揮官「おかしい…ここは谷の底だ」

ライリー「痕跡だけ残してどこ行きやがったんだ?」

 

ディアス「導蟲の反応は?」

シド「無いな。仮にあったとしてもその先は酸の泉だ」

 

 さすがに酸の泉へと突き進むことはできない。本来ならばこの辺りにマグダラオスがいるはずなのに…きょろきょろと辺りを見回す指揮官に落ち着きがなくなってきている。

 

指揮官「うーむ…よし!二手に分かれて探すか!」

 

オイゲン「指揮官、待ちなさい」

 

 あたふたと行動しようとする指揮官の腕を掴んで止める。ここで止めないとまた指揮官が私たちを置いてひとりで突き進んでしまう。

 

オイゲン「指揮官、慌てる気持ちはわかるわ。でも今は落ち着いて。あんたの他に総司令や3期団の団長さんや学者先生達がいるでしょ?」

 

 ここで慌てて動いても意味はない。大事なのは情報。自分達だけでなく調査団全員に知らせなくては。

 

オイゲン「情報を共有することが大事よ?まずは総司令達に伝えなくちゃ」

 

 総司令やほかの調査団ならマグダラオスを探す手がかりや方法を知っているかもしれない。私の話に指揮官はようやく落ち着いてくれた。

 

指揮官「そうだよな…まずはマグダラオスが行方をくらましたことを皆に知らせなくちゃ。ありがとう、オイゲン」

オイゲン「まったく落ち着きがないんだから」

 

指揮官「よおし、みんな一旦アステラに戻ろう!」

 

 ライリー達も頷き、ここは一旦引き返すことにした。でもこれからどうやってマグダラオスを探そうか…

 

ミネアポリス「‼…みんな!気をつけろ!」

 

___

 

Side指揮官

 

 突然、ミネアポリスが指揮官達に呼びかけた。背負っていた主砲を構えて厳しい剣幕で茂みの先を睨む。

 

ミネアポリス「あの先で何かがこっちの動きを見やがってんだ」

 

 流石は彼女の勘というべきか…彼女の言う通り何かが潜んでいる気配がする。ここは警戒してゆっくりと退散しないと…

 

ミネアポリス「こっちはわかってんだ!こそこそ隠れてねえで出てきやがれ‼」

オイゲン「いやそれはちょっとまずいんじゃ…」

 

 ミネアポリスの挑発に乗ったのか茂みに隠れていた何かがゆっくりと出てきて姿を現した。

 

???『グルルルル…‼』

 

 それは真っ赤な体躯に、口外に露出する上下の牙、無数の突起に覆われた尻尾、そして四肢に携えた鋭い爪…狼のような体型をしたモンスターだった。

 

ディアス「あれは…【惨爪竜:オドガロン】!」

ライリー「資料によりゃ、あの爪には4つの隠し爪があってそれで切り裂かれるとめっちゃ痛いって聞いたな」

 

 

オドガロン『グルルルル…』

 

 

 オドガロンはこちらの動きを伺いながらゆっくりと近づいてくる。俺達も奴の動きを警戒しながらゆっくりと武器を構える。

 

シド「まずいな…無暗に動けばオイゲン達が危ない」

 

 ここの道は一本道で隠れる場所もない。仮にオイゲン達を先に避難させたり隠れさそうとしたら真っ先に狙われる。このままゆっくり下がっても奴の脚力で回り込まれる。どうすべきか…!

 

 オドガロンが更に一歩近づいたその時、オドガロンの側面から茶色い弾が飛んできてオドガロンの顔に直撃した。

 

オドガロン『‼?』

 

 突然のことにオドガロンが怯んだ。今のはどこから…?

 

 

マーサ「あんた達!今のうちだよ!」

 

 スリンガーにこやし玉装填して放っているマーサさんの姿が見えた。こやし玉を何発も撃ち込まれたオドガロンが鼻についた臭いを取り払うように顔を振って数歩下がっていく。

 

ライリー「ディアス‼」

ディアス「オッケーイ!通せんぼアターック‼」

 

 ディアスはレイジングテンペストを構えオドガロンへと突進していく。突かれたオドガロンは標的をディアスに定め襲い掛かる。

 

ディアス「へいへーい‼当たんないよーだ‼」

 

 オドガロンの鋭い爪によるひっかきをディアスは盾で防ぐ。オドガロンがディアスに集中している今がチャンスだ!

