浦女探偵   作:梨蘭@仮面バンドライバー

9 / 22
Saint Snow(というより理亞ちゃん)主役回です。2話完結となっております。
今回ゲストのBeautiful Freesiaの2人は、サンシャイン2期9話に登場した理亞ちゃんのクラスメイトに名前を付けて勝手にこちらの方でも出させて頂きました(短い髪の子が麗音、長い髪の子が華蓮です)。
また、今回は仮面ライダーWの本編13、14話にあたるエピソードですが、オリジナリティを重視すべく登場ドーパントやその他諸々の設定も変更しています。
それから受験についてですが、とりあえず推薦入試の方は一段落した(合否はまだ発表されていません)のでゆるーく更新を再開していきますのでよろしくお願いしますm(_ _)m


#8 Sプリンセス/大炎上

「鹿角聖良と!」

 

「鹿角理亞の」

 

「「Saintプリンセス!!」」

 

「という事で、本日もお送りしていきたいと思います!30分という短い時間ですが、よろしくお願いします!チャンネルはそのままで♪」

 

『Saint SnowのSaintプリンセス』とは、聖良と理亞がパーソナリティを務める静岡の人気ラジオ番組である。

この番組は週に2回放送されており、ツバサ、あんじゅ、英玲奈がパーソナリティを務める『RADIO A‐RISE』に次いでリスナーの多い番組だ。

 

「では最初のコーナーに参りましょう。『静岡ミステリーズ』本日もたくさんのおたよりが来てますよ!」

 

「それじゃあ1通目。ラジオネーム・CYCLONE菅田さんから。『聖良さん、理亞さん、こんにちは。前回放送から噂されている骸骨男の話ですが、先日彼と仮面ライダーが銀色ののっぺらぼうと戦っているのを目撃しました。彼も正義の味方なんでしょうか?』」

 

「なるほど、もしかしたら彼も沼津の平和を守るヒーローの1人なのかもしれませんね。私達がこうやって安全に過ごせるのも、2人が頑張っているからだと思います」

 

「確かに。仮面ライダーと骸骨男に感謝しないと」

 

「私も仮面ライダーと骸骨男さんに会ってみたいです!これからも頑張って下さい!仮面ライダー♪」

 

「それじゃあ2通目。ラジオネーム・門矢もやしさんから。『先日死人還りという怪奇現象が多発していましたが…』」

 

 

 

「2人共お疲れ〜!今日もよかったよ!」

 

「いえ、そんな事ないですよ。ツバサさんと比べたらまだまだです」

 

「そんな謙遜しないで下さい!お二人のラジオ、私も聴いてましたよ♪聖良さんも理亞ちゃんもとってもステキでした!」

 

番組終了後、聖良がマネージャーと話しているとロングヘアの少女が話しかけて来た。彼女は御堂華蓮(みどうかれん)。静岡でテレビやラジオ、モデル等の活動をしている高校1年の少女であり、『Beautiful Freesia』というユニットのメンバーである。

 

「ふふ、そう言ってもらえて嬉しいです。ありがとう♪」

 

「それで、確かこの後の予定は…聖良ちゃんがニュース番組のゲストで、理亞ちゃんはこの後はオフかな?聖良ちゃんはもうすぐ時間だし、準備してね」

 

「分かりました。じゃあ理亞、私はまだ仕事があるから気をつけて帰るのよ?」

 

「分かった。姉様も頑張って」

 

聖良は次の仕事準備の為楽屋に、理亞は綺羅家の送迎係が待つ駐車場へ向かって行った。その最中、理亞のあとをつける人影が。

 

「何なの?しつこい!」

 

痺れを切らした理亞が後ろを振り向くと、40代くらいの乱れた髪型をした男が花束を持って立っていた。

 

「あぁ…僕のプリンセス理亞ちゃん!僕と結婚してくれ!絶対幸せにするから!」

 

「こっち来ないで気持ち悪い!誰がアンタみたいなクズと!調子乗んないで!」

 

理亞は近づいて来た男の花束を地面に叩きつけ、中に入っていた手紙を破った。

 

「何だよ…こうなりゃ力ずくで!」

 

