アズールレーンクロスワールド   作:サバ缶みそ味

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樫野といい、定安といい……輸送艦はなんで胸部装甲がでかいんだ!ありがとうございます!


46.海の竜は海原の果て

inアステラ鎮守府_埠頭

 

sideソルト

 

 

指揮官「うーむ……」

 

 埠頭にて海の先を眺めつつ手に持っている海図に目を移す。新大陸の近海の地図だが見比べても答えは出ない。  

 

指揮官「こいつは難儀だ」

 

 

 俺が相手するは『海の竜』。名前の通りこの新大陸の海を縄張りにしているが……これまでとは些か異なる。

 

指揮官「やっぱり聞くしかないよな」

 

 方法はこれしかない。少し躊躇いの気持ちを抱きつつ、アステラの流通エリアへと向かう。

 

 流通エリアは今日も仕入れた道具や食材で沢山立ち並び団員達で大賑わい。その中でも美味しい匂いがただよう屋台がひときわ目立つ。

 

寧海「はい!包子おまちどうさま!」

 

平海「熱々だから気をつけてね」

 

陽気な調査員「おう!ありがとうさん!」

 

 寧海と平海の姉妹が助けてくれたお礼というわけで包子(パオズ)、いわゆる肉まんを作って団員達に振る舞っていた。

 彼女達が作る肉まんはとても美味しくて、行列ができるほど団員達に大人気となっている。

 

平海「あっ、指揮官!指揮官も包子食べる?」

 

 平海がとてとてと駆けつけてきて出来たての肉まんをくれた。

 

指揮官「ありがとう……あふっ、あふっ……うまいっ!」

 

寧海「団員さん達もそうだけど、なんで食べた後にガッツポーズをとるの…?」

 

 これは現大陸での癖なんだ…回復薬を飲んでもついついガッツポーズをとってしまう。っと、本題に入らなくては。

 

指揮官「二人ともこのあと時間はあるかい?」

 

寧海「指揮官、改まってどうしたの?」

 

指揮官「……2人には怖いことを思い出すかもしれない。君達を襲ったモンスターについての話だ」

 

寧海&平海「⁉」

 

______________

 

 

 inアステラ_会議場

 

 

 場所を会議場へ移し、オイゲン達と調査班リーダーも呼んでこれから行う調査について会議を始める。

 寧海と平海も来てくれたが2人の表情が暗い。平海は俯いて寧海の手を握っている……あれだけ怖い目に遭ったんだ。思い出すだけでつらいだろう。

 

オイゲン「指揮官、『海の竜』について何か分かったの?」

 

指揮官「あぁ…『海の竜』、おそらく【海竜:ラギアクルス】で間違いない」

 

オイゲン「わかっているならどうして探しに行かないのかしら?」

 

 オイゲンが腕を組んで首を傾げる。今頃ライリー達は生態系の頂点のモンスター達を倒しているだろう。

 

指揮官「確かにわかってるならすぐに探しに行きたいところだ。だが問題がある」

 

調査班リーダー「問題は奴の棲息範囲だ」

 

オイゲン「生息範囲?」

 

指揮官「ラギアクルスは通り名の通り海で行動をとっている。無論、休息のため陸地にあがることもある」

 

調査班リーダー「陸地での痕跡は回収できるが……導蟲は海では活動できない」

 

 導蟲での追跡は便利なのだが海の中では活動できないためラギアクルスを探すことはかなり至難となるのだ。

 

オイゲン「それなら陸地で待ち伏せした方がいいんじゃない?」

 

調査班リーダー「ラギアクルスは広い縄張りを持ち、縄張り内を回遊する。それに陸地にいるのはわずかな時間しかない」

 

 陸地で戦ってもすぐに海中へと潜ってしまい、導蟲での追跡ができなくなる。

 

指揮官「それならば奴の土俵である海で戦ったほうが早い。そのためにも……ラギアクルスが目撃された場所を特定しなければならない」

 

オイゲン「だから襲撃に遭ったこの子達の協力が必要なのね」

 

 オイゲンがちらりと寧海と平海を見つめる。2人はうつむいたままずっと黙っている。

 無理もない。海にあんな怪物がいるとは思わないし、抗う術はなくただ逃げるしかなかった。物凄く怖い思いをしたか……

 

