ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

134 / 201
ベルの新技

 

俺とベルは急いで、マリィの案内の元、25階層まで必死に戻る。今自分達が歩いているこの道は、俺でも知らない場所であるため、マリィの案内でなければ、上手くここを突破ができないため。マリィを先頭にして進む

 

 

「こんな場所があったとはな、誰かが開拓させたのか?」

 

「二年前にはなかったんですか?」

 

「ああ、もしくはまだ俺が知らない未探索領域があったかだな、とにかく今はこの最速ルートを利用するしかない」

 

 

今マリィに案内されている場所は、間違いなく俺の知らないルート。二年前はこんな道は通らなかった

 

フィンでも知らないルートか、もしくは知っていたが急ぐ程でも無いから通らなかったの二つだ。なんにしても、最速でリリルカ達の元へ戻れるなら、この際どうでもよかった

 

とにかく、モス・ヒュージにやられる前に仲間の元へ

 

 

「ジーク!ベル!出てきた!あれ!」

 

「っ!やはりか!」

 

「アクア・サーペント!!しかもサイズがデカイ!?」

 

 

『グオオオ!!!』

 

 

マリィが突然掛け声を上げる

 

そしてその先で、サイズの大きいアクア・サーペントが前方の湖より迫ってくる。マリィが言っていた大きい蛇の正体は間違いなくこいつだ。前方に向かってくるのであれば

 

阻む敵、斬るのみ

 

 

「応戦だ!ベル!」

 

「はい!はああ!」

 

「マリィは一度下がれ!」

 

「うん!」

 

 

一度マリィを下がらせて、俺とベルで前方から向かってくるアクア・サーペントに応戦する

 

マリィの言う通り、普通のと比べてサイズは大きい、しかし、それでも阻む敵。急いでいるため、今は邪魔されたくないために、徹底的に倒しに行く

 

 

「ふ!は!」

 

「でやあ!」

 

 

『ガアア!!!』

 

 

「よし、このまま前進する」

 

「マリィ!お願い!」

 

「うん!行こう!」

 

 

なんとかアクア・サーペントを一刀両断し、先へと急ぐ

 

まさかこんな細道でもアクアサーペントが出てくるとは、意外すぎて、少し急ぐことに頭を回してしまった

 

だが、それでも急がねばならないことには変わりない

 

一刻も早くリリルカ達の元へ走る

 

すると

 

 

「っ!ここから先は坂か!」

 

「ジーク!この道を真っ直ぐ行けば上に行けるよ!」

 

「ああ、礼を言う。ここまで感謝する」

 

「だけど、マリィ。君はここで行き止まりだけど?」

 

「うん、私はここまで・・・あのモンスターが怖くて・・・」

 

「え?あのモス・ヒュージのこと?あの緑の苔の?」

 

「そう!あのモンスター!いろんな冒険者を襲っているの!ものすごく怖い!」

 

「ジークさん・・・・」

 

「強化種だからな、他より凶暴で、倒せるとしたら階層主くらいだな」

 

「大丈夫だよ。僕たちが今そのモンスターを倒しに行くから」

 

「本当に?」

 

「そのためにも今上を目指しているんだ」

 

 

途中、水流の無い道を見つける。上に続くような坂を見つける

 

もうその先は流石にマリィに行けない場所。マリィはこの先には行きたくないと、ここまでと立ち止まる。理由はあのモス・ヒュージが怖いからだと言う。どうやらいろんな冒険者を襲っているようだ

 

おそらく下層に行って行方不明者が続出したのは、奴の仕業では無いのかと、やはり奴をここで叩くべきだと考える

 

だが、それは言うまでもなく俺たちの目的、奴が行方不明者を続出している犯人であるなら

 

マリィはここで待つと言うが

 

 

「悪いが、マリィ。俺が担ぐから、上まできて貰う」

 

「え?なんで?」

 

「後ろを見ろ」

 

「え!?あ、アクア・サーペントがあんなに!?」

 

