虹ヶ咲より天王寺璃奈ちゃんも初登場です(一応準レギュラー化)。スクスタ配信前に執筆したのでキャラ崩壊してますが大目に見て頂ければ。
最後に理亞ちゃんが先日誕生日を迎えたのでSaint SnowとA-RISEによるおまけコーナーもあります。ちなみにPixiv投稿版は梨子ちゃんとルビィちゃんの誕生日が近かったのでAqoursのおまけとなっております。お時間ある方は是非Pixivの方も覗いて見て下さい!
町外れにある小さな公園。そこではヒートメタルとなったWとナスカ・ドーパントが戦っていた。交わる2つの武器、メタルシャフトとナスカブレードからは戦いの激しさを示す火花が散っている。
今から数分前。疲れがとれないことに悩んでいた鞠莉は花丸の紹介で近所の温泉を紹介してもらい、そこへ行く事になった。だが、鞠莉は落ち着いて過ごすのが苦手な為、長くは沈まずにシャンプーだけをして帰る事にした。その最中に同じくシャンプーをしていた英玲奈(この時点では互いが誰なのか気づいていない)と内浦の話で盛り上がったのだった。
「なら沼津ブランドのみかんはわかるかい?最近スクールアイドルのアニメともコラボしたブランドなんだ」
「寿太郎みかんでしょ?同じClubのFriendが親戚から貰ったものをよく持って来てくれるのよ♪」
「君、なかなか詳しいんだな。なら内浦のマスコットキャラであるうちっちーは知ってるだろう?」
「Of course!この街の大人気キャラだもの!勿論知ってるわ!」
「そこで質問だ。うちっちーの考案者が誰なのかわかるかい?」
「確か、うちっちーって一般公募で決まったキャラに小学生が名前をつけたのよね?でもDesignerまでは私もわからないわ」
「実はうちっちーの考案者は私なんだ。小学生の頃に描いたイラストが採用された時は大きな達成感を得たのを覚えているよ」
「Wa〜o!!まさかこんな所で会えるなんて凄いわ!」
「だろう?実はうちっちーが生まれた際に特別に作ってもらった非売品のストラップがあるんだよ。今度見せてあげよう」
「いいの!?ありがたいわ!!ここで会えたのも何だし、あなたのNameを教えてもらえる?」
ここで2人はシャンプーを終え、互いの顔を見る。
「そうだな。私は…って、君は」
「ん?あなた、統堂英玲奈じゃない!」
「あの時の探偵か。外へ出るぞ」
2人はそのまま公園へ向かう。そこで改めて顔を合わせた英玲奈は煽るように言う。
「まさかこんな形で君と会えるとは思っていなかったよ。正義のヒーローだけあって相当街を愛しているんだな、仮面ライダーくん」
「っ!何故あなたがそれを!?」
「あぁそうか、君にはこちらの姿の方が馴染み深いね」
「そのドライバー、まさか!!」
英玲奈はガイアドライバーを装着し、一般にバイヤーが販売している物とは違う金色のガイアメモリを見せつけるかのように起動スイッチを押す。
\ナスカ!/
そして英玲奈は青い騎士のような怪人、ナスカ・ドーパントに姿を変えた。
「まさかあなたが幹部だったなんてね。何となく関わりがありそうな気はしていたわ」
「その通り。知っていると思うがこれが私の力、ナスカ・ドーパントだ。君も早く変身したまえ」
「そちらがそう来るなら仕方ないわね!」
「あぁ、待ってくれ。せっかくだからファングジョーカーとやらにでもなってもらおうかな」
「もう!Orderが多いのよあなたは!」
鞠莉はダブルドライバーを装着し、果南に呼びかける。
「行くわよ果南!」
\ジョーカー!/
しかし、果南から反応はない。
「果南?大丈夫〜?」
\ジョーカー!ジョーカー!ジョ、ジョ、ジョーカー!/
『えっ?あぁごめん、気づかなかった。ファング探しててさ、鞠莉知らないよね?』
「そういえばSaint Snowの騒動以来ずっと見てないわね。すぐ見つかりそう?統堂英玲奈がナスカになって挑戦してきたのよ」
『ナスカ?英玲奈さんってドーパントなの?』