\マスカレイド!/

 

男は激昂し、マスカレイド・ドーパントに変身し理亞に抱きつこうとする。理亞はそれを避け、1つ舌打ちをする。

 

「チッ、私を怒らせないで!!」

 

\クレイドール!/

 

理亞はドライバーにメモリを挿し、クレイドール・ドーパントに姿を変える。

 

「理〜亞〜ちゃん♪」

 

「はっ!」

 

クレイドールは近づいて来たマスカレイドを腕から放った光弾で跡形もなく消滅させてしまった。変身を解除した理亞は、舌打ちをすると何事もなかったかのように駐車場へ向かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

2日後。放課後の黒澤探偵部の部室では、鞠莉達がくつろいでいた。

 

「あ〜…暇ですわ」

 

「死人還り騒動からずっと依頼がないもんね。この前の偽ライダー事件も園田刑事からのお願いだったし…お姉ちゃんは生徒会の仕事はないの?」

 

「既に終えてしまいましたわ。果南さんは検索に夢中ですし、鞠莉さんも理事長の…って終わったんですの!?近々大事な集まりがあると言ってましたよね!?」

 

「そんな気分じゃありまセーン!!仕事は夜ちゃんとやるからNo Problem!」

 

「気分の問題じゃないでしょう…」

 

「みんな随分と暇そうだね。私は昨日から『雑草』の検索に夢中だよ。もう全部閲覧しちゃったけど」

 

「雑草?なんで雑草の検索をしていたの?」

 

「この前Saint Snowのラジオでおたよりが来てたじゃん?そこから気になっちゃって」

 

「そうよ!今日は『Saintプリンセス』のSpecialだったわ!ずっと楽しみだったのよね〜」

 

鞠莉は棚からポータブルテレビを出し、電源をつける。

今日放送される『Saintプリンセス』は生中継で静岡県内を巡るという特別な内容となっており、ラジオでなくテレビでの放送となる。

A-RISEの『RADIO A-RISE』とSaint Snowの『Saintプリンセス』はリスナーの多さから全国放送の計画が進んでおり、今回はその試験放送らしい。

 

<鹿角聖良と!>

 

<鹿角理亞の>

 

<<Saintプリンセス、特別編!!>>

 

「Oh!!始まったわ〜!!」

 

<さて、今回の放送はラジオ局を飛び出して生中継で静岡県内を巡ります!しかもなんと、今回は全国放送!理亞、今どんな気持ちですか?>

 

<あ、はい。頑張ってきてよかったと…思ってます>

 

<ふふっ♪どうやら緊張しているみたいですね。私も全国放送という機会を頂けて嬉しく思うのと、少しドキドキしています。ですが、皆さんに楽しんでもらえるように精一杯頑張りますので、よろしくお願いします!チャンネルは是非、そのままで♪>

 

そこで番組タイトルが表示され、OPとしてSaint Snow1stシングルの曲『SELF CONTROL!!』が流れ始めた。鞠莉とルビィがSNSを見ると、『聖良ちゃん美人すぎるわ〜』や『緊張してるのカワイイ♡』『初々しい』などのつぶやきが多く見られた。

トレンドにも入っており、出だしは順調だ。

 

<最初はこちらの場所にやって参りました!沼津バーガー!!こちらでは地元ならではの新鮮なハンバーガーを食べる事ができます!楽しみですね♪>

 

<そう…ですね。どんなハンバーガーがあるのか気になります。お店の雰囲気も静かそうでいいかも>

 

<では、早速お店の中へ入りましょう。すみません、『Saint SnowのSaintプリンセス』という番組なのですが…>

 

聖良と理亞は店員にアポを取り、店内へと入って行った。店員は店長に確認をしに行き、数分すると許可が降りたらしく、席へと案内された。

 

<無事撮影許可を頂きました。いよいよ食べられます…♪>

 

画面が切り替わり、番組は一旦CMへと移る。先程から鞠莉はスタッグフォンの画面を見ながら何かを入力している。ダイヤが画面を見ると、鞠莉はTwitterで番組の実況をしていた。黒文字で感想が書かれており、文末を『#Saintプリンセス』というハッシュタグで締めている。

