子兎の人形師は何を想う   作:夜空人

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No.3/カゾク✖ト✖シュギョウ

レツが保護されてから、一年が経とうとしていた。

その頃には、全団員と顔合わせが終わっており、(ヒソカは居ない。)

各々、技能をレツに教えていた。その風景をダイジェストでお送りしよう。

 

+++

 

 

__クロロの場合__

 

「俺が教えるのは、言語やその意味。だいぶ知識に不安が残るからな。」

「クロロ兄さん、何するの?」

「とにかく、本を読む。…あと初めは分かりにくい『比喩』や『暗号』がある。まずは実戦でも重要な『推理系』を読め。これはとにかく経験を積むしかない。」

「何で?」

「『推理系』が重要な理由として、…そうだな具現化系ならわかると思うが、具現化・操作・特質を敵にするとき、制約を満たさないように、立ち回る必要がある。それに関する情報の考察力は非常に大事になるからだ。よく読めば犯人が分かる上、様々なイメージも付き『特殊付与』も考えやすくなる。一石二鳥の案だ。」

「読み進めれば僕も能力にしたいと思えるものと出会えるかな?」

「…きっとな。」

 

 

__ノブナガの場合__

 

レツが具現化に成功した翌日から始まった。

 

「えっと、呼び方は『師匠』になるのかな?」

「まぁ、少なくとも特訓中はそれでいくか。まずは剣を出せ。」

「うん。」

「…まだ何も付いてないよな?」

「『特殊付与』のこと?うん、じっくり考えろってさ。」

「まずは、日頃から振り回して剣の重さに振り回されないようになる必要がある。いっとくが、そう簡単には身に付かねェぞ?それが終わったら、本格的に剣術を仕込んでやる。…最終的には俺の〈居合い〉も扱えれるように成りやがれ。」

「その〈居合い〉って?」

「あー、一応見せておくか。ちょっと移動するぞ。」

 

場所を移して棒状のしかし十分大きい瓦礫の前にノブナガは立つ。

 

「それじゃ、俺から4メートル以上離れろ。」

「分かった。」

「いくぞ………(【円】!!)……!!」スパァン!!

「……綺麗…。」

「まァ、剣術を極めれば人よりも堅い瓦礫だってこんなもんだ。あとはそれをヒソカに当てる隙を生み出す術もだな。」

「うん。絶対に覚えるよ……!!」

 

 

__フェイタンの場合__

 

「ワタシが教えるのは『薬』ね。」

「どういうもの?」

「これを使えば、念能力者でも大抵の人は倒せるヨ。同時に敵にも使う人居たらの対策でもあるね。敵に使う方を毒といい、その解毒も覚えるよ。……まずは麻痺毒からね。これは敵を動けなくすること出来るよ。それが完成したら実際に飲むね。」

「え?…飲んだらまずいんじゃ…?」

「アホか。実際に食らてしまたらその状態で『解毒剤』ってのを考える必要があるね。また、日頃から慣れていくと大抵の毒は効かなくなるよ。微かな味や匂いでも判別できるようにもなるね。」

「…それはかなり有利になりそう。」

「実際かなり有利になるね。分かたら始めるよ。」

 

 

__マチの場合__

 

「アタシは『裁縫』を教えることにするよ。」

「糸を使うんだよね? 最低限、人形は直せるようになってるけど。」

「それだけじゃ不十分だね。極めると、服を作れるようになるよ。」

「そっか、この服も直せるようになりたいな。」

「あと、『裁縫』とは違うけど物の持ち運びに便利な結び方も教えるよ。」

「よろしくお願いします。マチ姉さん。」

「…さ、始めるよ。」

 

 

__フィンクスの場合__

 

「お前が、新たな団員候補か。」

「君はだれ?」

「あー、俺はフィンクス。俺もなにか教えてやれって言われててなぁ…。」

「僕に何を教えるか仕込んでくれるの?」

「そうか、技術を仕込むのでもいいのか。…なら決まりだな。俺が教えるのは、体術とフリーランニングだ。」

「体術…は、分かるけどフリーランニングって?」

「体術も馬鹿にできねェぞ? 特に具現化系なら選択が大幅に増える。」

「? どういうこと?」

「具現化系は手ぶらを装うことができるし、躱したと思ってたら武器が出るとかな。」

「なるほど。」

「脱線したが話を戻すぞ。フリーランニングってのは、道がないところで行動できるようになる体術の高等技術。」

「?」

「あ~、違いがわからねぇか。そうだな…」

 

