子兎の人形師は何を想う 作:夜空人
「さて、まずは【念】というものを覚えてもらう。」
「【念】?」
「そうだ。【念】というものは誰もに流れる、生命エネルギーをコントロールする技術のことだ。」
「僕にも使えるようになる?」
「勿論。というより【念】を扱える者の事を【念能力者】といい、ヒソカも使える。
そして一番大事な事として___
おもむろにクロロは小石を拾い壁にかるく投げた。
その壁は投げられた小石を中心に大きくひび割れた。
___このように【念】を使える者とそうでない者では大きく攻撃力や身体能力に差がある。」
ここでシャルナークが何やら文字が書かれた紙を持ってきて、
「ゆえにこの危険な力を隠す為に方便として”燃”と【念】で使い分ける。
まあ、両方とも大事なんだけど。」
そう話す。予定通りクロロはパクノダに任せ、レツの疑問にシャルナークとクロロの順番で答える。
「まずは目覚めさせてからだな。パクノダ任せるぞ。」
「? ここじゃダメなの?」
「あー…生命エネルギー、【オーラ】ともいうんだけど、今の全身の精孔が閉じてる状態では見ることができない。」
「そこで精孔を開けるには素肌に触れはせずともある程度、露出している必要がある。」
「端的に言ってしまえば『念に目覚めるために服を脱ぐことにになるから移動しましょう。』ということよ。」
パクノダが根本的なことを説明する。
そこでレツは納得した。確かに今日会ったばかりの異性に肌をみせるのは抵抗がある。
パクノダとレツは移動した。何故かマチとシズクも付いていったが。
「ふむ…基本的な知識なども足りてないし察しも悪いな。」
「想像以上に箱入り娘だね、あの子。」
「もろもろの知識や戦闘に大事な考察力・思考力も教える必要があるな。」
「そこら辺は、俺たちが教えることになるんじゃない?」
そうクロロとシャルナークは交互に話した。
~~~~~
「これから精孔を開けるから、上着を脱いで背中をみせなさい。」
「わかった。」
レツは言われたとおり背中を向けた。
「いくわよ・・・」
パクノダは【発】をぶつけた。
「______!!?」
「今、全身の精孔は開かれたわ。もうオーラも目に見えるはずよ。」
「さっさと落ち着く体制になって、オーラを纏いな!さもないとさっきみたいにまた倒れるよ!」
「半覚醒の時にも既にやってたから出来るはずだけど。」
パクノダ・マチ・シズクがそれぞれに言う。
レツはその場で座り込み、オーラを落ち着くように制御しようとする、すると
「出来たわね、それが【纏】よ。」
「けど注意しな。目覚めたてでしかも【纏】じゃ何もできないからね。」
「わかった。」
「それじゃ服着て戻ろっか。」
~~~~~
戻ると、シャルナークが何やら紙に書き込んでいた。
クロロは何やら、ノブナガとフランクリンに話している。
「これから、子供を保護する説明書と学が着く本を盗ってこい。」
「ヒマだったからいいぜ。」
「覚えていくのを見ていたかったが、まあいいぜ。」
「あ、女性誌も必要になると思うからあたしも付いていくよ。」
「あと衣服も調達しなきゃいけないからアタシも。」
そうしてこの場からノブナガとフランクリン、シズク、マチがどこかへ行った
「ふう…一通り書き終わったかな。」
「ほう、【纏】が出来たか。」
「じゃあ、【念】と”燃”について説明するよ。」
「はい、クロロ先生、シャルナーク先生。」
「ぷふっ…シャルはともかく団長が先生って」
呼び方に関してどうやらパクノダのツボに入ったらしい。
「………クロロ先生はできればやめてくれ。笑われたらかなわん。」
「むー、でも団長先生って変でしょー。」
「あはは、じゃあオレ達の呼び方の『団長』でいいよ。というかいちいちシャルナーク先生だと長いから、シャルでいいよ。」
「分かりました。じゃあ『クロロ兄さん』・『シャル先生』・それに『パク姉さん』で。」
「…まぁ、それでいいだろう」
気を取り直して【念】と”燃”の説明と教えが始まる。
交互にシャルナークとクロロが話す。
「まず、方便とされる”燃”はこっちの【念】を扱うための土台というか基本になるね。」
「といっても使うというか修行するのは”点”の精神統一なんだがな。」
「どうやるの?…あと少しクロロ兄さんの教えで分からない言葉があります。」
クロロは顔に手を当てて項垂れ、パクノダが注意する。
