子兎の人形師は何を想う   作:夜空人

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今のレツの服装は映画序盤の男装の格好です。
ハサミが入ってるポケットの部分にハサミではなく宝石の指輪が入ってます。


No.5/ハツ✖ヲ✖ツクレ

~~~ドーレ港~~~

 

シャルナークのアドバイス通り、レツは耳に【凝】をすることで、情報を集めていた。

 

(うーん、実際やってみて、ここまで辿りついたけど、情報が多すぎるなぁ。)

 

しかし、あまりの人の多さに頭痛なども抱えてしまう弊害もあり、頭に手を付けうなだれてしまっていた。

 

(ふぅ。…とりあえずフラン兄さんの教え通り、持ってきてる紙に書き込んでいこう。)

 

そうしてレツは様々な情報を整理し、書き込んでゆく。

 

(うーん、バスがザバン市に出てるはずだけど、一台もそこにいかない。…纏めるとこれだけになっちゃたな。 …正確な会場が分かれば、身体能力でたどり着けると思うけど__)

 

もう一回、ハンター試験会場案内書を見るが、やはり大雑把にしか書かれていない。

 

(仕方ないか。 …船が到着したし、何か新しい情報が、増えることに期待して…。 もう一回【凝】!!)

 

すると新しい情報が聞こえてきた。それにレツは首を傾げ、考察する。

 

(…!? …一本杉を目指す? 真逆の方向__ これが罠? なるほど…それなら納得する。)

 

レツは方向性を考える。

 

(真逆の方向だけど… 一回そっちに向かってしまったら、もう取り返しが___いや、着く。全力で足に【流】して走れば。 うん、向かってみよう。)

 

 

…結論は、強化系的な思考の暴論だが、実際それが可能なのだから仕方ない。

 

 

 

___廃墟の路地___

 

 

レツは一本杉に向かって、歩いていた。

 

(うん? …どこからか見られてるな。 …【円】!!)

 

ちなみに今のレツは、努力はしたが【円】の範囲は、半径十メートルから良くて二十メートルにしかならなかった。というのも見られてると感じたとき、【円】を張るくらいなら気絶させるなり殺すなりの方が早いからである。薄気味悪い、とかは特に思わなかった。若干、汚さに眉を寄せてたが。

 

(うん、やっぱり居る。…なんか左の方向に空洞のトンネル?があるっぽい。 …さて、何が起こる?)

 

人や地形の確認を済ませ、少し期待を寄せる。

 

「ドキドキ二択ク~~~~~~イズ!!」

(!? クイズ?)

 

老婆やガスマスクを付けた人が出てきてクイズを行うという。

レツは当然、困惑するが老婆は話を始める。

 

「あんた、あの一本杉を目指してんだろ?あそこには此処を抜けないと絶対にいけないよ。他からの山道は、迷路みたいになってる上に凶暴な魔獣の縄張りだからね。」

 

レツは思考する。

 

(迷路は【円】で対策できて、行き止まりとかでも【流】による破壊で突破できるよね? …凶暴な魔獣ね。兄さん達より強いのかなぁ? …いや、それは考えにくい。先生が突破できてるし、まだスタートラインでもないならまだまだ出てくるってことになる。少なくとも先生よりははるかに弱いってことになる。 うん、問題なさそう。)

 

またしても何故か極論にして暴論な結論をだすレツであった。

 

「これからクイズを一つだけだす。①か②で答えること。制限時間は5秒間。 …あともつっかえうる位、近いし、早速やるよ。」

 

そして老婆はクイズを出す。

 

「『友達』と『家族』が命の危機にさらされてる。①、『友達』・②、『家族』。どちらを助ける?」

 