指揮官「2人とも、怖かったら無理に話さなくていいんだよ。俺がなんとかして見つけてとっちめてやるさ!」

 

平海「……指揮官はこれからその怪物と戦いにいくの?」

 

 うつむいていた平海がゆっくりと顔を上げる。

 

指揮官「ああ」

 

寧海「……指揮官は怖くない?」

 

指揮官「怖くないさ。あーいや、ちょっぴり怖いが……皆のためなら、皆が応援してくるなら、あんな怪物ちーっとも怖くないさ」

 

 平海と寧海を優しく撫でる。2人の暗かった顔はしだいに明るくなっていく。よかった、少しは怖さを和らげることができたかな。平海と寧海は顔を見合わせ頷いた。

 

平海「姉ちゃん……」

寧海「うん……指揮官、私達が怪物に出くわした場所に連れてってあげる!」

 

指揮官「本当か!2人ともありがとう!」

 

 平海と寧海をぎゅっと抱きしめて撫でる。よく頑張った、よく勇気を出して言ってくれた!

 

寧海「あ、あわわわ!?し、指揮官、いきなり抱きつかないでよ!?」

平海「指揮官…負けないで」

 

オイゲン「………」

 

 いかん、オイゲンがジト目でこちらを見ている。スキンシップがやりすぎたか?

 

オイゲン「私にはしないの?」ボソッ

指揮官「うん?」

 

オイゲン「な、なんでもない。それで?ラギアクルスを見つけるとして、海上でどう戦うの?」

 

指揮官「ん?海の中で戦うけど?」

 

オイゲン「………は?」

 

______________

 

 

in新大陸近海

 

 

調査班リーダー「ここから先が奴の縄張りだな…?」

 

 帆船で進み、調査班リーダーが辺りを見回しながら寧海と平海の証言を参考にラギアクルスの回遊しているであろう海域の地図を見比べる。

 

 おそらくここから先の海域にラギアクルスがいるはずだ。用心して進まなくては。

 

オイゲン「指揮官、さっきの話は本当なの!?」

 

 オイゲンと寧海が信じられないという様子で尋ねてくる。

 

指揮官「本当さ。海の中へ潜って戦うんだ」

 

寧海「いやいやいや⁉そんなに潜れないでしょ!?」

 

指揮官「こう見えて潜水は得意だ。7分以上は潜れるぞ?」

調査班リーダー「増強剤とクウキモがあれば半永久的に潜れる……ハンター達は鍛えられてるからな」

 

 潜水は必要技術。ライリー達もちゃーんと潜れるぞ。

平海「指揮官、すごい…!」

オイゲン「おかしいって‼水圧とかはどうするのよ!?」

 

指揮官「スイアツ?面白いこと言うな〜」

寧海「色々とおかしいでしょ!?」

 

オイゲン「はあ……指揮官のところは技術も人体もおかしいのね……」

 

指揮官「よし、じゃあ行ってくる!」

 

 増強剤を一飲みし、飛竜刀【銀】を背負って海の中へと飛び込む。探すはラギアクルス!

 

寧海「ほ、本当に潜っちゃった……」

 

平海「指揮官、頑張って!」

 

オイゲン「指揮官……」

 

調査班リーダー「オトモは泳げないからな……実質ソロでの戦いになる。海中のラギアクルスはより凶暴だ、気をつけて戦わなければならない」

 

オイゲン「そう……海の中って聞いてあの子達を出撃させて正解だったわ」

 

 

______

 

 

伊26「ほんとだぁ!指揮官潜ってる!」

U-81「まさか指揮官自ら潜るなんて…びっくりだぞ!」

 

 

 海の中へと潜ると潜水艦の子たちが待っていた。

 

指揮官「お?お前達どうしてここに?」

 

U-96「マジか、指揮官は水中でも喋れるのかよ…」

U-556「オイゲンさんの指示で私達が道中指揮官の護衛をすることになったの!」

 

U-47「私はめんどくて嫌だったけど……」

 

指揮官「そうだったのか。これは心強い」

 