シャルナークは笑いながらレツに確認する。
ハァ「…ここまで知識が薄いとは。」
「いや、今のは団長が悪いわ。 どうして小難しい言葉をわざわざ選ぶの。」
ケラケラケラ「あー、久々に笑った。…レツ? オレは大丈夫?」
「? うん、シャル先生の方は伝わる。」
そしてシャルナークは続きを話す。
…クロロはふてくされてしまったが、今はそのほうが良いのかもしれない。
「まず、基本となる”燃”について説明するよ。」
そして”点”・”舌”・”練”・”発”と書かれた紙を持ってきて説明する。
「まずは、”点”、これは集中を高めるための行動。
これがないと、オーラが荒くスカスカになってしまう。
次に”舌”。これは考えたり言葉を話す。正しくは目的を決める。
ここで間違えたらいけないのは、本当の目的を見失わないこと。
…レツの場合、兄の仇討ちだよね。」
「うん。」
「次に”練”。これはハッタリ__嘘をつくことの始まりとも言われてる。」
そしてシャルナーク【練】を行い、レツにぶつける。
「…う、あぁ…」
「ゴメンゴメン、驚かせちゃったね。」
「ハァッ…ハァッ…ハァッ…」
「やりすぎよ、シャル。」
シャルナークは【練】を解除し、レツに謝る。パクノダに少し怒られた。
「最後が”発”。実際に行動する段階。」
「…僕の場合、ヒソカってのを、殺しに行く段階」
「そうなるわね。」
シャルナークは一通り”燃”を説明し、レツが質問しパクノダが答える。
「次の説明の【念】については、ゆっくり行うよ。
今、レツがやってるのが【纏】。オーラを体の周囲に留める技術。」
「まずは、十日は、”点”と【纏】を行うこと。」
「…わかった。」
「これは時間をかけて行わないと次の段階に進んでも意味が無くなるわ。」
シャルナークが説明し、パクノダが目安を言う。レツは納得してなかったが、パクノダは補足する。
こうして初日は過ぎていった。
***
__十日後__
「おっ、ちゃんとやってるみたいだね。」
「分かるの?」
「うん。ちゃんと川の流れみたいに【纏】が安定してるからね。」
シャルナークが成果を確認し、レツが質問し答える。
ここで、盗みに行ってた四人が帰ってきた。何故こんなにかかったのかというと___
「ただいま~~」
「ふ~ん、少しは見違えたじゃないの。」
「お前ら、今まで何してたんだ…」
「それがよォ、団長。マチとシズクが想像以上に選び、こだわり抜いてな。」
「意外とめんどかったんだぞ。シズクの掃除機は最後に吸ったのしか出さねぇからな。盗って出して吸っての繰り返しだ。」
シズクが挨拶し、マチも少しは褒めた。
その質問にはクロロがすることで、ノブナガとフランクリンがぼやいた。
そしてシズクが【デメちゃん】を出現させ吐き出させる。
この現象にレツは質問する。
「いくよ、【デメちゃん】吐き出せ!!」
「わっ! …これも【念】なの?」
「そうだよ。最後の【発】にあたる。」
シャルナークが答え、次の段階の説明をする。
「さて、それを覚えたかったら、次の【絶】について説明するよ。」
「はい、先生。」
「【絶】は、自分の気配や居場所を隠す技。
精孔を完全に閉じて完全にオーラを消す。」
「あれ?そんなことしたらまともに戦えないんじゃ?」
「うん、そのとおり。だからこれは、実戦では使わない、
いやもしかしたらあるかもしれないけれど。
そんなに機会はないと思う。」
「じゃあ、なんでするの?」
「戦うのに一番大事な、【練】の準備段階だからさ。
でもレツはある意味、一番苦労するかもね。前から何となく出来てた事と反対のことをするわけだから。」
レツとシャルナークが会話するのを横目に見ながら、シズクが首を傾げる。
「あれ?呼び方はそうなったんだ。」
「まぁ シャルは先生っぽいし、実際に向いてるみたいね。」
「というか、団長も教えようとしてなかったか?」
「それがね、団長は小難しい言葉を使おうとして伝わらないのよ。」
「…うるさいな。」
マチがそう言い、ノブナガが疑問に思い、パクノダの愚痴を聞かされる。
クロロは不機嫌になり、団員から笑われる。
こうして【絶】の教えと日々は過ぎていった。
__五日後__
ようやくレツは【絶】を習得した。
ここまで時間がかかったのは、どこぞの野生児や暗殺一家の子のような尾行や気配絶ちの経験などなかったからだ。
もはやお馴染みシャルナーク『先生』が次の説明をする。