そう言うとフィンクスは壁を駆け上がる。

 

「え?」

シュタッ「…とまァ、こんな具合に場所しだいでは幅がさらに広がるし、今は逃げる手段が増えると考えてればいい。」

「…よろしくお願いします!! フィン兄さん!」

「…まぁ、呼び方はそれでいいか。」

 

 

__シャルナークの場合__

 

「オレが教えるのは、計算や調べる手段。団長の教育なら分かるかもしれないけれど、実際のところ、情報は自分で手に入れる必要がある。」

「たしかにそうだね。」

「でも、応用とかも一つの大元を覚えてれば解けるし、オレは念の続きも教えるからね。」

「まだ、続きがあるの?」

「当たり前だよ。今までのは基本。そこからさらに応用があるんだよ。」

 

 

__フランクリンの場合__

 

「俺が教えるのは、冷静さを保ったりパニックに陥ることを防ぐことを目的とする。…で、だ。レツ、情報が多すぎて混乱したことはないか?」

「あります。フラン兄さん。」

「だろうな。そういう時は、確実にわかってることを考える。視野狭窄に陥らねぇようにな。といっても、いきなりはキツイだろうから紙に書き出すことを勧める。中央にその言葉と囲むように書いて、推測できることを周りに棒で繋ぐ。 最終的には頭ん中でだがな。」

「これもわかりやすい…けど、最後がキツそうだなぁ。」

「まァ じっくり頑張るこったな。」

 

 

__シズクの場合__

 

「あたしは『掃除』を教えるよ。」

「掃除?」

「今更って思うかもしれないけど、必要な物とそうじゃないもの位の分別はつかないとね。団長とか見苦しい時があるでしょ。逆にシャルナークとかはいい例だね。」

「シズク姉さん、毒舌だね。 …でも否定しきれないなぁ。」

「じゃあ、ああならないようにしないとね。」

「うん。」

 

 

__パクノダの場合__

 

「私は『炊事』というか料理を教えるわね。」

「…いつかは出来るようになりたかったけど。僕はそこまで綺麗に作れないし。」

「あら、最低現はできるのね。となると、マナーや作法も取り入れようかしら。」

「?」

「マナーや作法というのは食事や人に出会った時にするものよ。これも綺麗さを意識して好きなら、覚えることに興味があるはずだわ。」

「うん、綺麗なのは大好きだよ。」

「あと料理も美しいのを頑張って覚えましょうか。まずは今、できるのを綺麗にね。」

 

 

__ボノレノフの場合__

 

「レツは具現化だったな。なら俺も参考になるはずだ。

たしか具現化の中で、オレと同じタイプだったな。」

「そうだよ、ボノ兄さん。」

「なら、具現化は複数できることも教える。まずはオレの能力を見せてやろう。」

「いいの?」

「これが全部ではないからな。【戦闘演武曲/バト=レ・カンタービレ】、【序曲/プロローグ】!!…とまぁこんな感じだ。」

「今、ボノ兄さんは鎧と槍の二つを作ってる。」

「そうだな。熟練した具現化系なら複数もってるものと思っていい。シャルナークに止められるレベルの容量の使い方をすれば一種類で莫大にもなれるが、どうしても応用が効かなくなる。…まぁその度にイメージ修行と、<制約>によって使いわける必要がある。」

「…うん。今までの話で大まかな【発】が決まってきたよ。」

「なら、よかった。…あと綺麗なものに興味があるといったな?」

「? うん。」

「なら、俺の奏でる音楽や自然といった、形には残らないタイプの美しさも知っておいて損はない。」

「……!! うん。楽しみ!」

 

 

__ウボォーギンの場合__

 

「おっ、お前が今、鍛えてるってやつか!!」

「君、誰?」

「俺はウボォーギン。」

「…ウボォーギン兄さん。」

「長ェな。ウボォーでいい。…それと兄さんってガラでも無ェからやめてくれ。」

「…分かった。ウボォーって呼ぶよ。」

「それでいい。 …俺が教えるのは鬼ごっこと素の力を鍛えろって言われててな。」

「鬼ごっこ?なんで?」

「これは【絶】の訓練だな。それで見つからないように立ち回りな。初撃は具現化なら大事だろ。」

「素の力って?」

「これは、【念能力者】にありがちでな。【念】にかまけて努力を怠るやつがいるんだ。俺たちの中にはいねぇが、訓練して損はねぇ。これも【絶】をするこったな。さァ、まずはこの中で逃げな!!」

