子兎の人形師は何を想う   作:夜空人

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今の格好は、映画のようにドレスアップしてます。


Q.レツは女の子の格好にするのに抵抗は無いの?

A.「ずっと男の子の振りをしていたから」なだけのようだったので。


ゾルディック家編
No.16/オソウジ✖ト✖ソウジフ


四人は飛行船から降りて、汽車に乗りククルーマウンテンを目指していた。

 

 すると、いつの間にか汽車の中が騒がしくなって来ているのに気が付く。

怯えや悲鳴の声。 爆発音と共に四人が居る車両のドアが吹き飛んだ。 四人はすぐさま席から立ちあがり、もう一方の扉の前で構える。

 

「大人しくしろッ!……その嬢ちゃん、ハンターライセンスのカードを持ってるよな? 不用意にライセンスを使ったのが悪かったな。」

「ヒヒヒッ ハンター試験直後はお前みたいな人間が良く湧く。美味しいカモだぜ」

「おいこいつ。とんでもねぇ上玉だぜ!?……なぁお前ら、後で一発ヤラないか?」

 

何故、こんなことになったかと言うと、レツは操作系の能力の勉強会であり、期限がいつになるか分からず、なんなら念の修行である以上、考えるだけで、半年はかかる危険があるからだ。ゆえに期限を設定するわけにはいかなかったためである。

 三人はいくらなんでも重火器の敵相手では、どうにもならないのでゴクリと唾を飲む。レツは重火器を持って現れた相手に取り合わず、トパーズとルビーの指輪をはめていく。せっかく作った新しい【蒼流星の指揮/ブルーメテオタクト】は小回りが必要なここでは論外だからだ。

 

「おい、あの指輪…」

「ああ、見る目が無くとも、相当な値打ちモンだぜ、ありゃ。」

「一生遊んで過ごせるハンターライセンスに、性道具としての美貌。 駄目押しに、あの宝石の指輪。 こりゃ今までにない大成功だなァ。」

 

そんな捕らぬ狸の皮算用をする賊達。 その前にレツは、念を見せても良くない、事実として戦力には数え難いので、能力を行使する前に、素早く三人を気絶させ、隣の強盗犯がいない方の客室に放り込む。

 

「て、てめぇ! 何のつもりだ!?」

「わざわざ不利になって、この人数差で勝てると思っているのか?」

「そうだ、さっさとライセンスを渡して、身売りされろ!」

 

 レツは仕事モードのルーチンになっている《兎の仮面》を被り、【透過する黄色の宝石剣/サンライトヴィジョン】を使い、宝石剣を具現化して構える。

 相手は見るからに小悪党。二重の意味で舐めるような眼つきで見られたレツはこんなことを思う。

 

(あ~、これは僕単体のせいだね。 三人は使えなかったから放り込んで正解かも。 さて、いわゆる”ゴミ掃除”の開始だね。)

 

すると、ヒュッという軽い音とともに血飛沫が舞う。先頭に立っていた男の首が遅れてゴドン、という音を立てて床に落ちる。それはほんの一瞬の事で、念を知らない賊が介入する余地が無い速度で行われたものである。

 

「ウワアアアァァァァァァァ!!」

「ハチの巣になりやがれェェェェーーー!!」

 

 一拍遅れて、状況を認識した残った二人の男が絶叫しながら手に持ったマシンガンやらアサルトライフルの引き金を引く。 レツは狭い室内の壁を地面を走るように縦横無尽に駆け巡り弾丸を回避し、レツはそのままその車両内に居た賊を討ち取って、汽車内に残った残党を探す。

 三人を放り込んだ方とは別の隣の車両のドアを開けると、それを待ち構えたように、一斉射撃がきて、銃声が鳴り響いた。

 

「バカめ!!」

「対策済みなんだよ!!」

 

 それも予測していたので、【紅くなる灼熱/フレイムバースト】の炎を纏った刀で、斬り払いながら、再び賊に縦横無尽に駆けて、切り払う。

 

「な、なんだその炎は!?」ボウォ

「ウッソだ…」ザシュ

 

 さらに次のドアを開けると、これで終わっている予定だったのか、レツは乗客全員を銃で脅しつけ、反抗する者に鉛玉を贈る賊達を発見する。 残酷に笑う賊達に彼等は震え上がり、懸命に誰かの助けを願った。

 

「ハァ、意味ないだろうけど言うよ。銃を捨てて降参する?」

「――な! こ、こいつ!? なんで此処に!?」

「馬鹿野郎、つまり失敗したんだ! 早く撃て___」

 

