IS〈イノウエ シンカイ〉   作:七思

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第96話 休息

「あう~。あー。ウェー……」

「…………」

 

 IS学園のとある休日。整備室にて。

 本音が呻き声(?)を漏らしながら、コンソールに突っ伏した。その画面に表示されているのは、己の専用機、朧月の部品(パーツ)の情報だ。無数に並ぶ文字列と精巧なワイヤーフレームをひとつひとつ点検していく。

 

「……ぬおぉぉぉ~……ふぬぅぅぅ~……」

「…………」

 

 次第に、本音の呻き声は大きくなっていく。眠そうに細められた両目の間で、盛大に皺が浮き上がる。年頃の少女がしていい顔ではなかった。

 

「ぬわー……ダメだね~、これは~」

「……駄目か……」

 

 腰に手を当て、目の前に屹立する銀色の装甲を見上げる。己の身から離した状態で展開された朧月は、様々な機器に囲まれ全身をコードに繋がれ、本音の「診察」を受けていた。先日の無人機との戦闘で傷ついた朧月だが、自己修復機能での直りがどうにも遅いため、こうして徹底的に調べているのだ。

 結果としては、朧月のダメージは想像以上に深刻だということが分かった。破損直後では、本音曰く「ノイズ」がひどく良く分からなかったらしいが、ある程度落ち着いてから診たところ「すごくヤバイ」状態になっていたのだ。

 

「応急処置なら、十六夜でもできるけど~。これはもう、ほとんどのパーツが危ないくらい劣化しちゃってるから……ちゃんと如月重工(メーカー)に持って行って、オーバーホールしないと~……」

「……むぅ……」

 

 不満気な顔をして息を吐いて見せるが、本音にはまるで効果がなかった。コンソールにべちゃりと突っ伏し、半目で己を見上げて来る。

 

「……いのっち~?」

「…………」

 

 本音の視線に、思わず目を逸らす。

 朧月のパーツがここまで劣化した理由……それは己の戦い方に他ならない。

 同級生の専用機持ちたち(ラウラは除くが)に比べ、技術的に劣ってはいないという自負はある。だが皆から特攻と揶揄される己の基本戦術は、機体に甚大な消耗を強いるのだ。

 ……消耗するのは事実だから仕方がないとして、特攻とは失礼な。最低限の危機回避を前提として戦っているというのに。そもそも出来るだけ少ないダメージで勝とうという発想が軟弱なのだ。強敵を相手にすれば被弾は必定、ならば無理に避けようとしてもジリ貧になるだけだ。むしろ歯を食いしばって攻撃に耐え、反撃に必殺の一撃を――

 

「いのっちぃ~?」

「……すまん……」

 

 本音の目が凶悪な光を放った。こういう時は逆らってはいけない。同部屋である己は良く知っている。

 

「んも~……いのっちは~、無茶しすぎなんだよぅ……」

「…………すまん……」

 

 悲しげな目で己を睨む本音に、そうとしか言えなくなる。機体に負担が掛かると言うことは、即ち操縦者たる己に負担が掛かる事と同義だ。戦うたびどこかしらに傷を負う己を、本音はいつも叱りつける。怒るでもなく、責めるでもなく。

 申し訳ないとは思っている。本音の言っていることは正しく、己もそれを理解している。それでも従わないのだから、まるで反抗期の子供だ。だと言うのに、こうして本音を頼っているのだから始末が悪い。

 ……まったく。本当に子どもだ。いつまで経っても。

 

「パーツはどうにもならないからしょうがないとして~……データ吸い出しといて~……あう、警告がこんなにいっぱい……これでよく動いてくれたね~、朧月……」

「…………」

 

 顔を起こしコンソールを素早く操作する本音の横顔は真剣そのものだ。どうやらパーツについては早々に諦め、朧月の各種データを十六夜にコピーしているようだ。次の戦闘に活かせるよう、入念に確認するつもりなのだろう。

