銃は地球人類が生み出した最高の文明の利器である 作:ジャーマンポテトin納豆
さて、一週間の疾風の操縦訓練を終え、町、自身の家に帰って来た翌日。
朝早く、日の出の一時間半程前に起床し準備を進めた。
先ずはエルフラントさんが作ってくれた朝食を取りその後、兵舎に送り届けた。
流石に滑走路まで付いて来て貰う訳には行かないし帰りは歩いて帰って貰う事になってしまう。それでもついて来ようとしていたが取り敢えず今日から三日間は家に帰って来る予定だからと説明し何とか抑えて貰った。
その後、研究者の人達の元に向かいこれから調査を開始するという旨を伝え、それからハンヴィーに乗り滑走路に向かった。
滑走路に到着後、直ぐに疾風を呼び出す。
増槽の取り付けもしてあるし万が一の時の唯一の自衛手段でもある20mm機関砲にも異常は見られない。
ハンヴィーを格納し、点検は終了、着替え、疾風のエンジンを始動させる。
本格的にエンジンを回し始めるには最初に温めなければならない為、それまでの間に飛行ルートを再確認する。
まず一番最初に侵入していくのは此処から一番近い森の淵では無く、最も北側からの侵入となる。そこから東側の端に向かって飛行する。そしてまた北に向かう。これを繰り返しながら地図作成を行う。
オール大森林の向こう側にある国家に悟られない距離の場所まで地図作成を行ったらその段階で終了とし、可能ならば裂け目の詳細も個人的に調べたいと思っている。
どれほどの範囲を調べるのか詳しくは分かっていない為に3日間の日程で行う。もしそれよりも早く終わった場合はより詳細に調べながら作成した地図に細かく書き込んでいく。
それよりも日程が掛かるとされた場合は出来る限りの地図作成を行い、期限の三日の時点で地図作成は切り上げ、本格的な調査を行う事にした。
飛行高度に関してだが大体1500mを予定している。
本当は3000m以上で飛行したいのだがそうすると地図作成に支障が出るかもしれないので半分の1500mとした。
地図作成開始地点までは高度を6000mまで上げて進んでいく予定だ。高度が高ければ高いほど空気抵抗が少なく、6000mで最高速度を発揮できるし何より燃料の消費が少なくて済む。
取り敢えずはこんな感じだ。
もし途中で何かがあった場合その都度対応して行く事にする。
そう言う訳で日の出前に既にエンジンを回し始め、あとは飛び立つだけとなったのだが、ここで問題が起きた。
空が明るくなり始めた時に漸く気が付いたのだが雲がかなり分厚い。
しかも結構高度が低い所にあるのでもしかすると地図作成に影響が出るかもしれない。
一応飛んでみて雲の高度が予定している飛行高度の1500m付近やそれ以下だった場合は安全策を取りしょうがないので今日は断念しよう。
もし2000m以上ならば続行だ。
そして遂に疾風の車輪止めを外し、乗り込みブレーキを外す。
そしてスロットルを上げていく。
フルスロットルにして幾らかの滑走の後、一週間の内で慣れたふわりとした、地面を離れた時の独特な感覚が身体を包む。
よし、よし、飛んだぞ。あとは地図作成開始地点まで飛んでいくだけだ。
徐々に高度を上げていき、雲のある高度まで到達。
結果的に雲の高度は3200m程だったので全くの問題は無かった。ただしかなり広範囲に広がり、尚且つ分厚い。
高度5000mになって漸く雲を抜けた。そしてそのまま上昇をして行く。
凡そ5分弱で高度6000mに到達。幸いな事に今日はエンジンの調子が快調だ。
それから30分後、ここで降下を始める。急激に降下するのではなく徐々に落としていく為、それなりに距離が必要だからだ。
エンジンのスロットルを50%に落とし下降。
下手に速度が上がりすぎると空中分解する危険性もあり、その意味でフルスロットルだと速度が上がりすぎてしまう。
だからスロットルを落したのだ。
取り敢えず雲を抜けるまではこのままで行く。
それから10分程で雲を抜けた。
かなり緩い角度での降下だから思ったよりも時間が掛かった。
雲を抜ければ少し先に広大なオール大森林が広がっている。
なんとも言えない、幻想的で雄大な光景だ。
いやぁ、これかなり広いんじゃなかろうか?