 

指揮官「マーサさん!オイゲン達をお願いします‼」

 

 突っ走って飛竜刀【銀】を引き抜いてオドガロンに一太刀。オドガロンのひっかきを見切って鬼人斬りを放つ。

 

マーサ「なっ‼?あんた達!オドガロンは危険だよ!?」

 

ライリー「なぁに、危険なモンスター相手には慣れてますぜ!」

シド「奴の攻撃に気を付ければ問題ない」

 

  ライリーとシドも続けてオドガロンに迫り足止めをする。果敢に攻める俺達の様子にマーサさんは最初は戸惑っていたが苦笑いをして頷いた。

 

マーサ「奴の爪には気をつけるんだよ‼あんた達、彼らに任せてここから離れるよ!」

 

オイゲン「指揮官!気をつけて!」

ミネアポリス「指揮官達の狩りを見たかったけど…無事に戻って来るんだぞ!」

 

  オイゲンとミネアポリスはマーサさんに先導されながらこの場を離れていく。

 

オドガロン『ワ゛オ゛ォォッ‼」

 

  オドガロンがここから避難していくオイゲン達に気づく。彼女達を追いかけようとする。だがシドがツワモノハンマーによる強烈なアッパーをオドガロンの下顎に叩き込む。

 

オドガロン『ヴォオォッ⁉』

 

シド「行かせるものか」

ライリー「おらぁっ‼てめぇの相手は俺達だっ!」

 

  怯んだオドガロンに向けてライリーが電竜大砲【閃撃】を構えて貫通弾を撃っていく。数発は直撃したが態勢を立て直したオドガロンが弾を躱しライリーに向かって大口を開けて突進してきた。

 

オドガロン『ヴァウッ‼』

 

ライリー「あぶねっ!」

 

  オドガロンの噛みつきをライリーは回避。あの鋭い牙で噛みつかれたくないな…!

 

指揮官「せいっ‼」

ディアス「ほいっ‼」

 

  オドガロンの前脚を狙って一文字斬りと突きをかます。まずはオドガロンの爪を何とかしなくては。オドガロンも対抗するかのように前脚の鋭い爪で引っ搔いてきた。

 

指揮官「おっと!」

ディアス「なんのっ!ガードっ!」

 

オドガロン『ヴオォォウッ‼』

 

 盾で防ぐディアスにイラついたのかオドガロンが後ろ脚で立ちあがってから勢いに任せて前脚で引っ掻いてきた。

 

ディアス「わわっ!?」

 

 ディアスは防ぐも勢いが強かったか体勢を崩す。それを狙ってオドガロンが大口を開けて噛みついてきた。

 

シド「させるかっ!」

オドガロン『ヴオウッ!?』

 

 シドがオドガロンの側面からハンマーを勢いよく振り下ろして叩きつけた。それが効いたのかオドガロンが怯んで横へ転がる。

 

シド「ディアス、大丈ry」

 

ライリー「シドっ‼気をつけろっ!」

 

 シドがディアスに声をかけた瞬間、横へ転がってダウンしていたはずのオドガロンが勢いよくシドに飛び掛かってきた。

 

オドガロン『ヴァオウッ‼』

シド「ぐっ‼?」

 

 飛び掛かってきたオドガロンの引っ掻きがシドに直撃。倒れたシドに追い打ちをかけるかのようにもう一発鋭い牙で襲い掛かる。

 

ライリー「こんにゃろっ!これでもくらえっ!」

 

 ライリーがとっさにスリンガーで閃光弾を撃った。オドガロンの目の前で閃光弾は弾け強烈な光を放つ。

 

オドガロン『ヴァオウゥッ!?』

 

ディアス「シド!これで!」つ【生命の粉塵】

シド「すまん…、油断した」つ【回復薬】

 

指揮官「よし、オドガロンが眩んでいるうちに!」

ライリー「しゃあ!どんどん撃つぜ!」

 

 ライリーに援護してもらいながらオドガロンに鬼人斬りで斬り続ける。閃光弾の効果が切れたようでオドガロンが身を翻して噛みついてくる。

 

指揮官「んしょっと‼」

 

 オドガロンの噛みつきを見切り、カウンターで大回転鬼人斬りを放つ。放った一撃でオドガロンの右前脚の隠し爪が砕けた。

 

ディアス「ソルトにつづけーっ!トルネードアターック‼」

 

 さらに続けてディアスがランスを構えて突進。しかしオドガロンがひらりと躱しまた大口を開けて嚙みついてくる。

 

ディアス「うわっ!?」

 

 寸前のところをディアスは避ける。鋭い牙と鎧が掠れガリッと削られるような音が響く。態勢を立て直し攻撃をしかけようとしたその時、オドガロンが前脚を踏み込み勢いで後ろ脚による蹴りを放ってきた。

 

ディアス「ぶべらっ!?」

指揮官「あだぶっ!?」

 

 そんな攻撃をしてくるとは思わず俺とディアスはもろに直撃した。後ろ脚にも隠し爪が仕込まれていたようで鎧に傷がついていた。

 

ディアス「あたた…鎧玉で頑丈にしていてよかったぁ」つ【回復薬】

指揮官「生半可の装備じゃ切り裂かれるなこれ…」つ【回復薬】

 

 って、そんな悠長にしている場合ではない!オドガロンが回り込んで大口を開けて嚙みついてきている!