 

『『『『グオオオオ!!』』』』

 

 

「マリィをここで置いて行けば、あいつらに食われる。マリィ、行くぞ」

 

「え!?う、うん!」

 

「行くぞ。ベル!」

 

「は、はい!」

 

 

しかし、マリィを置いて行くことはない。

 

後方からたくさんのアクア・サーペントがやってくる。先ほどの奴は確かに殺した。おそらくその仲間がまだここの領域に居たんだろう。仲間がやられた事に気づき、獲物を追ってここまで来たようだ

 

もちろんマリィを置いて行けば、彼女は奴らに食われる。だから湖から出し、俺がマリィを担いで上へ向かう

 

それにより、俺たち三人はアクアサーペントが近づけない坂へと登り詰める

 

 

「すごい!すごい!」

 

「喋ると舌を噛むぞ!口を閉じてろ!」

 

「ジークさん!担いでますけど、彼女をどこへ!?」

 

「どこでもいい。湖があるならその場所へ!」

 

「そうですか・・・・ん?ジークさん!?マリィのその・・・胸!」

 

「胸?・・・・・・彼女の胸がどうした?」

 

「いや!見えてます!?」

 

「お前・・・いくら女の体に耐性が無いからと言って、この程度でも恥ずかしがるのか?」

 

「だって!・・・見えているんですよ!?」

 

「やれやれ、後でこの胸を隠す衣服でも用意するか」

 

 

マリィを担いで上へと目指すが、ベルがなぜかマリィの上半身について、とやかく言ってくる

 

それは彼女の胸が見えていたことについて

 

確かに人間の女性と変わらない胸の形をしている、しかし所詮はマーメイドの胸、その程度で恥ずかしがるとは、ベルもまだ幼い子供と言うわけがわかった、後で衣服などを用意してやると、俺はベルの恥ずかしさで動けなくなるのも困るため、マリィの上半身の服を用意する

 

 

今でもリリルカ達が困っていると言うのに、ベルは変な事に気にかけるとは、ある意味愉快な子供だと思った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういうリリルカ達は

 

 

「はあ・・・はあ・・・まずい!このままじゃあ・・・」

 

 

完全にモス・ヒュージに追い込まれていた。

 

それは

 

 

 

パスパレード、およびモンスターパーティと言う、モンスターの軍団に追い込まれていた

 

 

 

右を向いても左を向いてもブルークラブが出てくる。モスヒュージがブルークラブを誘き出して、リリルカ達の元へ送り出す

 

 

もちろんリリルカは気づいている。『自分達にモンスターを倒させて、その倒されたモンスターの魔石を回収し、更に強化種になることも』

 

 

全てモスヒュージの狙い通りになってしまった、追い込まれないようにいち早く25階層を抜けようとしたが、そうはいかず、脱出前にブルークラブに囲まれてしまう

 

 

「どうする!?」

 

「もう逃げ場もないぞ!」

 

「どうするんだい?チビスケ?」

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

どうあっても、もう逃げる場所はない。だから戦うしかない

 

しかし、ここで一番強いのはアイシャのみ、だからモスヒュージが出てきて立ち向かえるのはアイシャのみだ。だけど、あのモスヒュージは彼女でも倒せない、況してやこれから更に強化してしまうのであれば

 

なら

 

やるべき事は一つ

 

 

「ふう・・・・皆さん!ここで応戦します!今から指示する通りに動いてください!」

 

「リリスケ!応戦すると言ってもこの数じゃあ!あのモスヒュージに強化されちまうぞ!」

 

「わかっています!でももう逃げる術はありません!それでも今ここで戦うしか生き残る術がありません!アイシャ様。モスヒュージが出てきたら引き付けをお願いします!お一人でやられないように時間稼ぎをしてください!」

 

「へえ・・・私一人にあの強化種を任せるとは、あいよ。さすがの私もあれは倒せそうにないからね」

 

「リリスケ!本気か!このアマゾネスに一人任せて・・・・」

 

