ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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リューの決して消せない過去

 

ターク・スレットとその仲間と思われる者たちを置いて、俺たちだけ階層へと進んでいく、今は25階層を通過して、26階層

 

それまでは誰にも接触する事はなかった、敵らしき人物にも会わない。出会うのは

 

 

モンスターばかり、現在マーマンとライトクオーツと戦闘中

 

 

「時間が惜しい、ベル!先行!」

 

「はい!」

 

「リリルカ!リーダーを探せ!」

 

「はい!色が違う奴ですね!」

 

 

わかっていたが、26階層ではモンスターが多すぎる。厄介なまでに通せんぼが激しい、普段はここまで数は多くないはず

 

何をしたら、ここまで増えるだろうか、なんだか昨日よりも、モンスター出現率が大きくなっていた

 

もう少しで、27回層に辿り着くと言うのに

 

 

「終わったか?」

 

「はい、全て倒しました」

 

「よくやった」

 

「ジーク様、何かおかしくありませんか?」

 

「ああ、怪物の出現率がおかしい、それに・・・・・」

 

「どうしましたか、ジーク様?」

 

「いや、なんでもない。27階層に降りるぞ」

 

「はい」

 

「ボールス!進むぞ!」

 

「おう!お前ら!ヘラクレスに続け!」

 

「「「「「おお!!」」」」」

 

 

全て鎮圧し終えると、さっさと下層へと目指す

 

出現率がおかしいのは何かが原因だと、俺も気づいてはいるが、それがなんなのかがわからない。それだけでなく、ここまで来て気づいたことがある

 

それは

 

 

(なんだ?なぜこんなにダンジョンが『揺れて』いる?しかも遠くから何かの振動が聞こえる。27階層の方だな。それに先ほどからマーマンとライトクオーツが多く出てくると言うより、『むしろ逃げている?』何か出てくると言うのか?)

 

 

俺の神としての力が発揮し始めているなのか、それともファーブニルの感知か、何が原因で感覚が感じるのかわからないが、少なくとも今『ダンジョンが何かをしてくる』のだと

 

カサンドラの言う悪い予知に繋がることだと予想しながら、目的地である27階層へ降りていく

 

 

 

 

 

 

 

27階層

 

少し休みながら、なんとか目的地まで着いた。ここの階層に着くと、人との思われる気配と魔力を感知した。

 

 

もちろん、リューの魔力も気配も感知した

 

 

それだけでなく奥でかなりの大人数が居る。奥で数人しか感知できなかったが、間違いなくモンスターではなく、人の気配であるに違いない。しかも

 

 

死体で、間違いなく死体のような死臭を遠くに居るにも関わらず嗅いでしまう

 

 

こんなことあるのかと思うが、どうやらジュラ・ハルマーがよからぬことをして、仲間を死体送りにするような真似をしているのだと、想像する。

 

この先は間違いなく死体だらけ。一体何が理由でそんなものが俺の体の感覚に反応してわかるのか知らないが、とにかく先で死体が転がっているのなら、俺たちがなぜこんなことをするのか、もうボールス達に話すべきだと思っている

 

そうしなければ、この先で戸惑うのではないのかと、状況によってはリューの立場がより悪くなるだろう、だから話すべきだと、一旦立ち止まらせようとする

 

 

 

 

『♪〜〜〜〜〜〜♫』

 

 

「なんだ!?」

 

「歌が聞こえるぞ!?」

 

 

「ベル様、ジーク様、これは・・・マーメイドの歌です。ってことはお二人が一昨日会ったと言うゼノスの・・・」

 

「ジークさん、まさかここに・・・」

 

「ああ、マリィが来ているんだな」

 

「何かあったんでしょうか?」

 

「そうかもしれないな」

 

「どうしますか?」

 

 

一昨日で、新しいゼノスのメンバーに出会った。マーメイドのマリィがここにも来ていた。なぜかここに居るらしく、俺たちを呼んでいるのか、マーメイド特有の歌が遠くから聞こえる

 

何かあったのではないのかと、俺が向かおうと思う。がその前に、この先は死体ばかり、ボールス達に俺たちが協力した目的を話すように、リリルカに説明を頼んでおく

 

 

「俺が様子を見に行ってくる。先に進んでもいいが、リリルカ、俺たちの目的をボールス達に話しておけ」

 

「いいのですか?」

 

「ああ、全部俺がやったことだから、誰も文句は言わないさ、もちろんこれからのこともな」

 

「この先にリューさんの気配がしたんですか?」

 

