ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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第一章 再びのオラリオ編
ヘスティア・ファミリア


俺の名前はジーク・フリード

 

元ロキ・ファミリアの団員。ある事件により他のファミリアに騙され貶められ。ロキ・ファミリアをたった一年でレベル1のままやめた元冒険者

 

実は言うと俺は冒険者になりたかったわけじゃない。母親に言われてロキのところのファミリアに入れと、そこで故郷では得られないものを会得して来なと言われただけであって、冒険者に興味も無い。でも俺の義兄でもある『フレイ』にもオススメされ、フレイにも同じことを言われて、フレイや母親の言うことを聞いて、そこまでは頑張っていた

 

結局一年経ってやめて故郷に帰って来た時はフレイに散々なことを言われた。自分がアホなことをしているのはわかっている。『亡くなったおふくろ』にも申し訳ないし。罪悪感はある

 

それでも痛い想いをした。あんな仕打ちを受けるくらいならやめた方がいいとな。仲間に信用されないファミリアにずっと居るなど耐えきれない。だが人生においてはそういうこともあるんだと経験に入れておくが。それでもあいつらの顔はもう拝みたくない

 

それほど辛いことを覚えてきた。忘れたいほどにな

 

 

 

何故、俺だけこんな不幸なことばかりが続くのだろうと何回恨んだことか

 

 

 

 

 

そう

 

 

 

その『幼馴染であるフレイ』まで亡くすなんて最悪にもほどがあった。何もかもが憎いとここまで怒りが込み上げることは人生に二回も来るなんて思っても居なかった

 

だが、『あいつ』を殺した時は俺はもはや・・・・・

 

 

 

 

人では無くなっていたのだと理解した

 

 

 

 

人の欠けらもない。俺は怒りを覚えて『奴』 を剣で殺して心臓を食らった。本当に全てが憎くてゲルズ姉さんの言葉も癒しも今回ばかりはあまり聞けなかった。おふくろを殺された時もそして今回フレイが殺された時も

 

 

俺の大事なものを奪った全てが憎かった。そのおかげで俺のスキルである『怒り』が俺の力を限界突破させる

 

レベル3の俺が『奴』を倒す?こんなことがあっていいのかと

 

だがもはやそんなことはどうでもいい

 

 

本当にそうだ。どうでもいいんだ

 

 

ただ

 

 

 

 

 

俺から大切なものを奪った。これだけで俺は戦う理由がある

 

もはや他人の言葉もどうでもいい。ただ怒りに身を任せる。これこそが俺だ

 

 

俺から奪う者が居るなら殺せばいい。ただそれだけ。もはや俺に癒しや愛も要らない

 

俺はただ・・・・戦っていればいい

 

 

 

感情の全てを捨てしまい、敵を倒すためだけの戦士でいれば良い

 

だから・・・・・このまま終われない。俺はもう一度あそこに戻って冒険者になって、フレイと母親がどう意味でオラリオに俺を送り出したのか、その意味をもう一度確かめるためにオラリオに戻って再び冒険者になることを選んだ

 

俺を入れてくれるファミリアがあるとは思えないが、それでもあの都市へもう一度向かう

 

 

「行くの?」

 

「ああ。姉さんはあの『爺さん』に守るように頼んである。フレイの様にはならないと思うから安心してくれ」

 

「ええ、無茶を言うなって言っても・・・・・聞かないわよね?」

 

「俺には・・・・・・・もうこれしか無い。それ以外生きる理由が無い」

 

「でも・・・・死んじゃあダメよ」

 

「死ねればな。では行く」

 

「気をつけてね」

 

「ああ」

 

 

俺はゲルズ姉さんを俺の家に置いて出て行く。万が一もしものことを考えてあの爺さんのファミリアに頼んで守るように指示してある。あいつらに頼んであるから、もう二度とフレイやおふくろのようにはならないと思う

 

もしあったとしてもその時は俺が再びここに戻ってくれば良いだけのこと

 

 

 

でもフレイとおふくろが俺に与えた試練を、そのためだけに俺は自分の全てを捨ててでも、あの都市に戻る道を選らんだ

 

 

 

 

逃げられない問題も山程あると思うが、それでも俺が誰よりも強くなるためにあの都市へ再び足を動かした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてオラリオに無事に一ヶ月でたどり着いた。

 

何キロもあるような故郷からここまで海や空や山までもよく歩いたものだ。感情を捨てただけでこうも息切れもすることなく進めたものだ。二年前の俺なら色々へばっていただろうに、なんとか無事にオラリオに着くことができて安心はしている

 

だがここからが問題だ

 

それは門番に居た警備員に通行許可を貰うこと

 

二年前のことを考えれば、そう簡単に俺を通すとは思えないが、まあでもその時は剣で脅すなりすればいいと、後のことを考えても仕方ないと思い、覚悟を決めて門番の前に立った

 

 

「次の人・・・・・・ってジーク・フリード!?なぜお前がここに!?」

 

「また冒険者になるためだ。それ以外にここに用があると思うか?」

 

「お前のような『嘘つき冒険者』がまた冒険者に?お前があんなことをしておいてよくまたこの街に顔を出せたな!」

 

「お前には関係ない。無駄話してないで早く自分の仕事を全うしたらどうだ?」

 

「・・・・・・いいぞ。入れ」

 

「ああ」

 

「冒険者にまたなれたとしても、精々他の奴らに殺されないことだな!」

 

「・・・・・」

 

 

と言ってギルド職員にやや文句を言われるが、俺は何も言い返さずに都市の中へ入っていく。なんとか中に入れた。でもあのギルド職員の言うことも一理ある。現実から考えてあんなことをした罪人がまた職を探すとなると。もう信じてくれる奴など居ない

 

なれたとしても他のファミリアに妨害を受けるだろう

 

 

 

だが

 

 

それでも俺は俺の目的のために動くまで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街に入ると。街の人はともかく。冒険者たちが俺を睨むか。俺に怯えるような目をしてこちらを見ている。だが今更なものだからと俺は全然気にしていない。別に信じてくれなくても構わないと思い。ただ俺の望むことができるならそいつらの暴言や見下しも平気で軽く流すと

 

 

無視して俺は街を歩く。

 

 

それに聞きすぎると『あいつ』がうるさい。ただでさえ精霊たちの力で悪意を出さないようにして貰っているとはいえ、それが少しでも出ればすぐに目の前に気に入らないこいつらを殺すことになると自我を殺す

 

でもどこを歩いても冒険者だらけ。ここは冒険者の都市オラリオだから当然であって間違いじゃない

 

 

 

だから

 

 

 

人気の無い噴水広場のある公園に一人でベンチに座っていた

 

でも街を見渡すとあれから二年。相変わらずこの街は変わらずで騒々しい。今は懐かしいと感じるのか、フレイが無くなる前の俺ならここは相変わらず地獄だなと思っていただろう

 

 

 

でもそんなことを考えることはやめて、少し休憩をしたらファミリアを探しに行き。入団を頼もうと思う

 

 

 

 

だが・・・・・ここからが問題になるのだが。俺のような奴を入れてくれるファミリアはあるだろうかと言うことだ

 

 

すると

 

 

「ちょっと君?いいかな?」

 

「ん?女神か?・・・」

 

 

そんなことを考えていると、突然隣からツインテールの15歳以下のような少女の姿をした女神が居た。また他の奴らみたいに俺に文句でも言うためにこっちに来たのだろうか。若干神の力を感じたから女神だとすぐにわかった

 

 

「君?冒険者かい?よかったら僕のファミリアに入らないかい?」

 

「ん?団員を募集をしているのか?」

 

「そうだよ。今構成員が一人しか居なくてね。もう一人欲しいんだ。入ってくれないかな?」

 

「・・・・・・・」

 

 

この女神はもしかして下界に降りたばかりなのかと推測した、俺の顔を見て知らない奴などこの都市には居ないはず。なのにこの女神は俺に気軽に声を掛けては団員の勧誘を受ける