 

「それしかありません!今リリ達に生き残れる術はそれしか無いんです!もう逃げるルートもない!モスヒュージは更に強化して出てくる!あのモスヒュージが更に強化されるのはもう覚悟に入れてください!少しでも時間を稼いで、ベル様とジーク様がこっちへ来るのを待つしかないんです!あのモスヒュージを倒せるのはあの二人だけです!それまでここで攻防戦をします!これしかこの場を切り抜ける方法がありません!リリの指示に聞いてください!」

 

 

「っ!」

 

「そういうことだ、鍛治師。今の俺たちには今周囲に居るブルークラブしか立ち向かえない。このパルゥムの言う通りだと思うぞ?」

 

「っ・・・・・・たくよ、わかった!それでやろうぜ!」

 

 

「はい!指示を出します。前衛はアイシャ様、ヴェルフ様、桜花様でお願いします。後衛の防御を命様、ダフネ様でお願いします」

 

 

「あいよ!!」

「「おう!!」」

 

「承知!」

「わかったわ!」

 

 

「千草様、遠距離の敵をその弓で撃ってください!」

 

 

「はい!」

 

 

「ドルムル様達はまだ動けたりしますか?動けるのでしたらリリのバックパックに盾がいくつもあります。それでリリ達サポーターを守ってください!動ける者だけで構いません!」

 

 

「それくらないなら!」

「私たちでもまだやれる!」

 

 

「カサンドラ様は、皆さんの回復をお願いします」

 

 

「はい!」

 

 

「そして・・・・・お願いします。春姫様!」

 

 

「はい・・・・私が皆さんを支えます!」

 

 

リリルカはそう言って、皆にできる範囲の指示を送る

 

今できることは時間を稼ぐこと、ブルークラブだけならまだ良かった。進みながら倒してこの階層を脱出する事はできた

 

でも、もう無理に動けば、モスヒュージに襲われる。

 

そうなるくらいなら、ここでなんとしてでも、俺とベルが辿り着くまで、ここで耐えて切るしかない

 

初めくらいなら、春姫のレベルブーストでなんとかできる。なぜなら今の彼女は

 

 

「大きくなれ 其の力に其の器。数多の財に数多の願い。鐘の音が告げるその時まで、どうか栄華と幻想を 大きくなれ 神を食らいしこの体。神に賜いしこの金光。 槌へと至り土へと還り、どうか貴方へ祝福を 大きくなぁれ!」

 

「これは!?」

 

「ふ!上手くやれているじゃないか!」

 

 

春姫の腰から、光の尻尾が発現する

 

これは彼女のエンチャントでもある。この尻尾はレベルブーストの光で、彼女の妖力で生み出された光、それが五つ

 

つまりは

 

 

「舞い踊れ!!ウチデノコヅチ!!!」

 

 

「よし!行くぞ!!!」

 

「「「「うおおおおおおおおお!!!」」」」

 

 

五人分のレベルブーストを掛けることができる

 

春姫はあの殺生石無しでも、そこまでレベルブーストを複数掛ける事に成功した。

 

どうやらアイシャの特訓が上手くいったようだ。これでアイシャ、ヴェルフ、桜花、ダフネ、命、の五名が一つレベル上がる

 

 

「なんとか上手く・・・・う!」

 

「春姫さん!?」

 

「カサンドラ様はそのまま春姫様を守ってください!」

 

「はい!」

 

「おい、パルゥム今のは?」

 

「これは秘密です。今は目の前のモンスターに集中してください」

 

「お、おう!」

 

 

もちろん春姫のレベルブーストは一回のみ、それを使ったら気絶してしまう。春姫もここを乗り切るためにも、自身の切り札を使い切る

 

もちろん、これはファミリアの秘密でもあるため、ドルムルたちには秘密にするよう、言っておく

 

 

「よし!これなら!」

 

「この大群でも捌き切れるぞ!」

 

 

