子兎の人形師は何を想う   作:夜空人

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Q.何でレツは攻撃の【流】はできるのに、防御の【流】はできなかったの?

A.原作では、ゴンとキルアが組手~流々踊を元にしたもの~のくだりで、説明文に『実力が離れすぎてると達人がどんなに遅く技をだしても受けることができない。』と書いてあるんですよね。
自己練習で、攻撃の【流】はできますが、初心者スタートなので流石に無理だろうと。


No.7/シケン✖ノ✖ハジマリ

――では、これよりハンター試験を開始いたします――

 

そう紳士風の人は、浮き上がり話す。

 

「こちらへどうぞ。」

 

これにレツは【凝】を行いながら考察を行っていた。

 

(いよいよ、ハンター試験が始まる。…もし落ちたら大目玉を兄さん達から喰らう。…あの試験官、念能力者だね。あの浮く瞬間からすると、【練】で威圧することも無く、【跳】を使ってた。少なくとも、今の僕より強いのは確定。)

 

紳士風の男の試験官は、ハンター試験に参加するにあたっての注意事項や受験者同士の争いなども止めない事を伝える。

 

「承知しました。第一次試験、”386”名 全員参加ですね。」

 

この試験官の言葉に、レオリオは疑問に思い、話しだす。

 

「ん?ゴンのプレートが405番目だよな? でも帰った奴なんて居ねーのに。どういうこった?」

「おそらく、先ほど戦った人物が居たと、トンパという者が話していただろう。」

「あ~~~、僕とヒソカの戦いに腰を抜かして逃げ帰ったってことだね。」

 

この疑問にクラピカが答え、レツもそれを認める。

レオリオは先のヒソカの奇術などでレツに対して怯えの目で見る。

 

「レツ、ホントにヒソカと戦ってたのかよ…。」

「うん。でもまったく敵わなかったよ。」

「…怪我とかはしてねェのか?」

「今は特にないよ。」

「それならいいけどよ…。」

 

このレツの回答に怯えを解き、二人は会話してると、クラピカが割り込む。

 

「…二人共、何かおかしいぞ。」

「? そういや、何か周りの人が、というか皆だな。急いでねェーか?」

 

このレオリオの疑問にクラピカとゴンが答え、四人も走る。

試験官は自己紹介を行う。名をサトツと言った。

この発言にレツは、クロロから膨大な量の書籍を読まされた中に、彼の名前の論文も有ったので、三人に教える。

 

「…あのサトツって試験官。知ってると思う。」

「それは有難いな。 彼はどのような人物なのだ?」

「地域別アッセンブリッジ分類を提唱する論文を発表した学者タイプのハンターのはず。…こんな体力勝負の試験は本来、彼にとって向かないと思う。」

「何ィ!? 冗談はよせよ。 あの試験官にとって不得意分野だとォ!!?」

 

クラピカが相槌を一回入れ、レツからもたらされた情報に、レオリオは大声で驚愕する。

当然、この大声は前方を走る受験生の耳にも届き、彼らも驚愕し思うことは一つ。

 

 

―――このペースで『歩く』のが、不得意分野で成せる技か!!?―――

 

 

サトツは先導しながら、耳に入るそれに嬉しく思いながら、一次試験の説明をする。

 

「~~。 二次試験会場まで私に着いてくること。これが一次試験でございます。…この中に私の事を知ってる者がいたようなので、改めて自己紹介します。 私はサトツ。専門分野は、遺跡ハンターでもありますが、論文発表など学者ハンターでもあります。 そういう意味では、確かに私の不得意分野でございます。

脱線しましたが~~」

 

受験生の『同名の別人であってくれ!!』という願望を何故か圧し折りながら、続く説明をする。

この説明に四人は会話する。

 

「なるほどな………」

「変なテストだね。」

「さしずめ持久力試験ってとこか。」

「その試しプラス、ゴールが分からないっていう、精神負荷をかけてるんだと思う。」

「やはりレツもそう思うか。」

「あ、クラピカも?」

 

ここまで話してると、新たな少年がスケボーに乗りながら、四人を抜かす。レオリオが喚いたりとしてるが、レツは全く別の事を考えていた。

 

(…そうか、あの手の物を具現化しても良いのか。確かに速くなるものの一つだね。あのスケボーは足で床を蹴ることにより成り立ってる。………ん? ちょっと待てよ。自ら漕ぐのは論外だからもっと別の物になるだろうけど、いずれにしても放出系による真逆の系統が必要になるかな?なるよね?…ダメだ。)