 

「これは……これはひどいよ~、いのっち~。朧月がぼろぼろだよ~……おぼろづきなだけに」

「…………すまん……」

 

 ……聡い娘だ。聡く、優しく、そして強い娘だ。いつものように眠そうな目の下には、いつもにはない深い隈が刻まれている。昨夜、良く眠れなかったのだろう。それでも本音は、いつにもまして眠たげにするでもなく、変に気を張るのでもなく、いつも通りに話し、振る舞っている。

 ラウラの語った話が、気にならぬ筈はあるまい。抉り取られた己の左腕が、非人道的な研究に使われていた。表には出さずともいつも己の左腕を気にかけていた本音には、余りにも重かったのだろう。夜半にうなされる本音の姿は、見たことがなかった。

 ……それでも。本音は、いつもと変わらぬ様子で、己に語りかけている。それが、己には有り難かった。

 

「んん~……やっぱり、ここじゃこれ以上は無理だね~。自己修復機能で時間かけて直しても、完全には直らないよ~。社長さんに連絡して~、如月重工で直してもらお?」

「……仕方ない、か……」

 

 その本音がここでは無理だと言うのなら、ここでは無理なのだ。十六夜の能力とIS自体の自己修復機能は極めて優秀だが、限界がある。人間の治癒力と同じで、放っておいても直る傷、適切な処置が必要な傷、破損箇所自体を取り換えなければならない傷があるのだ。今回の場合は、コア以外のパーツはほぼ全て取り換えることになるだろう。

 ……少々のパーツ交換ならばともかく、これだけ大規模となると、コアに馴染ませるには時間がかかりそうだ。パーツ交換そのものは、如月重工ならば一日で終えるのだろうが。

 

「まあ~、いのっちもケガしてるし……ちょうどいいんじゃないかな~。ね、しばらくお休み、ということで~」

「……そうだな……」

 

 その言葉には、内容以上に様々な想いが籠められていた。本音はいつも、己のことを心配していて……それでいて、己のやること、やりたいことに、必要以上の苦言を呈することはなかった。こうしていつも、控えめに、己が暴走し過ぎないように注意する。

 ……甘えているな、己は。

 

「それじゃ、さっそく連絡するね~」

「……いや……」

「?」

 

 袖の中から携帯電話を取り出した本音を止めて、懐から自分の携帯電話を取り出した。こんなことまで本音に任せるわけにはいかない。社長宛てに電話――ではなく、メールを送る。無礼の極みだが、社長に関して言えばお互い様だ。そもあの人に対して礼儀がどうのと言うのは無意味だと思う。

 とにかく、如月重工社長のアドレスにメールを送る。文面は簡潔に。

 

 from:井上 真改

 to:如月重工社長

 sub:

 本文:朧月 修理必要

    回収求む

 

 ……送信。これでよし。横から携帯電話の画面を覗き込んだ本音が妙な顔をしているが無視する。

 さて。これで己の今日の予定は、全て取り消しとなった。そして改めて、この後に備える必要が出来た。

 如月重工ならば、今日中にでも朧月の受け入れ準備を整え、己を呼び出すだろう。外出、そして専用機を預けるための手続きをしておかなければ――

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「いやあ、井上君! ご機嫌いかがかね?」

「「…………」」

 

 ……己が社長に連絡したのは昼前だった筈だ。その後諸々の手続きを済ませ、本音と昼食を食べ、本音が更識姉妹と食後のティータイムでもしようと提案したのとほぼ同時に、己宛ての来客を告げる学園内アナウンスが流れた。

 本音と二人で、あまりの対応の速さに呆れるばかりだ。手続きを優先しておいて助かった。嫌な予感は当たるものだな。

 そのような経緯があり、今こうして応接室に入った己たちを、如月社長が満面の笑顔で迎えたのである。

 

「朧月がぼろぼろなんだって? うんうん、よく使ってくれてるみたいだねえ、僕も嬉しいよ。よしっ、それじゃあ僕が預かろう!」

「……預かる……?」

「大丈夫、安心してくれていいよ。明日にはネジのひとつひとつまで全部新品にして持ってくるよ!」

「……そうではなく……」

「うん?」

「……貴方が……?」

「うん、そうだよ?」

「…………」

 

 社長が自分で運ぶ? 待機状態で、所有者から離れた専用機を?