 

「なんかツイートの数が凄いですけど…キャンペーンとかありましたっけ?」

 

「それもあるけど、このタグをつけてツイートするとコメントが画面下に流れてくるの。私のコメントを全世界へ発信するのよ〜!!」

 

「節度を持ったツイートをして下さいね?理事長が不適切発言をしたら大問題ですよ?」

 

「大丈夫デス!気をつけるわ♪」

 

「あ!鞠莉ちゃん、お姉ちゃん、始まったよ!」

 

「ん…?何かおかしくない?」

 

CMが終わり番組が再開されると、何やら店内がどよめいている。画面には、店員と理亞が揉めている映像が映し出された。

 

<は?だから何で材料が切れてるの!?私はこれを注文してるんだけど!!取材来てやったんだから出しなさいよ!!>

 

<いやしかしですね…>

 

<理亞!やめなさい!>

 

「え…?何これ…」

 

「何かの間違いよね…?」

 

鞠莉がSNSをチェックすると、『鹿角理亞やべぇww』『妹こんな性格キツかったの!?』『これ炎上じゃね?(笑)』などのつぶやきで溢れていた。

 

 

 

もちろん動揺するのは鞠莉達視聴者だけではない。聖良と理亞や現場にいるスタッフも謎の映像に驚きを隠せなかった。

 

「どういうこと…?何故こんな映像が…」

 

「私そんなこと言ってない!それにカメラも止まってた!こんなの流せる訳ないのに…」

 

そう、テレビで流れた映像はフェイクだった。何者かが映像を捏造し、テレビの電波を乗っ取って放送していたのだ。

 

「今からでも撮り直そう!」

 

「そうしたいんですが、カメラが映りません!」

 

「マイクも不調です!」

 

「電波は未だ復旧しないのか!?」

 

「見て理亞…このツイート、リツイート数が1万超えてる…」

 

「誰がこんな事を…酷すぎる!今のは嘘だって私がつぶやけば…」

 

「ダメよ!証拠もないのに信じてもらえないわ!余計に混乱させるだけよ!」

 

「そんな…!じゃあどうすれば…」

 

早くもSNSやネット掲示板には理亞に対する批判の声が多く上がっており、ネットも混乱していた。

 

 

 

「鞠莉さん!どこへ行くんですか!」

 

「テレビ局よ!テレビであんな事を言うなんてありえないわ!何かの間違いよ!」

 

「ちょっと待って!鞠莉っ!!」

 

果南とダイヤの制止も聞かず、鞠莉は外へ飛び出しハードボイルダーを走らせた。

テレビ局の前では、新聞記者や番組の視聴者とおぼしき人々がマネージャーらしき男性とSaint Snowの2人を取り囲んでいた。あの映像が流れてしまった以上、彼女達は何も話す事ができない。鞠莉は人混みの中に入り、2人に接触する。

 

「Hello,Saint Snowの皆さん。探偵の小原マリーよ。何かあったのか教えてもらえない?」

 

「は?探偵なんか呼んでないし。ちゃんとした捜査もできない貧乏に用はない。さっさと消えて」

 

「Wao,辛辣…」

 

「理亞…!すみません、とりあえずお引き取り頂いてもよろしいですか?お力になって下さるのは嬉しいんですが、まだテレビ局が警察と掛け合っていてお話できないんです」

 

聖良は一礼し理亞と共にテレビ局の中へ入って行った。どうやら警察にも事情を説明しているらしい。

 

「あの…Saint Snowのお二人に何かあったんですか?撮影が終わった後ラジオ局の方がバタバタしていたので」

 

「理亞ちゃんが店員にAngryしているところが放送されてしまったの。それで、あなたは?」

 

「あ、すみません。私は高山麗音(たかやまれいね)と申します。『Beautiful Freesia』というユニットの…」

 

「あぁ、御堂華蓮とラジオやモデルをやってるあのユニットね。一時はA-RISEと並ぶくらい人気だったわね」

 

「よかった、覚えていて。今はSaint Snowの方が人気で見る影もないんですけど…そっか、そんな事が」

 