 

見る限り俺もこの女神は誰なのかは知らない。もしかしなくても下界に降りたばかりでファミリア結成したばかりの女神で間違いない

 

 

なら

 

 

「一つ聞くが。あんたは本当に俺を勧誘しているのか?」

 

「ああ、当然さ。ウチは一人だけじゃあ不安というか。今の団員が心配でね。君がどういうヒューマンかは知らないけど。それでも勧誘したいんだ」

 

「そうか・・・・・俺が悲惨な奴でもか?」

 

「悲惨?君のような顔がいいイケメンを悲惨な奴になんて思えないよ!」

 

「・・・・・・」

 

 

初めてだった。俺を『見た目だけ』で信用する奴に出くわすのは

 

今まで俺の顔を見た奴は、大半が不満な顔をする奴ばかりだった。なのにこの女神は俺の顔を見ても顔色を変えずに信用をしようとするなど。甘い奴だと思った

 

 

でも

 

 

イケメンとかはともかく。俺の素性も知らずに顔を見ただけで信用するなど。面白い女神だと思い

 

 

彼女のファミリアに入ってみようと思う

 

 

彼女ならどんなことがあっても、俺を見捨てるのか信じてくれるのか、まずはそこを見極める理由も兼ねて、その誘いを受けようと思う

 

 

 

「迷惑ならいつでも俺を捨てて構わない。俺の名前はジーク・フリード。是非ともあんたのファミリアに入りたい。名前は?」

 

「ヘスティアだよ!って・・・・本当に!?本当に僕のファミリアに!?」

 

「ああ。俺を勧誘してくれるなら是非とも入れて欲しい」

 

「当然だよジーク君!僕の眷属になってくれ!」

 

「ああ。あんたは俺を拾ってくれたんだ。むしろこっちが感謝する。是非ともあんたの眷属として戦わせてくれヘスティア」

 

「うん!じゃあよろしく!」

 

 

こうしてありえないことに。俺は運よく女神と出会い。新人ファミリアの団員として迎え入れてくれた。

 

ヘスティア・ファミリア

 

聞いたことのないファミリアで間違いない。結成したばかりのファミリアだ。どこへだっていいが。まずはどういうファミリアなのか詳細を聞く

 

 

「ヘスティア?君は団員が一人ってことは下界に降りたばかりの女神か?」

 

「うん。そうだよ。あと・・・・・サポーターも居るんだけどね。その子は・・・・別のファミリアだけど」

 

「そうか。では今は混合パーティーでダンジョンに入っていると言うことか・・・・他のファミリアと・・・・」

 

「うん。僕たち第三級冒険者のファミリアでね。探索系で団員はまだ一人で・・・・・・・実はあることで借金をしているんだ」

 

「なるほど。だから団員が一人しか居ないのか」

 

「そう・・・・・・・やっぱりやめたい?」

 

「何を言う。さっきも言ったが、むしろ俺が入れて欲しいほどだ。借金をしている事くらいでこの機を逃すつもりはない。俺を迎えてくれたことに感謝する」

 

「そ、そうなんだ。ありがとう」

 

「探索系ファミリアか、その団員のレベルは幾つだ?」

 

「レベル2だよ」

 

「ほう・・・・結成したばかりとは言え。なかなかやるじゃないか」

 

「そうだろう!なにせベル君は所要期間一ヶ月でレベル2だからね!」

 

「っ!」

 

 

それは驚いた

 

たった一ヶ月でレベル2になるなど予想以上だ。あいつ以上の成長速度だ。ベルと言ったか。是非とも会ってみたい

 

 

俺がなぜそんなことで驚くのか、それはレベルアップと言うのは、そう簡単に一ヶ月でレベルアップは不可能だからだ。おれが知っている人物の中で最短でも一年はレベルアップに掛かかっていたはずだ。なのにそのベルと言う人物はたった一ヶ月でレベルアップしたのであれば、俺を超える強さを持っているのかもしれないと、まだ俺のレベルに追いついてはいないが、それでも余程試練を乗り越えた強さを所持しているはずだと思っている。レコードホルダーに間違いなく登録されているに違いないと思っている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、恩恵を受けるためにヘスティアのホームまでヘスティアに案内されて歩く。そして街外れまで出ると。するとそこに古い廃墟の教会が見えた

 

確かに結成したばかりに相応しいファミリアのホームだと理解した。誰かのもらい物だとも見てすぐにわかった。

 

 

「ごめんね古臭くて?」

 

「気にしてない。初めはこんなものだ」

 

「中は・・・・少し綺麗だよ?」

 

「気にしてないから、心配しないでくれヘスティア」

 

 

中は家具に少し埃なども付いてはいて、ボロボロでもあるが、それでも全然気にしていない。むしろこんなホームが俺の家と似ていて。故郷の家に帰った気分に近くてなぜか安心する

 

古臭い生活が俺にとって安定的なのかもしれない、あまり豪華などは求めないからな

 

そして祭壇の隣に隠し扉がある。地下にまで続く階段があった

 

 

その先に扉があり、そこを開けると

 

 

古いワタまで見えた穴のあるソファーと少し綺麗なベッドが一つあった。すると・・・・箒を持った少年が一人

 

 

「っ!?」

 

 

それは白い髪と赤い眼をした15歳以下の少年。それがヘスティアの唯一の団員だとわかる

 

 

だが驚いたのはそこじゃない

 

 

この少年に。俺と『同じ力』を感じる。まさか俺以外にもこのような力を持つ者がいるとは思ってもいらず、少し出してしまった力を抑えた

 

 

「お帰りなさい神様!遅かったですねって・・・・・・・・あなたは?」

 

「ベル君!!いいお知らせだよ!僕たちに新しい眷属だよ!」

 

「え!?あなたは冒険者希望の方ですか!?」

 

「ああ。ジーク・フリードだ。よろしく頼む。お前は?」

 

「僕はベル・クラネルです!よろしくお願いしますジークさん!」

 

「ああ。普通にジークでいい。敬語じゃなくてもいいぞ。ベル」

 

「え?でも・・・・」

 

「気にしないから大丈夫だ。レベル2の冒険者だな?ヘスティアから聞いた。なかなかにやるな。所要期間一ヶ月と聞いた」

 

「そんなことないですよ。今まで三人がかりで頑張ってきただけですし」

 

「だとしても努力があっての功績だ。見事だ」

 

 

「お?ジーク君。早速ベル君と仲良くやっているね。でもそろそろ恩恵を受けて貰いたいんだけど?」

 

「ああ。すまないヘスティア。恩恵を受けよう」

 

 

ベルと仲良く話をしているとヘスティアから恩恵を受けて欲しいと言われる。俺もその通りに従い。荷物を置いて上を脱ぐ

 

その姿をベルとヘスティアは見ている

 

 

「ん?なんだ?」

 

「いや!・・・・・いい筋肉しているなと思いまして」

 

「ああ。鍛えていたからな」

 

「もしかして・・・・・元は何処かのファミリア所属の冒険者だったとか?」

 

「ああ。そういえば言ってなかったな。二年前はこのオラリオであるファミリアの所属だった。でもある理由でやめて二年後に戻ってきた」

 

「へえ・・・・そうなんだ。道理ですごい体をしているわけだ。じゃあ恩恵を授けるよ?」

 

「頼む」

 

 

そういえば言ってなかったな。俺が元はこの街で冒険者をやっていたことを。話す必要がなかったわけじゃあないが。大事なことなのに伝えるのを忘れてしまった。ベルの話を聞いて大事なことを忘れてしまう。それほど夢中になってしまった

 

 

そしてヘスティアから『神聖文字(ヒエログリフ)』で俺の背中に描かれた文字が発光して浮き上がる

 

 

「え!?これって!?」

 

「どうしたんですか?神様?」

 

 

