ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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宣戦布告

翌日

 

 

今日はダンジョン攻略は休みにし、ギルド本部にて、昨夜の出来事をエイナに話していた。一応アポロン・ファミリアにギルドの警告を要請するように頼んでいる。念は念としてギルドからペナルティを出せば奴らも簡単に出だしはしないはずだろうと、エイナに頼んでいたのだが

 

 

「奴らの経歴を見る限り・・・・・ギルドの警告は聞かないようだな」

 

「そうね・・・・私も調べてみたけど・・・ペナルティを覚悟しながらもかなり街中で気に入った子供を眷属にしようと暴走を起こしたりもしているわ」

 

「そんなバカなことをいつまでも続けられるわけがないだろうにな、だが・・・・・・それをいつまでも可能するようにカバーしているのがアポロンだろうな。ギルドであろうと相手が神なら手も出すこともできないだろうからな・・」

 

「ええ、オラリオの街中でも気に入った子供を追っかけ回したりして、団員にしようとしたと言う事件が。何十件と言う経歴があるわ」

 

「それが連中だ。アポロンに忠実な眷属ではあるが、全員アポロンの言葉を鵜呑みにして、奴の欲望に答えてルールなどはお構いなし無しだからな」

 

 

エイナと一緒にアポロン・ファミリアの経歴を見ていたが、見た感想としては当然の最悪な奴らだと思った。

 

眷属の中にはまだアポロンの欲望の言うとおりにして被害を最小限にするために、追いかけ回されたくないために、無理に眷属になった者も居るらしい。それも都市から都市へ、オラリオの外に出てもそ、外まで眷属になるまでは追いかけるらしい。二年前も俺もこうなっていたかもしれないが、流石に俺の故郷までには詳細はわからず。追いかけることはできなかったようだな

 

まあ追いかけたとしても『爺さんのファミリア』が絶滅させられるだろうからな。アポロン諸共

 

 

「ねえジーク?もし襲撃でもされたら復讐する?」

 

「降りかかる火の粉を払うとしてだな、復讐するなら俺はアポロンも眷属も皆殺しにする。だが・・・・そんなのはヘスティアが望まないからそんなことはしない」

 

「皆殺しって・・・本気なの?神アポロンも?」

 

「エイナ。悪いが俺はそこまで良好のいいヒューマンでは無い。敵が神でも俺たちに被害をもたらすなら、俺は神でも殺すまでだ。俺はこう見えて・・・『神を憎んでいる』からな?」

 

「それは・・・・・神ロキも?」

 

「俺たちの邪魔をするならな。かつての仲間でも容赦はしない。二年前ならこんなことはしないが、俺はもう・・・それくらい残酷さを知った。敵であるなら情けを捨て斬るのみだ。情けを一つでも出せば自分が痛い目を見る。モンスターだってそうだろう?」

 

「そうだけど・・・でも・・・」

 

「幻滅してくれても構わない。それほど俺は悪い方に成長をした。強い力を得る分には代償が必要だ。その代償を払ったことがこんな無様な姿に成り果てたんだ。お前が気に病む必要はない」

 

「でも・・・・私は・・・」

 

「?」

 

「あなたの友人で居たいから・・・・心配しているの」

 

「そうか・・・・・・出来る限りそうするが、期待しないでくれ」

 

 

エイナ。本当にお前はギルド職員。受付嬢をして一番人気の高い女性だと、よく神や冒険者が言うが、本当に誰かを想う今のお前の姿は美しいだろう

 

だが

 

それでも幻滅して欲しかった。関わりを無くしてくれれば。俺がこれから残忍なことになると知らずに済んだのに。俺は本当に良好じゃない。仲間を守るために敵に容赦をせずに神だって殺せる

 

神を殺すことは大罪。だが俺からすればお前たちのやることこそが悪であり。神でさえも俺は許さない

 

下界で降りた以上は神にも平等に大罪を負う覚悟をして貰い。それでもなおを俺から大事な物を奪うのであれば殺すと、俺はもはや『ヒューマンらしい』姿になってしまったことを

 

 

俺は人を想いやるエイナとの関係を切りたかったが、どうやらそれでも彼女は俺の全てを信じ。友人として・・・・・俺の手を掴み。離さなかった

 

 

「もういいだろ?そろそろホームに戻りたい」

 

「え、ええ。わかったわ」

 

「ダンジョンの報告としてはこの一週間で18階層まで攻略を日帰りした。今度はタケミカヅチ・ファミリアも誘って20階層まで挑もうと思う」

 

「ええ。いくらジークが居ても・・・・そこまでは心配だからね。いい判断だと思うわ」

 

「問題は桜花達が賛成するかどうかだがな・・」

 

 

とりあえず報告として、これからのダンジョン探索は桜花達と手を組んでやることにした。ただまだ桜花達には言ってはいない。賛成してくれると探索は楽なんだが、引き受けるかどうかはまだわからない

 

ヘスティアとタケミカヅチはバイト仲間らしいからな。少しは交友はあると思うから受けてくれると思うが。この後タケミカヅチ・ファミリアのホームに訪問しようと思う

 

 

「じゃあ。これで頼む」

 

「ええ。アポロン・ファミリアからは気をつけてね?」

 

「ああ」

 

 

エイナに報告を済ませて。エイナと別れてギルド本部を出ようとする。アポロン・ファミリアがこれで終わりにするわけもなく。また何かしら俺に吹っかけてくるのではないかと警戒を解くことはできなかった

 

だから私服の状態ではあるが、パンドラボックスを所持し。中にはグラムが入っている。街中でも暴れようものならこちらも反撃する準備もできている。レベル5の俺を全員で掛かって倒せるものなら来ればいい

 

とアポロン・ファミリアの襲撃に対応するよう考えていると・・・・

 

 

「ヘスティア・ファミリアのジーク・フリードってあんた?」

 

「ですよね?・・・・」

 

 

「ん?ああ・・・・・・アポロン・ファミリアの団員か?」

 

 

「ええ、私はダフネ・ラウロス」

 

「私は・・・カサンドラ・イリオン。よろしくね?」

 

「ああ」

 

 

ギルド本部を出ようとした途端。赤い短髪な女と黒い長髪の女に止められた。二人はアポロン・ファミリアの制服を着ていた。アポロン・ファミリアの団員で間違いないだろうな

 

もしかしなくてもまさか襲撃か

 

 

「それで?お前達が俺に何か用か?それとも・・・・・ここで俺を暗殺しに来たのか?」

 

「違うよ。私達だってレベル5のあんたにまともに勝てないことくらいわかっているよ」

 

「ならなんだ?」

 

「私たちは・・・」

 

「ねえダフネちゃん?やっぱりやめよう?ジークフリードは『絶対に私たちのファミリアを滅ぼす』から?」

 

「ん?」

 

「まだそんなことを言っているのカサンドラ?夢で見たことでしょう?」

 

「夢だけど・・・そうじゃなくて」

 

 

「ほう・・・まさか『予知アビリティ』を持った冒険者か。珍しいな。まさかここにもそんな奴が居るとはな?」

 

 

「え!?わかってくれるの!?」

 

「珍しくはない。力や魔法を補う代わりにそういう特別なアビリティを持つ冒険者が居ることはな」

 

「私の夢を信じてくれるなんて嬉しい・・・・・私やダフネちゃんのように眷属にされそうなのに、私たちの敵でもあるのに、私の夢を信じてくれるなんて・・・・・・やっぱりいい人」

 

「ん?眷属にされそうなのにと言うのは・・・・・お前達二人はアポロンに無理やり眷属にされた者か?」

 

「ええ。あんたも災難ね。二年前からアポロン様に目を付けられて、それでロキ・ファミリアの仲間に疑われて、嘘つきなんて呼ばれるようになって・・・」

 

「俺に同情するとなると。あんなクズ共とは違うようだな」

 

 

確かにアポロン・ファミリアに無理に入れられた眷属が居ると聞いたが。まさかその者と接触するとは思っていなかった。少なくともこいつらに恨みをぶつける必要がないと判断した

 

 

「私だって今でもやめたいくらいよ。もっと別のファミリアが良い。でもアポロン・ファミリアの団員として仕事をしなきゃ。アポロン様に怒られるからね。これ受け取って?」

 

「これは・・・・・」

 

 

ダフネに渡された物・・・・・・・それは手紙だった

 

アポロンのエンブレムの付いた手紙。何かしらの招待状としか思えない手紙。とにかくそれを受け取る

 

もしかしなくてもアポロンからである事には間違い無いだろうと推測する

 

 

「じゃあ帰ったらそれを読むようにして」

 

「アポロン様のそう言う指示だから・・・」

 

 

そう言って二人は俺の元から去っていく

 

帰ったらすぐ読むようにしろとなると。俺一人で読むような物じゃないようだな。アポロンからの招待状となると。想像つかないが何かのパーティーのお誘いだろう

 

とにかく俺は予定を変更してすぐにホームに帰宅した

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてそれを持ち帰りヘスティアに手紙を渡し。彼女は嫌々そうにしているが、仕方なく開封し、中身を読むと・・・・・・・ため息が出た

 

 

「どうだ?」

 

「はあ・・・・うん。間違いなくアポロンの誘いだ。まさかこんなタイミングで出すなんて・・・・・・目的はジーク君を狙っているとしか思えない」

 

「神の宴ですか?」

 