「それだけじゃないのもある。まあ奴らの仕業でもあるが、この先のことは頼む。俺は違う場所へ行って様子を見に行ってくる。ボールス!ひとまずはリリルカの指示に従え、いいな?」

 

「あ!?おい!?ヘラクレス!?何処に!?」

 

「いいから、俺は別ルートを探索してくる。ベル、リリルカ、頼んだぞ」

 

「はい!」

 

「気をつけて!」

 

 

俺はマリィのところへ向かうために、単独行動を取る

 

何があったのかはわからないが、だからと言って見捨てるわけにもいかず、俺一人で向かう。もちろん先にリューがジュラを見つけられても困るため、なるべくマリィの用を早めに済ませるために急ぐ

 

マリィの居場所はもちろん水の流れある場所、湖である。27階層ではいくつもあるが、運良く隣のルームで彼女の気配を感知して

 

湖の上で歌っている彼女を見つけた

 

 

「マリィ!」

 

「あ!ジーク!」

 

「お前の歌を聞いて、ここまで来た」

 

「そうなんだ。ありがとう。ここまで来てくれて、どうしても怖くて」

 

「怖い?どうかしたのか?」

 

 

マリィを見つけて、俺も湖の中に入ると、なぜか突然彼女は俺に抱きついた。抱きついた時に、彼女の体が震えていた。何か怯えているような震えだった。

 

何かに襲われて、怯えているのだろうか、とにかく何に怯えているのか、彼女の話を聞く

 

 

「マリィ。お前は何を怯えているんだ?」

 

「怖いの、あの『うめき声』が」

 

「うめき声?」

 

 

ウウウ・・・・ウウウ・・・・

 

 

「っ!これは・・・・・ダンジョンの呻き声か!?」

 

 

信じられない話かもしれないが、俺も初めて聞く声、マリィはなんなのかはわかっていたが、周囲には誰もモンスターも居ない。俺とマリィ以外居ない。でも俺は確かにマリィの言ううめき声が聞こえた。その声は

 

 

それはダンジョンの壁の声だった

 

 

こんな声初めて聞いた、ダンジョンからそんな声をするなど、しかし間違いなくその声が壁の中から聞こえた。一体なぜそんな声がするのか

 

俺は更にとんでもないことに気づく

 

 

「この声・・・・・モンスターか!?・・・一体何のモンスターの呻き声だ・・・・聞いたことがない・・・新種のモンスターか?」

 

「ジーク?わかるの?」

 

「ああ、だが、聞いたことがない。まさかダンジョンはあの黒いゴライアス同様に、イレギュラーな怪物をまた生み出す気か!?」

 

 

俺の感覚が段々母と同じ神の感覚を覚えてきたからなのか、ダンジョンの奥からモンスターの声が聞こえた。間違いなく聞いたことないのイレギュラー的なモンスター。黒いゴライアスのような怪物を生み出すのだとわかった。しかもここで

 

しかしだ

 

 

なぜダンジョンはまたそのようなことをする?

 

 

黒いゴライアスの時は、ヘスティアがダンジョン内で力を発揮してしまい、その力に反応して、神を消そうと黒いゴライアスを生み出した。理由はしっかりあった

 

だが、今回はなんだ?

 

ダンジョンに影響あるような事はしていない。少なくとも俺たちは、それでもダンジョンはそのようなことをしようとするのであれば

 

やはりこの先に居る。『ジュラ・ハルマー』だ

 

奴が今何かダンジョンでよからぬことをしているのかもしれない。先ほどの振動の揺れ、まさか奴が奥で何かしているのかと思っている。

 

だとしたら

 

 

急いでリューを回収してここを出ないとまずいことになる

 

カサンドラの予知の絶望はこの事を言っているのだろうか

 

運命として避けれる事はできないだろうが、それでもリューの命は運命に左右されているわけではない。もしかしたら最悪なこともあるかもしれな。とにかく急ぐしかないと、マリィにリューを見なかったかを聞いてみる

 

 

「マリィ、長い耳をしていて、緑色のマントをした木刀のような物を持った女は見ていないか?」

 

「うん、その人なら見たよ」

 

「何処に行った?」

 

「あっちの通路!」

 

「あっちか、マリィ。このうめき声はモンスターで間違いない、いいか?何があっても湖の中から出てきてはダメだぞ。出てきたら殺されると思え、いいな?」

 

「ジークは?」

 

「俺はその女を探している。その怪物は俺がなんとかするから、とにかくお前は何があっても湖の中に出てくるな?いいな?」

 