 オトモアイルーは泳げないから海中での探索はガチソロとなってしまう。少し寂しかったがこの子達がいてくれて内心ホッとした。

 

U-556「もしもの時はあたしが助けてあげるから!」

 

指揮官「そいつは頼もしいな。よしじゃあこれから潜航する。皆は周囲になにか無いか探しながら進んでくれ」

 

 まずは近海の海底へ。ラギアクルスが縄張りを主張するため何かしら痕跡を残しているはずだ。

 

U-81「すごい、息継ぎもしないでどんどん進んでく!」

 

伊26「これなら指揮官と一緒に泳いで遊べるね!」

U-556「指揮官!今度海の中で遊ぼ!」

 

U-96「こら、今は指揮官を護衛しつつ怪物を探すのに集中しろ。47はどうだ?」

 

U-47「面倒だけどちゃんと見回してる。今のところ問題はないわ」

 

 近海の海底は砂地と岩場が入り混じっていた。鮮やかな魚達が泳いでおりU-556と伊26とU-81が時折魚の群れと戯れたりしている。

 今のところラギアクルスの痕跡は見当たらない。もう少し先になるか……

 

 しばらく進むと岩場の海底が無くなり、そこから大きな断崖となっていた。

 

U-96「ワオ、ここから一気に深くなってるな」

 

指揮官「この先が寧海と平海が襲われた海域になる。皆、注意して行くぞ」

 

 断崖を下るようにさらに深くへと潜る。酸素はまだ大丈夫そうだが一応クウキモを食べておくか。

 

U-81「指揮官の装備ってダイビングスーツと同じ役割をしてるのかな?」

U-47「さあ、兜つけたまま飲食するからわからない」

 

U-96「指揮官達の技術って本当に意味がわからないよな……」

 

 

伊26「指揮官!見て見て!海底に大きな割れ目が見えるよ!」

 

 伊26が指差す方へ目を凝らす。確かに海底に大きな割れ目が広がっていた。かなり深いな、大きさからして大型モンスターが潜むことができるほどだ。

 

 もしかしたら……ゾラ・マグダラオスも潜航してこの割れ目に潜って移動していたのかもしれない。だとすれば探しても見つからないはずだ。

 

 だがあくまで仮定だ。念のため割れ目へ潜って痕跡を探すか……いや、ラギアクルスがいるかもしれん。この子達に危険な目に遭わすわけにはいかん。

 

U-96「どうする指揮官?あそこに潜るか?」

 

伊26「ちょ、ちょっと怖いかも……」

 

 未だに痕跡は見つかっていない。あの割れ目の先に潜れば何か見つかる可能性は……もう少し潜ってみよう。

 ゆっくりとあたりを警戒しながら割れ目の先へと潜っていく。む、思った以上に割れ目は深い。

 

指揮官「深いな……割れ目を辿って進もうか」

 

U-556「指揮官!向こうに何か漂ってるよ!」

 

 割れ目の先、遠くに何か物体が漂っているのが見える。セイレーンか、U-47とU-96に視線を向けるが彼女達は首を横に振る。

 

U-47「あれはセイレーンではなさそう」

U-96「艤装のレーダーにも反応しないからな、大丈夫だぜ?」

 

 目を凝らしてみると生物の形のシルエットが見える。近づいてみると段々とはっきりしてきた。

 

U-47「これは……死骸?」

 

指揮官「アプトノスの死骸だな。首の一部が食いちぎられている」

 

 あまりこの子達に見せるべきものじゃないのだが……疑問が浮かぶ。

 

指揮官「なんでこんなところにアプトノスの死骸が?」

 

伊26「サメに襲われちゃったとか?」

U-81「こんなところで?」

 

 アプトノスは陸地に棲む。こんな所まで泳ぐ必要もない。

 

 と、すれば陸地で魚竜種か海竜種に襲われてここまで運ばれたが妥当だろう。ラギアクルスの痕跡だとしたら………

 

指揮官「あ」

 

U-556「指揮官、どうかしたの?」

 

指揮官「ラギアクルスは時としてサメも捕食する」

 

 その時は探して襲うという手もあるが……仕留めた餌をわざと離してサメを誘き寄せて急襲することもある。

 