 

「……移動手段は……?」

「僕の車さ。秘書の目を逃れて会社から抜け出してきたからねえ、会社の車を使うわけにはいかなかったし、他の社員を誘う暇もなかったし」

「…………」

 

 しかも一人か。運ぶ物の重要性を理解して……はいるのだろうが。

 

「社長~。一人で大丈夫なんですか~?」

「ふむ、布仏君の心配はもっともだ。けれど、僕も考えなしに来たわけではないんだよ」

「へえ~」

「…………」

 

 ……本当か?

 

「いいかい、お二人さん。ISは確かに、各国が極秘裏に、テロリストが公然と狙っている代物だ。共通することは、そのどちらもが、容易く奪えはしないと理解していることさ」

「ほえ~」

「…………」

「彼らはこのIS学園を常に監視し、襲撃のタイミングを計っている。お互いに牽制し合いながらね。そんな緊張状態の真っただ中を、無防備な車が一台、ISを載せて通ったところで、かえって身動き取れないよ。多分」

「「…………」」

 

 ……多分。他にやりようはいくらでもあるだろうに、わざわざそんな薄い可能性に命を懸けるのか……。

 

「それに、いくら運んでいる側の戦力がゼロでも、実際に襲うとなれば相応の準備は必要だよ。ヘタに戦力を整えて敵に悟られるよりも、敵が準備する前に一気に駆け抜けるっていうのは、なかなかいい案だと思わないかい?」

「おお~」

「…………」

 

 言わんとしていることは分からんでもないが。それならばいっそ、己が朧月で如月重工まで飛んで行けば済むのではないか?

 

「うふふ……それに、僕の車がただの車だと思っているのかい?」

「いえまったく~」

「その通り! それではいまだ不安げな顔をしている井上君に、改造に改造を繰り返した我が愛車の雄姿、ご覧に入れましょう!」

「それって違法改z」

「さあ行こう! ほら! ほらほら!」

「お、おお~!」

「…………」

 

 ……持って行くのなら、早く持って行ってくれないだろうか。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「「……………………」」

 

 来客用駐車場に来た己と本音は、そこに停められた大型貨物車をなんとも言えない心持ちで見上げていた。

 ベースはおそらく、いずれかの25トントラックだろう。その車体とコンテナにこれでもかと装甲板が張り付けられている。タイヤも防弾、この分ならエンジンも尋常なモノではあるまい。文字通りのモンスターマシンだ。

 

 それはいい。百歩譲って、それはまだいいとしよう。そんなことよりも遥かに恐ろしい、決して目を逸らすことの出来ない事がある。

 

 ……ガサ、ゴソ……ガタガタ……ガタッ

 

「「……………………」」

 

 ……コンテナが不規則に揺れている……中に何が入っているんだ?

 

 ……キィ……

 

「!?」

 

 僅かに聞こえた鳴き声のような音に、本音が慌てて己の後ろに隠れる。

 間違いない。この中身は、あのダニに似た生物兵器だ。

 

 ……街中になんというものを持ち出しているんだ、この人は……!

 

「ご覧の通り! この車はとても頑丈だ。歩兵用の武器じゃあ有効なダメージを与えられない。街中で戦車や戦闘ヘリを使うのは難しい。ISを出されたらさすがにどうしようもないけれど、ISはそう簡単には使えない。つまり我が愛車を止めるのは容易ではないということさ!」

「そ……そーですね~……」

「…………」

 

 そんなことは見れば分かる。己たちが知りたいことは別にある。

 

「それに、いざとなったらコンテナに満載されている網田チルドレンを散布すれば」

「散布!? い、今散布って言いました!?」

「……散布っ……!」

 

 本音が思わず早口(本音にしては)になり、己も戦慄した。

 散布……あの化け物を?