「うん。そうだよベル君。天界でも色々あったからね・・・」

 

「それで内容は?」

 

「ああ、うん・・・・・『今日の夜。宴会をやるから君たちも来て欲しい。必ず眷属二人を同伴させるように』だって。ファミリアの子を一人ならともかく、僕らは二人を用意させろだなんて・・・・明らかに僕らのファミリアが眷属二人しか居ないの知ってて・・・ジーク君を無理矢理でも連れて来て欲しいようだね」

 

「それでどうする?受けるのか?」

 

「ジーク君はどうなの?」

 

「俺は参加すべきだと思う。昨夜あんなことがあったのに、いきなり俺たちを宴に誘うとなると何か目的があるだろうと考えは付く。警戒して無視するよりも、こっちから出向いて・・・さっさと連中の目的をハッキリさせてケリを付けた方が早いからな」

 

「じゃあジーク君の了承も得たってことで参加する事にしよう。でも僕らだけで行くよりも・・・・タケやミアハ達も呼んでみんなで参加しよう!」

 

「了解した」

 

「でもジーク君はスーツや洋服は持っているのかい?」

 

「心配するな。俺も一応そういうのは所持している」

 

「でも・・・・・大丈夫なんですか?その・・・・・あんなことがあったのに・・」

 

「もちろん大丈夫じゃない。だから一応ナイフを懐に隠して持っておけ。いくら宴会でもそんな殺伐なことはしないとは思うが、敵のアジトに行くのと変わりはない。念のための用心はしておけベル」

 

「はい!!」

 

「それとヘスティア。ミアハたちを呼ぶなら俺の金を使ってミアハたちに服を用意させてやってくれ。あっちのファミリアは本当にお金が無いから・・・」

 

「うん。ありがとうお金を出してくれて・・・」

 

「構わない。団長としての務めだ」

 

 

こうして半ば俺の意思で動いているようなものになってしまったが

 

アポロンの神の宴に参加することとなった

 

だが相手は昨日暴言を言って来たファミリア。そして二年前俺を貶めた憎きファミリア。当然その場所に行くのだから警戒は取るようにしていた

 

だからなのか、ヘスティアも俺たちだけでなく招待されていないミアハやタケミカヅチ・ファミリアにも声を掛け、なるべく協力ファミリアにも助けてもらう為に神の宴に誘う

 

彼らもその宴に参加することを決め。タケミカヅチからは眷属に命を連れて行くことを決め。ミアハたちは服が無いと言っていたから俺が洋服店で金を出してミアハとナァーザの分の服をタダで渡し。ミアハ・ファミリアも参加してくれると決めてくれた

 

 

 

にしても何が目的で俺たちを招待をするかなどは・・・・・・・見えている話だが。また俺を二年前のように貶めて。主神と団員の信用を無くさせて俺を無理にでも眷属にする魂胆だろうが。逃げていても追いかけるのなら受けて立つしか道が無いと

 

内心嫌々ながら俺も参加するしかなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺たちは馬車で送ってもらい。神の宴会場であるアポロン・ファミリアのホームにやって来た。他の神もゾロゾロと会場に入っているのが見える。どうやらアポロンは盛大に宴を盛り上げるつもりだと理解した

 

まだ入り口だって言うのにやはり落ち着かない。敵のアジトだからなのか、あいつと会うのが嫌だからなのか、俺は流石にパンドラボックスに武器は入れてないが、もしもの場合はおふくろやフレイに悪いがミョルニルやレーヴァテインを使うしかないかもしれないと警戒を解くことができなかった

 

しかも服装がおかしいのか、今周囲に居る女性冒険者や女神に顔を赤らめてこちらを見ていた。黒いタキシードは不味かったのか

 

 

「やっぱりジーク君はイケメンだね。青髪のクールな青年。黒いタキシードに胸ポケットにある青い薔薇が物凄く似合うよ」

 

「そうなのかヘスティア?」

 

「はい!他の女性冒険者が凄く見惚れていますよ!」

 

「ベルがそう言うなら俺のファッションセンスは間違ってないと認識するが、俺はフレイのようにお淑やかにはできないぞ?」

 

「それはアポロンの宴だからだろ?君が意外と根からの武人だとは思っていたけど。こう言う時くらいは気を緩めてもいいんじゃないかい?」

 

「生き方が生き方だけに、こういう社交パーティーは好きじゃない。普通に酒を飲みながらのどんちゃん騒ぎの方が俺には向いている」

 

「うわあ〜。それを言われると確かにトールの息子って感じはするな。確かに宴会の方がトールも好きだからな。こんなダンスパーティーよりも・・・」

 

「でもジークさん。どんちゃん騒ぎをするような性格には見えませんけど・・・・どっちかと言うと一人でバーに行って静かに飲んでいる方が似合っている感じがします」

 

「あ、ベル君それは僕も思った!」

 

 

「そう見えていたのか?俺のことを?・・・・」

 

 

俺はそこまで派手のない男だと見えたのだろうか

 

こんな社交パーティーの方がお似合いだと言われた。確かに大人しいとか故郷の者に言われる。そんな大げさに笑うようなことはしない。隅の方で静かに飲むくらいだからな

 

母親も確かにこういうのは好きじゃないと言ってはいたが。その血を俺の体にも流れるからなのか、遺伝的に好きではなかった

 

 

「それじゃあ!ミアハたちやタケたちも先に中に居る!行こう!」

 

「はい!」

 

「ああ・・・」

 

 

そうして会場の中に入っていく。扉の隣にアポロンの眷属たちが警備しているが。武器は所持してないようだ。

 

 

やはり会場に入ると警戒をしてしまい。危険が無いか分析を始めてしまう。敵のアジトではあるが。俺にはやはりこんなのは似合わないと思った。

 

 

 

そうして会場の中に入ると

 

 

「やあ!ヘスティア!ベル君!そしてジーク君!」

 

「まさか貴方も来るだなんてね。ジーク」

 

「お前たちも来ていたのか。ヘルメス。ヘファイストス。」

 

「当然さ!なにせ今日はアポロンからの無礼講だからね!」

 

 

来ていたのはミアハやタケミカヅチのファミリアだけでなく、ヘルメスやヘファイストスのファミリアも来ていた。どうやらアポロンは鍛治師ファミリアや情報の多いヘルメス・ファミリアも呼んでいたようだ

 

そして眷属にはヴェルフとアスフィが居た

 

 

「ジーク。ヘスティア。俺たちまで誘ってくれたことを感謝する」

 

「いいんだよタケ!バイト仲間として当然さ!」

 

「すまんな。私たちには洋服や馬車まで手配してもらって・・・」

 

「気にするなミアハ。金に困っているファミリアとは言え。息抜きは必要だ。存分に楽しんでくれ。ナァーザもな」

 

「ありがとうジーク」

 

 

 

「よおジーク。なんか・・・・・堅苦しくないか?」

 

「ヴェルフ殿もですか?自分もこういうのは・・・・」

 

「なんだ二人とも?お前たちも社交パーティーが苦手か?俺もあまり好きじゃない」

 

「そうか?・・・」

 

「ジーク殿はこの中で一番似合うと思いますよ?」

 

「だよな命。絶対にこいつは社交パーティーが似合うタイプだ。ヘファイストス様もそう思いますよね?」

 

「そうね・・・私もジークはとても似合っていると思うわ」

 

 

「お前たちまでそんなことを言われるとは思っていなかったぞ」

 

 

「確かに!ジーク君はハッキリ言うならフレイ並みに美しい眉目秀麗だ!それならウチのアスフィと似合うぞ!アスフィも社交パーティーが似合う美しさだからね!」

 

「や、やめてくださいヘルメス様!」

 

「さあ。並んでジーク君。どうか・・・アスフィの隣に!」

 

 

「なんでこうなる」

 

 

俺が服装からしてとても似合っているとヘルメスから言われて。社交パーティーが似合う者同士で隣に立たされる

 

 

「「「「「おお!!」」」」」

 

「確かに似合います!」

 

「二人とも美男と美女だからね・・・」

 

「これは確かにね・・・」

 

「すげえ・・・なんの違和感もねえ」

 

「ふむ。確かにお似合いだ」

 

「通い慣れているような感じはする・・・」

 

「これは注目の的になるな・・・」

 

「はい!それほどお二人が夫婦にも見えますよ!まるで貴族の御家柄のような二人です」

 

 

「ふ、夫婦!?」

 

「今立たされて。俺とアスフィがそんな風に見えるのか?」

 

 

「素晴らしい!!まさしく社交パーティーのメインにもなるような二人!ああ!ダンスに誘われるのは間違いなしの二人だ!それとも二人がダンスをこれからする予定かな?」

 

 

「そんな予定は無い」

 

 

ヘスティアやベルでさえも。俺とアスフィが社交パーティーに似合う者同士だと断言されてしまった。ダンスはできるが。俺は宴会の方が割と好きで、こう言う服装も持っているとは言えあまり着ない上に。俺は大騒ぎするような宴の方は風情があって好きなのだがな

 

ヘファイストスやタケミカヅチやミアハにまで社交パーティーが似合うと断言された

 

 

 

 

 

 

「諸君!!今日はよく足を運んでくれた!!」

 

 

「ん!アポロン・・・」

 

「出てきたか・・・」

 

 

主催として出てきたのは。俺が世界で一番に憎む神であり。この手で殺したい相手『アポロン』

 