どう見てもこれ程の高度を取っているのにも関わらず淵が見えないって……これ三日間で足りないだろう。
まぁいい、取り敢えずどんどん進めていこう。
巡航速度で飛行していく。
地図作成でマッピング出来る範囲は15kmを予定していたのだが、ここでまさかの事実が発覚した。
今の高度だと地図作成でマッピングされる範囲が直径40kmまで伸びたのだ。これはかなり嬉しい誤算だった。
これならば往復回数が減るので予定した日程よりも、早く終わるかもしれない。
よし、このまま進もう。
もしかすると高度を上げればもっと範囲が広くなるかもしれないが雲の関係や目視が出来ないのは不安が残る。このままの高度で進めて行こう。
眼下に広がる森は途切れる事が無く、延々と続いている。
時折、鳥が羽ばたいて行ったりする光景が見られるがそれ以外は特に変わりは無い。
それに時折森の中で何か大きな存在が動く事があるが残念ながら今の俺にその存在を確かめる手段は無く、それらを眺めながら操縦桿を握るより他は無い。
しかし、本当にこんな光景が存在し、俺がその光景を見る事が出来るとは思っても居なかったな。
遠くの方に川が流れている。しかしその川の幅はかなり小さく数も数本と少ない。
あれだけでこのオール大森林全体を育てる事が出来る程の水量があるとは到底思えない。そうなると、どうやってこの広大な大森林を育てているのだろうか?
地下水脈でもあれば可能なのだろうが……
これは森に立ち入った時に調べなければならないな。
俺は飲料水を呼び出せるから必要は無いがあれは間違い無くこの地に生息している生物の飲み水として使われている。
強力な魔物や魔獣がいるだろうから下手に近付くと面倒な事になりかねないな。注意しておこう。
しっかし本当に広いな、オール大森林。大体片道450kmちょいはありそうだ。
これだと今の所1往復が完了しているから今の!往復が終わったら一度戻る必要があるな。
見渡す限り森、森、森、森。時偶、少し開けた所を3つほど見たがこれ程の面積ともなると驚く程少ないと言わざるを得ないだろう。
それに開けた場所自体も直径が大体10mかそこら程しか無くかなり狭い。
しかし大森林に入って調査を始めた時のキャンプ地点として使えるかもしれない。
メモっとこう。
こういう時、燃料を燃料タンクに直接呼び出せないのが辛いな。
基本的に一度降りて給油口から直接入れないといけないのでこの点に関しては今後も色々と試した方が良いな。
巡航速度で飛んでいるがそれでも燃料は消費するのはしょうがない。
一応余裕持って燃料を残しておこう。そうすれば燃料の心配でビクビクする必要が無くなる。
補給が終わったら途中から始めればいいだけの話だしな。
こうしてみると速度でP51Hを選択しなくて良かった。1往復しただけで滑走路に戻らなければならないのはかなり面倒臭い。
燃料計を見ると1500mで飛んでいたからか空気抵抗の関係で燃料消費量が多いな。それに風の流れに逆らって飛ぶこともあるからそれも影響しているのだろう。
追い風の時は逆なんだが。
この分だとそこまで残らないな。2000km分も1500mで飛んでいたんだからそれはしょうがない。
本当はもっと航続距離の長い爆撃機なんかもあるにはあるが複数人でないと運用出来ないものだからしょうがない。
確か一式陸上攻撃機というやつが6000kmという本当に頭が痛くなるような航続距離を持つ機体があった。
あれが使えればなぁ……でも人が居ないもんだからしょうがない。諦めよう。
事故があった時が怖いからな。
2往復が終わり、滑走路に向かって飛ぶ。
暫く飛ぶと飛行場が見えて来た。燃料計を見ると残燃料は大体30km分程。
かなりギリギリだったな。
取り敢えず高度を落して行って速度を絞る。
前輪を出し、フラップを着陸にする。
エンジンの出力を調整して、180km/h前後を維持する。
段々と滑走路に近付いて来る。
そのまま段々と高度を落して行くと、前輪が接地した衝撃が伝わって来る。そのままエンジン出力を0にして徐々にブレーキを掛ける。
ここでブレーキを掛け過ぎると前転するから要注意だ。
そうすると後輪が地面に付き、ここまでくればブレーキを強めに掛ける。