まあ、当然だろうな。あれから二年でロキ・ファミリアに居た頃よりもより強くなった。たった二年だけで

 

 

ジーク・フリード

 

レベル4

 

力:SSS 787

耐久:SSS 349

器用:SSS 398

敏捷:SSS 181

魔力:SSS 756

速攻:S

貫通:S

感知:S

怨念:S

鍛治:S

調合:S

精神:S

神秘:SS

 

 

ルーン魔術:

アースガルズ(攻撃魔法・ルーン文字)

ムスペルヘイム(第一段位・火炎魔法)

ニブルヘイム(第二段位・氷魔法)

ヨトゥンヘイム(第三段位・土魔法)

 

 

スヴェルヘイム(防御魔法)

 

ミーミスブルン(回復魔法)

 

 

 

 

ルーン・ブレイク(必殺技):

ヴォルスング・サガ

トールハンマー

レーヴァテイン

ヴァフス・ルーズニル

 

 

 

 

錬金術:

 

武器生成(ウエポン・クリエイション)

必要な素材を集めれば錬金術で武器と防具を生成と強化する事が可能

 

道具調合(アイテム・クリエイション)

必要な素材を集めれば錬金術で回復アイテムや魔道具を生成が可能

 

 

 

スキル:

美男誘惑(フレイ・フェロモン)

口説きか仕種で女性や女神やしくは雌を誘惑や魅了や相手の色気を無効化。女性の耐久が強くなる

 

 

竜殺し(ドラゴン・スレイヤー)

竜系の戦闘時において耐性が強くなり全能力が限界突破する。更に倒した竜の魔力を奪取が可能

 

 

黒竜怨念(ファフニール・フルーフ)

相手に呪いをかけてスキルと魔法や能力を封印する。モンスターも可能(*解く方法は相手の胸に手を当て。『お前を許す』で解除する)

 

 

詠唱凱歌(ツオバー・ヴァルツアー)

詠唱省略&連続に魔法を連射可能(ただし連続三回まで)

 

 

精霊加護(シュッツ・ガイスト)

召喚精霊達が魔力で状態不能を無効。

 

 

忘我混沌(カオス・ヘルツ)

怒りの感情が強くなることで絶大な魔力と力を得る。相手が強くてもレベル差は関係なく圧倒することが可能。更に感情を無くすことで異常なアビリティを成長をさせる

 

 

神話破壊(ゴット・シェアシュテールング)

神の力を破壊&無効化。もしくは神の力を得た者をその力を引き裂くことで『神の力』を破壊する事ができ送還も無効が可能

 

 

恋の勝利(フレイ・リーベ)

『・・・・・』????????????

 

 

 

ルーン・アーマメント(ルーン武装):

黒竜怪獣

蒼天雷帝

豊穣光帝

 

 

召喚精霊:

林の精霊グラニ

火精霊サラマンダー

天空の精霊グリフォン

 

 

 

と誰もが見たことのないステイタスを見て。ヘスティアは驚愕していた。それは当然だろう。レベル4でしかも8つのスキル持ちにその中にはレアスキルが三つ、アビリティの異常さ、そして精霊を召喚することのできる魔術でもある俺に驚きも隠せないで当然だ

 

それを紙に写して俺に渡す

 

 

「な・・・なななな・・・君は元第二級冒険者なのかい!?物凄い数のスキルと魔法の数だよ!?」

 

「レベル4!?ルーンアーマメントやルーン魔術ってなんですか!?ジークさんって、もしかして相当強い冒険者だったりしますか!?」

 

「まあ・・・・・二年色々敵と戦ってこうなっただけだ」

 

 

正直これを一々説明なんてしてられないほど。本当に色々あった。ドラゴンの巣や炎の巨人を相手したりなど。俺には数え切れない苦難をしてきた。だがスキルがここまで増えているとは思っていなかった

 

そしてやはりこのスキルは消えない

 

 

『ゴット・シェアシュテールング』

 

 

神殺しが簡単にできるこのレアスキル。神殺しが唯一許されるスキル。こんなのが必要になるとは到底思えないが。なぜこんなものができたのか知りたいほどだった

 

 

「すごいですね神様!」

 

「ああ!!僕たちは有望な人材を仲間にしたよ!」

 

「大いに力になる。これから俺はあんたの眷属として二人を守らせて貰う」

 

 

 

こうして俺は無事ヘスティア・ファミリアの眷属として。俺はまた冒険者となれた。二人が俺の素性を知らないとは言え。俺を迎え入れたことに感謝した

 

 

おふくろ。フレイ。俺は今度こそあんた達の言った、まだ知らぬ事を得るために。もう一度冒険者として戦わせて貰う

 

 

「よし!お祝いしよう!新しい眷属が仲間に入ったお祝いを今日の夕方に!!ベル君!サポーター君とヴェルフ君を『あの店』に呼んできて!!」

 

「はい!」

 

「俺の歓迎会か?」

 

「そうだよ。混合パーティーの仲間達を君に紹介するよ。あるお店でね」

 

「あるお店?」

 

 

ヘスティアは俺の団員歓迎会のために、あるお店とやらで他の混合パーティーの仲間をそこに集めて歓迎会をしてくれるようだ。仲間は本当に、二人ほどの他派閥ファミリアの冒険者のようだ

 

 

だが

 

 

ある店と言うのは何処のことだろうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさかな・・・・」

 

「あれ?このお店を知っているの?」

 

「まあな」

 

「ここ他の酒場よりも料理が美味しいですよ」

 

「ああ。俺も二年前はなんども寄っていたから知っている」

 

 

ベルとヘスティアが俺に案内した酒場

 

それは

 

 

『豊饒の女主人』

 

 

ここはあのフレイヤ・ファミリアの元団長が経営しているお店。そしてその女店員も知っている。正直またここに来るとは思っても見なかった

 

二年前は別れも言わずに故郷に戻ったものだから。彼女達が今どうしているかは気になる。それに俺は少し苦手な女性も居るから少しここに入るのが怖い

 

 

感情の無い俺にも『彼女』だけには敵わないからである

 

 

「もしかしてここは嫌だった?」

 

「そんなことはない。ただ・・・・・・ここにまた来るとは思っていなかった」

 

「それじゃあ入りましょう!中で僕の仲間が待っています!」

 

「ああ」

 

 

そうしてベルを先頭に俺も豊穣の女主人の店の中に入る。そうして中に入ると奥でパルゥムの女の子とヒューマンの赤髪の男がこちらを見ていた

 

あれが仲間で間違いないとわかる

 

 

だがその前に、俺たちを迎える女店員に対応が必要だった

 

 

「いらしゃいませベルさん!今日は女神様とご一緒ですか?それと・・・・・え!?」

 

「あ。シルさん。予約ありがとうございます。それでこの人は・・・」

 

「ジーク・・・・」

 

「え?知り合いですか?」

 

「ジークなの?」

 

 

「二年ぶりだなシル。色々理由あってここに戻ってきて。ヘスティアの眷属になった」

 

「ジーク!!」

 

 

「え!?」

「ほう・・」

 

 

あれから二年経っても綺麗な女性シル・フローヴァ。

 

魂の色が見える特殊な眼を持つヒューマンの少女。そして彼女もベルと同じ力を感じる少女。この世界において俺が一番苦手な女性。俺は今までにおいて一番頭が上がらない女性。

 

そんな女性に別れを言わなかった俺には今から何を言われるか

 

 

想像がつかない。ただでさえ今抱きつかれるなど。やはり彼女の行動は謎だ

 

 

「ジーク!あれから二年何をしていたの!?いきなりロキ・ファミリアをやめたって聞いてびっくりしたのよ!そうしたらもう故郷に帰ったって言って私心配したのよ!でもなんか前よりカッコよくなったね」

 

「え!?ジークさんってあのロキ・ファミリアの冒険者だったんですか!?」

 