「……!!(いい人なのは分かるけど、捕まったら抱擁される!! それは綺麗じゃない!!)」

「はっはァ!! じゃあ行くぜ!!」

 

レツは毎回、本気で逃げ圧倒的な速度で【纏】と【練】の技術と【絶】の差を埋めるようになる。

 

 

__コルトピの場合__

 

「僕は逆の訓練を付けるよ。」

「逆って?」

「? ウボォーギンの隠蔽と違い発見する技術。まず【凝】をして、見極められる?(【神の左手・悪魔の右手/ギャラリーフェイク】!!)」ブォッ

「わっ。…えっと念をまとってる方が偽物ってこと?」

「そう。これを使って、僕は隠れるから頑張って見つけ、捕まえてみな。…かなり大変だろうから、制限時間は1時間で。」

「えっと、【凝】と【練】を維持してだよね。」

「当然。 じゃ、いくよ。」

 

余談だが、【神の左手・悪魔の右手/ギャラリーフェイク】で作られたコピーには【円】というか触れたら位置が伝わることを秘密にしてる。これもクロロからの指示で、レツが発見できないカラクリを見抜けるか、というものだった。 …ゆえに初めてのコルトピ発見にはかなり時間がかかりそうだ。

 

 

+++

 

「よし、じゃあ【念】の続きを話すよ。」

「はい、先生。ボノ兄さん。」

「うん。まずは応用技を一通り見せるよ。順序よく行こう。【纏】の応用技、【周】。物にオーラを纏わせる技術のことで、性能とかも強化する。これ自体は、強化系として容量は使わないよ。」

「次にこの槍を見てな。」スゥーー

「え?消えた?…【凝】かな? あ、見えた!!」

「これが【絶】の応用技、【隠】。変化系、具現化系なら必要な技術。オーラを消すのではなく、薄く見えにくくする技術。」

「次はオレが示した15分の倍、【練】の応用技、【堅】。正確には【纏】も使ってるんだけど。【練】を最低30分は維持する。」

 

シャルナークとボノレノフが交互に説明し、ここでレツは小首をかしげて言う。

 

コテン「先生。僕かなり頑張って【練】を40分以上、維持できるんだけど。」

「…そうか、日頃から怠ってないんだね。」

「いや、ウボォーに見つかってからも逃げるのに必要だったからね。」

「なるほど。…じゃあそれなりの実力者の目安として二時間を目標にするといい。」

「…じゃあ続きを話すぞ。【凝】の応用技、【流】。これは攻撃しながら【凝】をする。まずはゆっくりと行うといい。」

「さて、と。ノブナガ!」

「師匠?」

「おう、居合に必要になる技術だからな。

…いくぞ。【纏】と【練】の高等応用技、【円】!!」ブォッ

 

ノブナガを中心にオーラが球状に広がる。

 

「わっ!…これはなんの用途?」

「こいつは主に自分の中心から【絶】を無効化して発見する技術だ。但し、目に見えるから注意しな。【円】と呼べるのは最低自分から1メートルだ。」

 

一通りの説明を終え、レツはシャルナークが提示した目標を確認する。

 

「えっと、【周】は皆が傍に居るとき、地面に【周】をするから、それを貫通して2メートルは掘ること。

【隠】は、僕の武器を【凝】してない状態で隠せること。【堅】は【練】を二時間。【流】は自分の出せる攻撃速度に追いつけること。【円】はまず1メートル。」

「そうそう。頑張るといいよ。…それとウボォー!!」

「おう!!(【超破壊拳/ビッグバンインパクト】!!)」

 

ドゴォォォォォン!!!

 

「ひゅう♪ あいからわずすげーなウボォーの【超破壊拳/ビッグバンインパクト】は。」

「……な、何…?あ、れ…?」

「まぁ、あそこまでの威力じゃなくてもこれも誰でもできる応用技。これはヒントを出すから、探すといいよ。ヒントしては今までの事を全部同時にやること。」

「あ、先生、能力の概要が決まってきたよ。」

「本当かい?」

「うん。複数具現化するのをどう制約にするのかにボノ兄さんが参考になったよ。こんな感じがいいなって。」

「でも、全部を教えるのはオレたちでも基本的にはダメだよ。」

「それは大丈夫。まだ一つしか決まってないし。」

「こらこら、そういった情報も迂闊に喋らないこと。」

「あ…。 ごめんなさい。あと先生、欲しい技術があるんですけど。」

「それは、この試練が終わったら、買ってあげるよ。」

 

+++

 