 

と、そこまで考えてるとスケボー少年が話しかけてきた。

 

「ねェ 君達。 年いくつ?」

「もうすぐ12歳!」

「僕も同じ!」

(同い年…ね。)

「「?」」

「やっぱ、俺も走ろっと。」

 

そう言うとスケボーを脇に抱え、一緒に走り出す。

 

「オレ キルア」

「俺はゴン!」

「僕はレツ。」

「オッサンの名前は?」

「オッサ… これでもお前らと同じ10代なんだぞ!! 俺はよ!!」

「「うそぉ!?」」

「あーーー!! ホントにお前らはヒデェーな!! 少しはタメのレツを見習わんかい!」

 

三人は驚きなどもあったが、レツは驚くことなく、走っている。少しばかり止まってしまった三人は、急いて追いつく。

 

「レツはあのガキンチョどもと違っていい子だな~。姉さんの教育がさぞ素晴らしいんだろうよ。」

「?」

 

レオリオは感激しながら姉さんのみを褒める。実際のところは、クロロやシャルナークなど、兄さんが『躾』たもの(パクノダのマナー教育は、今回のケースにおいて異なる。)なので、レツ本人には何を言いたいのか伝わらない。そこにキルアが話しかける。

 

「ウッソ、マジで? このオッサンが本気で未成年に見えるってのかよ?」

「まだ言うか、コイツ!!」

 

その質問に対して、レツは答える。

 

「僕の兄さんや姉さんは、成人してるのにそうとは見えないからね。なら逆タイプの人物が居ることにも想像が付くから驚かないだけ。」

 

ナチュラルにレオリオがオッサンに見えることは否定せず、その内訳を話す。

実際、クロロ・シャルナーク・マチあたりはとてもそうとは見えない。

その事実にキルアがツッコミを入れる。

 

「いや、それ否定してねーじゃん。」

「マジかよ! レツは味方だと思ってたのに…」

 

レオリオはかなりガチ目に凹んだ。

 

 

~~二時間半後~~

 

レオリオは脱落しかけていた。少しだけダウンするのが早まってるのは、先の精神ダメージによるもの。

気の持ちようで、体力やテンションは変わるものということだ。

心根が良いゴンが呼びかける。

 

「レオリオ!!」

「ほっとけよ。遊びじゃないんだぜ。」

「そう思う。今なら命の危険が無いから、言葉通り、引き返せるし。」

 

キルアは冷たく突き放し、レツは山道の実体験もあって優しく突き放す。

それらの言葉に反発したのか、ゴンはある意味、残酷な発破をかける。

 

「レオリオ~!! こんなところで諦めるとレツの姉さんは靡かないって言ってたの忘れたの~!?」

 

その言葉にレオリオの耳はピクリと動く。

 

「上等よ……。 絶対にハンターになって、男としても格を上げるんじゃーーーーーーー!!」

 

そう言い、レオリオはウオオオオオと叫びながら走り出し、クラピカをも抜かす。

…レオリオはどこまで踊らせられるのだろう?

いつかはその想いを裏切られる真実を知っていたら涙を禁じ得ない。レツとゴンは知らず知らずの内に、こんな残酷で間抜けなレオリオ人形劇なんて演じてることになる。

レオリオのカバンはそこに置いていかれたが、ゴンが釣り竿を振り、拾って背負う。

その技にキルアが話す。

 

「おー かっこいいー 後で俺にもやらせてよ。」

「スケボー貸してくれたらね。そういえばレツはこういうのないの?」

「レツはあるだろ。見てたぜ、ヒソカに斬りかかった時に、ウチのクソ兄貴とは全く違う形で変身してたの。」

「ああ、これのこと?」

 

そう言うと、レツはトパーズの指輪をはめて能力を発動させる。

この現象に、ゴンはまた驚く。

 

「わっ! …女の子だったんだね。」

「まぁ、一人で受験するにあたって、男装しといたほうが良いと思って。それに僕にも技術はあるよ。付いてこれる?」

 

そう言うと、レツは能力を解除して、一旦立ち止まり、その場で二~三回ジャンプすると、駆け出す。

そのまま、レツは平然と壁を走り始める。フィンクスに仕込まれた、旅団員なら誰でもできるフリーランニングの一つ、《壁走り》である。

 