「そうなのよ!組織の青いドーパント!ファングジョーカーになれって言うからこっちに来てもらえない?」
『急に言われてもなぁ…ファングはいないからサイクロンにするよ』
気だるそうな声が聞こえたのと同時に、ドライバーにサイクロンメモリが転送されて来た。鞠莉もジョーカーメモリを挿し、ドライバーを展開する。
\サイクロン!ジョーカー!/
「遅くなったわね!始めるわよ!」
『ゴメンね〜、ファングが見つからないもんで。あ、こいつのメモリがナスカなんだね…』
「そうか。100%の力でないのが残念だが、こちらも手抜きはしない。行くぞ!」
と、そんな訳で今に至る。ヒートメタルはファングジョーカー以外の9つの形態の中では強力なパワーを持つが、ナスカもレベル2に覚醒した事で強化され、攻撃力やスピードが以前よりも高くなっていた。
「ちょっと、あなた前よりも強くなってない?」
「訓練を積んでメモリをレベルアップさせたからな。前の私とは違うぞ!」
『前回とは戦法を変えた方が良さそうだね。サイクロンに戻すよ』
\サイクロン!/
\サイクロン!メタル!/
「鞠莉ちゃーん!まだいる〜?」
果南はメモリを変えるが、長い黒髪の女性が鞠莉を呼んでいるのに気づき構えていたメタルシャフトを下ろす。
それに応じたナスカもドライバーからメモリを抜き、英玲奈の姿に戻った。
「フッ、命拾いしたな。今回は見逃してあげよう」
「ちょ、待ちなさい…行ってしまったわ」
『それより、六日先輩のところに行ってあげなよ』
鞠莉は変身を解き、六日と呼ばれた女性の元へ向かう。その女性は鞠莉もよく知る人物であった。彼女は
「六日〜!久しぶりね♪」
「鞠莉ちゃんおひさ〜!さっきおばあちゃんから鞠莉ちゃんが銭湯に来たって聞いたから探してたの!」
「あら、あの銭湯って六日のGrandmotherが経営してたのね!」
「そうそう…って、それどころじゃないのよ!黒澤探偵部に依頼をしたいの!アタシの妹を探してくれない?さっき銭湯でおばあちゃんにも聞いたんだけど、何処にいるか知らないみたいでさ…」
「
「ママやパパと喧嘩した訳でもないし、アタシも何もしてないのよ。突然家出しちゃってさ」
「それはまずいわね…OK!黒澤探偵部としてその依頼、しっかり受けさせてもらいます!」
「ありがとう!助かる!依頼金は明日渡しに行くからよろしくね!」
鞠莉は六日の妹・三日を探して欲しいという依頼を承諾した。この依頼が新たな始まりの前兆である事を、彼女はまだ知らない。
(この前は色々大変だったけど、楽しかったなぁ…またルビィと出掛けたい)
その夜。綺羅家では、理亞が先日ルビィと遊んだ時に撮った写真を眺めながら余韻に浸っていた。
「理亞、明日は早いからそろそろ寝なさい」
「姉様、わかった。それじゃあおやすみなさい、ツバサさん」
「待って理亞さん。あなたに話があるの」
「はい…?」
「この前、ゴミ処理場にクレイドールのメモリが捨てられてるのを見つけたのだけど…」
「!!」
まさかこんな早い段階で気づかれてしまうとは。ツバサを恐れる理亞は『使いたくないから捨てた』と口にする勇気はなかったので、嘘の口実を作り誤魔化した。
「あ、あぁ…仕事帰りに買い食いしたんですけど、そのゴミを捨てる時に間違えてメモリまで捨ててしまったのかもしれません…ずっと探してたんです!」
「そう。失くした事を言いづらかったのね?」
ツバサを取り巻く雰囲気が冷たいものに変わった気がした。理亞の背筋に厭なものが流れるも、理亞はそれを堪えながら『はい』と答えた。
「別に失くしたからって責めたりする気はないわ。ただ、今後もし落とした時はちゃんと私か他の人に伝えて。ガイアメモリは私達の絆だから、大事に持っていてね」
「わ、わかりました。気をつけます…」
理亞は震える手でクレイドールメモリを受け取った。そのまま『おやすみなさい』と取り繕った笑顔で告げ、少し足早に部屋へと戻るのであった。