その質問に対して、レツはノータイムで答えた。

 

「②の『家族』。」

「理由は?」

「①は僕にはいないし、『家族』は一回、失ったからね。後悔しないように。」

 

老婆達はヒソヒソと話し始める。

 

「通りな。」

 

レツは通過してゆく。 …それを見ながら老婆は考える。

 

(…質問が悪かったね。でもあの子、本気で言ってるみたいだが『使える』みたいだし。…このクイズの真の意図は《あらゆる残酷な空想に備えること》ともう一つ。《この質問に答えを持たないなら、安全に迂回すれば良い。答えを出すなら危険だが近い道を通り、それが成せるだけの実力を示せ。》っていうのが本題。…あの子もいつかそれに気づくかねェ。…さて、もう三人きたね。)

                    

このクイズの真の意図はあまりに残酷な形で********。

 

+++

 

レツは道を歩いていると、道着にしめ縄を背負った男がきた。

 

「よぉ。アンタも受験者かい。」

「うん、そうだよ。」

「そうか、しばらく一緒に歩こうぜ。(馬鹿な三人のために、罠をいっぱい仕掛けつつ、万が一魔獣がきたらコイツを囮にするか。)」

「いいけど__ (っと、そんな暇はなさそう!)」

 

いきなり知性を持たない、凶暴な魔獣が襲ってきた。

レツは具現化した剣で斬り払っていく。

 

「くっ、(一匹だけでも辛いのに、こんな沢山___!!)ギィァァァァァ!!」

(この人、こんな弱いのに試験に挑んだの? …まァ、クロロ兄さんや先生より遥かに下手な悪意が見え隠れしてたけど。分かりやすすぎて、逆に違うかと思ったけど。今のケースなら、僕を囮として使う感じかな?どっちにしろ僕を利用しようとしたんだから、助けないけど。)

 

男はあっという間に食われていった。レツは一通り魔獣を殺しきって、一息つく。

 

「ふぅ… 今ならあの人が餌になってくれてるね。前々から考えていたけど速くなる能力でも本格的に考えよっかな? …突発的に念じちゃダメ。よく考えないといけないけど、ここじゃあ無理だね。後回しにして、今は走ろっかな。」

 

【発】の欠片を得ながら、レツは足に【流】して、走り出した。

 

+++

 

一方その頃。

 

「!!(悲鳴が聞こえてきた!!)」

 

クラピカは、レツを騙そうとして食われた男の悲鳴を聞き、『四分の一、正解』の答えにたどり着く。

レオリオに呼びかけるが、キレているレオリオには届かない。

老婆がそれを止める。

 

「(猫目のボウヤは気づいたようだね。)これ以上のおしゃべりは許さないよ。」

 

老婆は続ける。

 

「ここからは、余計な発言をしたら即失格とする!! さぁ答えな ①、クイズを受ける・②、受けない」

「①だ!!」

 

それに対してクラピカは即答し、レオリオは歯ぎしりする。

 

(気づけレオリオ!! 簡単なトリックだ!! ゴン、お前にも聞こえたはず。ならばこのクイズのからくりに気づくんだ!!)

 

クラピカは二人に祈りながら、思考する。 …実際はトリックらしい、というかトリックでもないのだが。

それとは別に老婆は出題する。

 

「それじゃ 問題だ 息子と娘が誘拐された一人しか取り戻せない。①、娘・②、息子 どちらを取り戻す?」

 

完全にキレたレオリオは近くにあった木材を圧し折り、カウントがゼロになるまで武器として素振りする。

それを見てクラピカは、木刀で防御できるように備える。

そして老婆のカウントがゼロになり__

 

「ぶーーー 終~~了~~」ギィン!!