「ああ。言いたいことはわかる。俺も複雑なことがあって君に別れも言わずに帰った。流石に君には関係のないことだからな。何も言わずに出て行った。すまなかった」

 

「辛いことはたくさんあったことは聞いたわ。大丈夫よ。私はあなたのことを信じているから!」

 

「そうか・・・・・ありがとう」

 

 

やはり彼女には敵わない。

 

彼女の優しい言葉は俺の心に変化をくれる。感情の無い俺に笑顔を作らせてくれる。なんの根拠もない口先しかできない彼女の想いが俺の心に癒しを感じる。この先俺は彼女にだけは失望できなくなった

 

 

すると

 

 

「ジークさん!?」

 

「ん?リューか?」

 

「オラリオに戻ってきたのですか!?」

 

「ああ。今はヘスティアの眷属だ」

 

「ジークさんがまたここに・・・・・皆さん!ジークさんが戻ってきました!」

 

「あまり俺のことを大声で叫ぶと大騒ぎになるぞ」

 

 

リューはアーニャ達に言ったつもりだと思うが。この店の中に居た店員が驚愕な顔をしている。それはそうだろう。俺のような厄介者がこの店に来るなんて最悪以外無いだろう。ベルとヘスティアはまだファミリア結成して浅いから二年前の事件の事を知らないから理解ができなくて混乱しているだろう

 

だが他のことを気にせずに、今度はアーニャやクロエやルノアが俺の方に来た

 

 

「ジーク!今までどこに居たにゃ!」

 

「心配したんだにゃ!」

 

「別れくらい言ってよ!」

 

 

「それを言う気がないほど苛立っていたんだ。その時は本当に何もかもがどうでもいいほどにな」

 

「聞いたにゃ。団員のみんなに信じてくれなかったこと。けど・・・」

 

「ミャー達はそれでもジークを信じているにゃ」

 

「あの第一冒険者であるロキ・ファミリアも所詮そんなもんってことね」

 

 

「いいんだ。二年前のことはもう恨みは無い。あいつらもな。まあ・・・・・とにかく悪かったな。何も言わずに出ていったことはすまなかった」

 

 

「大丈夫にゃ。ミャー達はいつでもジークを信じるにゃ!」

 

「ミャー達はジークの味方にゃ!」

 

「ジークも私たちのことを信用して!」

 

「私たちはあれから二年も忘れずで心配でした。あなたが元気でここに戻ってきたことを私たちは嬉しいです」

 

 

「そうか。心配させて悪かったな。俺も望みがあってここに戻ってきた。ヘスティアファミリアの団員として眷属として。俺は自分の望むままに戦うだけだ」

 

 

まさかリュー達にここまで励まされるとは思っていなかった

確かに彼女達と知り合ってからは親しみはあいつらよりもデカイとは思っていたが。まさかここまでとは思っていなかった

 

シルやリューはともかく。まさかアーニャとクロエやルノアにまでそんなことを言われるとは思っていなかった

 

 

でも少なからずそんなことを言ってくれるのは・・・・嬉しいという感じは出ないが。感謝はしていた

 

 

「ジークさん!とりあえず先に紹介します!この二人が僕のパーティーに入ってくれた仲間です!」

 

「そうか。ジーク・フリードだ。元ロキ・ファミリアの冒険者だ。て言えばわかるな?」

 

「え、ええ、リリルカ・アーデです。今はソーマ・ファミリアの冒険者でサポーターです」

 

「ヴェ、ヴェルフ・クロッゾだ。俺はヘファイストス・ファミリアの冒険者で鍜治屋だ」

 

 

「パルゥムの少女と『精霊の血を分け与えられた』ラキア王国の鍛冶貴族のクロッゾ家の末裔か」

 

 

「「え!?」」

 

 

「ジークさん!?二人の事を知っているんですか!?」

 

 

「リリルカ・アーデは変身魔法で亜人に成りすましているのがすぐにわかった。ヴェルフ・クロッゾは体から少し精霊の力を感じた。少しどころかちょっとだが。少なからず精霊の力があるとハッキリした。クロッゾの名前を聞けば理解できるが。伝承は本当で嘘じゃないようだと。見てわかった」

 

「すごいです・・・・」

 

「さすがは元ロキ・ファミリアだな。これがあの『嘘つき冒険者』かよ・・・・・・顔もすげえイケメンじゃねえか。あのブレイバーに負けてないぜ?」

 

 

「なんなのヴェルフ君?その・・・・ジーク君のことを嘘つき冒険者ってどういうことだい?」

 

「そういえばお二人は知らないですよね?」

 

「ジーク様が二年前ロキ・ファミリアで団員に嘘をついたことから。そう呼ばれるようになったんです」

 

「そうなんですかジークさん?」

 

 

「俺はそんなことは今もしていないと言う。だが・・・・・・その『嘘つき冒険者』初めて聞くな。『あいつら』が言いふらしたんだろう。相変わらず汚い方法で『俺が手に入れようとする』連中だ」

 

「どういうことなんだい?」

 

「二年前の話になる」

 

 

 

それは・・・・・俺がロキ・ファミリアの所属してから一年経ったある日。一人で酒場で夕飯をしていたある日のこと。一人で静かに食事をしている時に、後ろの席から奴らに目を付けられて絡まれた

 

 

それは『アポロン・ファミリア』の団員

 

 

当時のことからアポロン・ファミリアは汚い方法で団員を手にしようとすると知っていた。更にアポロンが1度見初めた相手は絶対に手に入れようとする執念深い性格だってことも知っていた。どうやら俺を手に入れるために。団員達を使って煽ったり挑発をしたり暴言を言ってきたことがわかり。俺をロキ・ファミリアからコンバージョンをさせるのが目的だと理解した

 

もちろん実力行使は奴らは仕掛けてこなかったが。俺も手を出さずに飯を残して金だけ払って奴らの事を無視して酒場を出た

 

 

 

だが

 

 

 

二日後

 

アポロン・ファミリアの団員をロキ・ファミリアのホームにやってきた。そして・・・・

 

手は出してなかったはずなのに、体中包帯だらけで怪我をしている団員が居た。それが俺がやったと冤罪をかけられた

 

もちろんやっていないと抗議したが、当時の俺はロキ・ファミリアの幹部のベートと同じように性格や口も悪く団員にあまり親しみを持たれていなかったため、あまりに信頼度はなかった。だから団員のほとんどに疑われ。最終的に団長と副団長でもあるフィンとリヴェリアとガレスにも疑われ。一番最悪なのは子ども想いだったロキにでさえも疑われた

 

その信用の無さに絶望した。ロキにさえ疑われるとは。アポロンの証言もあるからなのか。ロキは俺を信用してくれなかった

 

 

そして俺は初めて絶望を味わい、仲間に裏切られると言う想いを知り

 

 

疑われるなんて仲間じゃないと、俺はファミリアを辞める決意をする

 

 

仲間に信じてくれないことに怒りを増して。ロキにファミリアをやめると申し込み。もちろん俺の身勝手な行動にフィンにも止められたが。それでも俺はお前らは仲間じゃないとロキに剣を向けた。流石にこの行動にフィンとリヴェリアは激怒し。俺の言う通りファミリアをやめさせて貰い。故郷に帰った

 

 

 

「と言うところだ」

 

「アポロンか・・・・はあ・・・あのアポロンに目を付けられるなんて酷い目にあったね。僕もアポロンの性格の悪さを知っているよ。その気持ちはものすごく分かる」

 

「だがその後は知らない。リリルカ。ヴェルフ。その後俺は・・・・そんな事を言われているのか?」

 

「は、はい。アポロン・ファミリアからそのように言いふらしていた。と言うよりギルドで伝達を頼んでいたらしいんですけど、貴方がファミリアの団員に嘘をついて罪から逃れようとしていたってことから・・・・貴方を『嘘つき冒険者』と言って冒険者の中じゃあ有名になっています」