それ以上速度が落ちればしっかりと掛けても問題は無い。
それからエンジン出力を若干上げて疾風を滑走路の中心線の所に持って行く。機種の向きを整えたらブレーキをしっかりと掛け、エンジンを切る。
しっかりと停止したことを確認して、疾風から降り車輪止めを設置する。
これで万が一勝手に動き出す事が無くなった。
そして航空機用ガソリンを呼び出し給油口から燃料を入れる。
疾風は機体本体に凡そ750Lの燃料と、200Lの増槽を2つ積む事が出来る。
そしてそれ+メタノールを130Lに潤滑油50Lを搭載する。
燃料に関してはオクタン価やグレートなどがあるが呼び出せる物は基本的に質が良く、俺が呼び出して補給している燃料自体も100オクタン/140グレートという値の物を使用している。
まぁどんな基準がありどうなっているのか詳しい事は分からないが取り敢えず言える事は今使用している燃料は高品質だと言えるものらしい。
取り敢えず燃料を満タンにする。
それから次は増槽に燃料を入れる。
増槽が無ければ2500kmなんて距離は飛べない。本当はもっと燃料を積んでいきたいんだがそれを可能にする方法が無い。
これ以上増槽を積むことは出来ないし諦めてこれで飛んでいくしかないだろう。
燃料補給に1時間も掛かってしまった。
幸いなのは20mm機関砲を1発も使用していないからそちらの補給をしなくて済む事だろうか。
それ以外に一応点検してみたが特に問題も無い。この調子なら飛ばしても問題は無い。
格納してしまえば良い話なんだがこう、エンジンをいじる事が楽しくてしょうがない。
燃料補給と点検が済んだら再度エンジンを始動させ、温め始める。
それが済み次第最初の手順と同じ様に車輪止めを外し、ブレーキを外してフルスロットルに、エンジン出力を100%にする。
それが済むと再び滑走路を駆け、空に舞い上がる。
そして先程ここに引き返した地点まで一直線で飛んでいき、そこから再びマッピングの開始。
今回は雲が既に無くなっていた為、高度を3000mまで上げて行った。
結果、マッピングが出来る範囲が60kmまで伸び、更に作業効率が良くなった。
ただし開始地点に到達するまでに既に100kmは飛んでいたので帰りの燃料がかなりギリギリになってしまった。
うーむ、次は1往復半しか出来なくなるだろうな。
飛行距離が短くなればなるほど効率が悪くなるな……
まぁそれでも今までに横450km縦200kmの範囲のマッピングが完了しているからかなりの面積をカバー出来たと言えるだろう。それでも未だに森の向こう側が見えないのだから驚きだ。
今日はこれで終了だ。丸々半日以上をマッピングに使った為、疲労もかなりの物だしここらで切り上げておいた方が良いだろう。
これ以上飛ぶともなると18~19時間飛行したことになる為、睡眠時間が取れなくなってしまう。それに夜になると視界が利かない中での着陸になると予想されるからそれは危険だ。一応飛ばしてはいるがまだまだ新米も良い所だし誘導灯などを設置していないから更に危険だ。
明るいうちに滑走路に降り立った。
そして疾風を格納し、家に向かう。
家に到着したら取り敢えず夕食を摂ろう。
さーて、今日はどんなパック飯を呼び出そうか。
うーん、かなり腹減っているから2つか3つほど食べてしまおう。
このスパイシーチキンとか言うの美味そうだ。それとあとは豚の角煮も良いな。
それと筑前煮がいい。スパイシーチキンには米がついていないから追加で米のパックを呼び出しす。
元々付いている米+もう一つずつ程呼び出す。
早速温め始めよう。
と思ったら家のドアを叩く音が響く。
ん?誰だろうか?もう時間的には7時頃なのだがそんな時間に訪ねて来る人などいないように思うのだが……
念の為警戒して出よう。
「はい」
「イチロー、私だ。エルフラントだ」
「エルフラントさん?今開けますね」
確かに聞こえる声はエルフラントさんの物だ。
警戒するだけ無駄だったか。
「エルフラントさん、こんばんわ。中へどうぞ」
「こんばんわ。夜にいきなり訪ねてすまないな」
「いえいえ、お気になさらず。それで何かありましたか?」
「いやなに、帰って来ているだろうと思ってな、夕食でも作ってやろうかと思っていたんだが、もう食べてしまったか?」
なんと!?