「うん。【絶】を覚えたね。
__それじゃ大事な【練】についてだね。」
「はい!!お願いします!!」
「おぉう、気合はいってるね。【練】は、体内に抑えたオーラを大量に生み出す技術のこと。これと【纏】を日々繰り返すこと。特にヒソカに勝つにはかなり大事だよ。」
「【練】は分かるけど、【纏】も?何で?」
このレツの質問にも律儀に答える。
「【練】はオーラを生み出すだけ。それを【纏】で留めないと、無駄にオーラを使うだけになっちゃうからね。」
「ふ~~ん。」
「む。…一番大事なことだけど、【纏】と【練】は自分よりやってなかったら貫けるし、貫かれる。
だから、この二つをやらなかった人から順に弱くなる。」
ピシリ「…うん。分かった。」コクコクコク
実感がないレツの態度にシャルナークは大切なことを教える。
レツは石のように固まったあと。素早く頷く。
シャルナークは実践させようとする。
「じゃ、やってみな。」
「………!!」
「ほら、それをさっさと【纏】で留めないと倒れるよ!」
「うっ……くぅ…!」フシュウウ
「うん。やはり一応はできてるけどまだまだだね。」
「ハアッ~~…意外と疲れるね。」
「そうだろうね。ずっと力を込めてる状態と同じだからね。」
「…先生、どのくらいで良い?」
「う~ん、大きさはもう少し小さくして、先ずは五分【練】を維持するといいよ。」
「頑張る…!!」
***
一方、盗ってきた女性誌を見ながら、女性団員はレツに何を教えるか相談していた。
「さて、私たちは何を教えましょうかね?」
「戦闘とかは任せれるし、知識面の教育も団長とかシャルがやるだろうね。…シズクは?」
パクノダが切り出し、マチは分担を考える。そこでシズクに話を振る。
シズクはある一点のページ、いや言葉を見ていた。
「これ…。」
「何これ?家事の『さしすせそ』?」
「いいわね。これを分担してやりましょうよ。」
マチが読み上げ、パクノダが肯定する。そこには
裁縫(さいほう)・躾(しつけ)・炊事(すいじ)・洗濯(せんたく)・掃除(そうじ)
と書かれていた。
まずマチが話し、順番に決めてゆく。
「【念】からいってアタシが『裁縫』だね。」
「それでいいと思うわ。」
「あたしも。 …次の『躾』は?」
「そこらへんこそ団長やシャルがやるのではないかしら。」
「それでいいと思う。」
パクノダが肯定し、シズクも賛成する。次の疑問に対してパクノダが答え、今度はマチが賛成する。
マイペースなシズクは順番を飛ばして切り込む。
「じゃあ【念】からいうと、あたしは『掃除』だね。」
「まぁ、掃除機を具現化するものね。…となると私が『炊事』というか料理だわね?」
「うん。パクはそうなると思う。…『洗濯』は、どうする?」
パクノダとマチは肯定し、マチは最後の『洗濯』について相談する。
「というか、『掃除』の一部だからあたしじゃない?」
「いや待ってよ。衣服なんだから『裁縫』のアタシじゃない?」
「二人共ずるいわ。普通だったらコインだけど、私も譲りたくないし。」
結局、『洗濯』に関してはたまたま傍にいた人__早いもの勝ちともいう__となり、
団長に打診しにいって許可が出た。
***
__レツが【念】に目覚めてから一ヶ月経過__
「どう?【練】を五分は、維持できるようになったかい?」
「あ、先生。うんギリギリだけどクリアした。時間は六、七分」
「まあ、【練】を十分伸ばすだけでも一ヶ月かかるって言われてるからね。
それを考えるとそんなところかな。」
シャルナークがレツに成果を聞きに来て、レツもそれに答える。
そして次の段階に移ろうと説明を始める。
「それじゃ、次の段階に移ろうか。」
「ついに【発】ですか?」
「いや、基本段階は”燃”と違ってもう一つある。【練】の応用技、【凝】。
まずは、これが見えないだろう?」
シャルナークは指を立てて、オーラの球を作る。
…操作系と変化系は真逆のため、流石にそこまで複雑な形はできなかったようだ。
「…見えないオーラを見えるようにするってこと?」
「正しくは他にも色々と応用が効くんだけどね。始めは目に集めることを意識する。
というかヒソカの【念】的にこれができないとまともに戦えない。」
「それは頑張らないとね。」
【凝】の概要を伝え早速、実践に入る。
「まずは【練】をする。」
「はい!」ブォッ!