春姫のレベルブーストのおかげで、とりあえずアイシャたち前衛と、後方を守る守備の命達はブルークラブの大群でも、問題なく無双をしている

 

ひとまずはこの場を切り抜けられるが、それはもちろん時間もあり、今だけ安心できるだろう

 

 

問題は

 

 

「ふ!あのモスヒュージはまだ出てこないのか?」

 

 

あの肝心の強化種のモスヒュージだ

 

モスヒュージの姿が見えない。これだけのパスパレードを起こして現れない、やはり俺の言う通り、魔石を集めて強化しているのではないのかと、アイシャは思う

 

リリルカに無茶な頼みを受けたはいいが、どこまで耐え切れるか

 

 

すると

 

 

『グウウ!!』

 

 

「っ!アイシャ様!」

 

「出てきたか!しかも手にはしっかり魔石を持ってやがる!」

 

 

『グ!ガアア!!・・・・・・ゴクン!』

 

 

大分手前に居たブルークラブを倒し終えると、奥の方でモスヒュージが姿を表す。そして奴の左手に大量の魔石を手にしていた

 

やはり推測通り、アイシャ達から倒したブルークラブの魔石を密かに回収していたようだ。そしてその回収した魔石を全て口の中へと食い尽くす

 

そして

 

 

『グウ!・・・ガアア!!!』

 

 

「な!?姿が変わった!?」

 

「なんだあいつ!?更に体格まで大きくなりやがった!?」

 

 

更に魔石を食い尽くして強化されることで、モスヒュージは姿を変貌する

 

体格はミノタウロスよりも大きくなり、背中から沢山の枝が放出し、顔は初めオークのような顔付きだったが、今度は口の下べらが丸くなり、まるでウツボのような口に変貌する

 

 

『ガア!!』

 

 

「く!・・・さっきより力が違う!!」

 

「アイシャ・ベルカ!?」

 

「私に構うな!あんたらそいつらに集中してな!」

 

 

リリルカの作戦通り、モスヒュージが出てきたら、アイシャだけがモスヒュージを引きつけて、時間を稼ぐ。奴を抑えられるアイシャしか居ない

それ以外は山炎ながらここで耐え切るしかない

 

いつ俺とベルは着けるしか知らないが、ここで耐えるのみだった

 

ただでさえ、アイシャが春姫のレベルブーストを受けてレベル5になった、にも関わらず勝てない。今奴の殴りを受け止めて、それが勝てないと彼女は実感する

 

 

『ガア!!』

 

 

「なに!?ぐあ!?」

 

「奴の舌ベラが伸びた!?」

 

「まずい!!寄生木が!?」

 

「があ・・・・ぐ・・・ぬあ!!」

 

 

『グ!?ガア!!』

 

 

なんと、奴の舌ベラが伸びた。まるでミミズが体を伸ばすように

 

アイシャは肩に、奴の舌ベラの口に食われる。自身の大剣で奴の舌ベラを切り裂くが、舌ベラは斬られたのに再生をされ、更にに奴に喰われた時点で

 

 

「はあ・・・くそ!やられた!」

 

「アイシャ様の肩に寄生木が!」

 

「くそ!これでも食らえ!!豪火!!」

 

 

『グウウ!!!』

 

 

「な!?効いてない!?」

 

「なんで!?モスヒュージは炎に弱い筈なのに!?」

 

 

モスヒュージは木と苔でできた木人系のモンスターだ。そんな奴が炎の攻撃を受けてやられないなどありえない。大抵のモスヒュージは炎を受けて確実に死ぬ

 

だからヴェルフは自身が使う大剣を一度しまい。持ってきた火炎系の魔剣を放って倒そうとする

 

なのに、ヴェルフの魔剣と言う、最大の火炎系魔剣を放って、受けているのにも関わらず、奴は燃えない

 

その理由は

 

 

『グウ・・・・グウウ!』

 

 

「な!?あいつの腹に『ウンディーネ・クロス』が巻かれている!?」

 