「で、でも・・・・」

 

「死にたくないだろう?一人で寂しいのはわかるが、それでも殺されるよりはマシだ。それに俺がこれをなんとかしないとならない。言う事を聞けるな?」

 

「う、うん。わかった」

 

「良い子だ。何があっても顔でも地上に出してはダメだぞ」

 

 

そう言って、マリィの頭を撫でながらこれからの行動の指示を出しておく、マリィは俺の指示を聞いて、湖の底へと潜って行った

 

そして俺はマリィの情報を元に、リューが通ったと思われる通路を俺も通る。確かにその先にリューと思われる魔力を感知した。

 

急いでリューを探してベル達と合流を目指そうと

 

 

奥へ進んだ

 

 

すると

 

 

「っ!血の匂い・・・金属音も聞こえる」

 

 

進んでいくと、血の匂いがした。誰かがやられたのだと気づく、しかも武器を振るったような金属音も聞こえる。

 

そのまま真っ直ぐに進むと

 

 

 

「本当に居るとな・・・・」

 

 

「っ!?ジークさん!?」

 

 

目の前に

 

 

ドワーフの男が倒れていて、その男の胸を踏みつけて、血で汚れたナイフを手に持っているリューを見つけた

 

 

倒れているドワーフの手足は切り裂いた跡がある、間違いなくリューが手に持っているナイフで切り裂いたのだと、すぐにわかった。まさかアスフィの仕事を無視して、過去への弔いをしているとはな

 

リューは俺と出会して、見たことのない形相し、睨んだ眼で俺に問いかける

 

 

「どうしてあなたがここに居る!?」

 

「ミッションだ。その途中でリヴィラで死人が出たと騒ぎが起き、そしてやった奴がお前と目撃証言を出され、お前の懸賞金目的で、リヴィラの連中がお前を追いかけにここまで来ているぞ。俺は・・・・そうならないよう邪魔しに来たのだがな」

 

「私がリヴィラで死人を出した?」

 

「まあ、当然お前には身に覚えのない冤罪だな、そしてお前は・・・・ジュラ・ハルマーの仲間を追い詰めて、奴の居場所を履かせようとしたようだな」

 

「っ!?どうしてそれを!?」

 

「ヘルメスがギルドの情報を流した。奴も今は指名手配だ。こちらもジュラ・ハルマーを捜索中だ」

 

「え?なぜジークさんがジュラを・・・・」

 

「決まっている。それは・・・・」

 

 

俺がなぜここに居るのも、なぜここに来たのかと言う素性を話して、あえてリューの目的をわかった上で、リューの目的である

 

ジュラ・ハルマーをこちらも探していると、リューに伝える

 

なぜ奴のことなど関係のない俺が探しているのか、それはと言うと、これはベルにはあんまり賛成してくれない作戦、

 

それは

 

 

 

 

 

 

 

「俺が奴を殺すからだ」

 

ザシュ!!!

 

「っ!?」

 

 

そう言って、俺はグラムを手にとって、倒れているドワーフの首を斬り裂いた

 

切り裂かれたドワーフの首はその隣にある川の中に落ちていき、奴の首から大量の血が吹き出した

 

その行動にリューは先ほどの形相から一気に驚愕な顔をした。いくら彼女でも、恨みある相手でも殺しはしなかった

 

 

 

俺は違う

 

 

恨みは無かろうが、敵であり犯罪者であるなら斬り殺すまで、俺に犯罪者までの命価値など心に持たず、全て悪であると、リューみたいに正義を掲げる気など一切なく、敵であるなら人でも殺すのが俺である

 

だからジュラの仲間でもあるこのドワーフを、リューは手足を軽く斬り裂いただけだと言うのに、俺は首を斬り落とした

 

 

「詰めが甘いな、こんな生きる価値のないゴミなど、生かす必要はないと言うのに」

 

「ジークさん・・・何を・・・」

 

「俺だけギルドからもう一つミッションを受けている。それはジュラ・ハルマー。およびそのジュラの仲間と思われる犯罪者達を捕縛するミッションをな」

 

「捕縛・・・ギルドからですか?」

 

「ああ、だが、そんなゴミが易々と捕虜になる事を応じるはずがないと、もしも捕虜にならないと応じない場合は殺すと、抵抗する者の配慮は俺には無いと伝え、まあエイナもあまり賛成してくれなかったが、言う事を効かない場合は暗殺する方針を取った」

 

「ジークさんが・・・暗殺!?じゃあ先ほどお話しされたリヴィラで死人が出たと言う話は・・・」

 