 

「アポロン共か。本当にクズな奴らだ」

 

「俺の聞いた話じゃあ。アポロン・ファミリアは賠償としてお前の団員をやめさせたかったみたいでな。でもお前はもうとっくに辞めたと聞いて。アポロン・ファミリアはそれ以上の賠償は求めなかった。その後は・・・・さっきリリの言う通り。お前の事を冒険者内でバカにしてたくらいだからな・・・」

 

「そうか・・・・・」

 

「ジークさん、そんな事があったんですね」

 

「幻滅したか俺のことを?」

 

「い、いえ。ただ・・・・・・仲間に疑われるなんて辛いですね」

 

「人生で一番苦しかった。死にたい程にな」

 

「でも・・・・アイズさん達がそんなことを二年前にしていたんなんて・・」

 

「ん?ベルはアイズと面識があるのか?」

 

「え。ええ。修行に付き合ってもらった事があるんです」

 

「ほう・・・」

 

「ヴァレン何某君だね。確かに真剣にベル君のことを強くしてくれるために修行に付き合ってくれたよ。でもそんな彼女でも・・・・・所詮君をそんな目で見ているなんて。流石はあのロキの子供だな」

 

 

 

「それは違う。あいつは唯一俺のことを最後まで信じた女だ」

 

 

「え?」

 

「そうなんですか!?」

 

「ああ。と言うより本当はもう何人か居る。俺はそいつらに辞めないでと止められたがそれでも俺は嫌で辞めた。あいつは・・・・・・・そんな見た目で判断するようなヤワな女じゃない」

 

「そうですよね。アイズさんがそんな・・・・・・あ!そういえばアイズさん『お兄さんのような人が前にウチに居て。その人に剣術を教えて貰った』って言っていました!それって・・まさか!」

 

「ああ。それは俺だ。あいつは力はある癖に剣の振り方が非常におかしかった。だから俺が教えた。とは言っても・・・・かなり世話の焼ける女だがな」

 

「そうなんですか!流石はレベル4の冒険者ですね!」

 

「当時はまだ俺はレベル1でアイズより下だがな」

 

「レベル4!?」

 

「本当かベル!?」

 

「うん!そうだよ!僕らのような弱小ファミリアに第二級の冒険者が入団してくれたんだよ!」

 

「レベル4になったのは一ヶ月前の話だがな。俺はレベル1のままロキ・ファミリアを辞めた」

 

「じゃあ前は何処かのファミリアに所属していたのかい?」

 

「ああ。ヘスティアは知っているとは思うが・・・・・聞いたことないか?この男神に?」

 

「誰だい?」

 

 

 

「エルフの国の主神。フレイだ」

 

 

「「「「フレイ!?」」」」

 

「俺はあいつの幼馴染だ。生まれた頃からあいつとは兄弟なもので。よくあいつと一緒に剣の修行をしていた。狩りもしていた。あいつと一緒に二人で『竜の巣』に行って龍を蹴散らすのは楽しかった」

 

「竜の巣!?」

 

「上級ドラゴンばっかでレベル6以上の冒険者じゃなきゃ倒せないドラゴンだ。それを俺はレベル1であいつと二人で一年過ごした。だから二年で一気にレベル4になったと思う」

 

「マジかよ。あのエルフなら誰でも憧れる主神。男神の中で一番の眉目秀麗の神であるあのフレイかよ!」

 

「あのフレイヤ・ファミリアの主神フレイヤの双子の兄君ですよ!」

 

「ん?あのフレイヤがフレイの妹なのは本当だったんだな?」

 

 

フレイは、現在オラリオの冒険者派閥のトップであるフレイヤ・ファミリアの主神たるフレイヤの双子の兄。

 

確かにフレイにもそう聞かされたが。まさかそれが本当とは思っていなかった。実際に会ってもいないからなんとも言えなかった。

 

それに彼女はどんな下界の生き物を魅了する力を持っているため、あまりバベルから降りることはあまりに無いこと。見た人は今まであまりにいないのだ

 

 

「お前そんな凄い奴だったのか・・・・」

 

「このことはロキやフレイヤは知っているのかい?」

 

「知らない。聞かれてもいない。と言うより言う必要もなかったから俺の素姓は誰にも言っていない。そもそもフレイヤに会った事も無い。あの二人は知らないと思うがな」

 

「だとしたら・・・・お前、ロキ・ファミリアに確か・・・ハイエルフの冒険者が居たよな?」

 

「ああ。リヴェリアのことか?」

 

「リヴェリア様も知らないんですか?」

 

「知らない。そもそもフレイはある女性と駆け落ちしたことでエルフの国を出て行ったのが行方不明の理由で、エルフたちはそのようなことで姿を晦ましたなど理由も知るはずもない。エルフの国を出てからエルフたちが奴を探したが手かがりは何も無いまま。それが俺の故郷に居たなんてことをリヴェリアが知るわけもなければ、俺がフレイから誰にも言わないようにと頼まれたため、フレイのことは誰にも言わないようにしている。まあお前たちには喋っているがな、ちなみにフレイはリヴェリアのことを知っていたがな」

 

「言わないんですか?」

 

「言うわけないだろう。俺とあいつらはもう変なことを言えば敵同士だ。とは言っても・・・・俺は彼らに疑われてからはもう何も想ってない。特に・・・・ロキとはな」

 

「ロキ?君はあのロキと仲が悪いのかい?」

 

「悪いと言うより・・・・俺が一方的に嫌いだった。あいつも他の眷属たちよりも俺の時だけは態度が違った。それはそうだろうなと思ったけどな」

 

 

所詮俺とあいつは相反する存在

 

俺の『血が』そう拒むのか。あのイタズラな邪神を相手に何かと歪み合うのか。どうしても仲良くできなかった。本当に毎日が口喧嘩。イタズラも毎日だし。ベートとの対応とは別で全然違う

 

あの口も性格も悪いベートさえもしっかり向き合うのに。ロキでは向き合うどころかいつも言い争う

 

あいつだって『俺の素性に』、気づいているはずだと思う

 

 

「なんでそこまで君はあのロキと仲が悪かったんだい?僕もロキとは仲が悪いけど。あの眷属想いのロキが眷属と口喧嘩するなんて思えないんだけど?」

 

「ああ。それか、それは俺の遺伝が原因で・・・・・喧嘩してしまうのかもしれない」

 

「遺伝?」

 

 

 

「なぜなら俺の母親が・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あいつの姉。『雷神トール』だからだ」

 

 

「「「「トール!?」」」」

 

 

 

雷神トール

 

ロキの姉であり。あのゼウスとヘラに並ぶ最強のファミリアの主神。もちろん行方やファミリアの眷属の詳細が誰も知らないが。おふくろが下界に来てからある『人間』に恋をした。その人間と結婚し。子供を授かっていた。それが俺だった。神の間に子供などできないなのだが、俺の父が『古い伝説の血族』だからなのか、トールである神の体に影響を与えて、子供を産むことができるようになったのだ

 

 

ロキのことは俺の両親は知っていた。だが俺は親父のことは知らない。顔も見たことも無い。ただ名前は知っていた。あの母親がまさか『あんな親父』と付き合っていたなど知らなかった。しかも自分の眷属の子と結婚するとはな

 

 

あの英雄アルバートに並ぶ奴がな・・・・

 

 

「トールって!?あの神の中でも最強の!?」

 

「おとぎ話にもなっていますよ!大昔トール・ファミリアはあのゼウス・ファミリアやヘラ・ファミリアでも倒せなかった『霧の巨人』達を相手に全滅させたって伝説になっていますよ!?」

 

「ジーク様ってフレイ様の幼馴染でもあり。あのトール様の息子でもあるんですか!?」

 

「本当に!?あの元気の塊みたいな脳筋女神はジーク君の母親なのかい!?」

 

「信じられないなら。これを見ればいい」

 

 