「あいつ!?殺した冒険者から奪ったんだな!」

 

「だから炎の攻撃を受けねえのか!?」

 

 

奴の腹にウンディーネクロスが巻かれていた

 

ウンディーネ・クロスは炎の耐性もある装備だ。モスヒュージは更に強化したことで、知恵を得ていたようだ。まるでゼノスとあまり変わりない意志を持った怪物だ

 

 

「くそ!こいつは私でなんとかする!あんたらは他の奴を守れ!」

 

「けど!」

 

「いいから!あのチビスケの言うことを聞け!」

 

 

もはやヴェルフの魔剣ですら、立ち向かえないのなら、アイシャが引き付けるしかない

 

そしてヴェルフ達にできるのは、少しでもブルークラブの軍団を一つ一つ斬り落とす。今は俺とベルが来るまで時間を稼ぐしかない

 

だけど

 

もう限界に近い、その理由は

 

 

ブウ!!

 

 

「っ!春姫殿のレベルブーストが!?」

 

「まずいぞ!」

 

 

春姫の妖力が切れそうになっていた。賭けてもらってからもうかなりの時間が経っている。五人を同時に掛けられるにしても、時間はそこまで無い。

 

つまりは・・・・もう限界

 

更に

 

 

『ガアア!!』

 

 

「な!?腕から!」

 

「きゃあ!!」

 

「千草!!」

 

 

モスヒュージは手のひらから苗木を飛ばしてくる。ヴェルフ達は武器とリリルカ達は自身に身に付けている、ゴライアスシーフで身を防ぐことができた

 

だけど、千草には防ぐ物がなく。奴の寄生木を受けた。そして彼女の肩から寄生木を生まれる

 

 

「くそ!千草!」

 

「っ!まずいよ!レベルブーストが!?」

 

「く!自分が行きます!ダフネ殿はこのままお願いします!千草殿!!」

 

「はあ・・・はあ・・・ソウルライト!!」

 

「カサンドラ様!もうこれ以上は!」

 

 

「まずい・・・・どうすれば・・・・」

 

 

もう時間を稼げる状況ではなくなった

 

ヴェルフ達に掛けられたレベルブーストが消えた。千草も負傷した。カサンドラももう回復できる精神力はない。命が助けに行ったが、もう桜花同様に体力もない。アイシャも負傷しながらもモスヒュージを片手だけで引きつけいるが

 

もう限界だ。今ここに居る全員が、もう限界値を向けている。

 

もう防衛が完全に崩れている最中だ、それより次の作戦をリリルカが考えているが

 

それでも、もう打つ手が無い

 

このまま、俺とベルを待つしか、打つ手がない

 

 

そんな時

 

 

「そこのパルゥム!俺たちを置いていけ!」

 

「私たちが防衛する!その間にお前達は逃げろ!」

 

 

「そんな!」

 

 

「俺たちはもう終わっていたんだ!お前たちが来なかったら!」

 

「そうだ!私たちはもうあの時で、死んでもおかしくない、この事をギルドに報告しろ!救助要請をするんだ!」

 

 

「・・・・・・・」

 

 

あまりの状況の悪さに、ドルムルとルヴィスが自分達が引き付ける代わりに、ギルドまで戻って助けろと、ここでドルムルとルヴィス達を置いて行けと自ら犠牲になる

 

ヘスティア・ファミリアを連れて、ここでドルムルとルヴィス達の仲間を置いて行くなど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここで終わりにしないで下さい!なんとしてでも耐えてください!」

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

リリルカにはできず

 

ここでみんなで、全員生き残ることを願って、死に物狂いで耐えることを選んだ

 

オリンピアでなんのために学んできたのか、仲間を見捨てることなど、もうあの想いを経験したリリルカにとって、もう昔の自分じゃない。仲間を見捨てて自分たちだけで助かろうなどと

 

もう彼女もヘスティア・ファミリアの一員として、耐え凌ぐことを選ぶ

 

 