「でも私は映像が本物だと思えないの。誰かの偽装にしか見えないわ」

 

「どんな発言かわからないですけど、テレビならもう少し気を遣うはずですよね。おかしいとは思います」

 

「麗音〜、こんなところにいたのね」

 

「華蓮。ごめん何も言わずに」

 

「大丈夫よ。こちらの人は?」

 

「探偵の人だよ。確か小原さん、でしたっけ?」

 

「That's right!よろしくね。私はあの映像が怪しいと思って調べているところなの」

 

「なんか大変な事になってますね…。早く解決するといいですね」

 

華蓮はニコリと微笑むと、麗音と共に一礼して去って行った。鞠莉は2人の人当たりの良さに感心した。一方で理亞の本性も知ってしまったが。

Saint Snowの証言がない限り映像がフェイクだという事を判断する事はできない為、映像は本物なのではないかとも疑念が生まれてしまった。それでもフェイクだと信じたい気持ちは強かったが、今後どのように事件が動くのかを待つしかなかった。

 

 

 

「本当に申し訳ありませんでした」

 

「っ…申し訳ありません」

 

その夜、綺羅家に戻った聖良と理亞は生放送の際に起きてしまった出来事を話し謝罪していた。

 

「いいのよ。何処からか怪電波が流されていたことと撮影機器が原因不明の動作不能を起こしていたことも判明したんでしょう?謝る必要なんてないわ」

 

「それにしても、随分と面倒なことになってしまったわね…。SNSも未だ荒れているままだし…」

 

あの後、警察の捜査もあってか怪電波が流されたことや撮影機器の動作不良が起きていたことが判明し先程よりは理亞に対する批判は少し落ち着いた。しかし、一部のアンチが『警察しっかりしろ!』『自作自演だろ』などのツイートをしているらしく、などのツイートをしているらしく、完全に騒動が収まった訳ではなかった。

 

「英玲奈、考え込むような顔をしてどうしたの?」

 

「…あっ、いや、何でもない。大丈夫か理亞?」

 

「チッ、別に心配されなくても平気。ツバサさん、今回の事はちゃんと私がどうにかします」

 

「えぇ、あまり無理しないで。発言にも気を遣うようにね。最悪、芸能活動をやめなくてはならなくなるかもしれないわ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はぁ…Saintプリンセスが休止かぁ…もう生き甲斐がないです、私」

 

そう嘆くように花陽が呟く。事件が解決するまでは『RADIO A-RISE』と『Beautiful Freesiaのフローラルラジオ』の放送を1時間ずつ増やすという措置が取られたらしい。

 

「そう落ち込まないで花陽。警察も私達も解決に向けて動いているところよ」

 

「頑張って下さい鞠莉ちゃん。私の生き甲斐はSaint SnowとA-RISEだけなんです…!」

 

「それは大袈裟じゃないかしら?でも頑張るわね♪」

 

鞠莉は花陽と別れ、怪電波の発信源を探し始めた。しかし奇妙だ。県内のみ怪電波が流れてるならば、フェイク映像も静岡のみに放映されるはずだ。県外にも映像が流れている事から、ガイアメモリの能力ではないかと鞠莉は考えていた。すると、スタッグフォンが鳴り出す。海未からの着信だ。

 

『予想通りでした。怪電波は県外の局にも流されていたみたいです』

 

海未が他のテレビ局にコンタクトをとったところ、県内のテレビ局のみならず同時刻に県外のテレビ局の放送電波も乗っ取られていたらしい。

 

『発信源は沼津からだと思われます。しかし範囲があまりにも広すぎる上、昨日の発信源が市内の小学校からなのですが、調べても発信機らしき物は見当たらないんです。もしかして…』

 

「ガイアメモリ犯罪の可能性が高いわね。ドーパントの能力ならば広範囲に流す事も容易いはずよ。何処かに怪しい人間がいるかもしれないわ、近辺をSearchする事ってできるかしら?」

 

『わかりました。やってみます』

 

「理事長!ちょっと来て!」

 

電話を切ろうとした瞬間、善子がこちらへ駆けて来た。

 