「うん。その生み出したオーラを目に集める。」
「……………くぅ…!!」
「さて、何が見える?」
「………球……?」
「うん、まずまずだね。今は全部のオーラを集めちゃってるけど、
それ以外のことを同時に出来ないとね。」
「そうなの? なんで?」
オーラを全て集め、一応は見えたレツ。シャルナークは追加説明をし、
レツはそれに質問する。それにも回答を出してきた。
「全てのオーラを集めているってことは、それ以外の部位は【絶】になってしまってるってこと。 オーラの絶対量も増やさないと、そこに攻撃されたら終わるからだよ。」
「そっか。…なら”点”と【纏】と【練】を繰り返さないとね。」
「その繰り返しに今日からは、【凝】も入れること。…次の目標として、【練】を倍の十五分まで伸ばして、【凝】も一秒以内に目に集めて、かつ全てのオーラは集めずとも良くなること。…これだけできるようになったら【発】の段階に移ろうか。」
「…まだまだ先は長そうだね。」
「でもこれができないと兄の仇討ちなんて夢のまた夢だよ。」
その回答に納得してレツは繰り返しを行おうとするが、
シャルナークは追加メニューを出してきた。
しっかり目標地点があるのは、盗ってきた本に記載されていたものによる。
__それから、日付はレツが保護されてから五十日が経った。__
トトトトト 「先生!!できるようになったよ!」
シャルナークとクロロが居る所にレツが駆け込んだ。
二人は苦笑しながら、実際に見せる形で【発】の説明を行なう。
立ち直ったクロロが加わり、シャルナークとクロロが交互に話す。
「そうか、達成したようだね。いよいよの【発】の説明に入るよ。」
「【発】といってもできる事は、千差万別…じゃなくて人によってバラバラだ。」
…相当、盗ってきた本を読み込んだのか、クロロには努力が見られる。
「それでもまずは、大雑把に当てはまる”六性図”の説明からだね。」
シャルナークが書いた紙には六角形が描かれており、時計回りの頂点に
『強化系』・『変化系』・『具現化系』・『特質系』・『操作系』・『放出系』
と書かれていた。
クロロが引き継ぐ。
「これは誰にでもあてはまる部分。正しくはそこからさらに『生まれ持ったもの』や『育ってきた環境や今までの経験』などあるが、一番重要なのは、何に興味がありそれをどう【発】にするか。 …そういった自分の中で信じることが出来る『核』を見つけること。」
そういい、シャルナーク⇒クロロの順番で【発】を見せる。
「オレの場合、機械が好みで『携帯』を『核』に作った。」
「俺は本が好きだから、その『本』を具現化した。」
「こういった感じに、【発】は好きなものを【念】で強化したものだと言える。」
「しかし、系統を知らないと始まらないな。」
「どうやって知るの?」
「『水見式』という方法がある。他にもあるらしいけどてっとり早く知るにはこれだね。」
「それと系統の説明だな。『強化系』は”身体能力や物の機能を強くする。”
『変化系』は”オーラの性質を変える”能力。 次は『具現化系』。”オーラを物質化する。”これは少し特殊で、それに様々な能力を付け足す。」
「だが、次の『特質系』もそうだが、あまりに人の力からかけ離れたことはできない。 …たとえば”ここからヒソカを殺す”とかな。…これは『放出系』に相当するから例えが悪いな。そうだな…”絶対に壊れない”とかだな。 ここで間違えたらいけないのは、シャルが【凝】の訓練にやったような{形態変化}は系統によっては、変化よりも具現化の方が効率が良いから、簡単に【発】にはしないこと。」
「なんでですか?」
「【発】には【容量】というのがあって、無限にたくさん作れるわけではない。」
「団長のような能力を考えるなら話は別だけどね。」
「…シャル…」
「…ごめん。」
「? …なんで喧嘩してる感じなの?」
「【発】は【念能力者】にとって知られることは致命傷……いや、絶対に全て知られてはダメなこと、が分かりやすいか。…どんな能力も対策は基本的にありうるからな。俺の場合は能力はまだ増やせる分、良くないがマシだな。」
「…クロロ兄さんは【容量】を残してるってことだね。」
「話がズレてきてるね。『特質系』は一旦とばして、次は『操作系』。これは”オーラを与えた物質や生物を操る力。”