「何があっても全員で生き残るために!あのお二人が来るまで!!諦めないでください!!」

 

 

「ああ!もちろんだ!」

 

「ええ!まだ戦えます!」

 

「まだやれるぞ!」

 

「私ならまだやれる!こんな野郎に負ける気はない!」

 

 

ここで諦めるなど、リリルカはしない

 

オリンピアで絶望の現実をかなり押し付けられた。それでも乗り越えた、皆で諦めなかったから、だからこそ諦めない

 

皆でやれば、必ず乗り越えると、思い込みでいいから信じていた

 

もうリリルカは諦めない、絶対に

 

 

その言葉が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実現する

 

 

「良い覚悟だ。それでいい」

 

「その通りだよリリ!僕たちは諦めない!」

 

 

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

「この声は!?」

 

 

突然リリルカの腕輪から聞いたことのある声が聞こえる

 

その声は、この場の人間なら誰でも聞いたことのある声。その瞬間

 

 

「全員防衛体制!!ムスペルスヘイム!!!」

 

「みんな隠れて!ファイアボルト!!!」

 

 

「っ!皆さん!この地面に!アイシャ様はその壁の隅に!」

 

「っ!」

 

 

後方からこの洞窟全体を焼き尽くす程の炎が、全領域に流れる

 

アイシャ以外のメンバーは、今リリルカがバックから魔剣を取り出し、地面に開けた底に皆を集めて隠れる。アイシャはそんな隠れる余裕もないため、壁に隠れそうな隅があったため、そこへ隠れて炎に逃れる

 

迫り来る波の炎は、容赦なくムスペルスヘイムとファイアボルトがブルークラブの軍団は焼かれて消え、強化されたモスヒュージは炎で流れて行く

 

 

『『『『『『ガア!』』』』』

 

『ガアアアアアアア!!!』

 

 

「モスヒュージが別の場所へ流れていく!」

 

「この炎は・・・・まさか!」

 

「やっと来たか!」

 

 

その炎を放った者は二人、リリルカの作戦が上手く行ったことで、なんとか辿り着くことができた。

 

その放った二人は

 

 

「待たせたな!」

 

「ごめん!遅くなって!」

 

 

「「「「「ジーク!」」」」

「「「「「ベル(様)!」」」」」

 

 

やっと辿り着いた。リリルカ達が居る25階層に、なんとか数分で俺とベルは辿り着いた

 

ブルークラブは俺とベルで一層し、あとはモスヒュージだけとなり、俺とベルはそのまま再会を喜ばずに、奥まで吹き飛ばされたモスヒュージを追いかける

 

奥にある湖の追い込まれたモスヒュージを確実に排除する

 

 

「確実に仕留めるぞ!ベル!」

 

「はい!ここで終わらせます!」

 

 

『ガア!』

 

 

モスヒュージがいつの間にか姿が変貌をしいているが、俺とベルは戦う

 

更に強くなっていようが関係ない。ここで仕留めなければ被害も増える。魔石を喰らって強くなろうが関係なく、

 

倒すのみ

 

 

「行くぞ」

 

「はい!うおお!」

 

 

『ガア!!』

 

 

戦闘を開始を始める

 

もう俺はモスヒュージの特性をわかっているため、どんな動きをも予想はできる、だがベルは違う、これが初めてで未知の敵だ。だから相手をよく見て予想し、攻撃パターンを見切って斬ること。それ以外ない

 

それをしろと言っても、無理だろう。そんな簡単に相手の動きを読めだの、無理に等しいのだが

 

 

「は!」

 

 

『グ!?』

 

 

「いいぞ、その調子だ。追い込め!」

 

「うおおお!」

 

 

「な、なんだ!?ジークはともかく、ベルはなんか前より動きがおかしくないか!?」

 

「前より更に早くなったと言うか・・・前よりも・・・いや・・・・全然違う。ベル・クラネルって・・・・あんなに強かったか?」

 

 

アイシャを追い詰めていたモスヒュージが

 

