IS〈イノウエ シンカイ〉   作:七思

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とりあえず先に言わせていただきます。

私は箒、結構好きです。のほほんさん→セシリア→箒くらいの順ですかね。


第26話 福音(初陣編)

「私の次の出撃が決まった。相手は、アナトリアの傭兵だ」

「……!」

 

 ……ついに来たか、この時が。

 リンクス戦争においてレイレナードは多くの戦力を失い、劣勢に傾きつつある。いや、戦力ではまだ上回っているが、勢いはあちらにある。このままでは、敗色濃厚だ。

 

 だがその勢いを支えているのは、間違いなくアナトリアの傭兵だ。奴さえ倒せば、レイレナードは再び優勢を取り戻すだろう。

 

 ――その大事な一戦に選ばれるのは「彼女」だと、己は確信していた。

 

「一対一だ。以前は機体の性能差があったが、今回は違う。正真正銘、真剣勝負だ」

「…………」

「腕がなるな。アナトリアの傭兵、最後のレイヴンか……。リンクスとしては、一体どれほどの使い手か」

「…………」

 

 アナトリアの傭兵は様々な企業のリンクスと戦い、その全てに勝利している。その中にはオリジナル――かつて世界中の国家を解体し尽くした二十六人も多く含まれている。

 「彼女」もオリジナルの一人であり、ナンバーは3。ブレードによる接近戦主体でこのナンバーは驚異的な数字であり、「彼女」の卓越した戦闘力を物語っている。

 

「ふふ、「鴉殺し」の汚名挽回、と言ったところかな」

「…………」

 

 上手いことでも言ったつもりなのか、くつくつと笑う。

 自ら忌み名と言う割には、「彼女」は「鴉殺し」という二つ名を気に入っている。

 レイヴンという、ネクストが現れる以前の強者、歴戦の傭兵たち。弱者を殺戮するのではなく、飽くまでも強者との戦いを求める「彼女」にとって、「鴉殺し」とはその生き様を表す名だからだ。

 

「雪辱戦だな。私にとっても、彼にとっても」

「…………」

「しかし、よくここまで来てくれた。あれほどの激戦を生き延びるとは、やはり彼は、本物のようだ」

「…………」

 

 昂りを抑え切れないのか、「彼女」は先ほどからずっと楽しげだ。

 ……それほどまでに、彼と戦うのが楽しみなのだろうか。

 

「彼ほどの強者、そうはいない。強い者との戦いは、戦士にとって喜びだ」

「…………」

「特に私は、戦うくらいしか能がないからな。自分の唯一の長所を活かせる。これほど嬉しいことはあるまい」

「…………」

 

 自分には戦うことしか出来ないと「彼女」は言うが、そんなことはない。

 「彼女」はずっと、己を導いてくれている。

 

「……弱者をいたぶるなど、私の趣味ではない。やはり戦いとは、対等の者が相手でなくてはな」

「…………」

「今まで随分と、レイレナードにはこき使われてきた。だがようやく、私は私の望む戦いができる」

「…………」

 

 ネクストの性能は圧倒的だ。それこそ、ネクストに勝てるのはネクストだけと言われるほどに。

 故に「彼女」は今まで多くの戦場を切り抜けてきたが、対等な戦いなどほとんど出来なかった。ネクストの装甲に傷一つ付けられない者たちの殲滅を、「彼女」は決して「戦い」とは呼ばない。殺戮という、唾棄すべき浅ましい行いだと思っている。

 

 それでも、企業がリンクスという絶大な戦力を遊ばせておくなど有り得ない。「彼女」は幾度となく、その意に反する命令を下されてきた。

 

 ――それに従うことが、「彼女」にとってどれほどの屈辱だったか。

 

「さて、こうなったらのんびりとはしていられんな。行くぞ、真改」

「……?」

「……シミュレーターだ。決戦に向けて調整する。付き合え」

「……応……!」

 

 「彼女」が待ち望んだ戦い。その為の調整の相手に己を選んでくれたことが嬉しくて、自分でもどうかと思うくらいに舞い上がってしまう。

 総身を気合いで満たし、シミュレーターに乗り込んだ。

 

 

 

 そうして何度か試合をしたが、全て秒殺だった。笑いながらまだまだだなと言う彼女を見上げ、悔しさと共に安堵する。

 

 「彼女」ならば心配ない。必ずやアナトリアの傭兵を討ち果たし、この戦争を収めることだろう。

 「彼女」が英雄になると思うと、まるで自分のことのように喜びが込み上げてくる。

 

 そうだ、「彼女」が負けるなど、有り得ない。

 

 ――たとえ、相手が誰であろうと。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「…………!」

 

 眠っていたわけではない。唐突に、昔のことを思い出した。

 フラッシュバック、というやつだろうか。

 

「真改さん? 説明が始まりますわよ?」

「…………」

 