降参しないのが言い切る前に分かったので、淡々と賊を始末する。”ゴミ掃除”をしてゆき、最後の車両になった時点で、レツは《兎の仮面》を外し突撃する。勿論、どんどん始末してゆき、親玉のみになった最後の賊は一応、念使いではあったようで、【絶】で回り込み、吠える。

 

「動くな!! こいつらをどうにかしたければ、ハンターライセンスを渡せ。 俺はそこらの奴らと違うぜ。 ……死にたくないのなら、生き残りたいのなら俺と手を組め。そしたら仲間の敵討ちはまぁ勘弁してやってもいい。」

 

親玉は、念使いでもあるがゆえの傲りで、こんな尊大な事を言い、乗客へ銃を向け人質に取ったまま交渉する。 レツはため息を一つこぼすと、【透過する黄色の宝石剣/サンライトヴィジョン】にして、具現化系にあるまじきことだが、二本の宝石剣を投擲し、腕を磔にした。 その速度は一瞬の出来事である。

 

「……この、化け物め…」

「フゥ。 終わり。」

 

などと親分は喚いた。可憐な少女のレツが銃を持った大男達を倒していく姿は、恐怖に怯えていた乗客達にとってはまるで映画のように現実感が薄いものであったのか、数秒間深い沈黙に包まれた車内が次の瞬間、爆発した様に歓声を上げた乗客達の声で騒がしくなる。命を脅かす悪漢を打ち倒した美しい少女。人々は彼女に大きな拍手を送り、称える様に喝采を挙げた。

 レツがそれに柔らかな笑顔を返していると、本格的に意識を落としてはいなかった三人が来た。

 

「レツ! 大丈夫!!」

「俺らが急に気絶させられたから、どうなったかと思ったぜ!」

「しかし、あの人数に、リーチが違う重火器と対峙し、無傷とは…」

「あんな手段も方法も選ばない、節操なしな賊なんて平気だよ。 さてと…」

 

ゴンとレオリオの心配は杞憂であり、戦闘技術に関してクラピカが聞く。 それにレツは答えると、【透過する黄色の宝石剣/サンライトヴィジョン】を消し、左手に【紅くなる灼熱/フレイムバースト】を。右手に【癒しの碧玉/ホーリーヒーリング】のみ行使できる指輪以外は外した。 するとレツは賊の右足に左手をあてた。

 

「ギャアアアア!?」

「レツ!?」

「残り人数は? 本当に僕のライセンスが目的?」

「いぎぃ……! あ…あづ……」

「ねェ、聞いてる?」

「あづいいい!?」

「おい、レツ!! もうやめろ!」

 

そう、残りの情報を引き出すため、拷問を始めたのである。別にレツは他者への加害によって興奮を覚えるフェイタンのような、所謂『加虐体質』ではないが、必要なことなので行うのだ。 それにゴンは驚き、次にレオリオが止める。

 

「せめて、賊の数とか、残り人数は確認しないとだ……よ!」ゴキィ

「あがあああぁぁぁ!?」

 

次にレツは四肢の残った中で、最後の左足を握りつぶす。

 

「やめろと言ってる!!」

 

クラピカも叫び、それらに応じたのか、レツは四肢を治療する。 それに三人は安心しかけるが、

 

「……フ、フ、回復をさせやがって___ ゴパッ!?」

「理解した? 回復させても無駄だってこと。 だから情報を吐くまで、徹底的に火傷と損傷に回復を繰り返さないとダメなんだ。 クラピカの勉強にもなるよ。 ハンゾーとは違う、僕たちの家の拷問。」

「そ、それは……」

 

賊は回復するなり、レツの細い首を絞めようと手を伸ばすどころか、上げかけた時点で顎を殴られる。

レツは淡々と喋り、拷問を続ける。 それにクラピカ含め、三人は反論を失いかける。

 

「さ、続けるよ。 だけど、繰り返しても経験上、あんまり意味ないんだよね…。 なら…」

「!!? がああああ!!」

 

賊は一瞬何が起こったのか理解出来ず、右側頭部に熱と激痛が走って悲鳴を上げ、見ようとして理解した。 右目が見えないということに。

 

「レツ…、もうやめてよぉ、ここまでする必要ないじゃん…」

 

ゴンは今も左腕が折れたままだが、自分がハンゾーに受けた、結果は優しい拷問ではなく、絞れるだけ搾り取る、壊すことしか考えない凄惨極まる拷問に口を出す。

 

