ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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原初の炎を壊した後で

ジークが一人で祭壇で原初の炎の欠片も一つも無いか、調べていた時のお話


おまけ:ある神の正体

これは俺が原初の炎を破壊し終えて、一人で祭壇の地下に潜っていた時の話

 

俺は念の為、原初の炎が祀られていた、ヘスティアが炎を抑え込んでいた地下の最深部に来ていた

 

そこで原初の炎の残りカスが少しでもないか確認するために一人で来ていた。でもそこまで来たはいいが、その眼で見なくても、俺はもう原初の炎に残りなどないとわかっていた

 

 

「一応、確認のために一人で来たが、やはり完全に破壊しきっていたか、突然原初の炎が勝手に地上に出てきたのは、流石の俺も驚いたがな」

 

 

原初の炎が勝手に地上に出てくるなど、俺でも予想できなかった。それだけヘスティアのアルカナムは心に通ずる源を元に発揮する力だと、俺も使っておきながら、今学んだ

 

だが、幸いにも本当に何もない。

 

ヘスティアがこの最深部で抑えていた場所にも、完全に原初の炎の気配はなく。これで俺たちはミッションコンプリートした

 

そして

 

 

「やり遂げたようじゃな。誰の犠牲もなく」

 

「キュロスか、やっぱりここに来ると思った」

 

 

突然後ろからキュロスが現れる

 

いつからここに来たのか知らないが、少なくとも、ここへ来るのは予想していた。でなければ俺も一人でここには来ない

 

この男には聞きたいことがあるわけだしな

 

 

「これで『あんた』とプロメテウスの悲劇の源は潰えた。あんたはずっとオリンピアを負い目に感じていたらしいから、これからは少し楽になれるんじゃないか」

 

「それはあの『眼帯野郎』に言われたのか?」

 

「ああ、爺さんにな。とにかく協力に感謝する。もしも俺たちがこの作戦失敗したら、どうするつもりだった?」

 

「もちろん儂が消滅覚悟でなんとかするつもりじゃった」

 

「流石と言うべきか、あんたがオリンピアをこんなことにさせたことはわかる。だからと言って『悲劇の作り手』・・・・・いつまでキュロスを名乗っているつもりだ?あんた?」

 

 

そう、俺はこの男を知っている

 

知っているから一人でここまで来た。まだベル達にも聞かれたくない俺個人の話。もうヘルメス達も、キュロスの正体を知っている。それを何度も言おうとしたが

 

だが、ここでは俺一人、そしてここへ呼んだのも俺

 

だからあえて、この男の名を呼ぶ

 

この男の名前は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雷霆の神にして神々の王・・・・ゼウス」

 

 

 

この男が、あの伝説のファミリアの双方の片方の主神

 

 

ゼウス・ファミリアの主神・ゼウスである

 

 

この老人が天界の王にして、爺さんと同じ大神レベルの男神。そして天界にあるオリュンポスの代表者。これがベルの祖父。いろんな英雄譚を書く。神々の王

 

 

「まさか、あのトールの息子がワシに協力を求められた時は驚いたぞ」

 

「母上があんな話をしなければ、俺もあんたを知らなかった。なんだかんだで爺さんもあんたのことを話してくれた。そういえばあんたの眷属が12歳の頃の俺に尋ねてきたぞ。確か名前は・・・・『ザルド』だったか?あとヘラ・ファミリアの『アルフィア』にも会ったぞ。あんたらは俺の父と母にとても関係があったようだからな」

 

「まあな、お前さんの父は本当に恐ろしい男だ。ヘラの団長と良い勝負だったからな。その息子がお前さんとは、やはり父親似じゃな」

 

「物心つく前に父は戦死した。これ以上は何も言えない」

 

 

ゼウスは、俺の父をよく知っていた

 

まあ、俺もその関係で知ったのだがな。まあなんにしても。俺も含め、ゼウスとヘラの関わりは大きくあるのだと、思って知る

 

 

「どうだった。あんたの孫は?」

 

「ああ、ここまでベルを育てたことを感謝する。ベルはこの道を選んだんじゃな。しかもここまで」

 

「そうさせたのはあんただろう?」

 

「まあな、本当によくやった。あの穢れた炎を、ワシの孫が浄化してくれた。祖父として喜ぶべきことじゃ」

 

「別れを言わないで行く気か?」

 

「これ以上は必要ない。儂の予想を超えるような物語を送ってほしいのじゃ」

 

 

そう言って、ゼウスはベルに別れを言わないでここから去る

 

早く去ろうとするのは、おそらくヘラに追われているからだろう。もうゼウスが下界に居る意味はないはず、黒竜ファフニールは俺が倒し、オリンピアも今ここで解決した

 

なのに、ここに居る理由は、ヘラに探られようとも、自分が成すべき事を全うしなければならない義務であるが故に

 

 

「礼を言うゼウス。俺たちはこれからも物語を続ける。だが今回の事件を解決できたのは、あんたのおかげでもある」

 

「なに、ワシはワシの不始末を片付けに来ただけに過ぎん、それを孫が変えてくれた。孫の成長も見れて、そして・・・・・・ワシの眷属達の仇を取ってくれたお前さんに感謝もできた。礼を言うのはワシもじゃ」

 

「これからも、俺たちはお前の想像を超える先を行ってみせる」

 

「ふむ、何かあったらまた儂に相談しても構わんぞ?」

 

「あんたヘラが怖いんじゃなかったのか?まあ、そう言ってくれるならそうさせて貰うがな」

 

 

「ではな、ジーク・フリード」

 

「また会おう・・・ゼウス」

 

 

これが俺とゼウスの地下でのやりとりだった

 

俺たちの物語はまだ続く。

 

 

これからまた何が起ころうと立ち向かうしかない

 

 

ゼウスが言うには、神々を超える物語を送るべきだと、言うが

 

 

そんな物語はもう俺たちは送っていると言うのに、この先それを超えるようなものがあると言うのだろうか

 

この『英雄の道』はまだまだ道のりに過ぎないと、ゼウスの言葉を理解するのだった




これにて、オリンピア編は終わり


次回


奇跡の聖夜祭編


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