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翌日、鞠莉と黒澤姉妹は市内を捜索していた。今回は行方不明の人間を探す事が依頼となっている為、優先的に探偵部の活動が認められた(理事長補正で鞠莉が決めたのだが)。
「三日、何かあったのかしら?穏やかな子だから家出なんてしなさそうなのに」
「それは本人に聞くほかありませんわ!まだ中学1年なのにそのような非行は許されません!しっかり説教しなくては!」
「お姉ちゃん、いきなりはダメだよ?怒るのはちゃんと話をしてからにしないと…それに、もしかしたら何らかの事件に巻き込まれちゃった可能性もあるし…」
「そうね、おまけに13歳は思春期真っ只中だもの。ダイヤがHeat upしたらあの子もMental Breakされてしまうわ」
「うっ、事実なので何も言えませんわ…善処します…」
「っと、噂をすれば見つけたわ」
鞠莉が指す方には、六日に似た長髪の少女やソフトリーゼントの少年など、5人の中学生がベンチに座っていた。早速鞠莉達は彼らにコンタクトを試みる。
「三日、久しぶりね〜。私の事覚えてるかしら?」
「あ、鞠莉さん。お久しぶりです。今日は学校はお休みなんですか?」
「その言葉そっくりお返ししますわ。あなた達こそ今は学校の時間でしょう?サボって何をしていますの?」
「三日、知り合い?つーか母親?」
「私をオバサン扱いするつもりですの!?女子高生ですわ!!制服着てるでしょうが!!」
「うわ、怖ぇ!何なのオバ…お姉さん!」
「今オバサンって言おうとしましたわね!?あなた達が家出してるから私は口煩く…」
「お姉ちゃん、ダメだよ」
ルビィはダイヤの肩に手を乗せ、ダイヤを制す。空気は一瞬にして静まり返った。
「あ〜、どうする?ルビィ」
「うーん…笑わせてみるとか?」
「何か1発ギャグみたいなのは…」
「…だるまさんが」
「ん?ダイヤ、何?」
「だるまさんがコロンブス!!」
「えーっとコロンブスだから…いないいな〜い、バスコ・ダ・ガマ!!」
「この納豆、マゼランない~!!」
「………」
ダイヤを筆頭に謎のギャグを披露し、鞠莉達は少年達の笑いを取ろうとする。
勿論当の彼らはクスリとも笑わず、鞠莉達を白い目で見つめるだけだった。
「…あの、アタシ達もう子供じゃないんですけど」
「ですよね〜…」
「何したいんすか?それよりこれやる方が面白いっすよ!やってみます?」
そう言い1人の少年がズボンのポケットから何かを出す。手に握られていたのは赤い色をしたドーパントのガイアメモリだった。
「えぇ!?それ、ガイアメモリ!?」
「こら!どうしてあなた達がそんな物を持っているの!遊び半分で使っていい物じゃないわよ、お姉さん達に渡しなさい!」
「うるさい、黙ってろよ!」
\バード!/
少年が腕にメモリを挿すと、彼の姿は始祖鳥のようなドーパント、バード・ドーパントに姿を変えた。
「あれはバードのメモリ…?何故あの少年が?」
そこへ番組撮影の休憩で訪れていた英玲奈が、バード・ドーパントと鞠莉の姿を目撃する。英玲奈は少年の使ったメモリに違和感を抱いていた。
「もう!お仕置きしないとわからないようね!」
鞠莉もドライバーを装着しジョーカーメモリを取り出そうとするが、バードに捕まってしまった。
「果南!ドーパントに捕まってるの!メモリをぉぉVery fast!メモリを送って!」
『鞠莉聞いてよ!ファング捕まえようと罠を仕掛けといたら青いカブトムシが掛かってたんだよ!凄くない!?』
「それどころじゃないわよぉ!メモリをぉぉぉJet coaster!!」
『うわ、何か凄い音聞こえるなぁ。ちょっと待って!』
「バードコースターはどうですか金髪のお姉さん?じゃあ落とすよ!さよなら!」
「ちょっと!何故私はオバサンで鞠莉さんはお姉さんなんですか!!」
「わぁぁぁそんな事言ってる場合じゃないよお姉ちゃん!ピギィィ!!」