 呆としていた己に、セシリアが声を掛けくる。

 

「……お体の具合が優れないようでしたら……」

「……無用……」

 

 ……情けない。己はどれだけ心配を掛ければ気が済むのか。

 

「……わかりました。ですが、決してご無理はなさらないように」

「…………」

 

 頷きすら返せなかった。心配してくれたセシリアを無視する形で、作戦会議室代わりの大座敷の中心に立つ千冬さんに視線を移す。

 

「まず初めに言っておく。これから話す内容は、全てが最重要軍事機密だ。けして口外はするな。情報が漏洩した場合、諸君には査問委員会による裁判と、最低でも二年の監視がつけられる。聞く覚悟のない者は今すぐに退室しろ」

 

 その言葉に、誰一人動こうとはしなかった。それを見届け、千冬さんが頷く。

 

「……全員、覚悟は出来ているとみなす。では、現状を説明する」

 

 照明を落とした薄暗い室内に、大型の空中投影ディスプレイが浮かんでいる。その横に立つ千冬さんは、常にも増して険しい顔で話し始めた。

 

「二時間前、ハワイ沖で試験稼働中だったISが突如暴走し、監視空域を離脱したとの連絡があった。機体はアメリカ、イスラエル共同開発の第三世代型軍用IS、〔銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)〕。広域殲滅用の武装を持ち、これが市街地で暴れでもすれば、被害は想像を絶するものになるだろう」

 

 ……軍用IS。

 己たちに与えられているような、競技用に調整(デチューン)された物ではない、本物の兵器――本物の、殺し合いのための道具。

 

 それが暴走した。なるほど確かに、尋常ならざる事態だ。

 

「その後、衛星による追跡の結果、福音は約五十分後、ここからニキロ先の空域を通過することが分かった。二国と自衛隊も急ぎ追跡部隊を準備しているが、おそらく間に合わん。故に、我々がこの事態に対処しなければならん」

 

 ISに勝てるのはISだけ。通常兵器では相手にならない。

 極秘の稼動試験とはいえ万一に備えていなかったのは迂闊と言う他ないが、それを言っても仕方がない。今は、これからどうすべきかを考えなくては。

 

「教員は学園の訓練機を使用して空域及び海域の封鎖を行う。よって、本作戦の要は専用機持ちに担当してもらう」

 

 暴走したのは第三世代型、それも軍用だ。今ここにある、ろくな装備もない訓練機で抑えられるものではない。専用機持ちが駆り出されるのは当然と言える。

 

 生徒であろうと、目的のためにより確実である者を使う。感情や倫理ではない、現実的な判断だ。

 

「それでは作戦会議をはじめる。意見があるものは挙手するように」

「はい」

 

 すぐさまセシリアが手を挙げる。

 

「目標ISの詳細なスペックデータを要求します」

「分かった。時間がないからな、一度で把握しろ」

 

 そうして開示されたデータに、素早く目を通す。

 

「広域殲滅用の武装……これですわね。範囲だけでなく、威力と速射性も備えているようですわね……」

「機体自体の機動力も相当みたいね。……厄介だわ。最悪、反撃も出来ずに潰される……」

「ちょうど本国からリヴァイヴ用の防御パッケージが来てるけど……どれだけ持ち堪えられるかな……」

「しかも、このデータでは格闘性能が未知数だ。暴走状態ではどんな戦術を使って来るのかも分からん。偵察は行えないのですか?」

「無理だな。目標は現在も超音速飛行を続けている。最高速度は時速2450キロを超えるとある。アプローチ出来るのは一度だけだろう」

「2450……!? それじゃあ、すれ違う時くらいしか攻撃できないじゃない……」

「一回きりのチャンス……ということはやはり、一撃必殺の攻撃力を持った機体で当たるしかありませんね」

 

 山田先生の言葉に、全員が一夏と己を見る。

 

「一夏の零落白夜、それにシンの月光かしら?」

「それしかありませんわね。ただ、問題は――」

「一夏をどうやってそこまで運ぶか、だね。シンはともかく、一夏はエネルギーを全部攻撃に使わないと難しいだろうから、移動をどうするか」

「しかも、目標に追いつける速度が出せるISでなければいけないな。超高感度ハイパーセンサーも必要だろう」

「……それは確か、送られてきた装備の中にあったぞ」

「…………」

 

 それは一夏も分かっていたのだろう。緊張した面持ちで、しかし決して臆することなく応えた。

 

「……織斑、これは訓練ではない。実戦だ。……覚悟は出来ているか?」

 

 実戦。

 その言葉を噛み締めるように目を閉じ、一度頷いてから、決然と言った。

 

「……やります。俺に出来ることがあるなら、やらせて下さい」

「よし。それでは作戦の具体的な内容に入る。現在、この専用機持ちの中で最高速度が出せる機体はどれだ?」

「それなら、わたくしのブルー・ティアーズが――」

『井上君の朧月だねぇ』

「「「「「「「うわぁっ!!?」」」」」」」

 