「そうだ。おそらくお前はリヴィラで『ジャン』と呼ばれる男をジュラ・ハルマーの居場所を吐かせようとして、多少の拷問をしてから野放しにしたと思うが、やったのは俺だ」

 

「な!?なぜそのような・・・」

 

「単純に抵抗をしたから殺しただけのことだ。抵抗をする者に俺は配慮は持たない。捕虜をするだけ無駄だ。だから斬り殺したそれだけだ。もちろんリヴィラで大騒ぎになっているが、俺が殺したと言うのに、お前がやったと嘘の目撃証言を流した輩が居た。おそらくまだジュラに加担している奴が居たと、まだ25階層入り口付近で待機している。犯罪者面した奴らがな」

 

 

リヴィラで、ジャンと言う男を殺した犯人は俺だ

 

リューではない

 

実はギルドの任務でジュラ・ハルマー、およびそれに関する人間を捕縛するよう言われている。しかし、もし抵抗する場合は殺すと、遺体の一部を持ち帰るよう『暗殺ミッション』を俺は受けていた

 

あのリヴィラでリューが問い詰めて軽い拷問したジャンを殺した犯人は俺である。奴が抵抗をしたため、俺が殺し、その殺しの目撃証言が俺ではなく、リューと向けられた。そのためその目撃証言を嘘を吐くターク・スレッドもジュラの仲間だとわかった。

 

しかし、まずはリューを無事に保護するべきだと、奴はひとまず『別の者達』に任せて、こちらでまず先にリューを見つけることができた

 

と言うのが、俺の経緯である

 

 

「そのようなことが・・・・・ですから先ほどから、人の多さがある声が耳から伝わるわけですね」

 

「ああ、リヴィラの連中は、そのジュラの仲間と思われるターク・スレッドの言葉を鵜呑みにして、お前の懸賞金目当てで、皆お前を探して捕縛して金を貰う気だ。俺がやったと言うのに」

 

「まあ、私も今は過去の罪があるのですから、犯罪人である事は間違い無いのですけどね」

 

 

リューは俺の驚くべき行動を取った事を聞いて、さっきまで血眼でジュラ・ハルマーを探すことしか考えて人の話をまともに聞く気はなかったが

 

俺がジュラ・ハルマー殺すを言われた途端、それに関係する人も殺していると聞いた途端、俺のやることに驚きながら、冷静になって俺の話を聞いてくれた

 

まあ、事情はある程度話したが、俺がしっかりとリヴィラの連中に俺が殺したと言うべきだったが、まだジュラの仲間が居たとなると、流石に目の前でボールス達の前で人を殺すわけにもいかず、しばらくターク・スレッドを野放しをした上で、先にリューをなんとかする方を選んだ。俺の最善の選択である

 

しかし

 

今リューがリヴィラで殺人を起こした犯人として、懸賞金目当てで犯人扱いされていることになっている。急いでこの事態を収めるために、俺は目の前にリューが居るわけで、俺が提案を掛ける

 

 

「リュー、ジュラ・ハルマーは俺が殺す。お前は別ルートでこの階層を脱出しろ。リヴィラの殺人は俺がやったことだと、ボールス達に伝える」

 

「ジークさん!?何を!?」

 

「この事件はそもそも俺がギルドの任務でやったことで起きた発端だ、なら俺がやったと自白すればいい。もうリリルカが俺がやったとボールス達に話しているはずだ。もう俺がやったと免れない。大丈夫だ。俺は敵であるなら誰でも殺すと、もう皆、俺が怪物であると知っているから、俺が殺人鬼扱いされても俺には痛くない。でもお前は困る。友人であるお前をいつまでも犯罪人扱いはしたくない。お前のやる仕事は俺が引き受けるからお前はもうシルのところへ戻れ。シルやアーニャ達が心配しているぞ?早く帰って来て欲しいそうだぞ?」

 

「お一人で罪を被るおつもりですか!?私のするべき事を奪ってまで!?」

 

「殺しは俺にとって専門分野だ、友人であるお前がそれをする必要はない」

 

 

つまりは俺がリューの罪を被り、リューの目的であるジュラ・ハルマーは俺が暗殺し、それに関する人間を一人残らず殺す。そして俺がやったとリヴィラに自白し、黒竜である俺なら誰も文句は言えないはずだと、最終手段として脅しを用意して、リューは俺が殺したと嘘を吐いて、無事に彼女は別ルートで酒場に帰る

 

