ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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家族でお出かけ

 

次の日、聖夜祭前日

 

昨日も続いてノエルと楽しい日常を送っている。今日も酒場でしっかりと働いている。リリルカも居ないことだし、俺たちがダンジョンに行くことはしばらくはない。それは俺たちだけではない。聖夜祭と言う一大イベントもあるため、ほとんどの者はダンジョンに行ったりなどしないだろう。聖夜祭に興味ない者以外は

 

 

「パパ?あの木は何?なんかの飾りが付いているけど?」

 

「聖夜祭のツリーだ」

 

「聖夜祭?」

 

「一年に一度、冬にしか起きない奇跡の日のことだ」

 

「奇跡ってなに?」

 

「嬉しい出来事が起きるってことだよ?」

 

「滅多に起きないような事だな、ギルドが勝手に決めた日で、詳しい話は俺も知らない」

 

 

今は酒場の買い出しに来ている

 

その途中で中央広場にて、聖夜祭のツリーを見つける。雪が少し被った飾りが多く付けらたツリー。気になってノエルが近づき、聖夜祭の説明をされたため、詳しく教えた

 

奇跡の日と言われる祝いの日と言われても、明確なことは記載されていない

 

 

奇跡の日と言っても、かなり大昔の話だ。冬の日に恵まれない子供が貧しく暮らしていたらしい、あまりに貧乏な子供で、働き口もあまり無いまま、寂しい生活を送りながらも毎日山で食材を探して必死に生きていた。そんなある時、突然奇跡な事が起きる。貧しい生活を送っていたのに、突然家の前に大量の食材が置いてあった。誰が送ったかはわからないが、食材は一生食べて生きていける程の量だった、その貧しい子供はそれ以降、山に行かなくても、誰かが送ってくれた食材により、植えることなく美味しい食材をいつでも食えるようになりました

 

と言う童話だけがギルドの記録にある

 

 

本当かどうかはわからない

 

 

「へえ〜。そんなお話があるんだね?」

 

「本当かどうかは知らないがな」

 

「でも一生食べられる量の食材があったら嬉しいよね?」

 

「確かに嬉しいが、食材の賞味期限とかもあると思うから、そこを考えると一生の食材ってどうなんだと、考えてしまうけどな」

 

 

確かにそんな話があったらいいものだが、その一生食べられる量である食材が、賞味期限のあるものばかりだったら最悪だなと思い、それじゃあ一生の量じゃあ意味がないと、現実味を感じる。

 

それにその子供にそれだけの量が家の前にあったとして、その子供の年齢によるが、そんな量をどこに保管すればいいかや運びきれるのかと考えてしまう

 

そう考えると、この童話は成り立たないと考える

 

だからこれは奇跡ではないと思う。

 

しかし

 

 

「おや?嬢ちゃん買い出しかい?」

 

 

「はい。野菜貰えますか?」

 

 

「あいよ。せっかくだ。これはおまけだ」

 

 

「あ、ありがとうございます」

 

 

「あら!可愛い女の子ね!これついでだからあげるわ」

 

 

「あ、ありがとうございます」

 

 

「お!嬢ちゃん、父ちゃんと母ちゃんのお使いかい?偉いね?これはその頑張り賞だ!持ってけ!!!」

 

 

「あ、み、皆さん!ありがとうございます!」

 

「こんな奇跡、やっぱりあるんだな?」

 

「お店の人たち、ノエルの可愛さに甘えているみたいね?これもあの子の能力?」

 

「いや、ノエルにそんな力はない。これは間違いなくノエルの働きの成果だ」

 

 

先ほど話した童話も、今の光景を見て嘘ではないと確信してしまう。その理由は酒場の食材調達のために出店通りに着き、店主に尋ねると、誰もがノエルが両親のためにお使いしていると思い、その子供の頑張りさを見て、ノエルに優しくしようと、金を払うまでもなくただで食材を渡される

 

そんな光景を見て、奇跡はやはりあるのだと確信を見てしまった。単純にノエルが可愛いから優しくしているだけなのだろうと思うが、とにかく食材がタダで多く手に入るなど、奇跡としか言いようがなかった

 

 

「パパ!ママ!こんなに食材もらった!」

 

「すごいね!きっとノエルがあまりに頑張っているから、ご褒美なんだよ?」

 

「ノエルは良い子だ。それはお前がしっかりと働いた証だ。ノエルの真面目が叶ったことだ」

 

「わーい!パパとママに褒められた!」

 

 

ノエルの働きにより、金も払うことなく食材を手に入れる事ができた。盗みな罪悪感は出てくるかもしれないが、これはノエルに与えた褒美、そして店から気遣い、決して盗んできたのではなく、真面目に働いた結果で手にした褒美、娘が頑張って働いた結果を俺は父親代わりとして褒めた

 

 

すると

 

 

「あれ?ジーク?」

 

「ジーク?シルさんも?」

 

 