 突然響いた声。

 それは己の首から提がる指輪――朧月から発せられた。

 

「き……如月社長?」

『やあやあ久しぶりだねえ、皆さん。お元気そうでなにより』

 

 流石の千冬さんもこれには驚いたようで、若干動揺気味の声で尋ねた。

 

「……正気ですか。今ここには最重要軍事機密のデータが開示されている。あなたがこの情報を持っていることを知られたら――」

『ああ、そこらへんは心配いらないよ。僕が持ってる情報は軍事機密だけじゃない。イスラエルと日本のお偉いさんは、僕に弱みを握られているのさ。もちろん、この二国だけじゃないけどね。それにアメリカの大統領とは友達でねえ、彼は話が分かる、なにも問題はないよ』

「………………」

 

 あまりにもとんでもなさ過ぎる発言に唖然とする一同。

 

『要は僕が黙っていればいいだけだろう? 僕の口の硬さは有名でねえ、これくらいじゃあ無茶なことはしてこないさ』

「あ……あなたという人は……!」

 

 呆れるしかない。如月社長は、国家に喧嘩を売っているのだから。

 

『じゃあ時間もないようだし説明すると、今回の臨海学校には朧月用の高機動パッケージ、〔月船(つくぶね)〕を送ってある。それを使えばいいよ』

「待って下さい。まだあなたの参加を認めたわけでは――」

『もう遅いと思うけどねぇ』

「……くっ……!」

 

 知ってはならないことはもう知ってしまった。ならば、今から追い出したところで意味はない。

 千冬さんは諦めたように一度溜め息を吐き、如月社長の作戦会議への参加を黙認した。

 

「……しかし、井上は超音速下での訓練はしているのですか?」

『してないんじゃない? けどまあ大丈夫でしょ、水月の加速にも反応しきるくらいだから』

「……いいでしょう。ではパッケージの――」

「待った、待ーった。その作戦はちょっと待ったなんだよ〜!」

 

 千冬さんの言葉を遮り、いきなり天井から声が聞こえた。見上げると、そこには束さんの首が生えていた。

 

「…………ふんっ」

「あいたぁ!? いたたたたっ!!」

 

 千冬さんはその顔にアイアンクローを叩き込み、天井から引っこ抜く。ぐちゃり、と床に落ちる束さん。

 

「……で? 何か他にいい作戦があると?」

 

 何事もなかったかのように尋ねる千冬さん。束さんも当然立ち入り禁止なのだが、如月社長がすでに参加してしまっているので諦めたのだろう。

 そうでなくとも、この人にそんなことを言っても無駄だろうが。

 

「モチのロンだよ! ここは箒ちゃんの紅椿に、お・ま・か・せ〜♪」

「なに?」

「紅椿のスペックデータ見てみて! パッケージなんかなくても、超高速機動ができるんだよ!」

 

 その言葉に応えるように、数枚のディスプレイが千冬さんを囲むように現れる。

 そこに映し出される情報の中に、見慣れない単語があった。

 

「展開装甲……?」

「お? さっすが、よく気づいたね、いっくん! 展開装甲というのはだね、この天才の束さんが作った第四世代型ISの装備なんだよー」

「……な、えっ!?」

「第……四!?」

 

 その言葉に、この場にいる全員が驚愕する。

 それも当然、現在世界各国は、第三世代型ISの開発に心血を注いでいる段階だ。

 第四世代型など夢のまた夢、机上の空論にすらなっていないというのに、この人は……!

 

「ちなみに白式の雪片弐型が、最初の展開装甲搭載装備でーす」

「な……雪片弐型に、展開装甲が?」

「では、白式も……第四世代型IS……」

 

 鈴とセシリアの、動揺した声。ただでさえ実験体の色が強い一夏だが、これでは完全にその扱いが固まってしまう。

 見ればシャルとラウラ、そして箒も、不安と驚きを露わにしている。

 

「そしてそして〜、箒ちゃんの紅椿には、なあんとっ! この展開装甲が、全身のアーマーに使われてまーっす!! わーお!」

「な、ぜ、全身に……!?」

「そんな、それって……!」

「そう! まさに強靭っ! 無敵っ!! 最強っ!!!」

 

 そう。それは、最強と言うより、他はない。

 それこそ、あの男のように――

 

「…………」

 

 右手で顔を覆い、目を閉ざして深呼吸をする。

 

 ……落ち着け。今心を乱すわけにはいかない。これ以上、皆に心配をかけるわけにはいかないのだから。

 

「紅椿なら、簡単に追いつけちゃうよ! 楽勝だねっ! 私がやれば、七分もあれば余裕で調整できちゃうしねっ!」

 

 もはや出撃は一夏と箒で決定――束さんはそう思っただろうが、そこに待ったをかける声が。

 