これが俺の目論見である

 

 

 

 

問題は彼女が聞くかだが

 

 

「やめてください。ジークさん。これは私のするべき事で・・・・」

 

「それを俺がやると言っているんだ。お前に人殺しは過去にできてももうできまい、今の男を殺せないようではな」

 

「っ・・・・・・」

 

「お前はもうアストレアの眷属としてもう人殺しが出来ないほどの板がついたんだ。そんなお前にジュラ・ハルマーを殺すことは不可能だ。俺なら敵であるなら誰であろうと殺す。ここは引き下がれ」

 

「できません!」

 

「リュー。ジュラを殺してもお前の過去は消えないぞ?それでもか?」

 

「ええ、わかっていますよそんなことは、ですが、あの男は私が過去との決着を付けないとならないことなんです。邪魔をしないでください」

 

「過去との決着か、過去を引きずるお前が過去との決着できるものか、なぜならお前は・・・」

 

 

何があろうとリューは引き下がらなかった

 

理由はもちろん過去に関わることであることは明白、しかし、実はそれだけではない

 

 

俺は知っている、二年前彼女が話してくれたから、俺はリューの過去を知っている

 

 

俺が罪を被ると言うのに、それでもジュラ・ハルマーを自身の手で仕留めると引き下がらない。それは過去との因縁を切ること、だが、それだけが理由ではない

 

 

それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今でも、『仲間を見殺しにしてしまった過去が消えないからだ』。リュー」

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

そう、リューは一度ジュラ・ハルマーの策略によって、止むを得ず仲間に魔法を打ったと言う過去を

 

二年前俺に話してくれた、もちろん実際に見ているわけではない、しかし彼女の大まかな過去を俺は知った。その時の彼女の表情はとても深刻で、嘘ではないのだと、当時俺は思った

 

そして

 

今でも俺にそれを言われて、あの時同様の深刻な顔をしている

 

どうやら図星のようで、今でも仲間に魔法を撃ってしまった罪悪感に彼女は囚われ、その過去をどうにか終わらせようとジュラ・ハルマーの首を落として何もかも終わらせようとしているようだ

 

 

「今でも消えないか、どうしてもジュラ・ハルマーを自らやらねば気が済まないか?」

 

「・・・・・・はい、これは私のすべき事なんです」

 

「そうか・・・・・・」

 

 

もう以上は聞かないことにした

 

何があろうと、意地であろうと、彼女は復讐に取り憑かれたのかと思ったが、そうではなく、ただただ自身の拭きれない程の後悔を断ち切ることだった

 

なら、もう俺の言葉が聞けぬのなら、俺の選択はただ一つ

 

 

「お前にどう言っても聞けぬと言うことだな?」

 

「・・・・・・・・はい、これは私の罪なんです」

 

「そうか、なら俺のすることは一つだ」

 

「っ!?」

 

 

俺は素早く動き、彼女は俺の突然の行動に、レベル6の素早さに反応できずに棒立ちしてしまった。俺はリューが追い付けない速度で、彼女の・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

横を通る

 

 

「え!?」

 

「ここからは競争だリュー!誰が早くジュラを見つけて仕留めるか、もはや話し合いができぬのなら、目的の者を先に横取りすれば話が早いこと、せいぜい俺に獲物を取られぬことだな!」

 

「な!?勝手な!」

 

「だったら追い付けてみろ、できるのならな?」

 

「く!絶対にジークさんにそんなことはさせません!」

 

 

話し合いはもはや意味なし、俺が全部片付ければ済むことなのに、意地を張ったせいでやはりカサンドラの予言通りになった

 

リューが俺の作戦に応じないのであれば、先に俺がジュラ・ハルマーを見つけて殺せばいいこと、そうすればリューのする事を止めることができる。友人に殺しは俺はさせない。友情かどうかは怪しいにしても、シルだって望まぬこと、そんなことは絶対させぬ

 

リューも慌てて、追いかけてくるが、俺はリューのことを気にせずに猛スピードでルームの奥へと進む、別に方向を考えずに走っているわけではない

 

 

 

もうジュラ・ハルマーを見つけたのだ

 

 

奥で奴と思われる気配を感知した。それ以外は俺が知っている者達の気配だ。そこに知らない気配を感知したそれは人の気配、間違いなく奴であろう

 

そして

 

 

そこにベル達が居る。どうやら先にベル達が見つけたようだ。何かされる前に、俺が早く仕留めなくてはと、後方に居るリューを無視して早く駆けつける

 

 

 

 

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