 

ライリー「これでどうだっ!」

 

 そうはさせまいとライリーが弾を装填して撃つ。オドガロンに弾が何発か当たるとオドガロンの体が痙攣してその場で止まった。

 

オドガロン『ヴァルルルッ!?』ビリビリ

 

ライリー「よっしゃ!麻痺が滅茶苦茶効くぜこいつ!」

 

 ライリーが麻痺弾を撃ってくれていたのか!おかげで助かった。

 

指揮官「サンキュー!ライリー!」

ライリー「どんなもんよ!」

 

シド「こいつくらえっ‼」

 

 麻痺しているオドガロンに向けてシドが思い切りハンマーで叩きつける。

 

オドガロン『ヴァオウッ‼?』スタン

 

シド「よし、スタンしたぞ」

ディアス「ナイス!」

指揮官「畳みかけるぞ!」

 

ライリー「俺もいくぜーっ!」

 

 オドガロンがダウンしている間にシドは何度もハンマーで叩きつけ、ディアスは突進して突きまくり、ライリーは通常弾で撃ちまくり、俺は鬼人斬りから大回転鬼人斬りで放った。

 

オドガロン『ヴァオウウッ!』

 

シド「起きたぞ」

ディアス「散開だー」

 

オドガロン『ヴァオウウッ‼』

 

 オドガロンが後ろへ大きく跳んだと思ったら岩壁に張り付いた!?鋭い爪を突き立ててベリオロスのように壁に張り付くことができるのか!

 

オドガロン『ヴァオウッ‼』

 

 そのまま勢いよく飛び掛かってきた。狙った先は…

 

ライリー「俺かよぉぉっ!?」

 

 狙われたライリーはオドガロンの引っ搔きをくらい吹っ飛ばされる。倒れているライリーに向けてオドガロンが追い打ちをかけようとしていた。

 

シド「ソルト、背中借りるぞ!」

 

 シドが俺の背中を踏み台にして高くジャンプ。そしてぐるぐると回転し、回転の勢いでオドガロンの頭めがけてハンマーを振り下ろす。

 

シド「ふんっ!」

オドガロン『ヴァオウッ!?』

 

 振り下ろされたハンマーはクリティカルヒット。むき出しになっている牙が砕けた!よろめくオドガロンにシドは力をためて一歩強く踏み込んでハンマーで叩きつけた。

 

オドガロン『ヴァオウウッ!?』

シド「あとひといきだ!」

 

指揮官「よし、兜割でry」

ディアス「背中借りるよっ!」

指揮官「またかいなぁっ!?」

 

 兜割りをしようとしたら今度はディアスが俺の背中を踏み台にして高くジャンプ。

 

ディアス「ディアススペシャルジャンピングフィニッシュアターーック‼」

 

 しかし勢いで飛び込んだ突きは当たることなくオドガロンに躱される。後ろへ跳んだオドガロンは再び壁に張り付き、ディアスを狙って飛び掛かった。

 

ライリー「こいつをくらいやがれぇぇっ‼」

 

 ディアスの後ろでライリーがうつ伏せの状態で狙いを定めていた。オドガロンが飛び掛かった直後、狙撃竜弾で狙い撃つ。放たれた弾は気持ちがいいぐらいオドガロンに多段ヒット。その直後大きな爆発が連続して起きた。大ダメージとなったようでオドガロンは地面に落ちる。

 

オドガロン『ヴァオウウゥゥ……』

 

 最期に弱々しく吠え、オドガロンはよろめいて倒れた。狩猟完了、周りを見まわし危険がないことを確認し武器を収めた。

 

ディアス「なんとか倒せたね!」

ライリー「瘴気の谷にも凶暴な奴がいるか…油断はならないな」

 

シド「オドガロンの脅威は取り合えず払った。だが…」

 

 やっぱり何度も辺りを見回してもマグダラオスがいそうな気配はない。

 

指揮官「マグダラオスはいったいどこへ……」

 

____

 

inキャンプ地

 

指揮官「みんなーただいまー」ノシ

 

 

オイゲン「指揮官、遅い」ムッスー

指揮官「はへっ!?」

 

 キャンプ地に戻ってきたらオイゲンが不機嫌そうに腕を組んで待っていた。そ、そんなに待たせてしまったのか!?