『それを言うなら、井上君の朧月はもう調整終わってるよ』

「は……?」

『今話してるうちに終わらせたよ。時間は大事にしないとねえ』

 

 飄々と言ってのける如月社長だが、ここにいない人物がどうやって機体を調整したのか。

 誰もがそう思っていると――

 

『月船は朧月とデータをリンクさせるだけで使えるのさ。ただ両肩を空ける必要があるから、月影と月蝕は外しておいてね』

「リンクするだけ? そんなパッケージが……?」

 

 セシリアが愕然とした様子で呟く。束さんは言うに及ばず、如月社長も大概であった。

 

「……誰だよ君は」

 

 自分の妹、そして専用機の活躍の機会を邪魔されたからか、束さんが不機嫌な様子で如月社長に話し掛ける。

 

『お初にお目に……は、かかってないか。通信で失礼しますねえ、篠ノ之博士。僕は如月重工の社長をしている者です』

「そんなことはどうでもいいんだよ。どういうつもりなんだよ。君の作った物が、紅椿よりも優れてると思ってるの?」

『うふふ、別にそう言ったつもりはないんだけどねえ。僕はただ、二人よりも三人のほうが、作戦成功の確率が高くなると思っただけさ』

「…………」

 

 正論だった。流石に束さんも、これには言い返せなかった。

 

『確か篠ノ之博士の妹さんと織斑君は、井上君の幼なじみだったよね? 連携プレーにも問題ないんじゃないかな?』

「まあ、箒やシンとは、よく一緒に訓練してるし……」

『なら決まりだ。三人で頑張ってくれたまえ』

「けどさあ、ホントについてこれるの? 君の作った機体は。紅椿と白式に」

『……うふ。うふふ、ふ。んふふふふふふふ』

 

 不気味な笑い声をあげる如月社長。

 束さんを除く全員が、一歩引いた。

 

『僕はねえ、篠ノ之博士。技術者として、あなたを心から尊敬してる。ISという圧倒的な兵器、そしてその中でも飛び抜けた性能を誇る紅椿……。これらを一人で開発しただなんて、まるで神様みたいだよ』

「……だから?」

 

 如月社長の意図が掴めないのか、束さんが訝しげな顔をしている。他人に興味を持たない彼女が、嫌悪に近いとしても感情を持って如月社長に接していることは驚嘆に値する。

 

『けど人間としては、まったく尊敬できない。そもそも僕は無神論者だしねえ』

「「なっ……!?」」

 

 喧嘩を売っているとしか思えないその発言に、一夏と箒が驚きの声をあげた。

 

『ISは強力な兵器だけど、動かすのはあくまで人間だ。なのにあなたは、人間というものをまるで理解していない。最強のISは作れても、最適のISは、あなたには作れないんじゃないかな?』

「……ふーん。言うね、君」

『いやいや、それほどでも』

 

 ……険悪、どころではない空気が満ちる。

 目を細めて、己の首から提がる指輪を睨み付ける束さんからは、殺気に近い気配が漂い――

 

「では本作戦では織斑、井上、篠ノ之の三名による目標の追跡及び撃墜を目的とする。作戦開始は三十分後。各員、ただちに準備にかかれ」

「え!? ち、ちーちゃん!?」

「お前に作戦の決定権はない。紅椿についてはあくまで作戦立案の参考にさせてもらうだけだ」

「でも……!」

「さっさと調整とやらを済ませろ。時間内に終わらなかった場合、篠ノ之を作戦から外す」

「……!?」

 

 珍しく狼狽した様子を見せる束さん。よほど箒に活躍させたかったのだろう。

 

「……紅椿の性能は凄まじい。だが篠ノ之がそれについて行けるかは別問題だ。……如月社長の言う通りだな。お前は人間を理解していない。自分の妹のことすらも」

「……!」

 

 大好きな親友から、最愛の妹についてそこまで言われ、流石の束さんもたじろいだ。

 そのまま、極めて珍しいことに落ち込んだ様子で、紅椿の調整に移った。

 

『それじゃあ井上君、月船の説明をしておくよ。分からないことがあればなんでも質問してくれたまえ』

「…………」

 

 そうして己も、作戦に向けて準備を始めた。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 時刻は午前十一時半。

 七月の空はこれでもかとばかりに晴れ渡り、容赦のない陽光が降り注いでいる。

 俺たちは砂浜に並び、それぞれの専用機を起動した。

 

「来い、白式」

「行くぞ、紅椿」

「……朧月……」

 

 ISが装着され、特有の感覚に全身が包まれる。

 見慣れた俺の白式、真紅の装甲が眩い箒の紅椿、そして銀の装甲が陽光を照り返す、シンの朧月。

 

「……なんか変わってるとこあるか?」

「いや……特に見当たらないな」

「…………」

 