次は、『放出系』。『オーラを飛ばす事』だけど、訓練すれば手以外でも出せるらしい。
最後に『特質系』。これは今の五系統に当てはまらないこと。」
「だが、これはよほど慎重に考えないとダメでな。身体の強化率が一番劣る以上、工夫を凝らさないとな。
そもそも滅多に見られない上、たまに『具現化系』と『操作系』がこれに変わる。」
ここまで、問題点がありつつも講義を一通り二人は終える。
…レツが好都合な勘違いをしたまま、シャルナークが軌道修正し、クロロも続ける。
さらにシャルナークが説明を続ける。
「んで、『水見式』の判別方法だね。『強化系』は水が増える。『変化系』は水の味が変わる。『具現化系』は水に物が現れる。『操作系』なら葉っぱが揺れる。『放出系』は水の色が変わる。『特質系』はどれにも当てはまらない変化。…とりあえず水を注いで葉をその上に浮かべて【練】をやってみるといいよ。」
+++
そして注いでレツが【練】を行うと水の底に結晶化した物質が現れた。
レツは少し不服そうにしており、それを見てシャルナークは補足する。
「…これは、『具現化系』だね。 …本当は『操作系』がよかったな。」
「なんでだい?」
「…僕と兄さんは”人形師”だからね。それにオーラを送れるのが良かったな、ってだけ。」
「…まぁ、『操作系』の能力が覚えられないわけじゃないけど。」
「本当?」
「でも、『具現化系』の能力を作ってからでも遅くは無い。それぞれの属性には相性があって
レツの場合、具現化が100%、変化が80%、操作と強化が60%。もしかしたら操作に興味がある分、少しは上がってるかもしれないけれどね。で、放出が40%で、特質は0%。」
「なんで特質は0%なの?」
「特質は特別でね、覚えようと思って覚えれるものではないからね。
【発】を本格的に作るのは少し待って。『核』が見つからないと意味がないからね。」
ということで【発】に重要な【制約と誓約】は、先送りになった。
__百日が経とうとしたある日。__
クロロ、というか蜘蛛は『暇な奴、集合』で集まった人による、宝石や武器類の襲撃だった。
メンツは、クロロ・シャルナーク・なんだかんだでレツの面倒をみていた
マチ・シズク・パクノダ 。
武器類の仕事だとして来た、ノブナガとフェイタン(レツは初顔合わせ)だった。
レツはそれらをジッと見つめていた。そこにシズクが話しかける。
「……………」
「……レツ、どうしたの?」
「ん。なんか、こういうのが……?」
「あ~~~、具現化したい物がこの中にある感じかな?」
「ん、とうとう決まる感じかい?」
「あ、先生。」
その現象にシャルナークも話しかける。
「わかるよ~~。具現化はなんかこうピンって来る感じなんだよね。」
「そういう感じ。…でもこの中から、どれなんだろ…?」
シズクがその感覚を補強し、レツはお宝の中を見渡す。
そして、それを見つけた。刀身がすらやかに長いが特に変哲もない片手直剣だった。
「う~~~ん、…近い、けれどなんか違う。」
「ふむ、…言い忘れてたけど具現化は人に有り得る能力しか作れないけど、
それは能力の話。存在や物質は元となるのがあれば出来るよ。」
「そうそう、あたしの【デメちゃん】みたいにね。」
その情報を知り、もう一回見渡す。
「うん。…これもなんかピンって来る。…でも完全じゃないね。」
「パズルのピースは出揃ったかな?」
「うん。この刃の部分をこの宝石に変える感じ。」
「…そうか。なら、イメージ修行だね。」
「何をするの?」
「そのピンって感じが来たものを肌身離さずそれのみで遊ぶ。」
「シャルナーク、イメージを固めるために画用紙と書く物もだよ。」
シャルナークが確認し、シズクが補足を入れる。
レツは次の段階に移ろうとしていた。
+++
レツが修行による軟禁になってすぐ。シャルナークとシズクはノブナガに打診する。
「ノブナガ、具現化が終わったらレツに修行をつけてあげて。」
「あァ? やっと決まった感じなのか? …で? 何で俺なんだ?」
「それはね、レツが剣を選んだからだよ。」
「…今回のお宝でウロチョロしてたと思ったらそれを選んだのかよ。…俺が弟子、ねェ。」
ノブナガがその言葉を呟く。ここでフェイタンが話しかける。