バードは鞠莉を空高くから落とす。しかしその瞬間、ドライバーにサイクロンメモリが転送されて来た。鞠莉もジョーカーメモリをスロットへ差し込み、ドライバーを展開した。
\サイクロン!ジョーカー!/
既のところで鞠莉はWに変身し、地面に着地した。ルビィとダイヤも思わず胸を撫で下ろす。
「鞠莉さん達が…仮面ライダー?」
「うっそぉ!動画撮っとけばよかった…」
「そ、それはダメだと思うよ…!」
「ダイヤの言う通り、Bad Boyくんにはお説教が必要みたいね!メモリブレイクしてあげるわ!」
\ルナ!/
\メタル!/
\ルナ!メタル!/
Wはルナメタルとなり、メタルシャフトを変形させてバードに叩き込む。しかしその攻撃は、自由自在に飛び回るバードにはなかなか当たらない。
『すばしっこいなぁ!じゃあこっちで』
\トリガー!/
\ルナ!トリガー!/
Wはトリガーマグナムをバードに向けて射撃する。ホーミング弾は逃げるバードに全て命中し、地面に叩き落とした。
「ごめんなさい!もう降参するから許して下さい!」
バードは腕からメモリを抜き、少年の姿に戻る。少年は近づいて来たWにメモリを渡そうとする。
「それでいいのよ。もう使ったらダメよ?」
「…な〜んて。虎之助、頼んだ!」
バードメモリは後ろにいた虎之助という少年に投げられる。Wはその動きを読めず、メモリは虎之助の手に渡ってしまった。
\バード!/
「よーし、今度はオレが!」
『そんな、メモリを使い回してる…!?』
「何故だ…?メモリは1人1本しか使えない筈だ。メモリが改造されてるのか?」
ガイアメモリは本来、生体コネクタを介さなければ使用できず、1つのメモリを複数人で使用するのも不可能であった。
「懲りない子達ね!それならメモリブレイクして使えなくしてあげるわ!」
「ちょっと虎之助!アンタ流石にやりすぎだって![[rb:天 > たかと]]もなんでメモリ渡したのさ!」
「別に見てて面白いんだからいいだろ?」
「これ以上やったらお互いに怪我しちゃうよ…もうやめようよ…!」
2人の少女もまずいと思ったのか、バードにやめるよう促す。しかしバードは聞く耳を持たない。
そんな彼らを見かねた三日が、バードに向けて僅かに目を潤ませながら叫んだ。
「やめて!鞠莉さんを傷つけないで!」
「三日…お前が言うんじゃしょうがないな、わかったよ」
Wもこれ以上の戦闘は無意味だと判断し、変身を解いた。
「素直に渡せば見逃してあげるわ。ガイアメモリは薬物と同じ、使っているうちにやめられなくなるわよ。自分が大事だと思うなら私にそれを渡して。わかったわね?」
「ちぇっ、もう終わりかよ…つまんねー…行こうぜ三日」
バードは元の姿に戻る事はなかった。彼は三日を抱え、何処かへ飛び去って行った。
「あ!メモリを渡さないとダメだよ…行っちゃった」
「アイツ絶対反省してないですよ。あたしもう危険な事したくないから帰る」
「私も…お母さん達に迷惑かけちゃったし…」
「…うっ!?あっ、あぁぁぁぁっ!!」
その時、天が突然叫び出した。鞠莉達が慌てて駆け寄ると、天は悲痛な顔で腕を押さえていた。そこは彼がメモリを挿した場所であり、焼け爛れたかのような痕ができていた。
天はしばらく苦しんだ後、意識を手放した。
「ちょっと!しっかりして下さい!」
「天くん!?大丈夫!?」
「これヤバいって…救急車呼んで!!」
「今かけてる…!あ、もしもし?友達が…」
数分後に駆けつけた救急隊員により、天は病院に搬送された。
鞠莉達も医者に事情を説明する為に同行し、治療が終わるまで少女達を見守り続けた。やがて病院には彼らの両親が到着し、鞠莉達は部室へ戻る事にした。
「あのバードというメモリ…明らかに普通じゃなかったわ」
「確か、ガイアメモリってコネクタをしていないと挿せないんだよね?バードメモリだけ特殊に作られてるのかな?」
「そう考えるのが妥当ね。しかも子供にそれが出回ってるなんて…組織の目的は何なのかしら…」