 朧月には高機動用パッケージ、月船が取り付けられているはずだが、しかし特に普段と変わったところはないように見える。

 

『うふふ。ここからだよ』

「「は?」」

 

 如月社長のセリフに疑問符を浮かべていると――

 

 キィィィィィン……

 

「……なんだ? この音」

「い、一夏っ! あれをっ!」

「な……なんだありゃあ!? 鳥か!? 飛行機か!?」

「いや、あれは……!」

『――あれが、月船さ』

 

 飛んで来たのは、小型の飛行機。それは例えるなら、日本が誇る名作アニメ、○の○の○○シカの主人公が使っている飛行装置を二回りくらいゴツくしたようなものだった。

 

 とんでもない速度でかっ飛んで来るそれ――月船は、シンのすぐ後ろまで近付くと素早く形を変え、ガキィンッ! という音を立てて朧月に合体した。

 

 左右の肩、腰、膝に二対ずつ、合計六対十二翼の大型スラスターとなり、朧月を元の三倍近い大きさに見せている。

 

「か……」

 

 いつもの無表情で佇んでいるシンの背中には、見るからに出力の高そうな、巨大な機械の翼。

 いや、先ほどの様子を見る限り、実際にかなりの速度が出るだろう。

 

 だが、俺の意識を惹きつけているのはそんなことではない。

 

「カッコいい……!!」

「はあ!? そんなことを言っている場合か!」

「馬っ鹿、箒っ!! 変形だぞ!? 合体だぞ!? これで心躍らなかったら男じゃねえよ!!」

『ふははははは!! そうだろうそうだろう! 君なら分かってくれると思ってたよ織斑君!!』

「くそっ、おい、どうしてくれんだよ社長! アンタを嫌いになれなくなっちまうじゃねえかっ!!」

『いやいや、僕のことはいくらでも嫌ってくれて構わないよ! 僕の作った物さえ嫌わなければねっ!!』

「男らしいっ!!」

『「ふはははははっ!!」』

「ええい、うるさいうるさいっ! 集中しろ、一夏っ!!」

「さあ、行くぜ」

「切り替えが早い!?」

 

 そんな馬鹿な遣り取りをしてから、俺は箒の背中に乗っかった。白式はエネルギーを攻撃に回すために、移動の全てを箒に任せなければいけないのだ。

 ……かなり情けないけどな。

 

「悪いな、箒。よろしく頼む」

「仕方あるまい、白式の燃費ではな。だが、今回限りだぞ」

 

 そんな不機嫌そうなことを言いながら、しかし声には喜色が滲んでいるように感じた。

 

(……大丈夫か?)

 

 なにせ紅椿は、さっき箒の専用機になったばかりだ。同じような状況でセシリアと戦ったことのある俺には、その危険性がよく分かる。

 

 しかし、それ以上に気になるのは――

 

「それにしても、たまたま私たちがいたことが幸いしたな。私たちが力を合わせればできないことなどない。そうだろう?」

「……あのな、箒。これは訓練じゃないんだ、実戦なんだよ。何が起きるか分からない。十分注意して――」

「無論、そんなことは分かっているさ。……ふふ、どうした? 怖いのか?」

「……そうじゃねえって。あのな、箒」

「ははっ、心配するな。お前はちゃんと私が運んでやる。大船に乗ったつもりでいればいいさ」

「…………」

 

 ……これだ。

 見るからに浮かれている。こういう時は失敗をやらかす――俺は我が身をもって、それを知っていた。

 

『織斑、井上、篠ノ之、聞こえるか?』

「「はい」」

「…………」

『さっきも説明したが、今回の作戦の要は一撃必殺だ。短時間での決着を心がけろ』

「了解」

「織斑先生、私は状況に応じて一夏と真改のサポートをすればよろしいですか?」

『そうだな。だが、無理はするな。お前はその機体では訓練すらしていない。性能を十分に把握していないだろう、不測の事態が起きれば対応出来ん』

「分かりました。出来る範囲で支援をします」

「…………」

 

 千冬姉に対する答えもどことなく浮ついていて、不安になる。

 ……本当に、大丈夫なのか……?

 

『織斑』

「……!」

 

 突然、プライベート・チャネルで千冬姉の声が届く。

 

『どうも篠ノ之は浮かれているな。あんな状態ではなにかを仕損じるかもしれん。いざというときはサポートしてやれ』

『分かりました。ちゃんと意識しておきます』

『井上君のことも頼むよ』

「如月社長? ……え? シンも……?」

『……どうやら、大分参ってるみたいだからねえ』

『な……』

 

 言われて、シンを見る。その姿は、いつもと変わらないように見えるが――

 