何が太陽の貴公子だ。お前のような欲望だらけの偽善者は太陽ではなく。もはや裏のある黒太陽。お前にはふさわしくない

 

太陽にふさわしいのは常にフレイだ。フレイのような太陽の輝きを見せるほどの暖かさを持った者こそが太陽の神にもふさわしい

 

 

 

 

奴が出てきた瞬間、二年前のことを思い出し怒りや憎しみを抑えることができなかった

 

 

「私の宴に来てくれて感謝する!!愛している子供を連れて宴会を開くのも一向だろうと私の一存で開いた!私は多くの同族!そして愛する子供達の顔が見れてとても嬉しい!今宵は新しい出会いもあるだろう!いや!必ずある!!」

 

 

「!」

 

 

今『必ずある!』と宣言したところで奴は俺を見た

 

やはり俺が目的でこんな宴をわざわざ他の神も招いてまで開いているようだな

 

 

 

「夜はまだ長い!皆!存分に楽しんでくれ!それではグラスを!」

 

 

どうやら夜は確かに長そうだ。なにせ・・・・・・イカれた神が招く・・・・・宴ではなく・・・見せしめなようなものだからな

 

 

「それでは・・・・乾杯!!!」

 

 

「「「「「乾杯!!!」」」」」

 

 

そうしてアポロンの宴は開かれた

 

乾杯に関しては俺はグラスも持たず。そのままアポロンを睨みつけていた。やはりこの宴が罠だと。確信は無いがそうとしか思えないと警戒をまたも強くした

 

そしてヘスティアは料理をどんどん口に運んで食べたり、皆グラスを持っておしゃべりをするなど。礼儀を見せるように荒々しい場面は何一つ出ないまま。俺はヘスティアの近くでグラスも持たずに料理も口にせずに、アポロンを見ていた

 

 

それはまるで警戒している鳥が、狙ってくる猛獣に睨みつけて近寄るなと言うように

 

 

「あの・・・ジークさん?挨拶はどうしますか?」

 

「必要ないだろうベル。俺たちが挨拶しなくてもどうせあいつからやって来る」

 

「それで狙いはお前だよな?ジーク?」

 

「ああ。間違いなくあいつはさっき。俺を見ていた。この宴が俺を誘き出す罠とでも言うべきだろうなヴェルフ」

 

 

「おや?やっぱりジーク君はアポロンが嫌いか?」

 

「当然だなヘルメス。二年前の憎しみのことはどうしても消えずに消えなくてな。それに嫌いなのは俺だけじゃない。だろ?ヘスティア?」

 

「当然だよ!僕だってあいつのことは嫌いさ!でも今日は仕方なく来ただけだよ!!」

 

 

「ほらな?」

 

 

アポロンは見初めた相手は女性よりも男性の方が多い。ヘスティアが言うには天界にいた頃にはヘスティアにも求愛しており、彼女からは苦手意識を持たれているらしい

 

処女神でもある女神にまで手を出すとは。どこまで執念深いんだ。あいつは

 

 

「そうか・・・・まああのアポロンだからね?男ではあるけど君の美しさに見惚れて欲しくなったんだろうね?」

 

「あいつの趣味は本当に悪趣味だ」

 

「でも・・・・・君が気になるのはどうやらアポロンだけじゃないみたいだよ?」

 

「誰だ?」

 

「周囲の女神や女性冒険者だよ。特に・・・エルフの女性冒険者だね」

 

 

「ああ。それは気づいている。だがそれは俺がトールの息子だからとか、フレイの義弟だからだろう?」

 

「それだけじゃない気がするけどね・・・」

 

 

ヘルメスが周囲の者たちが俺に注目していると教えてくるが、それに関してはさっきから気づいている。話しかけられても話すことなんて無いだけなのだが、アポロンを睨みつけ続けるのも意味も無いと疲れも出るため

 

俺を普段他の女神やエルフの冒険者がどんな風に見ているか知りたくなり、アポロンを睨むのやめて、ベルたちとかなり距離を取って離れ

 

 

話しかけられるように場の雰囲気を取り、一人になって柱に寄りかかって待ち。話しかけらる状態を作った

 

 

すると、女神や女性エルフが俺の方まで集まってきた

 

 

「あ・・あの!ジーク・フリード様ですか!」

 

「様?様と呼ばれる程俺は価値が無いと思うが。エルフの者だな?」

 

「はい!我らが崇拝するフレイ様の義弟にして幼馴染だと!主神様から聞きました!あなた様を正体を知らなかったとは言え!あなたは高貴なお方です!」

 

「俺はハイエルフでもなんでも無いんだが?」

 

「ハイエルフでなくても!あなたのようなフレイ様と同じ美しい眉目秀麗なヒューマン!間違いなくフレイ様の義弟で間違いなしのお方です!」

 

「俺はあいつの様に微笑むことはできないぞ?」

 

「そんなことをしなくても!あなた様が尊敬に値する様な実力を所持し。フレイ様の義弟と呼ばれる様な顔立ちをしている時点で、あなた様がお優しい方だと見てわかります!」

 

 

「第一印象は大切だとよく聞くが、お前たちの眼は俺の顔を見てそう思うのか?」

 

 

 

「聞いたわ!あなたがあのトールの息子ね!」

 

「女神か?ああ。そうだが」

 

「あのトールにこんな美形の子供を産んだなんて!とても信じられないわ!もしかしてお父さんは顔立ちのいいヒューマンかしら?」

 

「さあな。俺は父親の顔は知らない。俺が生まれて一年の時に亡くなったらしいからな。あんたらはそんなに俺がトールの子に見えないか?」

 

「ええ、だってトールは乱暴者で食事をする時も豪快で、このダンスパーティーでも酒に酔って全裸になるくらいのまるで男神の様な女神よ?それで神の中で最も最強に近いんだから卑怯よ。なのにあなたは静かでとてもクールだわ!トールの子に全然見えないわよ!」

 

「ジーク君はまさしく父親似ね?」

 

「確かにおふくろならそう言うことをしそうだな。まあ性格からして母親では無いと自覚はするが、根からは母親譲りだと思っている」

 

「しかもそんな性格しているのにスタイルは本当に抜群なのよ!あの『デメテル』にも負けないくらいの巨乳よ!天界の頃はあれで全裸になって惚れた男神は多いくらいよ?」

 

「確かに鼻血を出して近づいてきた男神は多かったとおふくろから聞いた」

 

「でも全部男神の誘いを断ったのに、下界に降りたらヒューマンの子供と結婚していたなんて私たちでも知らないわよ!あのトールが結婚を決意するほどの魅かれる男性のヒューマンが居たのかしら?」

 

「おふくろは結婚は考えておらず独身のままで居ようとしたらしいが、自分のファミリアである子供と縁が出来たのか、その眷属の子供に手を出して母親になったと聞いたぞ?」

 

「え!?トールは自分のファミリアの子に手を出したの!?」

 

「そう聞いた。メンバーは俺も知らないがな」

 

「私たちでもメンバーは知らないけど、流石にトールもファミリアを結成したって聞いたことはあるけど。まさかあの雷神。眷属の子と結婚したの!?」

 

「下界では珍しく無いがな。下界の子供と神が結婚して子供を産むなんて・・」

 

「だとしてもロマンチックよ!私もそう言う恋を眷属としてみたいわ!」

 

「ねえ?詳しく知らないの?お父さんのこと?」

 

「そこまでじゃないが・・・・確か俺の父親はおふくろの最初の眷属で団長だと聞いた」

 

「最初の眷属で団長!?ますますロマンチックさを感じるわ!」

 

「まさしく禁断の恋よ!団長と主神の禁断の恋!?ああ!いいわ!あのトールにそんな乙女の様な恋をしていたなんて羨ましいわ!」

 

 

「おふくろもその話をする時は気恥ずかしそうにしていたからな」

 

 

おふくろは確か色恋沙汰を話すは苦手だった。全裸になるよりも

 

子どもの頃よくどうして父親と結婚したの?とその話を聞かせて欲しいと甘えたが、その時のおふくろは乙女らしいと言うか・・・・全然落ち着く様な素振りもなく。気恥ずかしそうに顔を真っ赤にし体から流れる電流が制御をあまりできてないほどに恥じらいがあった

 

普段外で全裸になる様な雷神でも、恋沙汰には弱いらしく。父親の話をする時はいつもぎこちなかった

 

 

「トールってそんな恋をしていたなんて意外だわ・・・」

 

「神ぞれぞれによるんだろう。下界は本当にあんたらが思うほと以上に神にとは到底想像のつかない予想のない出来事があると言うわけだ。神でも自分の全てを捧げてでも愛したい者ができたってことだろう。愛しいものが居たらそうするものだろう?」

 

「へえ・・・・じゃあジーク君もそういう恋をしているのかしら?」

 

「気になる女性は居る・・・・・・彼女は・・何が何でも俺を信じてくれる女性だ」

 

「ジークフリード様に気になる女性!?エルフの方だったりしませんか?」

 

「まあ・・・・もう一人も確かに居る。その者はエルフなのだが・・・彼女たちは本当に俺が絶望に突き落とされても俺を見捨てなかった。誰もが俺のことを嘘つきだと言っても。俺のことを全て信じてくれた。そんな気になる女性が二人居る。それが名前は言わないがヒューマンとエルフだ」

 