 つまり…………

 

指揮官「みんな離れろっ‼」

 

 

 声を上げてU-47達を下がらせたと同時に割れ目の底から青い甲殻をもつ長大な体躯なモンスターが大口を開けて勢いよくこちらに迫ってきた。

 潜水艦の子達は離れたから大丈夫だが奴の狙いは離れ損ねた俺か。

 

指揮官「っ‼」

 

 体を回してぎりぎり掠めて躱し、追い打ちをかけるように振ってきた尻尾をターンで避ける。

 

U-81「あわわわ!?で、でかいぞ‼」

U-47「指揮官っ!大丈夫!?」

 

指揮官「ああ!大丈夫だ!」

 

???『グルルルッ‼』

 

 太刀を引き抜いて構える。大きな頭部にあるオレンジ色の角、鋭く長い爪、そしてバチバチと電気を帯びた背中の突起物である背電殻。間違いなく【海竜:ラギアクルス】だ。

 

U-96「というよりでかすぎだろ…⁉」

伊26「ひゃ、ひゃあ……お、思った以上に怖い……」

U-556「し、指揮官……」

 

 新大陸のラギアクルスはかなり体躯がでかいな……グラビモス並みだ。あまりの巨躯に伊26とU-556は怯えきってる。

 

指揮官「みんなは安全なところへ。あとは任せろ」

 

U-96「指揮官、絶対に負けるなよ?47、2人を連れて行くぞ」

U-47「うん……指揮官、お願い」

U-81「い、急いで撤収だ!」

 

 U-96達は大急ぎでこの場から離れる。よし、深呼吸して……

 

ラギアクルス『グルオオオオッ‼』

 

 ラギアクルスが大きく咆哮する。咆哮と振動を交わしてラギアクルスに迫り胸部へと一文字斬りを御見舞する。

 

指揮官「うちの子達を襲った落とし前つけさせてもらおうか!」

 

 動きに注意しながら右へ払い斬り、気刃斬りを斬り込む。ラギアクルスは胸部から離れさせようと前脚で薙ぐ。

 

指揮官「っと!」

 

 前脚の爪を回避、避けらると今度は横から噛み付く。斬り下がって躱すと体を捻らせた勢いで尻尾を強く振り回してきた。

 

指揮官「あぶっ⁉」

 

 見切って回避し、カウンターで気刃斬りを放つ。

 

指揮官「もういっちょ!」

 

 更に一文字に切り込んで気刃無双切りで縦に素早く切り込んだ。

 

 刃に白い気を纏わせたはいいがラギアクルスが軽く下がると背電殻を向けてタックルしてきた。

 

指揮官「ばわっ⁉」

 

 ふっ飛ばされて体がくるくると回る。体がでかい分当たる範囲が広い……現大陸のラギアクルスと同じと考えたらダメだ。

 

ラギアクルス『グルオォッ‼』

 

 ぐんっと身体を縮ませ、その勢いでスピードをあげて突進してきた。

 

指揮官「まじか!?」

 

 ちんたらと起きてる場合じゃない。あのスピードだと緊急回避は間に合わない。

 

指揮官「そいっ‼」

 

 身体を回転させてラギアクルスの突進をぎりぎり掠めて避ける。危なかった、海中ではラギアクルスの攻撃は猛威を振るう。海の王者の名は伊達じゃない。

 

指揮官「だが、負けやしない!」

 

 気刃踏み込み斬りを放ち、続けて一文字斬りで切り込む。

 

指揮官「せいっ‼」

 

 そして気刃無双斬りを放ち刃を黄色く光らせる。

 

ラギアクルス『グルォッ!?』

 

 無双斬りでラギアクルスは怯む。この隙に更に太刀で切り刻む。

 

ラギアクルス『グルルルㇽッ‼』

 

 ラギアクルスがとぐろを巻くように身体を丸める。すると背電殻が青白く光り、身体からバチバチと電気がほとばしる。

 

指揮官「まずいっ!」

 

ラギアクルス『グルオオッ‼』

 

 

 ラギアクルスは雄叫びを上げながら放電した。放電する範囲から慌てて離れて電撃を避ける。

 