『……本当かよ?』

『みたいだねぇ。まあ、気付いたのは僕じゃないけど』

『は?』

『篠ノ之博士にはああ言ったけど、僕も人間を理解してるとは言えなくてねえ。……気付いたのは、朧月さ』

『朧月が? ……あるのかよ、そんなこと』

『授業で習わなかったかい? ISのコアには知性があるんだ。……井上君のこと、相当気に入ってるみたいだよ。普段は無口な子なんだけど、必死に訴えてきたんだ。……さっきの通信は、実はそれが理由でねえ。井上君を助けてくれって』

『……そう……だったのか……』

 

 ……気付かなかった。シンが、そんなに苦しんでいるだなんて。

 

『井上君は、戦うってことに特別な思い入れがあるみたいだからねえ。戦わざるを得ない状況を作れば、そっちに集中して他のことを忘れられるかと思ったんだけどねえ』

『……ダメだったってわけか』

『そういうこと。というわけで、うちのテストパイロットをよろしく頼むよ、織斑君。僕は技術者だから、心理学とかは専門外なんだ』

『……了解』

 

 そして如月社長からの通信も終わり、いよいよ作戦開始。

 俺は海の彼方にいる敵を睨み付け、漠然とした不安を抱えながら、戦場に飛び立っていった。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「そろそろだな」

「…………」

 

 箒の声に、意識を前に向ける。

 遥か先の海上に、本作戦の標的、〔銀の福音〕の姿が在る。

 

 朧月の淡いものとは違う、磨き上げたように輝く銀の装甲。そして頭部から生えた、一対の巨大な翼。

 資料によると、大型スラスターと広域射撃武器を融合させた新型システムだという。同じスラスターでも、ただの斬撃武器を兼ねた月輪とは兵器としてのレベルが違う。

 

「……接敵……!」

「目標まであと十秒! 加速するぞっ!!」

「了解!」

 

 箒は展開装甲の、己は月船の出力を上げる。

 凄まじい速度で飛翔する福音を追い、距離を詰めていく。

 箒の背に乗る一夏は手にした雪片弐型を強く握り締め、福音を睨み付ける。零落白夜を発動、八双に構えた。その刃に触れないように、月光を起動する準備をする。

 

 ――そして。

 

「うおおおおっ!」

「疾っ……!」

 

 零落白夜と月光、一撃必殺の威力を持つ二つの刃で、福音を挟み込むように斬りつける。

 

 しかし福音はその同時攻撃を、あろうことか最高速度から一気に後退して回避した。

 

「速いっ!」

「気を付けろ! 来るぞっ!」

「……!」

 

 福音はそのまま攻撃体勢になり、己たちを視界に収める。

 初撃は失敗に終わった、急ぎ次の対応を考える。退くべきか攻めるべきか、二つに一つ。

 

 ならば、決まっている。己はただ、寄って斬るのみ――!

 

『敵機確認。迎撃モードへ移行。〔銀の鐘(シルバー・ベル)、稼働開始〕』

「……!」

 

 オープン・チャネルから、抑揚のない機械音声が聞こえる。

 その声に感情はない。だというのに、明確な敵意だけは感じ取れた。

 

「はああっ!」

 

 一夏が反転、再び福音に斬りかかるが、福音はミリ単位の精度でそれを回避する。

 

「くっ、あの翼、月輪より厄介だぞ!」

 

 単純なスラスターとしても、精度の点で月輪を大きく上回っている。出力ならば負けてはいないが、福音は一対、こちらは片翼だ。どちらにしても、勝てる要素はない。

 

「箒! シン!」

「任せろ!」

「……応……!」

 

 朧月の背中に取り付けられた月船が姿を変える。

 肩と腰のスラスターが外れ、膝のそれへと折り畳まれるようにして一体化し、そこで膝からも外れ――独立飛行モードへと変形した。

 

 これが朧月の高機動用パッケージ、〔月船〕の機能。

 月船には神無月と神在月を応用した装置が搭載されており、高速、長時間の飛行を可能とする。さらに可変機構により、通常の追加スラスターモードから単独飛行モードへ移行することができ、その際には月船は一種の自立機動兵器となる。

 飛ぶ以外のことは出来ないが、強度は折り紙付きだ。故に、こうして――

 

「……!」

 ガンッ!

 

 ――空中での足場として使い、急激な方向変換が出来るのだ。

 

 同時に水月を発動、福音に二度目の突撃をかける!

 

「……っ!」

 

 一夏の連撃をかわし続ける福音を、背後から強襲。

 月光の刃が福音を捉える、その瞬間。

 

 がばり、と。

 

 福音の翼が、文字通りに、開いた。

 

「……ちぃっ……!」

 

 何故、失念していたのか。

 事前に資料で知っていた筈だ。この翼はスラスターであると同時に、広域射撃武器であると――!