 

ミネアポリス「そうかっかするなって。指揮官がいつ戻ってくるか入口でソワソワして待ってたくせに」ニヤニヤ

オイゲン「なっ‼?ま、待ってなんかない!」

指揮官「そうなのか?」

 

オイゲン「そうじゃない‼」

 

 

ライリー「いやー…俺もイチャイチャされてー」ピキピキ(#^ω^)ピキピキ

 

 

マーサ「あのオドガロンを倒したようね…あんた達やるじゃない」

 

 マーサさんはにこにこしながら俺たちの装備を見つめる。鎧にはオドガロンに引っ掻かれた痕がちらほら残っている。

 

マーサ「色々引っ搔かれたようね。ま、無茶するのはハンターの性分かしらね」

オイゲン「また無茶したの?」ジトー

 

指揮官「し、してないよ!なあみんな!」

ディアス「ウンソウダヨー」

ライリー「無茶シテナイヨー」

シド「頑張った」

 

 お前らごまかすの下手すぎか‼

 

マーサ「さて…あんた達も瘴気の谷をしっかり見てきたようね。聞こうかじゃない?瘴気の谷を見てどう感じた?」

 

 そうだ、マーサさんと約束していた。会ったら瘴気の谷を見てどう感じたか。俺達は見て感じたこと、瘴気の谷の仕組みをマーサさんに話した。

 

 瘴気の谷とはモンスターたちの墓場、この地域は墓場を中心とした独特で巨大な生態系がなされていること、そして古龍たちもこの墓場へとやってきているかもしれないことを話した。

 

マーサ「……」

 

 俺達の話を聞いてマーサさんは満足そうに頷いた。

 

マーサ「ついておいで」

 

 マーサさんの案内されるまま進むと瘴気の谷を抜け、陸珊瑚の台地へと進んでいた。

 

マーサ「ソルト、あんたの考えている通り瘴気の谷はモンスターたちの墓場。彼らは死を察して谷を目指す」

 

 骨ばかりの景色は消え、辺りは鮮やかな珊瑚が生い茂る景色へと変わる。

 

マーサ「その屍は養分となり、陸珊瑚の台地がそれを得る」

 

ミネアポリス「すげっ‼なんかエビみたいなのが空飛んでるぜ!」

オイゲン「今は話を聞きなさい」

 

マーサ「こうして生まれた命は生まれ、育み、また谷で死ぬ」

 

 ここでマーサさんの歩みが止まる。そこは陸珊瑚の台地を見渡すことのできる場所だった。鮮やかな珊瑚の森が見え、空にはきれいなクラゲが舞う。

 

ミネアポリス「すっげぇ…自然ってこんな景色を作れるのか」

オイゲン「きれい……」

 

 この景色にはオイゲン達だけでなく俺達も圧倒される。やっぱり自然は不思議だよな…

 

マーサ「見事な生態系だね。こんなに大規模なものは見たことはないよ」

指揮官「まったくですね…」

 

マーサ「これだけの巨大な生態系を成すには…分かるかい?」

 

 これだけの巨大な生態系を成すにはかなり大きな力を持つモンスターか、かなり巨大なモンスターの屍がいるはず…そう考えると答えは一つしかない。

 

指揮官「やっぱり…」

マーサ「その通り、ここは古龍の死に場所だ。ゾラ・マグダラオスは死を迎えるためにここへ来た」

 

 

 台地の底から大きな風が吹いた。すると陸珊瑚から次々と白い粒のようなものが飛ぶ。

 

 あれは珊瑚の卵だ。一斉に放たれた卵は上昇気流に乗って次々に飛んで行く。それはまるで雪のようでとても神秘的だ。

 

ライリー「うおっ…こりゃすげえ光景だな」

オイゲン「もう驚くしかないわね…」

 

 

マーサ「……のはずなんだけど、痕跡だけを残して肝心の奴がどこにもいない」

 

 そうだ……瘴気の谷で死を迎えるはずのマグダラオスが姿を消してしまったのだ。奴はエネルギーを溜めながら進んでいた。

 

指揮官「マグダラオスはいったいどこへ…」

 

マーサ「……わからない」

 

 早く手がかりを見つけてマグダラオスを探さなくては…瘴気の谷じゃない場所で死を迎えるととんでもないことになる。

 

マーサ「あ、だけどこの地に古くから住む竜人達なら何か知っているかもしれない」

 

 

オイゲン「竜人?」

ミネアポリス「っというか誰か住んでたのか!?」

 

指揮官「それって……」

 

 たしかアステラの資料で見たことある。この新大陸から古くから住む竜人族がいると。だけど奥地にいて誰もいまだに出会ったことがないと聞いた。確か彼らの事は…

 

指揮官「…古代竜人か」

 

 

 これは探すのはかなり大変だ。






ミネアポリスはかわいい。
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