「いいですわね!その話!」

 

「彼女たちは・・・完璧な女性ではない。料理が最悪に悪く誰が食べても吐いてしまうほど欠点の多い女性で押し付ける様な一方的な愛情を出してくる。それでも俺は嬉しい」

 

「「「「おお!!」」」」

 

「彼女二人だけではないのだが、それでも俺は・・・・・・愛おしいと想える様になりたい。そうすれば・・・・・・俺もおふくろの様に彼女たちに全てを投げ出しても良いほどの想いができると思うからな。恋は・・・・・良いものだからな」

 

「おお!ジーク君は恋がわかるなんて素敵ですわ!!」

 

「さすがはフレイ様の義弟!恋がわかるなんてなんて素敵な紳士です!」

 

「本当にヘスティアには勿体無いほど、良い子供だわ!」

 

 

「まだ俺は恋は完璧に理解してないんだぞ?褒めるにしても謙遜に過ぎない」

 

 

フレイの恋沙汰やおふくろの恋沙汰

 

その親や兄に恋の素晴らしさを語られた俺にしかわからないこと。でもそれでも想いを寄せられることだけにしかまだ理解ができては居ない。あの二人は恋を寄せていたに過ぎない

 

おふくろは父へ

 

フレイからゲルズへ

 

と、恋を抱かせる想いは確かに理解はできる

 

 

でも

 

 

俺はカオス・ヘルツのせいで、俺が恋は素晴らしいと言うが。俺がまだそう寄せたいと思ってはおらず。ただ愛し合うことの素晴らしさを感じるだけ

 

なのに、俺が愛する気持ちがない。フレイにお袋、俺はまだあんたらが下界に居たらどんな風に恋が芽生えたのか、どんな風に想いを寄せれば良いのか聞いておけば良いと後悔はしていた

 

寄せられると感じても、そう寄せたいと言う気持ちは芽生えない

 

恋を寄せていたあの二人に聞けば、少しは俺にもそんな想いができていたかもしれない。それでもそう思わないのは彼女たちが本当に俺を想ってくれるか心配したからだろうな

 

 

「それにしてもロキのファミリアとは災難だったわね?」

 

「まあ・・・・二年前の疑いは確かに心には来ている」

 

「ロキも・・・なんでこんな素晴らしい子を疑ったのかしら?神に嘘なんて通用しないのに・・・」

 

「・・・・・・・」

 

 

それが嘘だと通ってしまったのは俺のスキルが原因。神に嘘がつくことは確かに神威の繋がりで不可能だが。それを無効にすることのできる俺のレアスキル、ゴット・シェアシュテールングのせいで俺の疑いを見抜くことができず。

 

俺の悪い行いだけを評価したことで疑ったと推測しているが

 

 

あいにくヘスティアも神の力を無効にできるスキルを他の神に教えることはできず、俺が神に嘘をつくことも出来るスキルを所持していることは知らないため

 

ロキたちの二年前の俺への疑いを他の女神や女性冒険者が非難していた

 

 

 

「トールの息子ってことはジーク君は、ロキの甥にもなるってことでしょ?その甥を疑ったとなると、ロキも気の毒ね?」

 

 

 

「ウチらがなんやて?なんか言ったか?自分ら?」

 

「あ!?ロキ!?」

 

「剣姫も!?」

 

 

「やはり来ていたか・・・お前たちも」

 

「やあジーク。他の神々やそのエルフの女の子たちがウチの悪口を言っていたんか?甥を疑った最低の叔母やと?」

 

「まあ・・・・・それらしいことをな・・・」

 

 

ロキもアイズもどうやらアポロンの宴会に招待されていたらしく。アイズを連れて出て来たようだ。アイズは物凄く気恥ずかしくしている

 

ドレスなんて着たことのない彼女にとってはなかなかに慣れない場所だからだろう。リヴェリアかフィンのどちらかを連れて来ると思っていたのだが、まさか自分が選ばれるなんてアイズ本人も思ってないことだろう

 

アイズはパーティーと言う宴会は参加した事はない。だからダンス自体もわからない庶民生まれの子供だから、こう言う状況の把握はできないようだった

 

 

「あらロキ?もしかして今更ジーク君と仲直りしようとしているの?散々二年前は彼を侮辱したりも喧嘩したりもしたのに?」

 

「そうや!ウチは今後悔しているんや!」

 

「仲直り自体は、この前の酒場の宴会で散々縁を戻そうと要求されたがな?」

 

「ウチもまさか姉貴の息子が・・・・まさかジークがウチの弟なんて思ってなかったんや。本当の家族でもあるウチはとんでもないことをしたっと思っとるん。だからウチのファミリアには戻って欲しいと願っている。でもそれは聞かないとわかっているんから・・・・せめてまたアポロンにちょっかいされてないか、最低な叔母なりに甥の様子を見に来たんや!」

 

「・・・・・」

 

 

縁は戻れないとわかっている。絶縁状態に近い。でも血の繋がりのある姉の子には変わりはないと、俺を見守りに来たようだ。どこで俺たちがアポロン・ファミリアの宴に行くことを知ったのかは知らないが

 

最低ではあるが、叔母として様子を見に来たようだな。

 

二年前は俺と散々なことを言い争った癖に。甥だと知った瞬間。こんな所でもこんな風に俺を見守るのか。加担するとはな

 

 

「お前らもうよせ。俺はロキ達に恨みはない」

 

「いいのですか?私たちエルフとしては・・・・リヴェリア様の居るファミリアにあれこれは言いたくないのですが・・・」

 

「お前らの言いたい事はわかる。だが・・・・ここはアポロンの宴だぞ?そう言う嫌な話は御法度だ。良い話だけにしてくれ」

 

「ジーク君がそう言うなら・・・」

 

 

他の女神やエルフの女性冒険者達が俺の言葉を聞いてロキ達を責める言葉を止めた。俺の部下じゃないのに、女神でもあるのにこいつらはよく俺の言葉を聞いてくれた

 

恨みはないと言わなければ、こいつらはそれ以上にロキを責めるのではないかと止めた。

 

俺の意思でロキが責められるのを見ていられなくなったのだろうか、自身のしたことの自覚まで俺は感情を失っていた

 

とにかく俺は女神やエルフの女性冒険者達と離れてロキの所へ

 

 

「ありがとうなジーク。ウチが助ける側なのに・・」

 

「礼は要らない。お前のためと言うより・・・・警戒を続けたいからだ」

 

「また何かされたんか?」

 

「昨夜またあいつらが暴言を言いに俺達が酒場で夕飯をしている所に来た。それで今日の日にここに呼ばれた。やっていることが二年前と手口が同じだ」

 

「まさか・・・・またなんか?」

 

「もしかしかするとな」

 

「アポロンの奴!・・・・く!」

 

「よせ、何をする気だ?」

 

「決まっとるんやろ。アポロンに文句を言いに・・」

 

「今のお前にそんな立場無いだろう。感情的に動くな」

 

「くう・・・・そうやな。ごめんな?」

 

「いい。お前達はただ俺たちのやることを見守っていろ。それしか今のお前たちにはできない」

 

「うん。そうやな・・・・・」

 

 

ロキの落ち込む姿を見たのは初めてだった。それだけかなり後悔していると理解した。やってしまったことにやり直しが効かないと賢いこいつなら理解しているのに

 

家族でもある弟のために、そこまで頭が回らないようだ

 

家族想いがあるのはわかっている。でもまさか自分の立場を忘れてまで俺のために助けるとなると。こいつも俺と同じように変わったんだなと理解した

 

 

「ああ!!ロキ!!またジーク君にちょっかい出しているな!!」

 

「うっさいドチビ!ウチはジークが心配で来ただけや!こんな宴会!ジークが来ないと知ったらウチでも行かんわ!!」

 

「甥を疑って見捨てたアホ叔母が!!」

 

「言ったなドチビ!!ぶっ殺したるーーーー!!」

 

「お前ら落ち着くことを知らないのか?ヘスティアも落ち着け」

 

「ジークさん?ロキ・ファミリアも来て・・・・・アイズさん!?」

 

「ベル・・・こんばんわ」

 

「こんばんわアイズさん!似合っていますね・・」

 

「うん・・・・・似合っている?ジーク?」

 

「ああ、ドレスは似合っている。お前がオシャレを好まない庶民娘だからそう思うだけだ」

 

 

俺とロキが喋っているのをヘスティアとベルが見かけて飛びついてきたようだ。ヘスティアとロキはやはり険悪な仲だ。取っ組み合いまで始めてしまった

 

 

「大丈夫・・・・だよね?」

 

「大丈夫だから心配するな」

 

 

そしてアイズもまだ気恥ずかしいのか、本当にこのドレスが似合っているか、聞いてくる。似合ってないと言うなら赤いタキシードを着ているロキの方だろう

 

胸が無いからと言って、男装するか普通

 

 

「おお!?剣姫も来たのか!?」

 

「うん・・・ジークがここに居ると知って・・」

 

「やはりアイズ殿はジーク殿の所にどこでも現れますね?」

 

「差し詰め・・・・兄を追いかける妹?」

 

「確かに言われてみれば私もそんな感じはしますね?」

 

 

「命?ナァーザ?アスフィ?俺はあいつの兄だったとしても。どこまでも追いかけるのはやめてほしいんだが」

 

 

ヴェルフ達に散々なことを言われてしまう

 