 

__レオリオが振り下ろし、それをクラピカが相殺する。

そして二人は喧嘩するがクラピカの発言に頭の血が引いた、レオリオは落ち着く。

 

「せっかくの合格を棒にふる気か?」

「!? 何?」

「ふう! 我々は正解したんだよレオリオ 沈黙!! それが正しい答えなんだ」

 

クラピカは『四分の一、正解』の答えを話してゆく。

レオリオは反対意見を述べるが、それも説明する。

 

「しかし、さっきの野郎は…」

「正解とは言ってない 通れといっただけだ。 さっき彼の悲鳴が聞こえた。おそらく魔獣におそわれたんだろう。つまりこの道は『正しい』道じゃないのさ。」

「……」

「その通り 『安全な』道はこっちだよ。一本道だ、二時間も歩けば頂上に着く。」

 

レオリオが謝罪するが、老婆は笑って激励を送る。ここでゴンが話し始める。

 

「…クラピカ。さっき、俺と同じくらいの子がその道を通ったんだけど…。」

「……そうか。おそらく叫ぶヒマもなく魔獣の犠牲になったんだろう。」

「あ~~~、他にもオメェみてーな子供が来てたのかよ。…だが、これがハンター試験なんだろうな。」

 

ゴンが自前の視力で見えたものを話し、クラピカは考えを話す。レオリオは頭をガリガリと掻きながら前提を話す。ゴンは話題を変えることによって暗い雰囲気になったのを吹き飛ばす。

 

「ずっと、考えてたんだけどさ。どうしても答えがでないんだ。」

 

それに二人は笑うが、ゴンは話す。

 

「___でも、もし本当に大切な二人の内、どちらかしか選べない場面になったらどうする?」

 

ゴンの話に二人は沈黙した。 ~~三人は『半分、正解』にたどり着いた。~~

 

+++

 

正しく廃墟の町から二時間後。

レツは、人語を理解する、狼型の魔獣と出会った。

 

「ホォ。あの魔獣の群れを抜けてきたか。」

「君、喋れるの?」

「まぁな。いつもならこんなとこ居ないんだが、ナビゲーターってやつでな。試験会場までの案内を任されてる。」

「なら、僕は?」

「よっぽど邪悪な奴なら、『裏試験』の本題に反するんだが、お前さん使えるだろ?」

「? 何が?」

「おっと、口を滑らしちまったな。まぁここの課題に答えを出し、実力を示した。 何か足りなかったら、俺が軽く戦う予定なんだが、その必要もなさそうだ。」

 

すると男は四本の手足を地面に付け、形態を変化させる。

 

「ほら乗りな。」

「わかったよ。」

 

どんどん裏道から山を下ってゆく。

 

「そういえば、僕より後の人は放っといて良いの?」

「ついさっきまで、もう何人か居たが、今から後じゃ突破しても、もう間に合わねェからな。」

 

+++

 

~~ザバン市~~

 

狼型の魔獣は人型に戻り、町を歩く。

 

「ツバシ町の2ー5ー10はだなァ… ここだな。」

「? ただの飯屋さん?」

「ああ。」

 

その答えにレツは首を傾げしばらく考える。

 

「う~~~ん? ………暗号か!!」

「そうだ。ついでにいうならまさかここが応募者が数百万かつ、死亡率五割を超えるとも言われる、ハンター試験の会場とは思わねェだろ?」

 

それを聞き、レツはなるほどと頷く。二人はその店に入っていく。

 

「いらっしぇーい!! ご注文は___?」

「ステーキ定食」

ピク「焼き方は?」

「弱火でじっくり」

「ちょっとそんな焼き方したら、肉が固くなるだけで…… あ。これが暗号なのか。」

 

一連のやりとりに、レツは苦言を呈しようとして気づいた。

 

「そういう事だ。あと、人差し指を立てるのもだな。」

「あいよ__」

「お客さん 奥の部屋どうぞ_」

 

そして案内された部屋で、レツは【円】を張ってみる。

 

「なるほど、地下に何かあるね。 それに暗号を盗み聞きしただけじゃ通れないようにもしてる。」

「そこまで、理解するとはな。一万人に一人がここまでたどり着く倍率のカラクリはそこにあるんだよな。 坊ちゃん、気に入ったぜ。もう少し情報をくれてやる。お前さん新人だろ? 三年に一人の確率でしか新人は合格できねぇ。俺がいた場所からさらに上にいくと凶狸狐っていう魔獣が一本杉の根元に住んでる。 落ちてもまた来年、案内してくれるはずだぜ。」