 

「シン!」

「真改っ!」

「……っ!」

 

 放たれたのは、羽のような形をした高密度のエネルギー。

 月光で切り払うが、視界を埋め尽くすほどの光弾全てを防ぐことは流石に不可能だった。何割かが朧月の装甲に突き刺さり、次の瞬間に爆発する。

 

「……づぅ……!」

 

 その破壊力に、体勢が崩れた。しかもその光弾は一度の斉射では終わらず、まるで洪水のように次々と押し寄せて来る。

 

「シン、一旦退がれっ!」

「挟撃するっ! 一夏は右をっ!!」

 

 絨毯爆撃のような光弾の雨を突っ切って、月船が飛んで来た。

 それに掴まり一先ずは福音の射程距離から離れ、月船を追加スラスターモードへ移行、再び突撃する。

 

 一夏は零落白夜で連撃を繰り出し、箒は二刀の斬撃と刺突、それにより放たれる二種類のレーザー、さらには腕部展開装甲から射出されるエネルギー刃による波状攻撃を行っているが、それだけの猛攻をも福音は避け、あるいは防ぎ、反撃までしている。

 

(……手強い……!)

 

 だが、今は福音も一夏と箒に意識を割いている。

 もう一度、今度は月船と水月を同時に使用し、さらなる加速でもって攻める!

 

『La――――♪』

 

 唐突に響く、甲高い機械音声。

 それと同時に、福音のウイングスラスターが三十六の全砲門を開き、全方位に向けての一斉射撃を行った。

 

「ぐあっ!?」

「くぅ……!」

「疾っ……!」

 

 一夏と箒を容易く吹き飛ばすほどの猛攻。その光弾の雨の中を、一気に駆け抜ける。月船の圧倒的な推力で加速しつつ月光を構え、ウイングスラスター目掛けて振り抜いた。

 

「……っ!」

『――――』

 

 福音は素早い、しかし最小限の動きでそれを避け――その僅かな隙を突いて、箒が斬り込んだ。

 

「食らえっ!!」

『――!』

 

 己は月船の速度ですれ違ったので、既に福音からは一足の間合いとは言えない距離まで離れている。

 月船を分離し、小回りの効く標準状態に戻り反転、一夏と箒を援護すべく三度目の突撃をかける。

 

「おおおおっ!!」

「はあああっ!!」

「疾っ……!!」

 

 上から、一夏の零落白夜が振り下ろされる。

 左右から挟み込むように、箒が雨月と空裂を繰り出す。

 己は逃げ場を塞ぐべく、月輪で背後に回り込み月光で薙払う。

 

 その、同時攻撃を――

 

「……っ!?」

 

 雨月と空裂を、両腕の装甲で受け止め。

 

 零落白夜を、ウィングスラスターで受け流し。

 

 それを月光の刃に当て、消滅させた。 

 

「な……!」

「なんてヤツだ……!」

 

 ……馬鹿な、これで暴走状態だと? まるで達人だぞ……!

 

『La――――♪』

「くっ……!?」

「離れろ!!」

 

 そして零距離で放たれる、光弾の嵐。シールドエネルギーの大半が瞬く間に消し飛び、衝撃に全身の骨が軋む。

 

「ぐぅ……くそ、まずいぞ、このままじゃ……!」

 

 装甲の薄い朧月と零落白夜でシールドエネルギーを消費する白式は、既に限界が近い。

 

 仕留められるか……!?

 

「一夏、エネルギーは!?」

「零落白夜三、四回分ってとこか……!」

「……っ」

 

 余裕は皆無ということか。これは、退却も視野に入れねば――

 

「ならば一夏はサポートに回れ! 私が倒す!」

「なっ!? 箒、何言って――」

「はあああっ!!」

「くそ、シン、箒を援護するぞ!」

「……応……!」

 

 福音に斬りかかって行く箒を追い、己たちも加速する。

 焦ったか、箒……!?

 

「箒、落ち着け! これ以上は無茶だ!」

「大丈夫だ、まだ行けるっ!!」 

 

 一夏のエネルギー不足を補うためか、箒は一層激しく攻める。

 

 ……いや、激しいと言うよりも、荒い。福音も幾分回避に余裕があり、反撃も的確だ。

 しかし箒は、それに気づいていない。

 

「箒っ!!」

「やれる……やれるんだ、紅椿なら……!!」

「くそっ、どうしちまったんだよ……!」

「……っ!」

 

 そして厄介なことに、福音の攻撃は範囲が広い。箒を相手にしながら、流れ弾だけでもかなりの脅威だ。

 

『La――――♪』

「おおおおお!!」

「ほう、ぐあっ!!」

「……っ!」

 

 ……駄目だ、捌ききれん。己はともかく、一夏はもう――

 

「!? エネルギーが……!?」

「……ちぃ……!」

 

 ……エネルギー切れか。

 これ以上は無理だ。作戦は失敗、僅かなりとも余力のあるうちに撤退せねば。

 

「……撤退……!」

「こいつを逃がすわけにはいかない! なんとしてもここで――!?」

 

 ヴウン……と。小さな、そして不吉な音と共に、箒の持つ二刀が輝きを失い――光の粒子となって、消えた。

 

(……具現維持限界……!)