「私のマンションの屋上にアンテナの化け物がいて大騒ぎなの!仮面ライダーを呼べる!?」

 

「Really!?分かったわ!!海未、ドーパントが現れたみたい!調査は大丈夫そうよ!」

 

鞠莉は善子のマンションへハードボイルダーを走らせ、ダブルドライバーを装着する。その頃ガレージで検索をしていた果南の腰にもドライバーが出現し、状況を察した果南は鞠莉に呼びかける。

 

『鞠莉、もしかしてドーパント?』

 

「えぇ、変身よ!」

 

\ジョーカー!/

 

『りょーかい。変身!!』

 

\サイクロン!/

 

「変身!!」

 

\サイクロン!ジョーカー!/

 

Wの変身が完了したのと同時に、マンションに到着する。リボルギャリーも到着し、ハードボイルダーの後部ユニットをタービュラーユニットに換装させ、Wは屋上に向けて飛ぶ。

屋上には右手にカメラ、左手が電波塔のような形をしたアンテナのドーパントが立っていた。

 

「あんた、仮面ライダーか!?」

 

「その通りよ!あなたがフェイク映像を流したのね?」

 

「あぁそうだ!僕はBeautiful Freesiaの人気を落としたA-RISEとSaint Snowが気に食わないんだよ!あいつらさえ消えればあの2人は活躍してくれるはず…!」

 

「あなたのエゴでSaint Snowの2人とファンが辛い思いをしているのよ!これ以上罪を重ねてはいけません!」

 

\ヒート!/

\ヒート!ジョーカー!/

 

Wは腕に炎を纏い、ドーパントを殴る。英玲奈も隣のマンションからその様子を観察している。

 

「仮面ライダーと…やはりブロードキャスト・ドーパントか。あのドーパントが騒動を起こしたんだな」

 

アンテナのドーパントのメモリは『BROADCAST(ブロードキャスト)』だった。放送の記憶を内包しており、電波ジャック能力を持ったガイアメモリだ。またその能力を利用し放送機器や携帯端末に映像データを送信する事も可能だ。

 

「邪魔をしないでくれ!こちらには時間がないんだ!」

 

そう言いブロードキャストは右手のカメラからフラッシュを放つ。Wは目を眩まされないよう後退し、ジョーカーメモリをマキシマムスロットに挿入した。

 

\ジョーカー!マキシマムドライブ!/

 

「「ジョーカーグレネード!!」」

 

2つに分裂したWは連続パンチを叩き込む。その瞬間、周囲の空間が崩壊し始めた。前方にブロードキャストの姿はない。

 

『なるほどね。周りの空間をカメラで撮影、投影する事で偽の空間を作り出せるって事か』

 

「何処に行ったの!?」

 

ブロードキャストはマンションから飛び降り逃走を試みる。その姿はたまたま通りかかった理亞が目撃していた。

 

「あのカメラ、まさかアイツが?許さない!」

 

\クレイドール!/

 

理亞はクレイドール・ドーパントに姿を変え、飛び降りる最中であったブロードキャストを光弾で撃ち落とした。

 

「理亞…!」

 

「あのドーパントは!」

 

駆けつけたダイヤと遠くから様子を見ている英玲奈もクレイドールの出現に驚愕する。

 

「何なんだお前は!」

 

「黙れ!アンタのせいで番組が無茶苦茶になった!消えろ!」

 

『え、あのドーパントって喫茶店襲撃の時の…何で?』

 

「背中に着いてるの、ドライバーじゃないかしら?組織の幹部ね」

 

クレイドールの背中にはガイアドライバーが装着されていた。何故幹部がここにいるのか、そんな疑問もあったが今はブロードキャストを倒さなくてはならない。Wはハードタービュラーでマンションの下へ降り、ブロードキャストに攻撃する。

 

「邪魔!そこ退いて!」

 

しかし、自分の手でブロードキャストを仕留めたいクレイドールは光弾を放ちWを吹き飛ばす。

 

「っ!待って!あなたが何故このドーパントに攻撃してるの!?」

 

「アンタに関係ない!そいつは私がやるから引っ込んでて!」

 

「何なんだよ…とにかく今のうちに…!」

 