「何を言ってるの? こいつらは先に僕たちの命を狙ってきたんだよ? なら、こうなることくらい覚悟してるさ。 ゴンと違って……ね!」ゴキィ

 

再び耳障りな音が鳴り、ゴンと同じ左腕という箇所だが、再生が見込めないような折り方をする。

 

「ぎゃあああ!!」

「やめろといってるんだ… レツ…」

 

レオリオは今しがた賊の腕を折った、レツの右腕を掴む。さすがに反応したのか、レツはレオリオを見上げる。

 

(……もうすぐ次の駅に着くね…。 ひとまずはこの人で終わりだし…)

 

だが、レツが見ていたのは身長の関係で、レオリオの方向を向いていたに過ぎず、その奥のアナウンス表示を見ていた。

 

「………そうだね…」

 

その言葉に三人は、今度こそホッとするが、レツは【鋭】の手刀で、首を斬り飛ばした。 三人は唖然とした顔を晒し、賊の頭は床に転がっていき、体の方の切り口から、血が大量に流れ出た。

 

「さ、終わったよ。」

 

その闇の世界の一端を、レツは何げに三人の前で初めて見せた。

少しして駅に到着し、乗務員達が遅れて死体にこんなこともあろうかと列車の中に常備されている死体袋を被せて、四人へと頭を下げた。

 

 

~~~

 

一連の処理が終わり、座っていた席に戻っていると、親玉が居た所と隣の客室からは聞こえていたのか、何も言われず、化物を見るような目で見られたが、その次からの客室からは称える様に喝采を挙げて、嬉々とした小声や目線を送られる。 レツが先に座り、三人は複雑そうな表情で座った。 レツは純粋な疑問として尋ねる。

 

「別に終わったことは、どうでもよくない?」

「お前……マジか?」

 

二人は目を見開き、ゴンは腕を組んで悩んでいる。

 

「うん、何なの。そんなに拷問を気にしてさ。別にどーでもいいじゃん。 いつもの”ゴミ掃除”と変わらないよ。 気にしすぎだよ。」

 

その言葉にレオリオは絶句する。 試験のように怒らないのは、彼らは悪人で、医者志望の自分の前で、自分では助けられない命であったからだ。 当たり前だが、医者は傷を負ったものを治療するのであって、傷を負う前に敵を始末する職では無い。

クラピカは歯を食いしばり考える。 反吐が出るようでも、いずれやることになるのだろう。 それは理解出来るが、実際の所の葛藤がある。 なんなら、レツを売り飛ばそうとしてたので、”ゴミ掃除”には共感もある自分がいた。 しばらく考えていたゴンはようやく発言する。

 

「……俺さ、今のを見て分かったんだけど、……それでもやっぱり、キルアに人殺しなんてしてほしくないのが本音だったんだ。 勿論、レツにも。 試験会場のレツの言い分が正しいのは、分かってるけど。

 俺、結構鼻が利くんだ。だからハンター試験中の飛行船の中でキルアがさせていたのと同じ匂い……血の匂い……レツが今、匂わせる人殺しの匂いと感じて、気付いていたんだ。」

 

 ゴンが言ってる……純然たる血液の匂い、饐えた鉄錆にも似た「血の匂い」を語る。

ゴンは、二人の本性が決して善人なだけではないと気付いていた。気付いていながら、しかしゴンは変わらず主張し続ける。依然変わりなく、大切な友達であると。

 

「二人は人殺しだけど、オレの初めての友達だから会いにいくんだ!」

 

その言葉に三人は微笑み、納得した。

 

 

~~~ 

 

ククルーマウンテン。 標高3722mの死火山で、周囲は樹海で囲まれており、そのどこかにゾルディック家の屋敷があると言われている。汽車の中で、樹海に囲まれた死火山が見えてきて、レオリオはやや顔を険しくして呟く。

 

「見えてきたぜ。 暗殺一家のアジトか……。実際に見るといやーな雰囲気だな」

「まぁ、綺麗ではないね。」

 

レツは綺麗好きなのもあって、眉間に皺を寄せて呟く。

 

「うむ…周囲の聞き込みから始めるか。」

「まず、宿を確保して作戦立てようぜ。」

「いや、作戦ってあんまり意味ないと思うよ。(正面から試練があるんだろうし。)」

「レツの言うとおり、大丈夫だよ。友達に会いに来ただけなんだから。」

 

 ゴンが不思議そうな顔をしてレオリオとクラピカに言う。 意味合いが違うので、レツも含めて「脳天気な……」と呆れる。

 