 

 それが意味することは、紅椿のエネルギー切れ。

 選りにも選って、今とはな……!

 

「ば、馬鹿な……!?」

「退がれっ!」

 

 呼びかけるも、反応が鈍い。戦意を失ったか……!?

 

「……!」

 

 見れば、福音は再び攻撃体勢に入っている。白式、紅椿は既にエネルギーがなく、福音の光弾を受ければひとたまりもない。

 

 

 ――ドクン。

 

 

 だが、己一人で二人を守ることは出来ない。

 ならば、どうする?

 

 

 ――ドクン。

 

 

 どうする? どうすればいい?

 一夏と箒、二人ともは守れない。

 

 

 ――ドクン。

 

 

 守れない。

 守れない。

 己には、誰も、守れない。

 

 

 ――ドクン。

 

 

 守れない。

 ならば。

 守れないのなら。

 

 

 ――ドクン。

 

 

 ……■せ。

 

 

 ――ドクン。

 

 

 やられる前に、■せ。

 

 

 ――ドクン。

 

 

 何を恐れる必要がある?

 何を躊躇う必要がある?

 何度も何度も、幾度も幾度も、繰り返してきたことだろう。

 

 

 ――ドクン。

 

 

 さあ、■せ。

 ……もとより。お前が身につけたのは、その為の業だろう――真改。

 

 

「………………ッッ!!!」

 

 ドス黒い思考を振り払い、反転、一直線に箒の下へ向かう。

 いまだ呆然としている箒を抱き締めるように庇い、我が身を盾とした。

 

 ……これでいい。一夏は福音から、多少とは言え距離がある。どうにか凌げる可能性は高い。

 だが先ほどまで福音に切りかかっていた箒は、福音の目の前にいる。加えて今は呆然自失、防御も回避も望めない。

 

 どちらかしか守れないのなら、今守るべきは箒だ。一夏には自力でどうにかしてもらうしかない。

 

 ……そうだ、これでいい。この判断は間違っていない。

 

 これで良かった、筈なのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何故お前は、そんなところにいるんだ――一夏。

 

 

 

「ぐああああっ!!」

 

 己たちのすぐ前、福音の射線を遮る形で、一夏が仁王立ちをしている。

 雨のように降り注ぐ光弾に撃ち抜かれ、爆発に装甲を抉られ、それでも一夏は両腕を大きく広げ、一歩も退かずにそこにいた。

 

 ――己と箒を、守るために。

 

「いち……か?」

 

 やがて光弾の雨も止み、一夏は白式を失って、海へと落ちていく。

 それを見て、箒が呆然としたまま声を絞り出し――

 

「一夏ああああっ!!」

 

 次の瞬間、弾かれたように一夏の下へ飛んで行った。

 意識のない一夏を海面ギリギリで抱き止めて、涙を流しながら呼び掛ける。

 

「一夏、一夏っ!! しっかりしろ、おい、一夏ぁっ!!」

「…………」

 

 箒が泣いている。

 己が、一夏を守れなかったから。

 

『作戦は失敗だ! 井上! 織斑と篠ノ之を連れて、急いで戻れ! 福音はまだ、お前たちを狙っているぞっ!!』

「……ッ!」

 

 千冬さんからの通信で、我に返る。その言葉通りに再び砲門を開く福音から逃れるべく、月船を呼び戻した。

 一夏を抱えて泣きじゃくる箒を掴み、そのまま一気に戦場から離脱する。

 

「一夏、すまない……目を開けてくれ、一夏ぁ……」

「…………」

 

 箒はまだ、泣き止まない。

 一夏はまだ、目を覚まさない。

 己は、また――誰も、守れなかった。

 

「………………ッ!!」

 

 ギシリと奥歯を噛み締める。

 千冬さんが待つ旅館へと急ぎながら、己は随分と久しぶりに、思い出していた。

 

 

 

 かつて駆け抜けた、戦場を。

 

 あらゆる命が死に絶え、枯れ果てた大地を。

 

 滅び行く運命を決定付けられた、世界を。

 

 そこで行ってきた、革命という名の、殺戮を。

 

 

 

「…………」

 

 そうだ。思い出せ、自分が何者であるのかを。

 

 (おまえ)は――――

 

 

 

 




朧月の新装備、月船。
変形、着脱、独立飛行ができる、使い捨てじゃないVOBといったところです。
……正直、やりすぎた。

合体してる間はデタラメな速度を叩き出し、分離すれば朧月は通常に戻り小回りが効くようになります。
呼べばすっ飛んでくるので、合体して飛ぶのもよし、足場にして空中ジャンプするもよしな便利アイテム。しかもエネルギーは朧月と別個なので、気兼ねなく使えます。

ちなみにVOB見たことある人は分かると思いますが、旋回性能には一切期待しないほうがいいです。

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