なぜかベルには追い込まれている。しかもモスヒュージがベルの攻撃に被弾されるばかりで、完全にベルの動きに、モスヒュージが付いて行けない、そのままベルにやられるのみで、モスヒュージが腕で防ぐばかりだった

 

だからなのか、モスヒュージが別の手段を取る

 

 

『ガア!』

 

 

「っ!苗が来るぞ!斬れ!」

 

「はああああ!」

 

 

『ガ!?』

 

 

「全部あのモスヒュージの攻撃を斬り裂きやがった!?」

 

「一体、なんでいつの間に!?」

 

 

モスヒュージの腕や足から、寄生木が飛んでくる。

 

しかし、俺もベルも一つたりとも当たることなく、全て剣とナイフで切り落としている。これではモスヒュージの攻撃など、まるで通用しない

 

もうこれで奴を倒せる手段はもう手にしている

 

ベルがなぜここまでモスヒュージの動きよりも早く動けるのか、モスヒュージは確かに強化した。だがそれでもベルが上。なぜベルの方が強いのか

 

それは

 

 

 

ベルがレベル4としての力を『やっと』発揮し始めているからだ

 

 

 

レベルブーストを受けた時、あまりにも自分が感じる違和感がある。それは心と体の一致しないことである。体では強くなっても心に少し不安があるだけで立ち向かえる勇気がないと、力が発揮しないことや、急に強くなった体に慣れない場合がある

 

今、ベルはその力にやっと目覚め始めた。その力を吐き出すために、ヘディンに修行を頼んだが、やっと今発揮できたようだ

 

もちろん、それだけではないはず、ヘディンに教わったことは

 

 

「ベル。お前が決着をつけろ。ヘディンに教わったことを」

 

「はい!師匠に教えてくれたこの方法!使わせていただきます!ファイアボルト!」

 

 

「ベルのナイフに魔法を掛けた!?」

 

「あれエンチャント?ううん、なにあれ!?」

 

 

ベルは自身のナイフに、炎の魔法を掛けた

 

その瞬間、ナイフの刀身から白い炎が放出した。そこから『ゴン!ゴン!』と鐘の音が鳴る。ヘディンの修行でやっと自身のスキルであるチャージを自由に操れるようになったようだ

 

オリンピアの時は、まだピンチの時にしか使えなかったのに

 

 

今ではやっとその力が扱えるようになった

 

 

今のベルなら、超えれる。

 

 

『ヘスティア・ナイフの本当の扱い』を覚えたベルなら

 

ヘスティア・ナイフは魔力を付与できる『ミスリル』の素材でできている。つまりは魔法を抑え込む機能がある。それもヘスティアのピエログリフが刻まれた刃なら、ベルのチャージも付与できる

 

エンチャントとは別の、ベルにしか使えない技

 

 

『グウ!!』

 

 

「逃さん。ニブルヘイム!!」

 

 

『グウ!?』

 

 

「足をもう一度凍らせた。終わらせろ!ベル!」

 

「はい!うおおおおおおおおお!!」

 

 

モスヒュージはベルの新技が危険だと察知したのか、周囲にある湖の中に逃げようとしたが、そうはさせずに、俺の氷魔術であるニブルヘイムで、また湖全体を凍らせ、モスヒュージの足も含めて、また奴の身動きを封じる

 

その隙にベルが切り落としに、奴に向かって駆け走る

 

 

「神様、『あなたの別名』。僕が貰います!!」

 

 

ベルの新たな技名に、ヘスティアの別名を使う

 

確かヘスティアの別名は、オリンピアでも聞いた。聖火の女神と言う意味で『ウェスタ』。その名と、オリンピアの邪竜を倒した時に放った名前を、これに使う

 

白い炎を纏う斬撃の名は

 

 

 

 

 

 

「アルゴ・ウェスタ(英雄の一撃)!!!」

 

 

 

『ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?!?』

 

 

ベルの放った白い斬撃の炎が

 