指揮官「あ、危なかった」

 

 電気を纏った背電殻は青白く光る。こっからが厄介だ。

 

ラギアクルス『グルルルッ‼』

 

ラギアクルスが鎌首を上げると大口を開けて雷球を飛ばしてき

た。

 

指揮官「わぶっ!?」

 

 飛んできた雷球を見切って躱す。これ以上離れていたら雷球を吐き続けられる。間合いを取らねば、スピードをあげて迫り切り込む。

 

ラギアクルス『グルァッ‼』

 

 前脚で薙いでくるがこれも見切って気刃踏み込み斬りを放ち一文字に斬る。もういっちょ気刃無双切りを放とうとしたが、ラギアクルスが大きく下がり首を捻って大量の雷球を吐いた。

 

 複数の雷球が周りに漂うとバチバチと激しく電気が迸り、強く光りだす。

 

指揮官「もしや……まずいっ⁉」

 

 

 バチバチバチィッ‼

 

 

 雷球と雷球が繋がり激しく電撃を放ちながら連鎖爆発を起こした。

 

指揮官「おわふっ⁉」

 

 寸前のところで躱したが余波は避けきれず巻き込まれる。いたたた……設置型の雷球も吐くんだったか。装備にバチバチと伝奇が迸り少し痺れを感じた。

 

 まずいな、雷やられか。これ以上被弾すると気絶してしまう恐れがある。

 

ラギアクルス『グルラァッ‼』

 

 スピードを上げて勢いよく突進してきた。これを見切って躱し気刃踏み込み斬りを放ち、袈裟斬りで切り込む。

 

ラギアクルス『グルッ!?』

 

 ラギアクルスが怯み更に気刃斬りで切り込んでいく。

 

ラギアクルス『グルルッ‼』

 

 尻尾を下から振り上げてきたがこれも見切ってカウンターで気刃踏み込み斬りを放つ。

 

指揮官「せいっ‼」

 

 更に続けて気刃無双斬りを放った。よし、刃を赤くしたぞ。あとは隙を狙って……

 

 そうこうしているとラギアクルスがとぐろを巻くように身を丸めて力を溜め、バチバチと身体に電気を纏わせる。

 

 周囲もバチバチと電気が迸る……これはまさか……てゆうかもうか⁉

 

ラギアクルス『グルオオオッ‼』

 

 天を仰ぐように咆哮したと同時に自分と周囲に大規模な電撃を放った。ラギアクルスの大技、大放電だ!

 

 周囲に爆発するかのように電撃が広範囲に放出される。見切りが間に合わない……やばい、当たるっ!

 

 

指揮官「おぶふっ!?」

 

 強力な電撃に巻き込まれふっ飛ばされる。

 

 

 ぐふっ……身体が……痺れて……まず……雷やら……れで……意……識………が……

 

_________

 

 

side U-47

 

 

 でかさだけの怪物かと思ったらバチバチと電気を放ちまくるっておかしすぎるでしょ!?

 

 指揮官達はこんな化け物に恐れることなく勇敢に立ち向かい戦う……うん、色んな意味でやっぱり指揮官ってすごいや。

 

 

U-96「指揮官がぶっ飛ばされたっ⁉」

 

 バチバチと激しい電撃が放たれたと同時に指揮官が遠くまでふっ飛ばされたのが見えた。

 

 だ、大丈夫のはず。指揮官ならすぐに立ち上がって……あれ?

 

 

U-47「指揮官……なんで起きないの?」

 

 

 指揮官は動かないまま海中で漂う。まさか、武器をもったまま気絶してる!?

 

U-96「指揮官っ‼はやく起きろっ‼」

 

 指揮官が起きないことをいいことに怪物が近づいてくる。ゆっくりと大口を開けると口からバチバチと電気が帯び始めた。

 

ラギアクルス『グルルルッ‼』

 

 

U-47「指揮官っ‼」

 

 

 怪物が雷球を吐いたその時、U-556が指揮官のもとへ飛び出した。指揮官の鎧の羽飾りを掴みその場を離れ雷球を回避する。

 

 

U-556「指揮官!あたしが絶対に守るからね‼」

 

 

ラギアクルス『グルルルァッ』

 

 怪物が吠えるとU-556を追いかけ始めた。は、速いっ⁉私達も追いかけないと!