やがて、駅に到着し、聞き込みをしていくと、デントラ地区では1日1回。山景巡りの観光バスが出ており、その山がククルーマウンテンである。そのため、必然的にゾルディック家のことも観光の目玉とされている。 というのが分かる。

 

「……暗殺者のアジトが観光名所?」

「僕の家族は、好き勝手に動いていて、多分ライセンスの力で雲隠れもするけど、別に目につく人間全員殺すわけじゃないよ。基本的に自分たちに利にならない殺しはしないよ。 目標を達成するためなら他人を巻き込むことは躊躇わないけど。 多分その辺りかな?」

「ハンターが来たらどうすんだよ?」

「返り討ちにするだけでしょ。」

 

そんな会話を三人はするが、今更になってゴンは確認する。

 

「そういえばレツは何でキルアの家に行くの?」

「二次試験でイルミさんに泣きついたって言ったじゃん。」

「言ってたな。」

「その時に、イルミさんに発破をかけられた時に、欲しい技術や強くなる手段は知ってたけど、僕の家族は知らなくてさ。 だからイルミさんに聞いたら教えてくれるって言うから。 まぁ、キルアのこともヒソカは美味しそうとかって、見てたのに気づいたから、協力してくれるんだろうけど。 多分、イルミさんにとってヒソカは依頼人でもあるから手出しできないだけで。 それをやったら、依頼が来なくなるからね。」

 

三人はそれに納得し、早速判明した、観光バス乗り場に向かいバスに乗った。

 

 

~~~

 

バスガイドが明るい口調でゾルディック家について、説明している。

 バスの中には一般の観光客に混じって、賞金首ハンターのような者達が二人ほど混じっていた。

 

「……明らかにカタギじゃねぇ奴らが乗ってるぜ。」

 

レツは何の気負いもしていないので、聞く。

 

「あんな奴等は、放っといていいのか?」

「どうせ、迎撃されて死ぬだろうから別にね。」

《さて、皆さま。これよりゾルディック家の正門前にて一時停車致します。あまりバスから離れないようにお願いいたします》

 

そのアナウンスの5分後にバスは停止し、四人は降車する。 目の前には巨大な門があり、七までの数字が記されていた。 門の横には守衛室と思われる小屋があり、その隣は小さな扉があった。

 

「おお…こりゃすげーな。」

「ここは通称『黄泉の門』と呼ばれております。入ったら最後、出られないという意味だからです。ちなみにここから先はゾルディック家の私有地となっておりますので、見学は出来ません。」

「何ぃー!? まだ山までかなりの距離があるぜ!?」

「はい。ここから先の樹海はもちろんククルーマウンテンも全て、ゾルディック家の敷地となっております。」

「……マジかよ」

「つまり、これ全部が庭ってことだね。」

 

レオリオは唖然と目の前の門を見上げる。ゴンはその横で悩まし気に門を見上げている。恐らくどうやって入ればいいのか考えているのだろう。 レツはこの門を開けることが試練の一部と理解する。

そのまま、ゴンは質問する。

 

「ねェ ガイドさん。」

「はい?」

「中に入るにはどうしたらいいの?」

(? この門を正面から開けるんでしょ? …少なくともあの連中が居なくならないと、話せないのがもどかしい。)

 

ガイドの答えとは、別にレツはそんなことを思う。 ゴン達はともかく、確実に利敵行為だからだ。 もっとも、レツはゴン達の助けになるつもりはないが。 目的が異なるのだから。

しばらくゴンとガイドは門答をしてると、賞金首ハンターが喋りだす。

 

「ハッタリだろ? 誰も見たことのない、幻の暗殺一家。」

「奴らの顔写真にさえ、一億近い懸賞金がかかってるって話だ。」

 

それを聞いてるレツは、所謂、裏の相場はシャルナークに教えられているので、

 

(安くない? 割にあわないというか…。 それにハッタリって…)

 

そんなことを思い、また、あの男達の言葉に、ウボォーギンに言われてしっかり鍛えた腹筋で必死に笑いをこらえる。

 

「ウワサだけが一人歩きして伝説となり。」

「実際は全く大したことがねェッてのがオチよ。」

(遠回しな自虐かな? 対象は逆であることを理解していないみたいだから…つまり本気で言ってるのか…)

 

別に自ら積極的に命を捨てるようには教育されていないので、内心戦慄しているレツは、苦笑いを浮かべる。

その頃、守衛?が賞金首ハンターに投げ捨てられ、バタンと閉まる。 守衛?にゴンは呼びかけた。 

 

「いててて」

「大丈夫?」

「ああ、大丈夫だよ。 あーあ、またミケがエサ以外の肉食べちゃうよ。」

「え?」

 

その直後、悲鳴が聞こえ、次に門が開くとガイコツが出てきた。

その光景に観光客も悲鳴を上げ、バスに乗り込む。 

 

「あなた達も早く乗りなさい!」

「あ、えーと。 行っていいですよ。 オレたちここに残ります。」

 

ガイドが四人によびかけるも、代表してゴンが答える。 レツはようやく我慢する必要がなくなったが、空気を読んで、深呼吸していた。

 

 