 

「……本気……?」

「当たり前じゃないか」

「…………正気……?」

「そんなわけないじゃないか。正気じゃあウチの社長は務まらないよ」

「…………」

 

 納得した。したくはなかったがせざるを得なかった。

 悲しいことに、己はこの手の人種と関わることが多いようだ。今は如月社長、かつては所属していた企業の連中。その後の仲間たちにも、似たような者が何人か――いや。半分以上は狂っていたな……。

 

「というわけで、井上君の朧月は、僕が責任を持って社まで運ぶよ。社の防備は強固だからね、それは君もよく知っているだろう?」

「……はい……」

「社にたどり着けばもう安心さ。更なるアップグレードを重ねた我が社を攻め落とすには、本物の軍隊が要る。どれだけ馬鹿な国でも、イチ一般企業相手に本気で軍隊なんか送らないさ」

 

 そう言って笑う如月社長。……まさか、安心させようとしているのか? 己を? 武器を――愛刀を、一時とは言え手放すから?

 

 ……その程度で心乱れると思われていたとは、心外だ。だが不思議と、悪い気はしない。己は、自分でも気が付かないうちに、如月社長を「仲間」と思っていたのだろうか。頼ってはいたものの、心を許したつもりはなかったのだが。

 

「と、いうわけで。さあ、井上君。僕に朧月を渡してくれたまえ」

「……応……」

 

 首から提げた銀の鎖を外し、そこに通された銀の指輪を見る。

 真昼の明るい陽射しの下で、月のように静かに輝く指輪。思えば、こいつには随分と無茶をさせて来た。戦うたび損傷しながら、己の要求以上の働きをしてくれた。己の身体だけでなく、心までも守ってくれた。

 その戦友が、傷を癒すために、己の下を離れる。ならば不安など見せず、笑顔で見送らねばなるまい。

 

「…………」

 

 何も言わずに指輪を眺める己に、何かを感じたのだろうか。本音も、社長も何も言わない。だがその顔は、柔らかい表情を浮かべていた。

 

「……ふ……」

 

 いつかこいつに指でも通してやれば、それまでの労いになるだろうか? それともこいつは、そんな事は望まず、ただ戦うことを求めているだろうか。

 

 ……どちらにせよ、この寡黙な相棒に、今しばらくの休息を。不在の間に何かあれば、己自身の力で乗り越えて見せよう。戻って来たら、またこき使ってやるから――しっかりと、静養してこい。

 

「……よろしく……お願いします……」

「お願いされた。任せてくれたまえよ」

「…………」

 

 頷き、如月社長に朧月を渡す。己の手を離れる瞬間、銀の指輪は寂し気に輝いた。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 朧月を受け取った如月社長が、爆音じみた排気音を轟かせるトラックを運転して走り去るのを見送ってから、己と本音は整備室へと戻った。朧月のデータをもう一度解析し、シミュレータに反映させるためだ。訓練が出来ない以上、他にやることもない。

 

「…………」

「いのっち~。やっぱり、不安~?」

「……少し……」

 

 本音が言う不安とは、朧月を如月社長に任せたことではない。その間、己は丸腰でいなければならないことについてだ。

 どういうわけか、IS学園は立て続けに、事件が発生するか襲撃を受けている。たった一日とは言え、ISなしで過ごすのは少々不安だ。

 とは言っても、例の無人機部隊襲撃から一週間も経っていない。流石にそこまで早く何かが起こるとは考えたくはないが、事件がこちらの事情や心情に配慮してくれるわけもない。己は専用機持ちだが国家代表候補生ではないという微妙な立場であり、他の専用機持ちたちのように国の支援は受けられない。如月重工もあくまで企業であり、出来る支援はIS関連に限られる。そんな制限を気にするような人たちではないが、己の方から断らねばなるまい。