 

U-47「96、急ごう!」

U-96「おう!」

 

 艤装の速度を上げてU-556を追う。

 

U-556「へへん!鉄血の潜水艦の本気の速度を舐めたら……」

 

ラギアクルス『グルルルァァッ‼』

 

U-556「う、うそっ!?迫ってきてる!?」

 

 艤装の速度をあげて必死に逃れようとするが怪物の方が速くどんどんと近づいてくる。大口を開け今にも食らいつこうとしていた。

 

U-556「た、食べられちゃうぅっ‼あ、あたしを食べてもお腹壊すだけだよっ‼」

 

U-81「そんな事言ってる暇あったらもっと速度をあげて!」

伊26「怖いけど……指揮官を助けなきゃっ!」

 

 U-81と伊26がU-556のもとに駆けつけ指揮官の鎧と兜の羽根飾りを掴み速度を上げる。少しは距離を離すことができたが怪物は更にスピードを上げて迫る。

 

U-96「足止めするぞ!47、狙いはどうする?」

U-47「甲殻は効かなさそう……柔らかそうなところ」

 

 だとすれば……指揮官達を食べようと大きく開けている口。

 

U-47「……今!」

U-96「こいつをくらいなっ!」

 

 狙いを定めて魚雷を一斉に発射。魚雷は指揮官達を通り過ぎ怪物の口へ直撃する。口まわりに爆破が起きると怪物は大きく仰け反った。

 

ラギアクルス『グルルッ!?』

 

U-96「どうだ、エースの実力を見たか!」

 

U-556「二人とも助かったよー!」

 

U-47「喜ぶのはまだ」

 

 

ラギアクルス『グルルァァッ‼』

 

 のけ反った怪物がぐるりと回って体勢を立て直すと咆哮して迫ってきた。

 

U-81「あわわわ⁉すごく怒ってる‼」

伊26「ど、どうするの!?」

 

U-47「指揮官が起きるまで時間を稼ぐ」

U-96「かたまって逃げるぞ」

 

U-556「りょ、了解!全速前進だ!」

 

 艤装の速度を最大限まで上げて逃げる。怪物も更にスピードを増して追いかけてきていた。

 艤装の速度にも追いつこうとするなんて、恐ろしい奴……だけど、潜水艦の連携を舐めないで。

 

U-96「今だ、散れっ!」

 

 合図と共に散開する。突然散らばったことに怪物が驚いて立ち止まった。

 

ラギアクルス『!?!?!?』

 

 獲物…指揮官がどこにいるのかキョロキョロと見回している。今指揮官を掴んでるのは私。海面へ向かって海上の空気でも吸わせれば指揮官は起きるはず。

 

ラギアクルス『グルルァッ‼』

 

 私が指揮官を掴んでいるのを見つけた怪物が咆哮をあげて追いかけてきた。ちっ、気づくのがはやい…!

 

U-96「47!急げっ!」

 

 言われなくてもわかってる……けど、怪物の方が速い。

 

U-47「……っ!」

 

 怪物が大口を開けて迫る。指揮官を海上へ投げるか…指揮官が助かるなら私はどうなったっていい!

 

ラギアクルス『グルルッ‼』

 

U-47「っ!」

 

 いやだめ…間に合わない!

 

 

指揮官「……47、助かった」

 

 指揮官の声が聞こえた瞬間、バシュッと眩しい光が起きた。怪物は怯み動きを止める。

 

 指揮官がスリンガーで閃光弾を放っていた。よかった……指揮官が目を覚ました。

 

指揮官「すまん、手間をかけたな」

 

U-47「……みんな心配したんだからね」

 

指揮官「あぁ、よく頑張った」

 

 指揮官が優しく頭を撫でてくれた。や、やめてよ、照れるじゃんか……

 

指揮官「後は任せろ」

 

______________

 

side指揮官

 

 

U-47「ん……次気絶したら助けないから」

 

 ちょ、笑顔で怖い事言わないで!?にっこりしてるけど冗談だよね?

