幻想の果て   作:セメダイン広住

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白黒魔法使いとは

 

ーーー「あんた...だれ?」ーーー

 

 

...一瞬思考が停止する

目の前の私の古くからの友人、博霊霊夢は確かにそう言った

だがすぐに分かった こいつは嘘を吐いている、そうとてもつまらない冗談だ だから私は返した

 

「おいおい、朝からつまらない冗談はよせ とにかく!私の家が無くなって大変なんだ!」

私は切羽詰まった様に言い放つ

 

「...はぁ?家?て言うか本当に誰よ 初対面なのに馴れ馴れしいんだけど」

 

...まだそのつまらない冗談を続けるのかこの巫女は

 

「...はぁ、分かったよ 怒ってるなら謝るからとにかく私の家に来てくれ 朝起きたら消えてたんだ」

とりあえず強引に話を持っていく こうでもしないとずっと そのつまらない冗談を言ってきそうだ

 

私がそう言うと目の前の巫女は真面目な口調で言った

「その前に私の質問に答えて頂戴 本当に誰?ぜんっぜん記憶にないんだけど」

 

「ッ...私だよ!魔理沙!霧雨魔理沙!昔からの友人だろ!?」

私は声を荒げた 別に怒っていた訳じゃない いつまでもつまらない冗談を言い続ける目の前の巫女に苛々しただけだ

 

私が声を荒げると目の前の巫女は少し困った表情で少し間を置いて言った

「霧雨?...霧雨...あ、あー人里の霧雨道具店の!ってあれ?あの店主に娘さんなんて居たかしら?」

 

 

...キレた 流石の私も頭に来た

冗談にも程がある タブーである私の父親の事をこんなつまらない冗談の為に出してくるなんて

私と父親との間であったことを霊夢も少なからず知っている筈なのだ

 

「いい加減にしろよ霊夢」

私は巫女の胸ぐらに掴みかかる

完全に頭に血が上っている

 

「...放して」

その巫女の声は冷たかった それはそれは氷の様に

 

「...悪かった 放すよ」

仕方なく私は胸ぐらから手を離す

 

「本当に...私の事が分からないのか?」

私の声は少し震えていた

久しぶりに霊夢のあんな冷たい声を聞いた

あの声は霊夢が相手を自分より下に視たときに出す声だ

 

「知らないわよ」

冷たい声

もしかしてこの巫女は嘘を吐いていないのではないか...だとしたら...

 

 

ーーー「幻想郷っていくつ存在するの?」ーーー

 

...昨日友人に言われたことを思い出す

沢山の幻想郷...

 

ーーー「いかに自分が恵まれてる環境か知ることね」ーーー

...まさか、な

 

 

「なぁ、家の事はもういい...その代わり私の話を聞いてくれないか?」

もし本当に私の事を知らないのだとしたらこの幻想郷は私が存在しない幻想郷...

信じたくは無いが霊夢の反応が本気(マジ)だ

 

 

「...良いわよ」

相変わらず霊夢の声は冷たかった

 

ーー

 

ーーー

 

ーーーーーー

 

「ってな訳だ...」

私はあらかた説明した

自分が別の幻想郷から来た可能性があること

これまで霊夢と様々な異変を解決した事等々...

霊夢は黙って聞いていた

 

 

「...信じてくれるか?」

私はすっかり落ち込んでいた

目の前の霊夢は私の知っている霊夢では無い...

それ以前にこの幻想郷では私は存在していないようだ

 

少し間を置いて霊夢は言った

「私を馬鹿にしてるの?」

その声は冷たいままだった

 

「...信じてくれないか」

予想外の返答では無かった 私が今の霊夢の立場だったら 面白そう と悪のりして信じていたかもしれない

 

「信じられる訳ないでしょ?別の幻想郷?私の好敵手?妄想も大概にしなさい」

冷たくあしらわれる

 

「......なぁ、最後の異変は何だった?」

信じてくれないならそれで良い まずは情報が欲しい

私はこの現実を受け入れようと思った

もしこれが悪い夢ならそれでいいが現実ならば一刻でも早くもといた幻想郷に帰りたい

 

「最後の異変...たしか去年に春が盗まれたわね」

 

これには度肝を抜かれた

 

私が最後に霊夢と協力して解決した異変は 動物霊と地獄の異変 だ ハニワやら鶏やらの妖怪を退治した

春を盗まれた...と言うことはこの幻想郷は時系列も私がいた幻想郷と違うのか

 

「...邪魔したな」

私はそういうと帽子を深くかぶり霊夢に背を向ける

霊夢は何も言わなかった

 

そして私は神社を後にした

 

 

 

 

 

「...何だったのかしら」

 

 

 

ーーー

 

ーーーーーー

 

ーーーーーーーーー

 

私は薄暗い森の中を途方もなく歩いていた

「...永夜異変の前か」

あの後 私は紅魔館に行った しかし館の奴等の反応は 霊夢と同じだった

私を見て「誰?」と 無理やり図書館に行ってパチュリーにも会ったが私の事は知らぬ存ぜぬの様子...

そしてつまみ出された

 

次にアリスの家に行った...案の定

「どちら様?道に迷ったの?」と言われた

 

 

そして今に至る

 

「為す術なし...か」

私は立ち止まりその場に座り込む

 

頬を涙が伝う...

家も失くなり 昔からの友人は私の事を知らないし そもそも違う幻想郷に来てるし...

 

「天罰か」

日頃の行いが悪かったから天罰でも当たったのか

いや、パチュリーからへの天誅か

 

もうすぐ夜だ 夜の森は昼異常に妖怪が跋扈する

この私でも このままここにいては流石に危ない

ふと足下に目を移す すると一輪の花が目にはいる

 

「この花は確か...」

 

 

???「スカビオサだな こんな森に珍しい 花言葉は確か...(私は全てを失った)だな」ーーー

 

不意に後ろから声がかかる その声の主を見て私は驚愕した

 

「お前は確か朝の...」

 

妖怪C「ん?あぁ、空飛ぶ人間か どうした巫女の所に行ったのでは無かったのか?」

 

 

 

 

 

 

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