兄のようなものだと・・・・自覚はしているが

 

俺はそこまでこいつの世話をするつもりも無い。アイズだってもう16だ。いつまでも俺がこいつの側に居られるとは限らない。もし俺をどこまでも追いかけようとするなら・・・

 

少し釘でも打っておこうかと、アイズに注意をしようと思ったが

 

 

「っ!」

 

 

突然。後ろの方から予想の付かない。フィン達をも超える『絶大な魔力』を感知して、後ろを振り向いた

 

 

「これは・・・」

 

「え?どうかしましたか?」

 

「まさか・・・・ここに・・」

 

 

それは女神の反応もあるが。それはまだ小さく。そこまで驚くほどの力では無い。一番に反応したのはその女神の隣に居る『猪人』

 

体に流れる電流が一気に放出をしてしまうほど。警戒がかなり強くなった。それは明らかにフィン達とも比べ物にならないほどの絶大な力

 

 

そんな力を持ち。猪人と言ったら・・・・・あいつしか居なかった

 

 

 

 

 

後ろの方に振り向いた先に居る女神や冒険者達が、一斉に出口の方に顔を向けて驚いていた。その顔を向けた先に

 

ある冒険者と女神だった

 

 

それは・・・・

 

 

「フレイヤだ!?」

 

「オッタルも居るぞ!?」

 

 

フレイヤ・ファミリアだった

 

主神のフレイヤ・団長のレベル7のオッタル

 

どうりでデカイ魔力を感じると思ったが。やはり猛者の魔力だったか

 

これがレベル7の魔力か。ハッキリと言って凄まじい。レベル6と7の差がここまでデカイだなんて、俺も思ってもみなかった

 

世界でレベル7はオッタルと。何処かに居る『ポセイドン・ファミリアの団長』と。俺の故郷に居る『あのチビ女』の世界に三人のみ

俺もこれで二人目のレベル7にで出くわしたが、レベル5になってもやはり全然別物だと感じる。階層主とは訳が違う。あのチビ女のように鳥肌が立つほど。俺の体から反撃に出る準備が出るほど。雷が手から放出してしまう

 

 

「おい!?あれって!?」

 

「レベル7の・・・・」

 

「オッタル・・・・」

 

「猛者とあの女神が・・・なぜここに?」

 

「猛者・・・・・」

 

 

「ジークさん?もしかしてあの猪人が?」

 

「そうだベル。あれがこの都市最強の冒険者にして、唯一のレベル7の一人。オッタルだ」

 

「あれが・・・」

 

 

ヴェルフも命もナァーザもアスフィも。ベルやアイズまでも

 

レベル7の迫力に驚いた。冒険者としての血が疼いたのか。もしくは根からそのような冒険者つながりとしての関係があるのか、オッタルを初めて見ての感想が言葉もあまり出せないほどの強力さだった

 

武器を持ってないだけでの迫力

 

用心してないとは言え、奴を今襲っても勝てる自信は・・・・・・スキル頼りでなければまともに不可能だと悟る

 

 

「ジーク君?まさか・・・」

 

「そうだヘスティア。バベルの塔で篭っているあいつがここに来たとなると・・・・目的は俺だろうな」

 

「ジークが目的で降りてきたんやな。あの色ボケ女神め」

 

「流石にフレイヤでも・・・フレイの弟さんを一目見ておきたかったのね?」

 

「おそらくはな・・・」

 

「そうであろうな・・・」

 

「フレイヤが神の宴に出るのは・・・あまり滅多に無い」

 

「完璧ジーク君が狙いだね?」

 

 

ヘスティア達神達はフレイヤが神の宴に参加したことを驚いている

 

それだけ興味のないものには本当に見向きもしない女神だからな。フレイの弟でもあり、フレイの唯一の居場所を知っている俺に接触したいがために、わざわざこんな所に降りてきたのだろうと

 

考えが付く

 

 

「ん?ふふ。見つけた」

 

「・・・・・」

 

 

やはり俺を探していたようで、俺の方にまっすぐ向かってきた

 

そして俺の方に近づき。フレイヤはまずは俺の周囲に居るヘスティアやロキ達神に挨拶する。

 

 

「久しぶりね。ヘスティア。へファイストス。ミアハ。タケミカヅチ。ヘルメス」

 

「や、やあ」

 

「ええ。あなたが降りてくるなんて珍しいね?」

 

「よ、よお」

 

「そなたは今日も美しいな」

 

「おやおや?珍しいね?君が降りてくるなんて?」

 

 

「まあね。少しきになる子が居てね・・・」

 

 

「・・・・・・」

 

 

「うわあ・・・」

 

「近くで見るとやべえな?・・・・」

 

「とても美しいです・・・」

 

「さすがは美の神・・・」

 

「圧倒的な美しさですね」

 

「前も見たけど・・やっぱり神フレイヤは凄い」

 

 

「お前らあまりフレイヤを見ない方がいいぞ。あいつは女でも魅了させる眼を持っているからな」

 

「そうだぞベル君!!フレイヤを見るな!!」

 

 

始め会った時は全然美しさは感じられなかったが。他の子供達は神の魅了に通じるのかやや恥ずかしそうにしていた。でもそれは神も同様な様で、少しタケミカヅチやヘルメスが物凄く照れていた

 

 

「なんやフレイヤ?ウチの甥になんか用か?」

 

「あらロキ居たの?全然気づかなかったわ・・・・・それに甥?あなた二年前彼を疑って裏切ったくせに、トールの息子だと分かった瞬間態度をコロっと変えるなんて随分と図々しく馴れ馴れしいのね?」

 

「そうや!ウチはしてはならんことをした!図々しいのは当然や!ウチはロキや!裏切ってしまったことへのジークの怒りもウチは受け止めてでも!ウチはジークの叔母として接するつもりや!」

 

「本当にあなたは邪神ね?」

 

「好きなだけ言え!ウチの甥を魅了するな!この色ベケ女神!!」

 

 

「はあ・・・・言い争うなら別の所でやってもらえるか?ここはアポロンの宴だ。ロキ?さっきも言ったが悪い話は御法度だ。仕事の話ならともかく良い話や笑いが出るような話だけにしろ」

 

「うう・・・ごめんや」

 

 

フレイヤもかなりロキに挑発したが、俺とロキの縁を完全に引き離したいがために、あんな言い方をしているようだな、ライバルファミリアで啀み合いの多いファミリア同士として、俺の縁を結ぼうしたようだな

 

フレイの弟なら、自分はフレイの妹として、俺を弟扱いして姉になろうとしたようだなと推測する

 

 

「見かけたのが一度。初めて会うなフレイヤ」

 

「そうね。ジークって呼んでいいかしら?」

 

「好きにして構わない。ロキ達とは敵対しているとは言え・・・・俺とロキを引き離すためにそんな言い方をしたのか?」

 

「ええ。あなたを疑って捨てた甥よりも・・・・あなたの全てを信じる義姉の方がいいでしょ?」

 

 

「お前もロキも変わらないだろ?お前達二人はどっちも俺がトールの息子・フレイの幼馴染にして弟だと知った瞬間行動に出たのだろう。二つ名を考案してくれたことには感謝はするが、図々しいのは二人とも同じだ」

 

「あらあら。それはごめんなさいね」

 

「ウチも悪いとは思っとる。団員の頃にそれを知っていればウチだって・・」

 

 

「あれ?ジーク君?フレイヤの魅了に平気なの?」

 

「まあなヘスティア。確かに綺麗な女神ではあるが・・・・・おふくろのスタイルに比べるとそれほどでも無いからな・・・・・おふくろの裸を14歳の頃までガン見している俺にはこの程度問題ないな」

 

「トールと比べちゃダメだよジーク君。トールは本当に僕やデメテルより爆乳だから。グラマーな体格しているから。それを見てきたジーク君にはそういう性欲は効かないみたいだね?」

 

 

確かに綺麗な女神ではある

 

だがあいにく。俺には女の裸に耐久がある。気恥ずかしいことなんて一切思ってはいない。フレイヤの能力でもある魅了も。スキルによって無効化され。ベル達には効いてはいても。俺には通用しなかった

 

 

「ジーク・フリード。それはフレイヤ様の侮辱か?」

 

「そんなつもりはないオッタル。だが事実だ。事実を否定しても仕方がないと思うが?それに・・・この程度の戯言。フレイヤの心に傷はつかない。彼女は優しさも含めて美の女神だからな。違うか?」

 

「ふむ。俺を相手にここまで言えるのも・・・・やはり神の子であるが故か」

 

「オッタル。私は気にしてないわ。彼が私たちに神に敬うことをしないのは。彼が神の子だからよ。それに確かにトールの子だけのことはあるわ。あのトールは遠慮なんて考えずに喋るのだから。納得よ」

 

「はっ。フレイヤ様がそうおっしゃるなら・・・」

 

「フレイの双子の妹だけのことはあるな。そう言う対応もフレイそっくりだ」

 

「そう?お兄様の妹として当然の事をしただけだわ」

 

「謙遜なことを言おってがらに・・・」

 

「ロキ?」

 

「うう!ごめんや!」

 

 

眷属の怒りを鎮めるやり方。そのやり方はフレイと同じだった

 

俺が怒った時はあいつがいつも止めてくれたからな。そして怒りもしないのは誇り高いプライドを持って優しく対応するのも兄と同じだな

 