エルフラントさん、態々作りに来てくれたと言うのか。
これは有難い。
「いえ、まだですよ。今どうしようかと悩んでいた所でしたから」
「そうか、なら厨房を借りるぞ」
「はい。あ、荷物持ちますよ」
「ん、すまないな」
二人で並んで厨房に向かう。
そしてエルフラントさんはそのまま食事の準備に取り掛かる。
「しかしいつ見てもこの香辛料の種類と量は驚かされるな……」
「あはは、お好きに使っていただいて構いませんよ」
「全く、贅沢な奴だな」
「そうかもしれませんね」
「そうかもでは無く、そうなんだ。全く」
香辛料が数多く取り揃えてある棚を見てエルフラントさんは声を上げる。
まぁ確かに香辛料はかなり貴重だからな。滅茶苦茶高いのだが俺にはそんな事関係無い。だって幾らでも呼び出せるしな。
でもそれを商売する気は無いので自身の食事に使うぐらい。
昨日エルフラントさんが初めてこの厨房で食事を作ってくれた時、香辛料を見てとんでもなく驚いていた。
しかしあれだな、エルフラントさんの調理している後ろ姿良いな。
後ろ姿を見ているとこう、なんだか新婚になった気分でとても楽しく幸せと言うか何と言うか……
態々部屋に行って食べる必要も無いから厨房に併設してある机の前に座り、頬杖を突き眺める。
しかしあれだな。エルフラントさんの私服、とても良いな。
ロングスカートに簡素だがシャツを着ており、その上から上着を羽織っているが、それでも薄手だからか身体のラインがかなりくっきりと浮き出ている。
何というか悪戯したくなる気持ちが湧き出て来るがそんな事をしたら怒られそうだから辞めておこう。
エルフラントさんが食事を作る後ろ姿を眺めながら出来るのを待つ。
何だかこういうちょっとした日常って凄い幸せだな。充実している感じがする。
「ほら、出来たぞ」
「おぉ、凄く美味しそうですね」
「まぁ今日はかなり疲れた様子だったからな、肉と精力が付く食事にしたんだ。早速食べてみてくれ」
「勿論ですよ。それじゃぁ頂きます」
俺は手を合わせて挨拶をして食べ始める。
「おぉ、美味しい!」
「それは良かった。どんどん食べてくれ」
俺はバクバクと食べ進める。
思ったのだが中世って食事事情はあまりよく無いものだと勝手に判断していたのだがこの世界共通なのかそれともこの国が特別なのか分からないが町の食堂などの食事もかなり充実し、調味料もしっかりと使われている。流石に香辛料は高く、王都の高級店にでも行かない限りは味わえないが塩などはかなり使われている。
というのもイリオル大山脈では岩塩が良く採れるんだそうだ。
流石に鉱石とは全くの無関係の場所で採れるから安全性も申し分無い。
色は白というよりピンクに近く所謂ピンクソルトというやつだ。
個人的には普通の塩とピンクソルトの味の違いは分からないが使えるのだからそれで良いじゃないかと思う俺はやはり庶民舌なのだろうか。
それ以外にもハーブなどはよく栽培されているから流通量もかなりの物だし手に入れるのは容易い。
見た事のないハーブもかなり種類があるしそれに伴って味も色々と多い。
意外と食事を楽しめる世界なのだ。
エルフラントさんの食事はとても美味しい。
味付けは濃くも無く薄くも無い、丁度良くしっかりとしている。それに岩塩やハーブだけでは無く俺が呼び出した香辛料である胡椒なども使っているから美味しい。
そんな食事だからあっという間に平らげてしまった。
「ふぅ……とても美味しかったです。ご馳走様でした」
「それは良かった。食器は流しに置いておいてくれ」
「はい、有難うございます」
本当は洗い物位はやりたいのだがこっちはこっちでやらなければならない事があるので甘んじよう。
「エルフラントさん、やる事があるので部屋に戻ってますね」
「あぁ、分かった」
エルフラントさんに言ってから部屋に戻り、大きな紙を呼び出す。
縦1m横2m程の紙だ。それを数枚。
これに今日マッピングしたオール大森林を書き写す。
まぁ自分の手でやるのではなく印刷するような感じだ。「地図作成」を思い浮かべ、オール大森林の事を強くイメージすると紙に地図が自動的に書き込まれて行く。
5分ぐらいで地球の地図と大差無い物が出来上がった。