さらに三ヶ月。

 

「先生、達成できたよ。」

「はやっ!! …まぁ、一通り見せて。」

 

そして一連の技術を見せる。

 

「ん。…たしかに出来てる。…でもどうやったの?【堅】だけはそう簡単に伸びないと思うんだけど。」

「先生が言ったんじゃん。そう簡単に話してはダメだって。」

「うん。ちゃんと喋らなかったね。(……どうやったら飛躍的に伸びるんだ? 【制約】かな?)」

「…僕を試したんだね。」

「そういう事。で?何が欲しいの?」

「えっとね。皆、【念】とは別に得意技術を持ってるじゃん。それで、本を読んでて見つけたんだけど、癒しやリラックスの技術。」

「なるほど。となるとツボ押しとかマッサージの知識の本だね?」

「そう。」

「分かった、片っ端から取り寄せるよ。」

 

そしてレツは癒しやリラックスの技術を習得した。

 

~~~余談~~~

 

ある日、レツは前々から聞けなかったことを聞いてみた。

 

「そういえば、クロロ兄さんの『団長』呼びって、僕が覚えてる暗号か何かなの? でも他の人たちは名前で呼んでるのに。 …寂しくない?」

パタン「ふむ… いや、たまに俺も名前で呼ばれるぞ。でもそうだな、暗号か。…よしレツ、なにか俺たちの『コードネーム』を決めてみてくれ。」

「クロロ兄さん、『コードネーム』って何?」

「ああ、『コードネーム』というのは名前の暗号化だ。」

「なるほど。」

 

そう話していると、マチが探しに来た。

 

「レツ?ここにいるかい? …なにしてんの?団長。」

「いや、戯れに俺たちの『コードネーム』を考えてもらってる。どうやら俺の『団長』が暗号に聞こえるらしくてな。」

「『コードネーム』…。でも実際、仕事中に名前バレして、いちいち新しい番号にアドレスとホームコードをシャルが用意してアタシがメッセンジャーすんの疲れんのよね。」

「そうか。…場合によっては、連続で仕事が出来うるかもな。勿論、仕事中だけは使って、フリーの時には今まで通りでいいだろう。」

「うん。クロロ兄さんが、《キング》で、師匠が《エース》とかかな?」

「ほう。」

「ちょっと待って、団長。…レツ? その発想はどこから?」

「え? …『トランプ』から。」

 

マチがそれについて聞き、レツが回答を出すと、マチは苦虫を噛み潰した表情を浮かべ、クロロも否決を取る。 二人は否決した理由を述べる。

 

「………却下するよ。」

「なんでですか?マチ姉さん。」

「『トランプ』はね、ヒソカが好んで【周】したりして武器に使うからだよ。」

「…そういえばそうだったな。これではヒソカがメインっぽくなってしまう。それは誰も認めないし、認められないだろう。」

「…うん、ごめん。 僕も仇の愛用品なんて使いたくない。」

 

しばらく時間が経過して、ノブナガとウボォーギン、シズクとパクノダが来た。

レツの発言に対してシズクが疑問に思う。

 

「…うん。師匠が《鶴》でマチ姉さんが《幕》とかかな。」

コテン「? レツ、いきなりどうしたの?」

 

それにマチが回答し、気に入るものも出たがシズクが気づき、

その呼びにパクノダは断り、問題点も挙げる。

 

「ああ、言ってなかったね。団長が暇つぶしもかねてレツに『コードネーム』を考えさせてるのさ。」

「おォ! 俺はいいな。 気に入ったぜ。」

「おい、レツ 俺は?」

「ウボォーは《燕》…になるかな?」

「おォ!!良さそうじゃないか!」

「あれ?レツ、『花札』から来てる?」

「…よくわかったね。シズク姉さん。」

「ちょっと、それだと私は《盃》になるじゃない。いやよ、私、そこまで酒飲まないわ。十二個しか名前ないし、それに団長は結局どうするの。」

「うん。イメージとかけ離れたね。パク姉さん、ごめんなさい。」

 

ということで却下されたし、取りやめた。

次にフェイタンとフィンクスが来て、次の発案を出す。

 

「ん。ならフィン兄さんが《龍》でフェイ兄さんが《牛》かな?」

「「いきなりなんの話だ(よ)?」」

「ハァ。…またかい。」

 

マチがぼやきながら、同じ説明をする。

 

「いいじゃねぇーか。俺は気にいったぜ。」

「ワタシも。」

 

二人が賛成するが、やはり解いてしまった、シズクが空気を壊し、笑い声が響く。

 