~~~

 

守衛室に迎え、守衛?は先ほどの番犬、ミケの食べた残骸の掃除夫であると、ゼブロは自己紹介する。

 

「なるほどねー キルア坊っちゃんの友達ですかい。」

「あ、それと僕は勉強をしに来たから、生徒でもあります。」

 

レツの言葉に虚を突かれたゼブロは目を丸くするが、気を取り直して語る。

 

 

***

 

正式名称は、『試しの門』と呼ばれる、全長数十メートルはあろうかという正門。

 扉の片方重さ2トンあるという常軌を逸した門であり、鍵は一切掛かっていない。故に力ある者であるなら、どんな人物であろうとゾルディック家の敷地へと入る事ができる。

 重さ2トンというのは、【1】の扉の重さであり、押し込む力に呼応して【2】の門、【3】の門と扉は一緒に開き、門が一つ上がる事に重さは倍になるという。【1】の門は片方2トンの合計4トン、【2】の門は8トン、【3】の門は16トンという。

 ちなみに、鍵の掛かった普通の扉も存在するが、そこから入ったら命令された猟犬に、骨にされて出てくるという地獄への扉だ。この命令は、正門から入れば適用されないので、死なないように入るにはやはり正門から力押しで入る他、方法は存在しない。

 

***

 

これらのことをゼブロは説明する。それに驚いたレオリオは門を押す。開かないことに文句を言うレオリオ。

 

「単純に力が足りないんですよ。」

「アホかーーーー!! 全力でやってるっだってんだよ!」

 

ゼブロは端的に語り、レオリオは吠える。

 

「なら、ゾルディック家に勉強をしに来たという、嬢ちゃん。これを押して見なさい。 これが突破できない輩は、ゾルディック家に入る資格なしってことです。」

「うん。イルミさんと暗号で交わした、僕が試される試練のひとつなんだろうしね。」

 

一応、念のことに気付かれてはマズイので、【絶】をして門を押す。 すると【2】の門まで開いた。 レツはかなり頑張った結果でもある。 ゼブロはキルアが【3】の門まで開いた事を語った。 やはりキルアは生まれついた瞬間から鍛えているのに対し、レツはこの二年程でしか鍛えていない。 やはり実際の身体能力は劣るという事だ。 それを見ていたゴンは言う。

 

「レツが開けられるなら、問題ないね!」

「え? 僕は今、資格を見せたけど、君達は示してないじゃん。 僕は個人的にはキルアはまだ家にいるべきだと思うから、僕一人で先行しても会いにいかないから、ついてきても無駄だよ。」

「だって、友達に会いに来ただけなのに試されるなんて、まっぴらだもん。」

「ゴン。」

「何___」

 

レツは花の貌というべき顔で微笑みながら、ゴンにアッパーカットをいつぞやのヒソカ、ハンゾーが繰り出したようなそれで吹っ飛ばした。

 

「「ゴン!? 何してん(るの)だ、レツ!」」

「試されるのは、僕らの常識の一つなのに、それを無視して死にに行こうとするから、ぶっ飛ばした。 ゼブロさん。 ゴンが目覚めても吠えるなら、追い返して。」

 

それに二人は絶句するが、理解しているゼブロは、一つ頷く。 

 

「なら、良かった。 じゃあ、三人とも資格を手に入れられるよう頑張って。」

 

レツはそんなことを言い、行動を別にする意思を示した。

 

三人はその後、電話口のゴトーに怒鳴るなどして、侵入を試みたりする。この家に雇われた門の守衛、ではなく掃除夫であったゼブロは、友達として会いに来てくれたゴン達を気に入って、修行をする事を提案した。

 

ゴンを気絶させた段階で、別に改めて自力で門を押したレツはゾルディック家に入った___




レツは、顔バレすらしておらず、お面をつけても暗号化以降に、仕事数も少ないので、このようなハンターライセンストラブルが発生しました。
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