「ありがとう。」

 

 

 

レツがハンター試験本会場に着くと港とは一味違う雰囲気を持つ者達がいた。

 

 

「ようこそ、ハンター試験へ。はい、これがあなたの番号札になります。無くさないように」

「…一応、聞くけど無くしたらどうなるの?」

「ハンター試験の受験資格が無くなるよ。」

 

 緑色の顔をした豆みたいな小柄な男から、番号が書かれた丸いプレートを受け取ったレツは、質問してみるが、それに答えたのは茶髪で鼻がデカい小柄の中年男だった。男は続ける。

 

「よぉ、新顔だね。君で、302番目だね。」

「?…君は?」

「ああ、俺はトンパ。よろしく。」

 

レツは一応、男を観察するが、胡散臭すぎてある意味どう対応すればいいのかわからず、話を聞いてみる。

 

「俺、ハンター試験のベテランなんだ。」

「…となると君はハンター試験の情報屋とか裏試験官だったりする?」

 

レツはトンパに対して盛大な勘違い__いや、彼が行ってるのはそれと大差ないが__をする。

 

「ハンター試験の情報屋、か。間違ってはいないね。君たちのような新人に情報を話す訳だし。 あと、裏試験官、なんてのは基本的にいないよ。」

「じゃあ、注目どころとか、危険人物とかは?」

「いいぞ。っとその前に、手持ちぶさたもなんだから、これでも飲みながら聞きなよ。」

カシュ(うん。案の定、なんか薬はいってる。…僕には効かない、と思いたいけど分からないから放置。)

「どうした?飲まないのか?」

「いや、嗅いでみたけど、これ腐ってるでしょ。」

「そ、それはすまない。」

 

トンパは下剤ジュースをどうするかは分からないが、受け取った。そのままトンパは話し、レツは質問をしまくり少しでも情報を多く集める。

 

「まず、注目どころとしては、103番、蛇使いバーボン。」

「あれって毒蛇?」

「その通りだ。 あいつは執念深いから敵にまわすとやっかいだな。76番、武闘家チェリー。体術においては右に出るものはいなかったが、君と同じく初参加の294番、ハンゾー。忍っていう奴らしいがぶっちゃけお喋りってことしか分からねぇ。」

「武器とか、薬も?」

「推測はそりゃできるが、確定してねーからな。次は、255番 レスラートードー。パワーはダントツで意外と頭もキレる。」

「他は?」

「そう急かすな。197~199番、アモリ三兄弟。常に抜群のコンビネーションで好成績をあげてる。」

「各個撃破に弱い?」

「普通はそうだが、ソロでも十分強くてな。穴は198番のイモリか。あの中で一番小さいのな。性格がビビリだから、近接戦に持ち込めばいい。___と、今はこんなところが実力はあるが、合格を逃した連中だな。」

 

レツは、かなりの情報量を握ってると理解し、さらに質問する。

 

「毒、薬使いは?」

「ああ、53番 ポックルと246番 ポンズとかだな。 他にも~~~

 

そうトンパが話してるのを聞いてると、どこからか視線を感じる。【凝】を使ってあたりを見回すと、顔中に針を刺し、パンクロックとでもいうような男と、奇術師風の男が念能力者だということを理解できた。一通り説明が終わった、トンパに続けて質問する。トンパは顔を「ウゲッ」という風にしながらも答えてくれた。

 

「…301番は?」

ヒクッ「…アイツは、新人で同じく何も分からない。何だ?知り合いか?(もし、知り合いだったらヤベーな。俺の危機察知、回避能力も鈍ったか?)」

「ううん。知らない。…ただ強そうだなって。」

「そうか。(ホッ。そうだよな、知り合いじゃないよな。良かった鈍ってなかった!)」

「あと一人。44番は?」

「…アイツは奇術師、『ヒソカ』。去年~~~」

 

トンパがヒソカの去年、行った悪行を話し続ける。レツはそれを聞き流してすらいないが。

 

 

 

___なぜなら

 

 

 

「……………もう一個。……あの人の使う武器って?」

「ああ。アイツは珍しくてな。まったくもってどうやったのか分からないが、『トランプ』を武器にするんだ。」

 

 

 

兄の仇なのだから___

 

 

 




クイズのくだりは、わざと四分割してます。
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