「ん?エイナ、ペルセフォネ」

 

「こんにちは」

 

「こ、こんにちは」

 

「珍しい組み合わせだな?何をしているんだ二人とも?」

 

 

「ちょっとしたギルドのお使いで、さっきコレー氏と会って、彼女も同じ用事だから、コレー氏と一緒にやっているんです」

 

「私もファミリアでパーティーに必要な物を買っているの」

 

 

「デメテル・ファミリアならわかるが、ギルドも聖夜祭のパーティーでもするのか?」

 

 

「まあ、そんなところ」

 

 

突然横から二人に声を掛けられる。それは知り合いのエイナとペルセフォネ

 

二人は所属先の聖夜祭パーティーに必要な物を買いに来ているらしい、デメテル・ファミリアのペルセフォネはわかるが、ギルドと言う仕事がいかにも多い職業も、聖夜祭パーティーをするのだと、意外だと思った。そんな毎日忙しい彼女たちにイベントがあるとはな

 

 

「ジークはシルさんと・・・・」

 

「ジーク?その子供は?」

 

 

「この子はノエル。この少女は・・・」

 

「私たちの娘です!」

 

「私はノエル!私はパパとママの子!」

 

 

「「え!?ジークとシルさんの子!?」」

 

 

「理由あって、彼女の親代わりをしている。今の話を聞いたら、俺とシルの子だと勘違いしていると思うが、実子ではない」

 

「ええ?でもジーク。ノエルは私たちの子でしょ?」

 

「確かにそうだな、娘として想っているが、実子ではない。そこを君は強調したいのかね?」

 

 

ノエルの紹介をするが、シルが俺との実子のような紹介をしたため、エイナとペルセフォネが勘違いする

 

シルも卑怯な紹介の仕方をする。俺を物にしたいからとノエルを使って夫婦を名乗ろうとは、確かに俺もノエルを娘だと想っている。しかし実子ではないと、ここではっきりさせないとならん。そういう悪巧みをするのは

 

本当に『あの人』そっくりだと、思う

 

そして真実を聞いた二人だが

 

 

「ねえジーク!本当にそのノエルちゃんはジークの子供じゃないよね!?」

 

「まさか、隠し子じゃないよね!?ジーク?」

 

「違う。隠し子ならありえない。俺は19歳だぞ?ノエルの年齢は大体7か8だ。そうなると、俺が11歳の時に産んでないとならないぞ?どう考えてもおかしい事になるぞ?いつものように、そこだけは彼女の悪戯だ。ノエルはとある貧民なんだ。両親も居ないから俺たちで面倒を見ているんだ。言うなら親代わりだ」

 

「そうなんだ、よかった〜」

 

「シルさん!またそうやってジークを自身の物のように仕立てるのやめてくれませんか!」

 

「人聞きが悪いですよ。ペルセフォネさん。これは私たちの間で決まったこと。部外者な二人は邪魔しないで貰えますか?今だって家族として買い物に来ているんですから・・・」

 

「シルさん!卑怯です!」

 

「フローヴァ氏!ジークを手にするためにこの子を利用するのは反則です!今すぐその子を解放して!私とジークに任せてください!」

 

「エイナさんも何を言っているのですか!ここは私とジークです!どう考えても!」

 

 

「パパ?ママと・・このお姉ちゃんたちは何を喧嘩しているの?」

 

「気にするな。シルたちは俺をパパにしたいがために、小さな口喧嘩をしているだけだ。耳を貸す必要はない」

 

 

ノエルが居るっと言うのに、子供の前で喧嘩するとは、流石に馬を考えて欲しいのだがな

 

シルもエイナもペルセフォネも俺に恋をする女性、だからこのような修羅場は理解できないわけでもないが、子供の前で喧嘩するなど大人の恥。そういうところはまだ親になりきれない子供なのだと、まだ成人してないだけのことはあるなと思う俺だった

 

いつまでも喧嘩していたら日が暮れると、俺はそろそろ酒場に戻ると、シルたちの喧嘩を止める

 

 

「三人ともそこまでだ。ノエルの前で喧嘩するのは恥だと思え、それは大人のすることではない。シル。君もそこまでだ。そろそろ帰ろう。でないとミアに怒られるぞ?」

 

「そうだった。帰ろう?ノエル?」

 

「う、うん」

 

「またな二人とも」

 

「では私たちはこれで失礼しますね?お二人とも」

 

「ぬう!抜け駆けはしてはダメですからね!」

 

「絶対に反対です!」

 

「ノエルの前でそんなことをしてはダメだろう」

 

 

俺たちはエイナとペルセフォネに別れを告げて酒場に戻る

 

抜け駆けとはなんのことだが知らないが、俺もノエルの前で大人ではないが恥になるようなことはしないため、シルにあまり出過ぎたような言葉を言わないように注意した

 

まあ、シルが本当にあのようなことを言うのは、つくづくあの人そのものだと思った

 

 

 

 

 

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