フレイのことをお兄様と呼ぶのは、双子揃って御しとやか差を感じる

 

 

「ねえジーク?これから私と踊ってくれないかしら?」

 

「ん?俺と?」

 

「なんやと!?そんなことを許さん!」

 

「フレイヤ!?なんの真似だい!?」

 

「あら?ただ私はダンスを誘っているだけよ?」

 

「・・・・・」

 

 

まさかフレイヤが更に俺と接触をするためにダンスを誘うとはな

 

二人で話をしたいがためにも邪魔をさせないようにと、二人になれるように仕向けたらしい。ヘスティアに悪いとは思っているが、俺もフレイヤと話がしたいために

 

 

「喜んで。レディ」

 

 

そうして俺は膝を着き膝間付いて、彼女の手を伸ばす

 

 

「ええ!?ジーク!?」

 

「ちょ!?ジーク君!?」

 

 

「すまない。俺もフレイヤと話がしたい。積もる話をどうしてもしたいんだ。許してくれ」

 

「じゃあねヘスティア?ロキ?ジークを少し借りるわね?」

 

 

そうして俺はフレイヤを連れて会場の中心に歩こうとする

 

 

「ジーク。フレイヤ様を頼むぞ」

 

「心配するなオッタル。俺がフレイヤをエスコートする」

 

 

オッタルからフレイヤの警護を頼まれる。言われなくても当然そのつもりで彼女をダンスに招き入れる

 

俺とフレイヤが踊り出そうとすると。他の冒険者や神たちも釣られてダンスを踊り出そうとする。もちろんアポロン・ファミリアたちもそれに合わせて音楽も流してくれた

 

 

それに合わせて俺とフレイヤはステップを踏んで。踊りだす

 

都市最強の大派閥である主神のフレイヤは当然ダンスをも完璧にやり過ごせるため。初心者である俺のために合わせてくれた

 

 

だが

 

 

「悪いなフレイヤ。俺はダンスが趣味でもあるから、お前に遅れは取らない」

 

「へえ?言ったわね?じゃあ派手に踊りましょう?」

 

 

ダンスが上手いのは決してフレイヤだけではないと、俺は彼女の背中に手を回して更に俺の方へ近づけた

 

俺もダンスは趣味で、よく故郷で歌いながら踊った。だから社交ダンスでも俺は上手く踊れる。故郷に居る女性と踊ったこともあるため、この程度問題はなかった

 

 

「あらら、本当にやるわねえ?」

 

「フレイの弟なだけはあるだろ?」

 

「それじゃあ?もっと激しく踊りましょう?」

 

「了解した。ただ勝手に歌い始めるかもしれないから、それだけは無視してくれ?」

 

「え?歌い始める?」

 

 

と、俺の無理難題な条件にフレイヤは疑問を口にした

 

ムードの盛り上がりやテンションが上がったり。楽しく踊ってしまうと、自然に歌い始めると言う。俺の悪い癖がある

 

そうして彼女と踊りながら歌い始めてしまう

 

 

「らららら〜〜♩」

 

「へえ・・・良い歌声ね」

 

「らららららららら〜〜♩ふう〜ふう〜♫」

 

 

そうして俺は本当に御構い無しに歌い続ける。歌詞もその場で思いついた歌詞。詩人の酒を飲んでいる俺は。そこまで考えてまで俺は歌ってしまう

 

 

「今宵〜♫誰もが踊る〜♫無邪気に笑い〜♫妖精のように羽搏き〜♫君は〜♩どこまで美しくなる〜♫」

 

 

と、明らかに愛を囁いでいるかのような歌詞を歌ってしまう

 

もちろんなんでそんな歌詞を思いついた始まりはわからないが。アポロン・ファミリアが弾いているバイオリンやピアノから聞いて、音楽に合わせた歌詞ができてしまう

 

更にもっと凄いことを起こしてしまう

 

 

歌を歌うと俺の心が穏やかになる。俺はカオス・ヘルツのせいで感情を無くしているのに。唯一感情を剥き出しになってしまう。

 

そうして俺の体からピンク色のように発光する。パンドラ・ボックスから『ブラギの竪琴』が勝手に出てきて。更に盛り上げようようとしているようで、空中に浮いて勝手に音楽を奏でる

 

 

「ジーク!?なんであの魔法道具を!?」

 

「ねえ♫今は俺を見ていて♫何も聞かないで♫俺は君と踊っていたいの♫」

 

 

だが、俺はフレイヤの質問に答えないで俺は歌い続ける。もはや俺の感情は歌に集中してしまったため、もはや彼女のダンスの踊りは止まらなかった

 

フレイヤもそれに合わせて一応ダンスに合わせてくれた

 

 

もちろんその行動に驚いたのはフレイヤだけじゃない

 

 

「ジーク君!?」

 

「なんや!?ジークが体中ピンク色に発光をしてるで!?」

 

 

「あの光!?・・・アイズさん!」

 

「うん。間違いない・・・・ゴライアスを倒した時と同じ・・・ピンク色の光」

 

「あの竪琴も・・・・なんで勝手に浮いているぞ!?」

 

「でも・・・・いい音楽ですね?」

 

「ええ・・・・とても心地よくなる」

 

 

「なんでしょう・・・あの竪琴が奏でる音楽もそうですが・・・・それと同時にジークの歌声が・・・・物凄く聞いてて楽しくなります」

 

 

ベルやヘスティア達も、他の神や眷属達も

 

俺の歌声に見惚れ。食事を止めてまで俺とフレイヤが踊るのを見て立ち尽くすほど。俺の歌声を聞き惚れていた。

 

フレイ・リーベがどんなスキルかは知らないが、それでも心が惹かれる歌を歌うことで、ここに居る神や冒険者達を魅了させてしまう。

 

神々や人々を魅了し。更には笑顔にさせてしまう。フレイヤの魅了を超えてしまう歌を歌ってしまった

 

 

「君に・・・・幸運を♫!」

 

「はあ・・・はあ・・・凄いわジーク!とてもいい夢だったわ!」

 

「喜んでくれてなによりだ」

 

 

歌い終わるとダンスを終わらせて。彼女の手を離してお辞儀する

 

すると、パチパチと他の神々や冒険者から拍手を貰った

 

 

「いいぞ!スキールニル!」

 

「めっちゃくちゃカッコいいぞ!!」

 

「フレイヤ様も美しく踊って綺麗です!」

 

 

「とても美しい歌声でした!ジーク様!」

 

「凄い歌でした!感動です!」

 

「ジーク君素敵!!」

 

 

そう言って男性から女性や神々まで拍手をしてくれて歓声してくれた。エルフの女性冒険者に聞かせたくなかったが。夢中になったため辞めることもできないまま踊ってしまい。辞めることはできなかった

 

あとで何を言われるか

 

 

でもフレイヤも何かと喜んでくれた。宴なら歌の一つも無いとつまらない。アポロンには聞かせたくなかったが。まあ一緒に踊ってくれたフレイヤのためになるならいいかと思い。こればかりは聞き入れることにした

 

 

「やり過ぎたか・・・・ブラギ!戻れ!」

 

 

そうして勝手に宙に浮いているブラギを読んで。俺の手に吸い寄せるように飛んでくる

 

 

「ジーク!やっぱりそれ・・・」

 

「ああ、これは・・・」

 

 

「ジーク君!凄いよ!君があんなに歌が上手いなんて!」

 

「もしかしてジーク!?それブラギなんか!?なんで自分がそれを持っているんや!」

 

「おふくろから貰った。それでこれを奏でてたまに歌っている」

 

「やっぱりジークさんあの音楽は・・・あの時のでしたんですね!」

 

「まあな・・・・」

 

 

ロキも『ブラギの竪琴』は知っているようだ。爺さんの教え子でもあるロキならそれくらいは知っているか。てことはフレイヤもそう言うことを知っているようだな

 

おふくろが俺が歌が上手いと知っているからこそ。渡したきた物

 

まさかここまで俺の歌とこの竪琴が奏でる音楽でここまで聞き惚れるなど思っても見なかった。ヘスティアもベルも俺の思ってもみなかった特技に驚き。大歓声をしていた

 

 

「ジーク。あなたがお兄様の弟なのがよくわかったわ」

 

「そうか・・・・二人でフレイの話でもするか?」

 

「ええ、オッタル。二人だけにさせて」

 

「かしこまりました」

 

 

そうしてフレイの話をするために、ベンチのあるベランダに二人で歩いていく

 

やっとフレイヤと二人だけで話せる。昔のことも積もる話も多く。俺はフレイヤに多くのことをフレイに話す。ちょうど渡さなくてはならなかったからちょうどよかった

 

ワインのグラスを持って二人でフレイの話をして楽しんでいた。まずは生まれてからどのようにフレイと過ごしてきたことを話した

 

 

「え!?お兄様を相手に剣で勝ったの!?」

 

「ああ。あいつと一緒に剣の指導をして貰ったから、俺はあいつと一対一の勝負を何度もしていた。俺とあいつは何度も勝負して、何度も俺はあいつに勝ってきた。1000回中、506勝494敗で今は俺の勝ちだ」

 

「驚いたわ・・・・あのお兄様の剣捌きに勝てるヒューマンが居るだなんて・・・」

 

「あいつが教えてくれたからこそ。ここまで剣を上手く扱えるようになったんだ。それくらいあいつと過ごすのが楽しかったよ・・」

 