「というかあの子、どういう存在ね? 今、番号に空きは無かたはずよ。 …ヒソカなら死んでくれてもいいね。」
「あぁ、フェイタンは初めてだったね。その通り、前の四番だったオモカゲに妹がいたらしくて、ヒソカを強く恨んでるし、知識面も純粋だから俺たちの活動にも、というか善悪も希薄だね。名前はレツ。」
シャルナークがその質問に答え、フェイタンも賛成する。
「そか、あの子が四番候補から正式に四番になるのが楽しみね。」
その言葉にこの場の団員は強く賛成し、酒がすすんだという。
__さらに一ヶ月後。__
「…できた!!」
レツは具現化に成功した。その物質は刀身がトパーズで作られており、柄も白いが煌びやかに装飾されたものだった。そしてシャルナークに報告する。
「うん、とうとう出来たね。…じゃあ【制約と誓約】を説明しないとね。」
「それと、具現化に分類されることも教えるよ~。」
それにシズクも追従する。
場所を移し、色々と紙を貼り出す。
「【制約と誓約】には念に追加ルールを決めて、それに見合った力を得ることが出来る。
まず始めに止めるけど、『ヒソカにしか効かない』ってのはダメ。」
「…なんで?」
「この世界には、傭兵やハンター、殺し屋といったお金さえあれば力を貸すっていうのがいるんだ。
…そういう人をヒソカが使う場合、あっという間に負けるよ。」
「…なるほど。」
「次に考えてるのは、”命”・”時間”かな? それもダメだよ。相手は生きてるんだから、逃げられたら終わりだよ。…ヒソカの念は、逃走にも使えるからね。」
「!?…なんでわかるの?、それと”記憶”は?」
シャルナークが色々な可能性を提示し、それを示す。…実際に幻影旅団に挑んで来た人は多くいたので、先例はたくさんあった。(実際にヒソカが逃走とかを採るかはともかく。)
レツは、それに質問をする。シャルナークは考察するがやはり先例らしきものがあった。
「今までの経験談。……………あれかな? うん。”記憶”も推めない。たしかに一見良さそうだけど、それっぽい人達は自分が何をしたかったのか燃える方の”舌”を忘れて、壊れていったよ。基礎を忘れたら意味がないよ。」
「そっか。たしかにそうだね。」
「分かってくれたかな?」
「うん。」
「よし、じゃあシズク、引き継いで。」
なんとかシャルナークのアドバイスによって、
レツの破滅的で歪な能力制作を阻止できたことで交代する。
「わかったよ。」
「よろしくお願いします。シズク姉さん。」
その呼び方にマイペースなシズクは突っ込まず説明する。
「まず『具現化系』は大まかには、【武具現化】型、【念獣召喚】型と【強制空間】型の三つ。
【制約】と【誓約】によってバラバラになるけど、大別するとこれくらい。」
「…僕は今、どれかな?」
「今のレツは、どれでもないよ。逆に言えばどれにもなれるってことだけど。
初めに【武具現化】型だね。これは真っ先に考えるタイプで、ささやかな【制約】で普通に使えるのを考える。 例えば、”麻痺”とか、”五感損失”とか、”回復”とか。 必ずといっていいほど、ほとんどの『具現化系』は持ってる。
次に、【念獣召喚】型だね。 これは動く【念獣】を召喚したり、単純な数の利に、【制約】でさらに何かしらの効果を付与する。 他にも、一般的には《呪い》と言われているタイプもこの中に含める。
最後に【強制空間】型だけど、このタイプは、条件を満たすと、独自にルールを決めた【念空間】に送り込む。 基本的にはその空間への条件を満たさないように戦う。 特殊な具現化の例として『協力』系があるけど、複数人が前提だから基本的には考えない。」
「…うん。なら僕は【武具現化】型かな?」
「なら、その中で{性質付与}型か、{妨害・迎撃}型か、{補助・ブースト}型だね。」
「うん。なら{性質付与}かな。」
そう方向性を決め、シズクは最後のアドバイスをする。
「ゆっくり考えるといいよ。後付けで【制約】は作れるけど、根本の効果のやり直しはできないからね。だから後回しにすると良いよ。」
「…うん…。」
こうして一通りの【念】をレツは覚え、【念能力者】と呼べる段階になった。
個人的な考察なんですが、【発】は取り返しが効かなくなるなら、一年くらいはじっくり考えてるのではないかと。主人公組が特別なだけで。