そうして俺はヘスティアに、首元に掛けていたネックレスにした小さい『ミョルニル』を見せた。おふくろの愛用の金槌を見せればすぐに女神であるヘスティアならわかる

 

その隣に『勝利剣レーヴァテイン』もある

 

 

「ミョルニル!?レーヴァテイン!?間違いない!彼の言うことは本当だ!でなきゃ小さくしていた彼ら愛用の武器を身につけていない!!」

 

「マジかよ!?」

 

「ジーク様があの・・・・」

 

「トール様の息子にして。フレイ様の幼馴染。そんな人が・・・・僕らのファミリアに・・・」

 

「でもジーク君、神に子供なんて・・・・」

 

「ああ。本当なら産めるはずがない。これは憶測に過ぎないが、俺の父は『とある伝説に伝わる古い血』の人間で、その血と細胞が原因で母の神でも子供を産めるようになったのかもしれないと、俺の住む故郷の者たちが言っていた」

 

 

本当にこれがそうなのかはわからない

 

ヘスティアの言うとおり、神の間に子供は産めない。だが俺は間違いなく、人と神の子である半神半人の異端の子供である。果たしてなぜトールに人間の子供を産めたのかは謎に満ちてはいるが、それでも俺が母の神創武器であるミョルニルを手にしているのであれば、そうと考える他なかった

 

 

「本題に入りたいんだが。お前達二人は俺がヘスティア・ファミリアに入団したのが不服か?」

 

「いや・・・・俺は違うファミリアだし。文句は無い。むしろレベル4の冒険者がパーティーに入ってくれるのは嬉しい限りだ」

 

「リリもです。それにあのトール様の息子でフレイ様の幼馴染なら頼もしい限りです」

 

「そうか・・・・・ヘスティアとベルは?」

 

「え?」

 

「なんで僕たち?」

 

「二年前の事件を知らずにお前達は俺を入れた。不満や危険人物だと思うなら俺を捨てて構わないぞ?もちろん俺の素姓を関係なしで考えてくれ」

 

「何を言うんだい!なんども言ったけど!団員の少ない僕には嬉しい限りだよ!」

 

「僕もです!ジークさん!これからもよろしくお願いします!」

 

 

「そうか、礼を言う」

 

 

なんと言うかあまりに甘い奴らだと思った

普通のファミリアならそんな奴は大いに利用して使い捨てにするか、すぐに厄介ごとを持ってくる奴など捨てるのが当然だが

 

 

だが

 

 

なんだろうな。こいつら全員普通じゃないと感じる。俺の感知がイかれたのか。なんとも変なものを感じる

 

特に・・・・・あのベル・クラネルは

 

 

「では改めて頼む」

 

「はい!では乾杯しましょう!」

 

「うん!僕のファミリアに入団したジーク君を歓迎して!!」

 

 

「「「「乾杯!」」」」

 

「・・・・乾杯」

 

 

なんとか仲間に素姓を話したが、それでも追い返すことなく仲間として受け入れてくれた

 

入団を受けたのはいいが。他のファミリアにこれから何を言われるかが問題になるがな

 

 

「飯を頼もうぜ!ジークは何がいい?」

 

「そうだな、久しぶりにここのパスタが食べたい。リュー、飯を頼みたいがいいか?」

 

「はい。ですが少しよろしいですか!!」

 

「なんだ?勢い迫って、お前らしくないな?動揺しているなんて何か俺に聞きたいことでも?」

 

「あのフレイ様の幼馴染って本当ですか!?」

 

「事実だ。そういえば言ってなかったなお前には」

 

「どうしてそんなことを!今でもあのお方は元気ですか?」

 

「それはこの宴会が終わった後に言うから、とにかく先に飯を持ってきてくれ。働かないとミアにまた怒られるぞ?」

 

「わ、わかりました。必ず最後に言ってくださいね!」

 

「ああ」

 

 

リューはエルフなのだから当然だな

 

フレイを称えるのは当然。あいつが何十年姿をくらましていたのかは知らないが、少なくともエルフ全員が当たり前に知っているくらいだ。一目会いたいのも当然だ。大騒ぎするだろうな。このことが知られれば

 

 

だが

 

 

もうこの下界には居ない

 

 

「で?どんな神様だったんだ?フレイ様って?」

 

「剣の腕は剣豪並。だが優男でな。戦い以外は誇らしいが。それ以外の私生活は最悪な奴だ。女の対応は上手いくせに。あまり家事ができない奴だった。一番最悪なのは料理だったな。焼き魚くらいしかできない奴だった。女には当たり前にモテる癖にな?」

 

「へえ・・・・フレイ様家事は苦手だったんですね?」

 

「じゃあトール様は!トール様はどうですか?」

 

「どうせトールのことだから。まるで父親のような女神でしょう?」

 

「そうだな。風呂に出たら服は着ないまましばらく素っ裸のまま、あとは料理に関しては男料理で調味料の分量を考えない。あと勉学も全然わかってない。難しい字とかある程度読めなかったり。考えが苦手な母親だった」

 

「やっぱりね!あのトールだもん!胸は僕よりデカイ癖に女らしさがまったく無いんだよね?まさしく男だったでしょ?」

 

「ああ。ヘスティアはやっぱり女神だからおふくろのことは知っているんだな?」

 

「そうだよ!天界に居た時はあのフレイヤやあのロキでさえトールに振り回されてね!まあロキはあのトールの妹だから当然だけど。いろいろ連れ回されて大変だったんだよ!細腕の癖にめちゃくちゃ腕力あるし!女神の裸を覗くヘルメスでもトールは素っ裸のまま彼を連れ回していたんだよ!ヘルメスは鼻血を出したままあの女神の強引さに疲れていたんだよ!ヘルメスだけじゃない!ヘファイストスも!ガネーシャも!デメテルも!ミアハも!タケも!ディオニュソスも!イシュタルも!ソーマも!ディアンケヒトも!イケロスも!ニョルズも!アポロンも!カーリーも!タナトスも!アストレアも!ルドラも!最後にあの非常に好戦的な性格のアレスでさえ!みーーーーーーーーーーんなトールの強引に付き合わされたものだよ!!まさしく脳筋女神だよ!」

 

「なんかすまない。俺のおふくろがみんなには迷惑をかけた」

 

「そうしてみんなで暴言言われるとすぐ怒る性格で僕たち神にミョルニルで叩こうとしてきた女神だからね!一番被害を受けたのはロキだから僕にとっては最高だったけどね!!」

 

「本当にすまない。俺のおふくろが」

 

 

おふくろ

 

頼むから今天界に居るんだとしたらもう暴れないでくれ。あんたが暴れるとある意味世界の終わりだ。あんたは元気だけはいい長所ではあるが。物事を考えずになんでも力や単純な考えだけで行動するのはあんたの短所なところだ

 

俺が子供の頃は本当に大変だったからな。戦い方とか狩り方とかほとんど戦いのことばかり。勉学の方はフレイと爺さんに教えてもらったほどに

 

怒ると埒が明かないのはその通りで。よく昔喧嘩していた。しかもありえないことに素っ裸のままで。あのおふくろを止められるのはフレイと爺さんくらいだ

 

ヘルメスの奴鼻血を出しまま疲れたって今ヘスティアが言ったが。確かにスタイルはいいのになぜかと裸になることが多いんだよな。酒を飲んでは裸になり。料理をする時は裸エプロン。狩りに出る時は流石に裸じゃないがビキニアーマーなんてものを着ていた

 

はっきり言って元はアマゾネスの主神だったんじゃないかと疑ってしまうほどに。もはや俺の母親は裸族でアマゾネスのような女だった

 

 

そんな女を親父はなぜ好きになったのか気になるところは何度かあった。名前しか知らないからなんとも言えないが

 

 

「この際だから聞きたいんだがヘスティア。ロキとおふくろが一緒に居た光景を天界で何度か見たことあるか?あの母親のことだから何か変なことをしてないかと気になってな」

 