モスヒュージの体を魔石ごと、完全に奴を燃やし斬った。強化された体であろうと、魔石ごと破壊されては自己再生できず、モスヒュージは完全に消え去った

 

 

「はあ・・・・・これで終わりです」

 

「見事だ。ベル。上手く倒せたな」

 

 

「ベル様が勝った!!」

 

「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」

 

 

見事完全にベルは強化種モスヒュージを倒せた

 

もちろん今のは本体。分身ではないのは俺の気配察知でも感知している。間違いなく奴は本物だ

 

その理由に

 

 

「あ!」

 

「千草!苗木が!」

 

「奴の本体を倒せたから、寄生木が消えたんだな」

 

 

千草やアイシャ、そしてドルムル達に植え付けられた寄生木が灰になって消えた

 

これは間違いなくモスヒュージの本体を倒せた証、奴は分身を作るが本体を倒せば分身も消える。と道理で、アイシャ達が植え付けられた寄生木も本体を倒したことで消えた

 

まず第一段階の困難を超えた

 

 

「みんな。無事に生き残れたようだな」

 

「ジーク。すまねえ。俺たちを助けてくれて」

 

「構わんドルムル。俺は『マグニ兄上とモージ兄上』達の眷属を助けたかっただけだ。同じミッションを行う者同士だ。助け合わねば」

 

「貴方様のおかげで助かりました。本当にありがとうございます。ジーク様」

 

「よくここまで戻ってこれたわね!いきなり現れた時はびっくりしたわ!ジーク!」

 

「まさか・・・27階層からここまで戻ってくるなんて、凄いです!」

 

 

「ベル様!無事でよかったです!」

 

「リリ!ごめんね心配かけて」

 

「本当に驚いたぞ!いきなりお前まで湖に飛び込んだりして!」

 

「次はもうしないよ。ジークさんにもそれは間違いだと言われたし」

 

「本当に心配しました!ベル様!」

 

「全く、お前は本当にすごい奴だ」

 

「ベルさん!すごいです!」

 

「ベル・クラネル。よくやったよ。いいオスになったじゃないか」

 

 

まずは一件落着として、皆と無事に敵を倒して、全員欠けることなく合流ができた

 

ここまで困難だったが、無事にまずは第一段階のミッションを終わらせることができた

 

 

「ジーク・・・ベル・・・」

 

「っ!マリィ」

 

「凍った湖の下から・・・」

 

「倒してくれてありがとう」

 

「ああ、さ、もう行け。また会おう」

 

「うん、またね」

 

 

ニブルヘイムで凍った湖の中から、氷を砕いてマリィがバレない程度に少し顔を出してお礼を受ける

 

モスヒュージが怖いと言っていたため、奴を倒したことでしばらくマリィはここで安全に過ごせるため、そのお礼をしてどこかの湖深くへと行き去る

 

とにかく

 

死者はなし、ドルムルとルヴィスの仲間達は少し負傷しているが、すぐにでも18階層のリヴィラの街に戻って治療するべきだと、すぐさま18階層に戻る

 

 

現時点でミッションは半分はコンプリートした。必要なアイテムはこれで全て確保した。ギルドの要請したアイテムは全て確保した

 

まずは負傷者も居るため、一旦18階層に戻り、負傷者をリヴィラの治療院に運び、一旦一日休憩を取る。それでから次のミッションの作戦を考察しながら、体勢をまず整える

 

 

 

ミッションの半分はクリアした。それは必要なアイテムを確保すること、俺とベルが居なくなった後も、リリルカは25階層を戻るついでにいくつかアイテムを確保していた。そのおかげでアイテムは全部取り終えた

 

そして残り半分が、このミッションの本題であり、一番の困難

 

それは

 

 

 

 

27階層の階層主であるアンフィス・バエナの討伐

 

 

 

 

これは、明後日の予定として回す

 

明日は負傷者も居るため、流石にリヴィラで休憩の予定に入る

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。