「いよいよ牙を向いてきた、という事なんでしょうか…そして果南さんは何処行きましたの!?こんな時に何をしているんだか…」
「果南ちゃん、この前からずっとファングさんを探しているよね。Wで1番強いのがファングジョーカーだし、ファングさんがいないとダメなのかも…」
「三日と虎之助というBoyは何処かへ行ってしまったし…そういえば、バードメモリは誰の物なのかしら?確か虎之助の腕にもコネクタは無かったような…っ!?まずいわ!!」
「どうかしました?」
「ガイアメモリは身体が成長していないKidsが使い過ぎると危ないのよ!あの火傷のような痕はそれが症状として現れたんだと思うわ!」
「そっか!だからコネクタが無かった天くんはあんな事になっちゃったんだ…!」
「こうしてはいられませんわ!!今すぐ2人を探さなくては!!」
3人は慌てて部室を飛び出した。
一方、ある工場地帯。そこでは明るい桃色の髪の小柄な少女が白い猫と戯れている。
そこへ、鞠莉からの連絡を受けて三日達を探す海未が通りかかる。
「あの、すみません…この2人を探しているんですけど…」
「私は見てない。ずっとここではんぺんと遊んでたから」
「ん?あなた、もしかして天王寺璃奈さんですか?静岡を歩き回っている事で有名な…」
「私の事、知ってるんだ。そう、いかにも私は天王寺璃奈です」
少女・天王寺璃奈は足元に置いたスケッチブックを顔の前へと持っていき、海未へと見せる。スケッチブックには(>v<)という顔文字が書かれていた。
「あの…それは何ですか?」
「これは『璃奈ちゃんボード』って言って、私の感情が書いてある大切な物なんだ」
「はぁ…」
何の意図でそんな物を作ったのだろうかと海未は思ったが、きっと彼女には事情があるのだろうと思い、あえて何も言わなかった。
「ところで、どうしてその中学生を探してるの?」
「家出してしまったらしくて。知り合いに探すのを手伝って欲しいと頼まれたんです」
「なるほど。中学生か…この時期は色々と悩む時期だし、気持ちは分かるかも。そういう子達、私には精一杯空へ羽ばたこうとする鳥のように見える」
「ど、どういう事ですか?」
「多分、その子は大人になりたくて籠の中から抜け出そうと必死になってる。誰にも話せない事があるからこそ、自分だけで同じ志を持つ人と知らない世界へ旅に出る…そういうのはロマンがあって素敵だと思う」
「つまり…それは家出を肯定しているという事ですか?申し訳ないですが、あなたの言いたい事がよくわかりません」
「どっちかといえばそうなのかも…?でもこういう時、あまり干渉せずに見守る方が正解だと私は思う」
海未は何を考えているのかわからない璃奈の発言に少し頭を抱えた。
そんな2人の元へ、三日が慌てた様子でこちらへ駆けて来る。
「あなたは鞠莉が探していた…」
「逃げて下さい!!ここにいたら危ないです!!」
「「えっ?」」
海未と璃奈がきょとんとしていると、頭上にバード・ドーパントが出現した。彼はこちらへ向け羽の形をした手裏剣を放ってくる。
「鳥人間?あんなの本当にいるんだ!璃奈ちゃんボード、『衝撃の事実!!( °_° )』」
「それより逃げないとまずいですよ!」
「うん。確かにヤバいかも…逃げよう!」
「ちょ、待って下さい!早すぎますy…あらっ!?」
思ったより足の速かった璃奈を追いかけようとした海未は、何故かそこに落ちていた空き缶で足を滑らせてしまう。彼女はそのまま頭から転んだ事により、気を失ってしまった。
「あれ…?刑事さん気絶してる!」
璃奈は慌てて海未を運ぼうとするが、既にバードは視界に璃奈を捉えていた。璃奈に手裏剣が放たれようとしたその時、真上にハードボイルダーに乗った鞠莉が現れ、バードへ突進した。
「大丈夫?早く逃げて!」
「誰…?でも助かりました。ありがとう」
「何だよお姉さん?まだ俺と遊びたいの?」
「そうね、そういったところかしら?そのメモリを渡してくれるまでは何度も遊びに付き合ってあげるわよ?」