「そうだね。トールとロキは酒飲んでは二人一緒に裸になって他の女神を巻き込んで宴会モード。あのフレイヤや処女神でもある僕らも巻き込んで裸にされたりとか大変だったよ」

 

「すまない。本当にすまない」

 

「大丈夫だよ!そこまで悪い女神じゃあ無かったし!イシュタルとフレイヤの頭を殴って無理矢理二次会に連れて行ったりとかしてただけだから!ソーマも困っていったけ。ロキと一緒に神酒を全部盗まれてはソーマは泣いていたよ」

 

「え!?そうなんですかヘスティア様!?」

 

「すまない。本当にすまない!」

 

「あと・・・・ジャンケンをする時は絶対に野球拳だし。ウラノスに無理矢理お酒を飲ませて酔わせたりとか。ミアハとタケに女装させたりとか。ヘルメスに無理難題なことを頼んだりとか。ガネーシャと一緒に裸で外を走るとか。ディオニュソスをイジメたりとか。アレスとプロレスしたりとか。まあいつもトールが勝つんだけど。ニョルズに海の中まで溺れさせたりとか。カーリーをめっちゃ子供扱いするとか。いや・・・・赤ちゃん扱いだったかな?そう言えばタナトスをもイジメていたな。ミョルニル使って頭をカチ割ろうとしていたっけ。ヘファイストスの眼帯をブラジャーにしてすり替えたりとか・・・・・・・・・まあロキと同じイタズラで筋力があるスタイルのいい女神かな」

 

「今度被害にあった神に謝っておかねば。母親の代わりに謝罪する」

 

「すげえ・・・・あのヘファイストス様の眼帯をブラジャーに変える!?あの人にまでイタズラできたのかトール様って!?」

 

「本当に性格は男みたいな女神様なんですね?」

 

「あれ?なんか・・・・お祖父ちゃんにそのような女神に知り合いがいるって聞いたような?」

 

「っ!」

 

 

まさかおふくろが昔天界に居た時はそんなことをしていたなんて知らなかった。今度被害を受けた神たちに謝っておこうと誓う。

 

お袋め。他人に迷惑を考えずにやりたい放題暴れるのは昔からだったのか。さすがは不変の神だ。性格が一層に変わらない

 

 

 

 

それにしても今ベルがおふくろのことを知っている人物の名前を出した。そんな無茶苦茶な特徴を持つ人を聞いたなんて。まさかベルの祖父が神なのか

 

雷神となると・・・・まさか

 

 

『ゼウス』なのか

 

 

聞くことはないが。そう詮索をしてしまう

 

 

 

「それでそのトールは今何をしているんだい?」

 

「・・・・・・」

 

「どうしたの?」

 

「おふくろは・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が14歳の頃天界に送還された」

 

 

「え!?あの・・・・・トールがかい!?」

 

「ああ。ある神に襲われて殺された。今頃天界に居るだろうな」

 

「あのトールがありえない・・・・・・」

 

「フレイも亡くなった。一年前にな」

 

「そんな!?フレイまで!?」

 

「ああ・・・・・俺の家族はみんな早死にする。神だろうとな・・・」

 

「ごめんよ。そんなことを聞いたりして」

 

「別にいい。いつまでも一緒にいられないのは大人になれば来ることだ。別れはすぐに来る。それにいつかは母親の元を去らなければ子はいつまでも成長はしない。フレイだっていつまでも俺と一緒には居られない。あいつにも奥さんが居たからな」

 

「え!?フレイに奥さん!?」

 

「俺の姉みたいな人だ。まあなんにしても・・・・・あいつらは俺の中で生きている。家族と兄弟の縁は俺の心の中で繋がっている。それだけあればいいんだ」

 

「すごい精神力です」

 

「家族が亡くなった冒険者なんて珍しくないだろう」

 

「まあ・・・・そうだけど」

 

「それを噛み締めて前を進むしかない。亡くなった者は帰らない。それが当たり前だろう?」

 

「立直りが早いんですね?」

 

「まあな」

 

 

それに落ち込んだら天界に行ったあの二人が何を言うかわかったもんじゃない。俺は立ち止まるつもりもないしな。俺は二人の試練に挑んで立派な冒険者になるために・・・・

 

 

でも、本当にあの二人は俺に冒険者になって貰うためにまたここにか?それは本当かどうか確認したかった。もう居ないからなんとも言えない

 

 

「ジークさん。早速なんですけど明日僕たちとダンジョンに入ってもらえませんか?」

 

「ああ。構わない。何階層まで潜るんだ?」

 

「11階層ところまでです」

 

「そうか、リリルカとヴェルフと一緒なら俺を入れて25階層まで行けるぞ?」

 

「え!?本当ですか!?」

 

「レベル4だからですよね?」

 

「元ロキ・ファミリアの冒険者だから当然だろう。あんな大人数でダンジョンに入っているからだろう」

 

「いや、一人でレベル1で25階層まで行った」

 

「「「は!?」」」

 

「そんな不思議なことか?強いやつに挑まないと強くなれない。ゴライアスは倒した経験はある。アンフィス・バエナはまだだがな」

 

「さすがはトール様の息子にして。フレイの幼馴染」

 

「それはそうだろうね。アビリティダブルオールSだし。スキルは8つ持ち。魔剣を所持するものね?ロキの奴。こんな凄い人材を捨てるなんて、眷属の子供を信用してあげるべきだろうに」

 

「レベル1の時はスキルは一つしかなかったがな」

 

 

当時はここまでのステイタスは持ってなかった。あまり戦わせてくれなかった。だから一人で許可をもらって潜っていた。あいつらと俺の差じゃあ戦力が違いすぎるからな

 

それにあのスキルを発原したのはロキのところをやめてフレイの眷属になった時だけ。ここまでの力を引き出せたのはこの二年間での成果だ

 

 

「魔剣って言っていたけど魔剣を使うのか!?」

 

「ああ。魔剣は俺の父親からだ」

 

「へえ・・・・・明日見せてくれないか?」

 

「ここにあるぞ」

 

「え?」

 

「グラム!」

 

 

俺は小さい腰ポケットから一本の剣を呼び出す。すると。バックが開き其処から長剣が一本出てきて俺の手にくっ付いた

 

 

「うお!?どこから出てきた!?」

 

「ここからだ。パンドラボックスと言って。おふくろが俺のために用意してくれた。どんな大きい物でもどれだけ物を入れても満タンにならない魔法道具だ」

 

「どれだけ入れても満タンにならない魔法道具!?それってつまりその小さなバックがあるだけでなんでも入れらるってことですか!?」

 

「ああ。ここに武器を入れている。それでどうだヴェルフ?確かお前は鍛治屋だったな?」

 

「ああ。すげえ・・・・これ本当に魔剣か!?刃が緑色の宝石でできているぞ!?素材はアダマンタイトか!それともオリハルコンか!」

 

「さあな。素材は知らない。なにせ俺の親父の愛剣だからな。詳細は母親にも教えてくれなかった」

 

「そうか。にしてもすげえ剣だ」

 

「ってことはジークさんすごいですね?まるで騎士みたいです」

 

「まあ騎士ではあるけど。俺は・・・・・・・精霊召喚師だ」

 

 

「「「精霊召喚師?」」」

 

 

「確かジーク君のステイタス。最後に『召喚精霊』って書いてあったね?あれはなんだい?」

 

「精霊を召喚してそれを操ることのことをそう呼ぶんだ。まあペットみたいなもんだ」

 

「精霊を召喚!?精霊を操れるのですか!?」

 

 

「フレイに頼まれて精霊召喚師として修行をしていたんだ。あいつがもしも居なくなった時のためにな。あいつは精霊の王でもあるから。俺がその受け継ぎをして精霊たちの世話を頼むと言われてな。俺の故郷には聖樹もあるから精霊が多く居る。あいつらは完全に俺を主扱いしている。おかげで精霊の間じゃあ俺が『精霊の主』とか色々とな。まあ確かに扱いとしては聖人か聖者になるな」