もしかするとそれ以上かもしれないな。これ、紙に印刷されているのに多少魔力を注ぐと三次元立体的になる。
物凄い技術だなこれ。しかも拡大縮小が可能で拡大すると自分の視点の様なものにまでなる。
しかし生物に関しては表す事が出来ないのでそれは直接足を踏み入れて確かめる他無いだろう。
それを幾らか確かめ、森の中を見ると思ったよりも木々の密度はそこまでではないのが分かった。
しかし一本一本の大きさが桁違いにデカく、淵の方はそうでもなく、一般的な大きさの木々なのだが中心部に行けば行くほど木々は大きくなりその傾向は顕著に表れる。
これ樹高軽く60mはあるような木ばっかりじゃないか。
だがこれぐらいならば普通にハンヴィーも通れそうだ。
だが小回りが利きにくそうだな。こりゃバイクの方が良さそうだ。
分割しての印刷だから残りの範囲を残りの紙に印刷する。
そしてそれが終わったら幾つかの地点の詳細を書き込んでいく。
開けた場所の事や大きな魔獣や魔物らしきものを確認した地点だ。開けた場所はキャンプ地点として使えるかもしれないし魔獣魔物の方は警戒して進まなければならない。
あれほどの森の中で無警戒で進むのは馬鹿すぎるからな。
そして間違いや書き洩らしが無いのを確認する。
「イチロー、それは地図か?」
「エルフラントさん?そうですよ、オール大森林の地図です」
「なんだこの精細な地図は……見た事も無い」
「まぁこれを作る為に今日1日と明日明後日の丸々3日間を使う訳ですから」
「そうか……イチロー、この地図は絶対に他の誰にも見せるんじゃないぞ。大騒ぎになる」
エルフラントさんはこういう時、王家などに提出を進めるのでは無く注意して警戒するように言ってくれる。
「ご忠告有難うございます。気を付けます」
「うん、それにかなり質の良い紙を使っているな。こっちはこっちで騒ぎになりそうだ。この紙も出来るだけ見せない方が良いだろう」
「はい」
「ふーむ、少し見せてくれないか?」
「はい、どうぞ」
「見れば見る程精細な地図だな……」
「少しだけ魔力を紙に流してみてください」
「魔力……?おぉ!?なんだいきなり!?飛び出したぞ!」
「凄いでしょう?」
「凄いなんてもんじゃないだろうこれは……」
地図のあれこれを見せると物凄く驚きを表している。
そんな感じで2時間程過ごして。
「エルフラントさん、明日も早いので俺はそろそろ寝ますがエルフラントさんはどうしますか?」
「うん?そうだな、泊まっても良いのならば泊まっていきたい」
「どうぞ遠慮なさらず。水浴びは?」
「うん、借りよう」
「分かりました。それじゃタオルをお貸ししますね。服等はどうしますか?」
「一応こうなることを想定して持って来たから大丈夫だ」
「それじゃぁ案内しますね」
「頼む」
エルフラントさんが水浴びをして、それからそのまま一緒に寝た。
明日の事もあるし特に何もするわけでも無く、今日の疲れもあってか直ぐに寝てしまった。
ウトウトしてきた時にエルフラントさんの胸元に抱き締められてとても安心した所までは覚えているがそれから直ぐに寝てしまったのか記憶が途切れていた。
朝、再び日の出前に起きるとエルフラントさんは既に起きていて朝食を作ってくれていた。それを食べてエルフラントさんを兵舎に送り、そこから滑走路に直行した。
それ以降は昨日と同じ様にマッピングを行った。
変わった事と言えば2往復する事が出来ず、1往復しか出来なかった事だろうか。高度は変わらず3000m。
それを2回繰り返し、終了。
家に帰ればエルフラントさんが訪ねて来て食事を作って貰い、部屋で紙にマッピングした範囲を印刷、水浴びをしてエルフラントさんと共に寝た。
そして今日、3日目を行う予定だ。天気は快晴、雲は一つも無い。
さて、それじゃぁ最終日も張り切って行こう!
日本軍機の長大な航続距離は利点でもあり欠点でもあります。
大戦中は道中敵機を常に警戒しながら進み、更に戦闘をこなし帰り道も敵機を警戒しながら飛び続けなければなりません。
しかも被弾して燃料が漏れていたり、パイロットが怪我していたりすると更に困難な道のりになります。
追記
日刊ランキング92位にランクインしてました。
読者の皆様本当にありがとうございます!