「ふん、こんな面白いもん渡しちゃつまんねーし!絶対渡すもんか!」
「そう…なら仕方ないわね」
鞠莉はダブルドライバーを装着し、ジョーカーメモリを構えた。
「果南、行くわよ!」
『ちょっと待って。今そっち着くから』
そう果南の声が頭に響いたのと同時に、鞠莉の後ろにリボルギャリーが停車し中から果南が出てくる。
「やっほー、ちょっと気になる事があってこっち来ちゃった」
「気になる事?」
「ファングの居場所だよ。もしかしたら私がピンチになった時、私を守る為に来てくれるんじゃないかと思って」
「何だよお前!邪魔すんな!!」
バードは果南へ手裏剣を放つが、横から飛び出して来たファングが手裏剣を全て叩き落とし、果南を守った。
「よくやったよ、ファング。ほらね鞠莉、私の予想当たったでしょ?」
「もう、無茶するわねぇ」
「誰かさんに似たからかもね。さ、早くケリつけようよ」
「えぇ」\ジョーカー!/
\ファング!/
「「変身!!」」
「倒れる身体は任せルビィ!!」
ジョーカーメモリが果南のドライバーに転送され、果南はファングメモリと共にそれをスロットへ挿し込む。
\ファング!ジョーカー!/
ルビィは果南の後ろへ駆け寄っており、身体をキャッチする体制に入っていた。しかし倒れたのは鞠莉の方であり、目の前にいた果南は白い風に包まれ、Wへと姿を変えた。
「あっ…そうだ、鞠莉ちゃんの方だった…」
『Oh!!ルビィ!!』
「さぁ、」
「「あなたの罪を数えなさい!!」」
Wは決め台詞に反応し、飛びかかって来たバードを軽くあしらった。そして互いに体勢を立て直すが、反射神経はWの方が高かった。バードはWの拳に吹き飛ばされ、壁へと激突した。
「大口叩いてる割には戦闘慣れしてないね。こっちは力を持て余しちゃってるんだけどなぁ」
「う、うるせぇ!」
引き続きWは攻撃を仕掛けるが、空中戦は不可能だろうと考えたバードは飛行し、それを避けながら手裏剣を放つ。しかし、果南はその動きを予測しており、仮面の下で余裕の笑みを浮かべていた。
\ショルダーファング!/
「はっ!!」
「おっと!どこ投げてんだよ!当たってないぞ〜!」
「あれ?君、ブーメランって知らないのかなん?」
「は?」
Wの方へ戻ってきたショルダーファングはバードを後方から切り裂き、地に叩き落とした。バードがよろよろと立ち上がろうとしている隙に、果南はファングの角を3回押す。
\ファング!マキシマムドライブ!/
「「ファングストライザー!!」」
Wはバードに飛び回し蹴りを食らわせる。白い刃に切り裂かれたバードは爆発し、虎之助の姿に戻った。
「くそっ…!」
『もうメモリは使えないわよ。ふざけ半分で使って周りに迷惑をかけないで。わかったわね?』
鞠莉はメモリを拾おうと踵を返す。しかし、足元に落ちていたバードメモリには破損が一切見られなかった。
『Why?メモリブレイクできていない…!?』
「そんな。どうなってるのさ、このメモリ…」
「うっ!?あっ、あぁぁぁぁっ!!」
すると、後ろから虎之助の叫び声が響き渡った。Wは彼に近づき腕を見ると、天と同じように、メモリを挿した場所に焼け爛れた痕が残っていた。
そのまま虎之助は意識を失い、駆けつけたダイヤ達は慌てて彼を介抱する。
「虎之助くん!起きて!起きてよ!!ねぇ…」
「ルビィ、救急車を!!」
「う、うん!!」
「虎之助くんが本来の持ち主じゃないからメモリブレイクできなかったのかな…」
果南は地面に落ちたバードメモリを見つめながらそう呟く。
彼女曰く、生体コネクタがガイアメモリを使用する為に必要なのは当然だが、それに加えて身体に挿入された物を同時に破壊するにもコネクタが必要になるとの事だ。
通常のガイアメモリは施術で専用のコネクタを打ち込んでユーザーを登録する為、元々複数での使用は不可能である。つまり必然的にコネクタを持つ者のみがそのメモリを使用できる事になるので、仮にドーパント化してもマキシマムドライブさえ発動すれば特別な事をしなくともコネクタごとメモリを破壊する事が可能だ。