「レツ。これって『干支』? …それってノブナガが《鼠》で、ウボォーが《犬》になるよね。」

「ブハハハハハ!! いいじゃねェか、それで!!」

「クククククッ ホントね。 これでいいね。」

ピキィ「「…おい レツ、これはホントか?」」

 

レツはプィっと二人から顔を逸らす。

 

「「おし、表出ろ!! 鍛え直してやる!!」」

「落ち着きな。」

 

二人がキレるが、表に出る前にマチの糸に抑えられる。

レツは無かったことにして、新しいのを考える。

 

「よし、気をとりなおして別のを考えるよ。」

 

まだ二人は吠えていたが、マチの糸から開放されるやいなや、笑ったことに対する八つ当たりも兼ねた戦いで、フェイタンとフィンクス対ノブナガとウボォーギンが開始されてるが見てないことにする。

 

「うん。シズク姉さんが《ヴァルゴ》、パク姉さんは《リブラ》とか?」

 

シズクは頑張って法則を導こうと考えてる。

 

「レツ?どういう意味?」

「《ヴァルゴ》は乙女、《リブラ》は天秤、を意味する。クロロ兄さんの分として、蛇使いか、医者になると思う。」

「あ~~~、『星座』だね?」

「…ふう。シズク姉さんには敵わないね。」

「でも、今は戦ってるからバレないけど、あそこの四人には受け入られないと思うよ。」

「やっぱり?」

 

そうレツとシズクが話してると、ここでパクノダが付け足す。

 

「間違いなく、受け入れないでしょうね。それならさっきの方がマシだわ。」

「じゃあ、否決ってことで。」

 

~~そして夜の帳がおちてきた。~~

 

「今日は満月か~~。ボノ兄さんに教えてもらったけどいいものだね。」

「おう。こういう時はジャポン酒が飲みたくなるぜ。」

「アタシも。」

 

レツの呟きにノブナガとマチは同意し、クロロも話に加わる。

 

「満月はなんだかんだで、一ヶ月に一回は晴れてれば見れるからな。それよりも《日食》というもが更にレアで綺麗らしい。そして月が”緋く”なるのを《月食》と呼ぶ。…盗れないから、ある意味では縁遠いがな。」

「特に、《ダイヤモンドリング》ってのがさらに綺麗らしいね。」

「なんだそれ?俺が聞いたことのないお宝か?」

 

レツが呟き、クロロは勘違いをする。レツが又聞きを話し、修正する。

 

「違うよ。さっき言ってた《日食》の一つで《皆既日食》のなかで、一瞬しか見れない瞬間のことを《ダイヤモンドリング》って呼ぶんだって。」

「そうか…。」

 

クロロは意気消沈し、レツは呟く。

 

「月、月か。 うん。師匠から《睦月》って当てはめて、クロロ兄さんを満月を意味する、《望月》ってのはどう?」

「? …ああ、『コードネーム』をまだレツは考えていたのか。だが、他にも呼び名があるな。一月は《睦月》と《初春》などがあるな。九月は《長月》と《菊月》があるな。パクは女性だから、《菊月》か。しかし、ボノが納得しないだろう。《神無月》*1なぞ… いや。たしか一部では神が集まるとして、《神在月》というんだったな。コルも《師走》ではなく、《極月》と統一する。 そして俺が《望月》。そうなると…欠けた状態を《月食》、いや《月蝕》か。……悪くない。」

「全面的に賛成だけど、最後のだけはどうなの? 縁起でもない。」

 

クロロの怒涛の言葉に対して、レツは苦言を呈する。

 

「どっちみち、ヒソカが死んだ瞬間は《月蝕》になる。今のアイツは《卯月》になるから…。そうだな、レツ、お前の『コードネーム』は《子兎》だ。」

「うん。 いいね。」

 

こうして『コードネーム』決めの一日は過ぎていった。

 

 

 

*1
ボノレノフは舞闘士であり、より美しい音色を出すと、精霊が降りてくる、と信じられており、また熟練すると神と同格化される、といったギュドンドンド族独自の文化を持つ。




Q.なんでレツは番号を知ってるのに、蜘蛛と知らないの?

A.よく冷静に思い出し、考えてみてください。
蜘蛛の『イレズミ』ですよ? 『イレズミ』ってことは、素肌を見せることになりますよね?
そんな素肌を自ら積極的に少女に見せつける露出狂が幻影旅団に居る訳が無いと思います。
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