 

「す、凄いですね。精霊を操れるなんて・・・」

 

「本当にヘスティア様の所に最高戦力が来ちまった」

 

「精霊と言えばお前もだろう?だが・・・・クロッゾの魔剣を打たないようだな?」

 

「ジークさんはヴェルフのことを知っているのですか?」

 

「ああ、聞いたことはある。でも・・・・・・・・・いつかは必要になる時は来るぞ?その時お前は打てるのか?」

 

「わからない・・・・・でも覚悟はある」

 

「そうか、これだけは覚えた方がいいぞヴェルフ。魔剣はなんのために使うか。これが一番重要だ。使い手が魔剣の力を悪用するから嫌気がさすのかもしれないが。何か成さなければならない時や守らなきゃいけない時は使うべきだと覚えろ。でなきゃ・・・・・・・・・俺みたいに後悔するぞ?」

 

「・・・・・・ああ。わかったぜ精霊召喚師。お前の助言受け取るぜ」

 

「俺はこれでも騎士でもあるんだがな?明日は俺が必ず支援する。もしもの時は精霊を使って守るから安心してくれ」

 

 

「おう!」

 

「はい!」

 

「うん!」

 

 

「よろしく頼むよジーク君!」

 

「ああ」

 

 

こうして仲良く宴会をしていた。久しぶりな気分だ。こんな日がまた訪れるなんて冒険者同士で楽しく飲んで食べて楽しい会話をするなんて俺にとってはもう二度と来ないと思っていたのだが。また二年前のように楽しくできるとは思っていなかった

 

 

 

 

しばらく楽しく食事をして宴会も終わり。二人もそれぞれのファミリアのホームに帰っていく

 

俺たちもヘスティア・ファミリアのホームに帰るのだが

 

 

「二人とも先に帰ってくれ。俺はまだ用がある」

 

「え?ああ・・・・・」

 

「わかりました。先に帰りましょう神様」

 

「うん。じゃあ先に行っているね。ジーク君」

 

「ああ」

 

 

そうして二人だけ先にホームに帰らせた。俺がここに残ったのは話をつけるため。豊饒の女主人の店員であるリューから話をつけるために

 

俺は店の裏に移動する。店の裏にはリューが待っていた

 

 

「ジークさん、話は少し聞いたのですが」

 

「そうか。これは嘘じゃない。フレイは・・・・・・亡くなった」

 

「そうですか、我々エルフはもうフレイ様には会えないのですね?」

 

「ああ。だがお前らは今は居なくても十分にやっている。この程度で躓くようなら天界に行ったフレイが何を言うかわからないぞ?」

 

「そうですね。へこたれる所を見せたらフレイ様に怒られてしまいます」

 

「あいつのためだと思って泣かずに居ろ。いいな?」

 

「はい・・・」

 

 

「フレイヤの兄であるフレイが亡くなるとはなね」

 

「ん!ミアか?」

 

「久しいねジーク。なんか二年経って性格が変わった?なんか・・・・大人しいと言うか。クールになったじゃないか!それに・・・・・前より男前になったじゃないか!」

 

「色々あったらこうなっただけだ」

 

 

ミア・グランド

 

元フレイヤ・ファミリアの団長。レベル6。二つ名は『デミ・ユミル』

この店の主人でリューのような訳ありの女を何人も雇っている。現役だった頃はあのオッタルにも並ぶ実力者である

 

ミアもそのフレイに妹があのフレイヤだと知っている

 

 

「あんた。今度は逃げずに冒険者をやっていくんだろうね?」

 

「ああ、でなきゃここには居ない」

 

「そうさね。あんたは今でもロキ・ファミリアが憎いかい?」

 

「いや。もう俺には恨みは無い。恨みをしたところで意味がない」

 

「それこそさね。今度こそ頑張るんだよ」

 

「ああ。もう引き下がることはできない。リュー。俺はもう行く」

 

「はい。フレイ様のことを聞かせて頂きありがとうございました」

 

 

 

リューにとっては心苦しいかもしれないが。嘘をつくにもいかずにありのままの真実を話した。それでも受け入れて欲しい。今でもフレイが居なくてもやっていけているんだ。

 

今更フレイが亡くなったとしても。自分たちで生きていかねばあいつに叱られるだけだ

 

と、リューには強く生きて貰いたかった

 

 

そうしてホームに向かって帰る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、そこでアクシデントが起こる

 

 

「あはははは!今日も飲みすぎたな!」

 

「っ!ロキ」

 

「ん?な!?ジーク!?」

 

 

豊饒の女主人の酒場から大分離れて街を歩いていると、珍しく一人で酒を飲んでホームに帰ろうとした。かつて俺の主神でもあったロキだった

 

別に会うことに関しては仕方ないと俺も思っている。でもまさかこのタイミングで奴と鉢合わせするとは思ってもいなかった

 

 

「ジーク!?どうしてここにおるん!?」

 

「またここで冒険者をやっているからだ。それ以外俺がここに来る理由は無いぞ」

 

「あれから二年も経って・・・・・また冒険者って・・・」

 

「理由があってまたやることになっただけだ。今はヘスティア・ファミリアに居る」

 

「は!?ドチビのファミリアやと!?」

 

「お前?あいつのことをそんな風に言っているんだな」

 

 

それだけを言って俺は久しぶりに会ったロキにこれ以上何も言わずに俺は去ろうとする。そんな名前で呼んでいるくらいなら仲が悪いことは聞かずとも理解した

 

なら尚更何も言わずに去るべきだと判断した。言うなら俺は・・・・・もうお前らの敵と言うわけだ

 

それにロキに言いたいことは何も無い

 

 

「ちょ!?どこに行くん!?」

 

「ホームに帰るんだ。それ以外無いだろ?」

 

「あれから二年経って・・・・よくもオメオメと人の前に出てきたな!」

 

「否定はしない。俺だってここに戻ってくることはもう無いと一年前まではそう思っていた。でも俺には望みがある。それを果たすためなら・・・・俺はあんなことを起こしてもここで冒険者をやっていく。ヘスティアやベルも俺の過去を了承した上で俺を入団させてくれた。その恩もある。俺はヘスティアの期待に答えなきゃならない」

 

「そんなもん・・・・自分ができるんか?また嘘で終わるんやないのか?」

 

「今度ばかりは・・・・もう俺は引き返せない。俺はもう責任重大なことをしているんだ。二年前とは今の俺の状況は訳が違う。嘘だと思うならそう思ってくれて構わない。俺はそれでも・・・・二年前から嘘をつく気はない。どう思うか好きにしろ」

 

「一丁前に言うようになったやな・・・・・・なら二年前みたいにウチらを失望させる真似をドチビの所でもしてはアカンぞ?」

 

「お前に言われなくてもそうするつもりだ」

 

 

それだけを言って俺はロキから去る。往生際が悪いと誰も思うかもしれないがそれでも二年前の頃から俺は嘘をついてはいないとまだ言っている。プライド問題とは別に。それを否定しなかったら認めるのと同じだからな

 

二年前あの事件の後もそう思うべきだった。それを怒りに回しても何もならない

 

もう失った信頼は取り戻せない。特にヒューマンは

 

でももう二年前みたいに嫌になって逃げることはできない。もう俺は命を戦いに捧げなければならない立場に居る。正直もう俺の命なんて軽すぎるどころか、捨てるに値するもの

 

 

 

誰がどう思おうと

 

心の無い俺には・・・・・・・・それしか無い

 




主人公はゲルマン神話に出て来るジーク・フリート

その母親は北欧神話の雷神トールと

幼馴染にして義理兄でもあった豊穣の神フレイと言った


ゲルマン神話と北欧神話を合わせた設定のお話です


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