しかし今回のバードメモリの場合、メモリそのものが複数人で使用できるように改造されている為、コネクタを介さずともドーパント化が可能になっているという点が異例である。それ故にコネクタの打ち込まれていない虎之助を倒してもメモリはブレイクできなかったのだ。
『とりあえず、これは回収しておきましょう。このまま放置しておく訳にはいかないわ』
鞠莉はメモリを拾おうとするが、割り込むように現れた英玲奈にメモリを拾われてしまう。
「製造ミスか?そもそも何故あんな子供がメモリを持っている?15歳未満の子供は販売対象にはなっていない筈だ」
『他人事みたいに言わないで!メモリを作っているのはあなた達でしょう?』
「私はメモリを改造するよう指示した覚えはない。そんな事よりも…」
\ナスカ!/
「その姿がファングジョーカーだろう?君と戦えるチャンスを無駄にする訳にはいかない、ここで倒させてもらう」
ナスカ・ドーパントに姿を変えた英玲奈はWにナスカブレードを振り下ろす。Wもそれに応えるようブレードを躱し、ファングの角を1回押してナスカへ切りかかるのだった。
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<おまけ>
聖良「理亞、誕生日…」
「「「おめでとう!!」」」
理亞「姉様…それにA-RISEの皆さんも、ありがとう…」
ツバサ「という事で、今回は本編では敵サイドを務めている私達、A-RISEとSaint Snowがおまけを担当させて頂きます!」
英玲奈「ちなみにpixiv投稿版はAqoursによるおまけコーナーとなっている。そちらもチェックしてくれ」
あんじゅ「それは前書きで作者が言ったと思うわよ?(笑)」
英玲奈「そうなのか?とりあえずそういう事だ。宜しく頼む」
ツバサ「って英玲奈、あなた凄くいつも通りに話してるけど次回がどんな話かわかってるの?」
聖良「そうですよ!次回で退場なんですよ?」
英玲奈「勿論承知している。それに、W本編で霧彦が退場した時点で私の退場も避けられないと思った。だから別に驚いてはいないよ」
理亞「メンタルが凄い…これがA-RISEなんだ…」
あんじゅ「理亞さん、そう言ってくれるのはありがたいけどこういった所を吸収してはダメよw」
英玲奈「まぁその話はさておき…今回と次回は私の最期の出番という事で手を抜かずに演じたつもりだ。どんな結末を迎えるのか、読者には最後まで注目してもらいたい」
ツバサ「そうそう、実はW本編から少しアレンジを加えているからちょっと結末が違うのよね。エピローグにはちょっとしたサンシャイン要素も入ってるし」
聖良「1章完結という事でラストシーンには…これは言ってはいけませんね」
あんじゅ「聖良さんは一体何を言いかけたのかしら?楽しみね♪」
英玲奈「それでは理亞、最後に締めを頼む」
理亞「私ですか?えっと…それじゃあ、次回もお楽しみに!」
A-RISE・Saint Snow「さぁ、あなたの罪を数えなさい!」
<次回予告>
英玲奈「今まではそれを当たり前のようにしてきたが、間違っているのかもしれない…」
鞠莉「何をするべきかわからないなら、まずはあなたの罪を数えなさい」
クレイドール「自分の気持ちに素直になって、姉様?」
英玲奈「ありがとう、鞠莉…」
次回 Nは潮風と共に/さらば英玲奈よ
UTXメンバーで好きなキャラは?
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綺羅ツバサ
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統堂英玲奈
-
優木あんじゅ
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鹿角聖良
-
鹿角理亞