「うわーすごいね!!」

「そんなこともできるのかよ。ほら、ゴン! 急ぐぞ!」

 

ゴンは驚くがキルアはそうでもない。まぁ、キルアもやろうと思えば出来るからだ。

二人は少年らしく、負けまいと駆け出した。

 

 

~~~”80”キロメートル地点、通過。脱落者 未だゼロ名。~~~

 

 

その頃には、《壁走り》を続ける意味もないので、レツは地面に足を付け、一緒に走っていた。

さらに走っていると様々な言葉が聞こえてくる。

 

「!! 見ろよ」

「おいおい」

「マジかこりゃ」

 

そこにはとてつもなく長い階段があった。レツは階段の長さについて推測する。

 

(少なくとも、地下100階までエレベーターで降りた分は、登るっていうことか。…特に問題なさそう。)

 

そこにサトツは絶望的な宣言と自分を知っている者が居たのは、やはり嬉しく少しばかりリップサービスもする。

 

「さて、ちょっとペースを上げますよ。それと、この階段までが命の危機がない、最終的な引き返し地点でもございます。改めて、それでも良いという者のみ付いてきてくださいね。」

 

この話も二段飛ばしで歩いたままなのだが、そのサービスに体力切れが近いと冷静に判断した者たちが、階段の前で足を止める。登る者達は、改めて『不得意分野とか、ウソだ!!』と強く思う。

 

しばらく走り続け、段々と脱落者が増えていく。

 

~~~中間地点、脱落者は88名にも上ぼり、残りの受験生の数は300を切った~~~

 

三人は走り続けていると、サトツの側まで来ていた。ここでゴンは話し出す。

 

「いつの間にか、前に来ちゃったね。」

「うん、だってペース遅いもん。…不得意分野って言うんだから仕方ないんだろうけどさー。」

「いや、サトツさんは本気だしてないよ?」

「それは分かるけどさー。」

 

キルアが愚痴を言い、レツはサトツの実力を見誤っているのかと思い、発言する。キルアは当然、気付いており発言を続ける。

 

「というか、レツだって汗一つかいてねェーじゃん。ちょっと意外。」

「そう? でも、これだと逆に疲れちゃうよねー。」

「そうなんだよなー。」

 

ゴンでさえ薄らと汗をかいているのに、キルアとレツは汗をかいていないのだ。その現象をゴンは驚愕と尊敬の眼差しで見る。

続けてキルアは発言し、レツが流石に注意する。

 

「結構、ハンター試験も楽勝かもなー。つまんねェーの。」

「ちょっとキルア、後ろの人たち見てそれ言えるの?」

「アレは論外。ショボすぎんだろ、あいつら。」

「まぁ、そうなんだけどさ。」

 

続けて言われたキルアの発言に、レツは同意してしまうあたり、注意した意味とは…?

ずっと沈黙していたゴンは受験動機を聞く。

 

「キルアは何で、ハンターになりたいの?」

「オレ? 別にハンターなんてなりたくないよ。ただものすごく難関って言われてるから、面白そうだなーってだけ。二人は?」

「あ、そっか。あの時、キルアはいなかったね。僕は家族から出された条件を達成できるかな、って勧められたのがハンター試験ってだけ。」

「オレは、親父がハンターをやってるんだ。親父みたいなハンターになるのが夢だよ。」

「そういえば、条件を出した兄さんもハンターだったけど、なろうとは思わないかな~。」

「二人共、家族関係かー。いいなー。 二人の家族ってどんなハンター?」

「分からない!」

 

キルアとレツの二人はその発言に笑う。ゴンの独白が続く。

 

「~~~思ったんだ。オレも親父みたいなハンターになりたいって。」

「!!」

「見ろ 出口だ!!」

 

後続の受験生が次々とくる間にゴンはレツに聞く。

 

「オレは話し終わったよ。レツの兄さんは?」

「正直、先生には悪いけど、便利屋と中間職っていう板挟みになってる印象だからね。ライセンスが便利なだけで、アレがハンターの基本ではないと思うんだけどね。」

「ライセンスの特権って、いろいろあるらしいしな。」

 

レツの答えにキルアが発言する。

ここまで話し終わったところで、シャッターが下り始める。

サトツはこの湿原について説明を始める。

 

「~~~ゆえんです。騙されることのないよう注意深くしっかりと私のあとをついて来て下さいね。」

 

これを聞いてる間、レツは思う。

 

(…僕達の家族には嘘つきのプロがいるからな~。それを上回るのかな?)