 

 U-47が離れた頃にラギアクルスの目眩が消え、ギロリと俺の方を睨んだ。

 

指揮官「今度はヘマしないぞ!」

 

 太刀を構えてラギアクルスに迫る。ラギアクルスが噛み付いてきたが太刀を薙いで躱し、気刃踏み込み斬りを放つ。

 

指揮官「だりゃあっ‼」

 

 一文字斬りをしたあとに気刃無双斬りを放った。バキッと硬い音がしたと同時にラギアクルスの前脚の爪が破壊された。

 

 

ラギアクルス『グルラァッ!?』

 

 ラギアクルスがのけ反ってダウン。更に畳みかける!

 

指揮官「オラオラぁっ‼」

 

 薙いで更に気刃斬りを立て続けに刻んでいく。ラギアクルスがとぐろを巻くように身を丸め、背電殻がバチバチと電気を帯びる。

 

ラギアクルス『グルルラァァッ‼』

 

 咆哮を上げながら放電する。さっきはくらったが気合いで躱すっ!

 

指揮官「そぉいっ‼」

 

 タイミングを見て体を捻らせて回るように電撃を躱す。久しぶりのブシドー回避。ラギアクルスの胸部へ迫りより、気刃無双斬りを放った。

 

ラギアクルス『グルォォッ!?』

 

 一撃をくらったラギアクルスがダウン。今が好機だ。

 

 神経を研ぎ澄ますようにゆっくり鞘へ収め、太刀に全力を込めるように集中して力を溜める。

 

指揮官「こいつをくらえぇぇっ‼」

 

 全力集中の気刃開放斬りを放つ。ラギアクルスに強力な斬撃を刻む。

 

 

 

ラギアクルス『グルッ………グルォァァァ…!』

 

 

 

 ラギアクルスが大きくのけ反り、弱い咆哮を上げて動かなくなった。大きな体躯がどんどんと割れ目の底へと沈んでいった。

 

 安全を確認し、太刀を収める。ラギアクルスとの戦いに勝った。

 

指揮官「よし…」

 

U-556「指揮官ーっ!やったぁ!」

伊26「ぴょーんっ!」

 

指揮官「ぶふっ」

 

 U-556と伊26が嬉しそうに飛びついてきた。そしてU-96達も駆けつけてきた。

 

U-96「やったな、指揮官!」

U-81「途中焦ったぞ!でもかっこよかった!」

 

U-47「指揮官…みんなに知らせなきゃね」

 

指揮官「おう、帰ろうか!」

 

____________

 

 

sideオイゲン

 

 

オイゲン「……」

 

 長い時間が経った。しばらく待っても指揮官はなかなか帰って来ない。

 

平海「指揮官……」

寧海「………」

 

 平海と寧海は心配そうに海を眺めている。長いこと潜っているのに戻ってこない……嫌な想像が頭をよぎる。

 

調査班リーダー「大丈夫だ、あいつを信じろ」

 

 調査班リーダーが平海達を撫でて不安を払い、私に目を向ける。そ、そうよね。指揮官を信じないと。

 

 その時、U-47達が海上に浮上してきた。皆表情が明るい。これはもしかして…!

 

指揮官「そいやっ!」

 

 ザパっと水しぶきを上げて指揮官が海面から飛び出してきた。調査班リーダーが指揮官の手を掴み船へと上げる。

 

調査班リーダー「よく無事に戻ったな!」

 

指揮官「はい!平海、寧海、勝ったぞ!」

 

平海&寧海「指揮官っ!」

 

 2人は涙を浮かべてながらも笑顔で指揮官に抱きつく。指揮官は笑いながら2人を優しく撫でた。

 

 指揮官の楽しい様子を見て私も笑みを浮かべた。ほんと、心配したんだから。

 

指揮官「オイゲン、さっそく戻って古代竜人に知らせよう」

 

 生態系の頂点に勝った。いよいよね…これでゾラ・マグダラオスの行方を教えてくれるはず。

 

 

 

 

 

 




ついにゾラ・マグダラオスの行方が……


 モンハンワールドもサンブレイクもラギアクルスが出てほしかった……

 技術的にラギアクルスが日の目を見るのはまだまだ先か…
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