 ……確か他の専用機持ちも、機体の損傷が激しく自己修復が済むまで展開を禁止されていた筈。己ほどには無茶をしていないからか、日頃からまめに部品交換をしていたからか、オーバーホールの必要はないようだが。

 ともかく皆、今はISを展開出来ない。正確に言えば、休眠状態のISを起動してから展開する必要があるため、少し時間がかかる。故に、緊急時にお互いの展開の隙を埋めるため、二人一組での行動を義務付けられている。

 ……己にその義務はないが、便乗させてもらうか。ナイフの一振りでも貸してもらえれば、それこそ兵器が相手でもなければ撃退出来る自信はある。誰かを見かけたら行動を共に――

 

「「!?」」

 

 ――ガシャン。

 そんな音が鳴り、整備室の電灯が消える。コンソールも沈黙し、整備室内に居た生徒たちが俄かに騒ぎ出す。

 

「え、うそ、停電っ?」

「そんな、IS学園で……?」

「ああーっ! 私のデータがあー!」

「い、いのっち……」

「…………」

 

 灯りが落ちると同時、整備室の出入り口は自動的に開く。しかし廊下の電灯も点いておらず、窓も防護シャッターが閉じ日光すら入らない。

 非常電源にも切り替わらない。呆れ果て、思わずため息が漏れた。またか、と。そして思考を切り替える。

 

 ――緊急事態。

 

「……本音……」

 

 声を掛けてから、本音の手を取る。整備室も廊下も暗闇で、よほど夜目の利く者でなければ目の前を見るにも苦労するだろう。本音では歩くこともままならない。

 

「……出るぞ……」

「う、うん……」

 

 まずは状況を把握しないことには始まらない。真っ先にやるべきことはなんだ? 合流だ。本音の手を引き廊下に出た己は、目を凝らして進みながら耳を澄ます。周囲のざわめきに交ざり、聞き慣れた声が聞こえた。

 

「…………まっ…く、次か……へと!」

「とに……織………のとこ……に行こ……」

(……鈴と、シャルか……)

 

 幸い、近い。この曲がり角の先に――

 

「わ、シン!」

「本音も! ケガはない?」

「平気だよ~!」

「……どこへ……?」

 

 お互いの無事の確認もそこそこに、二人に問う。二人は己たちとは違い、明確な目的地があるようだった。なにかしらの指令を受けたのかもしれない。

 

「あー、えーっと……シンならいいか!」

「織斑先生から連絡があったんだ。学園内に残っている専用機持ちは、全員集合するようにって――」

 

 専用機持ちへの指令……専用機の回線に直接連絡したのか。道理で、己には届かないわけだ。

 千冬さんは既に、ある程度事態を把握しているのだろうか。呼び出したということは、何らかの対策がある筈だ。果たしてISのない己がどれだけ役に立つかは分からないが、ただじっとしているというのも性に合わん。

 己はシャルが告げた場所へ、共に向かうことにした。

 

「――地下の、オペレーションルームに」

 

 

 

 




 先日旅行に行った同僚が、出先でとてもおいしいラム肉を食べてきたそうです。
 同僚が職場で嬉しそうに楽しそうに語ったそのラム肉の素晴らしさをまとめると、

1 品質がとても良い
2 だから美味い
3 それでいて、子羊をまるごと買っているので安い
4 しかもちょー旨い
5 鮮度も抜群
6 もうとにかくうまい
7 どれぐらい新鮮かと言うと、ラム肉を刺身で食べられる

とのこと。
 周りはみんな「スゲー」とか「おいしそー」とか言っている中、私一人その話を聞いて心中で



(ああ、子羊の解体ショーとかやってるお店なのかな?)



とか思ってました。
 ふと我に返り、自分は疲れているのではなく単に病気なのだと思いました。

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