 

シャルナークのさらっと冷や汗一つかかない嘘も見事だが、クロロの爽やか青年モードなんて一周回ってムカつくレベルの見事さなどを、なんだかんだで味わってきたレツからすれば、これも難易度を疑問視するものだった。

そこに大声が響く。

 

「ウソだ!! そいつはウソをついている!!」

 

その男の出現と主張に、レオリオを含めた数人の受験生が疑い始める。それを理解したクラピカは冷静に三人、というよりは試験官・サトツの事を知ってたレツに向かう。

 

「偽者!? どういうことだ!?」

「レオリオ、来い!」

「何だよ!?」

 

そうして一旦、五人は合流し、クラピカが話し出す。

 

「レツ、あのサトツとかいう試験官は、本物か?」

「うん。写真通りの姿だよ。だから、あっちが本物。(一応、【凝】して、【纏】してるのがサトツさんの方だと、理解できたしね。)」

 

この発言にレオリオは安堵し、クラピカは一厘ほどの可能性を疑う。

 

「そうか。ならそっちが本物だな。」

「…たまたま写真通りの姿の可能性があるが、そこはどうなのだ?」

 

この疑問にキルアが答える。

 

「いや、あっちの方が遥かに弱いから考えにくいぜ。」

 

ここで男の一方的な話は終わった。

 

「~~~にする気だぞ!!」

 

そこにトランプが飛んでくる。

男の方は顔に刺さり、サトツの方は受け止める。

 

「くっく♠ なるほどなるほど♣」

 

死んだふりをした猿も逃げ出そうとしたが、トドメを刺される。

 

「………」

「おやおや、そんなに睨まなくてもいいじゃないか♥」

 

トドメのトランプを投げたのはレツだった。先ほど、ついでとばかりにヒソカから投げつけられたトランプを使ったのだ。

レツはついさっき、徹底的に打ちのめされたので、【練】のような無駄にオーラは出していないが、それでも空気が冷える。一連の出来事を知ってる受験生からすれば、また戦うのかと警戒する。…何人かは武器も構え始め、レツが攻撃を仕掛けたら、一斉に向かうつもりのようだ。やはりヒソカは排除しておくに越したことはないからである。ここでサトツが注意喚起をする。

 

「44番。次からはいかなる理由でも私への攻撃は試験官への反逆行為とみなして、即失格とします。よろしいですね。」

「はいはい♦」

 

そこに鳥などが来て、再びサトツが説明する。レオリオは引きながらも発言する。

 

「……自然の掟とはいえ、えぐいもんだぜ。 …そういや、レツ大丈夫なのか?」

「ああ、あのトランプね。うん、平気。」

「…あの猿にトランプを刺せるのは君もできるのか。」

 

レツは返事をし、クラピカが事実確認をする。その技にゴンとキルアは興味を持つ。

 

「あれ、どうやったの!!?」

「ホントにな。…まだまだ隠し持ってんだろーな。」

「? 別にこれは鍛えれば誰でもできるでしょ。」

「マジかよ。俺ん家も結構スパルタだけど、あんな真似はできねーぞ。」

 

その疑問にレツは答え、キルアはふてくされる。たしかに【周】は誰でもできるが、この場においては原理不明の攻撃なのだが。

 

「~~ありませんか? それではまいりましょうか、二次試験会場へ。」

 

 

___一次試験、後半戦。ヌメーレ湿原へ突入。残り受験生、295名。___





Q.レツさん、毒舌すぎません?

A.幻影旅団メンバーの中で触れ合った時間ランキング

一位・シャルナーク(先生だから)

二位・ノブナガ(師匠だから)

三位・シズク(具現化系の教えアンド同性だから)

はい、一位と三位の方の影響です。

レツの歳は同い年に合わせました。原作で一番小さいのは、享年の姿だから(つまり拙作の世界では10歳で死亡)かと。
ゆえに身長は、ある程度伸びてますが、僅差でゴンとキルアに比べて小さいです。

減ってる受験生の数は、乱数で決めました。少なくとも187番のニコルは逃げたので、心を折られずに済んでるくらいです。
努力するでしょうが来年以降、合格できるわけがないので、心を折られるのが一年先に延びたくらいです。
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