「へえ・・・お兄様とあなたは本当に兄弟のように過ごしてきたみたいね?」

 

「ああ。楽しかった。とてもな・・・・」

 

 

今になるととても懐かしい。あいつと過ごした思い出が、神と言う超越存在であるあいつらは不老不死と変わりない存在なのに、いつまでも一緒に居られないなんて思ってもいなかった。だから今思い出すととても懐かしい

 

デウスデアであるあいつらでも、いつまでも一緒に居られないと『あの時』理解した

 

 

「それでジーク?お兄様が行方不明になったことを知っているなら、エルフの里の主神をやめた理由を知っているんじゃないの?教えてくれないかしら?」

 

「教えても構わないが・・・・・あんたが怒りそうなと言うか・・嫉妬しそうな話なんだよな?」

 

「嫉妬?・・・・・・・どう言うわけかしら?」

 

「まあ・・・隠しても仕方ないから言うが・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あいつにお嫁さんができて、そのお嫁さんと駆け落ちして。俺の故郷に逃げてきた。それがあいつがエルフの里を出た理由だ」

 

「・・・・・・・・・ジーク?」

 

「なんだ?」

 

「そのお兄様の奥さんは・・・・・・今あなたの故郷に居るかしら?」

 

「居るが・・・・・居場所は教えない」

 

「あら?どうして?」

 

 

 

「あんたが嫉妬している笑顔をしているからだ」

 

 

笑顔ではあるが、今にもゲルズ姉さんを殺そうとしている殺意の顔をしているのがわかる。こいつが執念深い感じはアポロン並みにしてそうだと思っていたが、まさか兄の結婚まで反対するとは

 

なんて愛と美の女神の欠けらもない。豊穣の双子のブラコン妹だと思った

 

 

とにかくその駆け落ちしてエルフの里を出た詳細を話す

 

 

「相手は俺たちヒューマンとサイズと変わらない。巨人族の娘だ。自身の体を自由に小さくしたり大きくにもなれると言う魔法を持った女性だ。まあ・・・美しさはあんたにも並んでいる。俺が生まれる前。あいつが勝手に一目惚れして。俺の父親に頼んで求婚を何度も頼み。最終的に10回目の求婚を頼んだら諦めて受け入れた。だが相手は巨人の娘となると、エルフの里の者が不満の声が上がるとの話もあり。駆け落ちすることを選んで。自分の眷属を眠っている間にコンバージョンできる形にして。俺の故郷に親父に頼んで逃げてきたとフレイに聞かされた」

 

「へえ・・・そうなの。あのお兄様が・・・私並みに美しい女性とね・・・しかもエルフの敵対でもあった巨人族の娘と・・・・」

 

「まあ・・・・それだけ自分の愛を選んで全て投げ出したってことだろ?あいつもヒューマンのように恋をするってことだろ。下界で俺のおふくろが親父に恋をするように、神も下界の子供に恋をして結婚したって話だ」

 

「だとしても・・・・・それは許し難いことだわ。だから教えてちょうだい」

 

「ああ。そうだなお前はそう言う奴だったな?」

 

 

ダメだこりゃあと思った

 

こいつはこう言う奴だったな?どうせこいつは兄の気持ちなどどうでもいいだろうと自分の気持ちだけを押し付けるのだと知ってはいたけど。まさかここまでとは

 

だが教えたら確実に俺の故郷にまで乗り込んでゲルズ姉さんを殺しに行くだろう。そんなことになったら確実に『爺さんのファミリア』と戦争だ。故郷が持つかどうか危ういほど危険すぎる

 

 

 

だが

 

 

やはり隠すべきではないと思った。

 

 

 

フレイのことについて

 

 

「フレイヤ?ヘスティアが神会の時に、俺がおふくろの息子であるのとフレイの幼馴染であり弟であること以外、何か喋ったか?」

 

「いいえ。あなたの正体以外何も言ってないよ?」

 

「そうか・・・・・・・じゃあ隠さずに言わせてもらうぞ?」

 

「あら?居場所を教えてくれるのかしら?」

 

「あいつにはもう会えない」

 

「え?どうしてかしら?」

 

「あいつは・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

半年前。竜に襲われて天界に強制送還された。あんたも天界に送還されないともう会えない」

 

「え!?お兄様が!?」

 

「ああ・・・・」

 

 

半年前

 

 

ある『黒竜』に故郷を襲われて、爺さんのファミリアも出たが。苦戦し長続きとなって、俺とフレイも立ち向かったが。歯が立たずで追い込まれ

 

その時にフレイが俺を庇い、フレイが犠牲となって強制送還された

 

 

その悲しみと怒りで俺は『カオス・ヘルツ』と言うスキルが発動し、その黒竜を恨み、奴をリジルとグラムで斬り殺して奴の血を浴びながら、奴のドロップアイテムを全て食べて最後に奴の魔石まで食べて恨み尽くした

 

 

「奴は俺が復讐して殺したが。フレイは俺を庇って強制送還された」

 

「そう・・・・・・お兄様が」

 

「ああ。今でも後悔しているよ。俺が強ければ・・・・あいつが下界にまだ要られたのに・・・・」

 

「大丈夫?」

 

「ああ。お前は?」

 

「大丈夫よ。お兄様とはまた会えるわ、私は。お兄様は正しいことをしたわ。それほとあなたが大事だったのよ?私だってあなたの素晴らしさが話を聞いてて凄くわかるもの・・・その命。お兄様の為にも死んではダメよ?」

 

「わかっている・・・・俺はあいつを亡くして生きる意味は無くなっているが、フレイの願いを叶えるためにはまだ死ぬわけにはいかないんだ」

 

「ええ。お兄様の弟なら・・・私の弟でもあるのだから。もしも何かあった時は私を頼ってね?姉として私もあなたを守るわ」

 

「ありがとうフレイヤ。でもフレイに守って貰ったのに、姉に守られるようじゃあ・・・・俺はいつまでも強くなれない。俺の全てを犠牲にしてまで。俺はもっと力が欲しい」

 

「確かに強くなることは大事よ?でもジーク?一つ勘違いしていない?」

 

「何がだ?」

 

 

 

 

 

「あなたが一人で強くなっても全てを守れるわけがない。あなたにはヘスティアやその子供たち。あなたには大切な仲間が居るわ。一人で強くなろうとせずに。他の人から借りれる力は借りなさい。少しは一人じゃないと。孤独を捨てなさい」

 

 

「・・・・・・・」

 

 

そんなことをフレイヤに言われると思っていなかった

 

 

孤独を捨てる

 

俺は今でも仲間が居ると思っていた。なのに俺はまだ孤独に囚われているのだろうか。仲間のために全てを犠牲にする行為そのものが間違いだと言うのか。そうでなければ強くなる意味がないと

 

フレイヤは女神らしい言葉を発した

 

 

「それは・・・・あんたの眼から見て。俺はそう見えるのか?」

 

「不思議なことに何も見えないわ。多分何か私に通用しないスキルを持っているのだと思うけど。あなたはお兄様の弟でもあるのよ?お兄様があなたにしてきたことは。こんな辛い生き方をさせるためじゃないんだから。あなたを立派な冒険者にするためにあなたに色んな事を教えたと、兄の愛がわかるの。だから・・・・・お兄様のためにも。仲間や借りれる他の神に頼ってでも一人で無茶しないで」

 

 

と、フレイヤは俺の魂ではなく。兄フレイの愛を感じたからこそ言える。愛の女神ではなく

 

 

フレイの妹としての発言だった

 

 

やはり兄妹だけのことはあるなと思った

 

どっちも一方的な愛だが。それでも他人に対する愛は本物だ。感情を薄れてきている俺でも感じる愛だ。本当にこの豊穣の神兄妹は恐ろしいほど。

 

愛に満ち溢れた兄妹だ。豊穣とは無縁にも程があるほどに

 

 

「ありがとうフレイヤ。そうだな。フレイのためにも一人じゃないと証明しなくてはな?」

 

「そうよ。お兄様のために笑って生きればいいのよ」

 

「ん?笑っていたのか?」

 

「ええ。今とてもいい笑顔をしているわ」

 

「そうか・・・」

 

 

俺がカオス・ヘルツのせいでもう笑うことができないはずなのに。

 

今微笑んでいるとなると。俺はまだフレイを亡くしても。あいつからの愛をしっかり心にあるのだと。喜んだのかもしれない

 

 

一人で無茶をしないで・・・か

 

 

フレイにも同じ事を言われた。もう二年前みたいに一人じゃないと思ったのだがな

 

 

本当にフレイもフレイヤも恋と愛を司る豊穣の神としての偉大さを思い知った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、楽しんでいる時に

 

 

『諸君!宴は楽しんでいるかね!!』

 

 

「ん!」

 

「今のアポロン?」

 

 

突然会場の方からアポロンの声が聞こえた。会場の方を見ると。アポロンがベルやヘスティアの方に歩き。何か喋っているのを見かけた

 

 

「フレイヤ。俺は戻る。またアポロンが何かちょっかいを出しているようだからな」

 

「そうみたいね。私も付いていくわね」

 

「何もするなよ?あんたが介入したら厄介だからな」

 

 

そうしてアポロンが俺の主神に関わっているのを見えたら、すぐに俺はヘスティアの元へ戻る。フレイヤも付いていくようだが、できればフレイヤは何も言わないで欲しかった

 