ブロードキャストは左手から電気の光線を放ち、クレイドールに浴びせその場から姿を消した。

まともにそれを食らったクレイドールは身体が崩壊し、粉々になってしまった。

 

「バカな!理亞!」

 

英玲奈は理亞が倒されるという突然の事態を飲み込めず、動揺を隠せなかった。

 

「果南見た!?ドーパントがBreakしたわ!」

 

『見た見た。幹部までやられるなんて…ん?』

 

しかし、Wの足元にあったクレイドールの破片が突然動き出す。その破片は1つに集まって行き、元のクレイドールの形に戻った。

 

「はぁ、油断した。アンタが邪魔するから!あとであのドーパント諸共倒してやるから覚えといて!」

 

『嘘、再生しちゃったよ』

 

クレイドールは自己再生能力を持ち、身体が粉々に砕けてしまっても元通りに復元する事が可能であった。このメモリは他にも重力操作の能力を持っており、天井や壁を歩行する事もできるのだ。

 

「あれがクレイドールの能力か…ほぼ無敵と言っても過言ではないな」

 

英玲奈は屋上から立ち去り、戦闘を見ていたダイヤは変身を解いた鞠莉に近づく。

 

「あの人形みたいなドーパントはなんだったんですの?何故アンテナのドーパントに…」

 

「さぁ…それよりも困ったわ。あのドーパントを放置していたらこの後のA-RISEのRadioまで影響が出てしまうわ」

 

『鞠莉、今から理亞ちゃんのところに行ける?それまでにある程度仮説を立てておくから話したいんだ。場所わかる?』

 

「えぇ、海未がテレビ局にいるからおそらく理亞もいるんじゃないかしら。早急に向かってみるわね」

 

「では私もラジオ局の方へ戻りますわ。引き続き怪しい動きがないか調べてみます」

 

ダイヤはラジオ局、鞠莉はテレビ局へ向かい果南はルビィと雑誌やネットを確認しながらキーワードになりそうな材料を探す。鞠莉はテレビ局へ到着し、聖良と理亞にコンタクトを試みるが…

 

「あなたは昨日の…」

 

「小原マリーよ。理亞ちゃんに話があるんだけど、いるかしら?」

 

「理亞、気分転換して来ると外へ行ったきりずっと戻って来ないんです。何かあったんじゃ…」

 

「まさか…探しに行かないと!」

 

「うわ、何で探偵がいんの?貧乏に用はないって言ったじゃん」

 

鞠莉が理亞を探しに行こうと立ち上がった瞬間、理亞が戻って来た。

理亞は鞠莉を蔑むような目で見つめる。

 

「Oh,理亞ちゃん!無事でよかったわ!」

 

「チッ、だから何でいんのか聞いてんの!『無事でよかったわ!』じゃないから!」

 

「理亞、落ち着いて!小原さんはあなたの事を心配して探しに行こうとしてたのよ?」

 

「あぁそうよ!ねぇ理亞ちゃん、浦の星女学院にある黒澤探偵部ってご存知かしら?」

 

「知らないってそんなの。ここら辺にも探偵なんて仕事あるんだね」

 

「あらそう!なら是非黒澤探偵部へPlease come!私のFriendに天才探偵がいるの!理亞が来るまでにGreatな情報を見つけておくそうだから行ってみて!」

 

「そんな事言われても場所知らないし。ていうか行く気もないから」

 

「私からもお願い理亞!もしかしたら解決に繋がるかもしれないわ」

 

「うっ、姉様がそう言うなら…さっさと場所教えて!あ、別に期待してる訳じゃないから勘違いしないで!」

 

「Thank you理亞ちゃん!場所は内浦の…」

 

鞠莉は理亞に浦女の場所を教え、それを聞いた理亞はどこか仕方なさそうにテレビ局を飛び出したのだった。




<次回予告>

ルビィ「こんにちは!黒澤たんて…って理亞ちゃん!?」

理亞「私は変わりたいと思っていても変われない。どうしたらいいんだろう」

聖良「やるしかないようですね」

理亞 (もうこれは…私には必要ない)

次回 Sプリンセス/本当の私
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