フレイヤが何か手を出したら。俺たちヘスティア・ファミリアの問題にフレイヤ・ファミリアに助けて貰ったとなれば。大騒ぎだからな

 

自分たちの問題は自分たちで解決しようと、最高ファミリアには何も手を出さないようにして貰った

 

 

「オッタル。何事?」

 

「はっ。先ほど神アポロンが昨夜自分たちの眷属がヘスティア・ファミリアの眷属に暴力で重傷を負わされたと。代償を要求したいと。神アポロンが神ヘスティアに訴えています」

 

「そう。ジーク?」

 

「ああ。手口が二年前と同じだ。そうまでして俺が欲しいか」

 

 

また二年前と同様に一方的な話を持ち出して

 

俺たちがアポロンの眷属に暴力を振るったと。また冤罪を吹っ掛けてきたようだ。また俺を填めらせて。コンバージョンをさせるのが目的だと。理解した

 

 

もちろん。そのふざけた『クソ神』に文句を言いに。俺は先に発する

 

 

 

「おいアポロン。また二年前のように俺を『嘘つき呼ばわり』するか?この太陽の輝きも無い裏顔のあるクソ神め」

 

「ジークさん!?」

 

「ジーク君!」

 

 

「やあジーク。二年ぶりだね?さっきの歌はとても素晴らしかったよ。本当に君は。神会でヘスティアが言っていたが・・・・フレイの弟だけのある美しさだよ!」

 

「俺への感想はどうでもいい。それで要求はなんだ?」

 

「ジーク!君は昨夜!私の眷属にまたも二年前のように暴力をして袋叩きにしただろう?復讐のつもりかい?」

 

 

 

そうしてアポロンは眷属であるパルゥムの子供が体中包帯だらけで巻かれているのを見せられる。証人として後ろに昨夜ヒュアンキストス以外の団員も居た

 

 

「知らないな。少なくとも俺が昨夜覚えているのは。そいつらが俺を見て『怯えて逃げた』って事しか覚えてないが?」

 

「「「は!?」」」

 

「なんだと!?」

 

「ほう?そんな威勢を張るってことは?ひょっとして怪我をしているのは嘘か?そこのチビ?」

 

「や、やべえ!?」

 

 

「はあ・・・・醜い連中だと思ったがここまでとはな」

 

「とにかく!君が暴力をしたってことは変わりはない!代償を払ってもらおうか?」

 

 

「わかった。代償として今持っているエリクサーと俺の回復魔法でそこに居るチビを治せばいいんだな?」

 

「・・・・・・は?」

 

 

信じてくれる嘘だのと言われる前に。俺はさっさとその代償の要求に従って。アポロンの子供であるパルゥムの傷を治そうと、パンドラボックスから高級回復薬エリクサーを取り出した

 

 

嘘つきだと貶められる前に。さっさと潔く代償を払おうとエリクサー治療しようとした

 

その当然の行動にアポロンは呆然と立ち尽くした

 

 

「ま、待てジーク!?何を!?」

 

「だから代償を要求しているのだろう?暴力を振ったことに関しては知らないが、そこまで俺が疑うのなら?俺がこの手でそいつを治そう?」

 

「ああ・・待て!ジーク!」

 

「おい?傷を見せろ?」

 

「い、いや・・・・でもさあ・・」

 

「なんだ?包帯巻かれては傷が見えないぞ?ほら見せろ」

 

「うわ!?やめ!?・・」

 

 

そうして俺は無理矢理その重傷を負っていると言っているパルゥムの全身に巻かれた包帯を取ると・・・・

 

 

怪我をしている部分はなかった

 

それを確認して。エリクサーを使うのやめて立ち上がり。一言を言う

 

 

「アポロン?お前の子供は怪我をしてないようだが・・・・・まさか俺に嘘を付いたのか?」

 

「いや・・・・これは・・・・そう!さっき私たちで治したんだ!」

 

「そうか・・・・じゃあさっき?このチビは泣き叫びながら『痛い』と言っていたが?それについてはどう説明する?」

 

「ぐう!?それは・・・・・・」

 

 

「要するに!ジーク君を目当てに!またジーク君に嘘を着こうとしたんだろ!アポロン!」

 

「ヘスティア・・・」

 

「そうまでして!あなたはジークさんが欲しいんですか!アポロン様!」

 

「ベル・・・・」

 

「言っておくがアポロン!僕とベル君は!ロキみたいに眷属に疑いなんて絶対にしないんだ!神に嘘つくことができるレアスキルの所持しているジーク君でもね!ジーク君の二年前の事件の罪!ここでもまた振りかかろうとしても!!

 

絶対に僕らはジーク君を信じる!!嘘つきなのは君だ!!」

 

 

とヘスティアはどんなアポロンの冤罪を何があっても聞き入れないと断言した

 

本当にヘスティアとベルは俺の全てを信じ。何があろうとアポロンには屈しないと決意を見せた。俺は本当に今度こそ信頼に値する仲間ができたのだと。俺は命を掛けられる仲間と主神ができた

 

 

それなら俺も・・・・団長として決意を見せる

 

 

「アポロン。俺を嘘つきなどと好きに言えばいい。だが・・・・・昨夜俺の主神と団員をバカにしたことに関しては嘘ではなく。俺はハッキリとお前の眷属から聞いたぞ。その侮辱を贖ってもらうぞ。今度は俺が代償を要求する」

 

「何をだ!?」

 

「簡単なことだ。もう俺たちに関わりを入れるな。それだけでいい。それを御構い無しにまだ吹っ掛けるのであれば。俺一人でもお前らを殲滅する。これで構わないなヘスティア?」

 

「うん!これはヘスティア・ファミリアの警告だ!さあ!どうする!アポロン!ジーク君はレベル5だ!君たちの子供なんてあっという間にやられるぞ!」

 

 

「あっという間にだと?それは我々の宣戦布告ってことだね?」

 

 

「何!?」

 

「まさか・・・・アポロン?お前?『アレ』をやる気か?」

 

 

 

 

 

「そうさ!!もう君に冤罪を吹っかけることができないなら!こうなったら実力行使で君を手に入れる!」

 

 

 

ついにアポロンはもう俺に冤罪をかけられないと知った瞬間。最終手段として。俺たちにある要求を持ち込んだ

 

 

 

 

「我々アポロン・ファミリアは!君たちヘスティア・ファミリアに『ウォーゲーム』を申し込む!!!要求は君の眷属であるジークフリードを引き渡して貰う!!」

 

 

「ウォーゲーム!?」

 

「もはや手段を選ばないつもりか」

 

 

外道な手を使ってでも俺を手に入れようと。往生際が悪く。『ウォーゲーム』の挑戦を申し込んできた。

 

ファミリアの間でルールを決めて行われるファミリア同士の決闘。所属している眷族を戦わせて。要求と言う勝利を手にしたファミリアの賞品を賭けた総力戦

 

負ければ何もかも失い

 

勝てば相手のファミリアをなんでも要求し、その要求を必ず実行しないとならない

 

 

ベルもヘスティアも聞いたことはあるが。初めてやる事になるだろう。これに対してヘスティアはどう答えるか。俺の一存では決められない

 

 

「ジーク君!」

 

「なんだ?」

 

「この申し出・・・・君に任せてもいい?」

 

「っ!いいのか?」

 

「ああ。君が決めていい。僕はただ・・・・君やベル君を信じるだけだから。君の一存で決めてくれ・・・もちろんこれは主神の許可だ」

 

「・・・・ベルは?」

 

「僕も・・・倒したいです!アポロン・ファミリアを許せません!昨夜ジークさんや神様を侮辱したことを・・・・・・僕は許さない!!!」

 

「そうか・・・・・了解した」

 

 

どうやらベルもヘスティアも流石にアポロンのやり方にうんざりをし。もう許したくない程の怒りを。アポロン・ファミリアにぶつけたいようだ

 

そしてあとは俺の意思で決めていいのだが

 

 

 

もう決まっている

 

 

「我らの主神ヘスティア様は俺を信頼に値し!俺に全てを委ねてくれた!!その主神の言葉に俺もベルも答えよう!!アポロン!!お前が外道な手段を選んでまで。俺を嘘だと断言させてまで!俺の全てを奪おうものなら!そのウォーゲーム受けて立つ!!ヘスティア様?」

 

「うん!!えい!!!」

 

 

そうして俺はウォーゲームの挑戦を受けることを断言し。ヘスティアに俺の手袋を片方を渡して。ヘスティアはそれをアポロンの顔に投げた

 

挑戦を受ける証を見せた

 

 

「アポロン!!ジーク君は絶対に渡さない!ジーク君とベル君が君の子供たちを全員倒す!!」

 

「おもしろい!!ウォーゲームを受けたからには!!レベル5とレベル3の二人しか居ないファミリアに!私の子供たちを倒せるものなら倒してみろ!!ジーク!君は必ず私が貰う!!」

 

 

こうしてしっかりと決闘は成立した。まさか二年前の復讐ができるとは思ってもいなかったが。こうなった以上はこちらも戦う覚悟を見せて反撃しようと、弱小ファミリアである俺たちヘスティア・ファミリアが太陽の矢を圧し折ろうと

 

戦意を見せつける

 

 

もうアポロンの思惑通りにはならないと言う事だ

 

 

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