ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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ジュラの罠

 

 

リューを置いて、俺は27階層の奥のルームへと音速を超えて走る。向かう先は

 

 

ベル達と、見知らぬ気配をした者が一人居るルームへ

 

 

リューに追いつかれぬように、少し撹乱するような、真っ直ぐではないくねった道をいくつも渡って、リューに追いつかれないように素早く動く。そしてリューが追い付かれる前に

 

無事にベル達と合流した

 

辿り着いた時には、死体が多く転がっている。そしてベル達の前に、目的の人物を見つける

 

 

目的の人物であるジュラ・ハルマーだ

 

 

周りは死体だからで、奴だけが生きていた。奴もほぼ瀕死の状態になっている。何か襲われた様子はない。むしろなぜか周りに壁が『穴』が空いていた、間違いなくこいつが開けたんだろう

 

とにかく、まずは状況整理だ

 

 

「ベル、リリルカ、見つけたか?」

 

「はい、この方なんですね?ジーク様が捕らえたい人物と言うのは?」

 

「そうだ。よく見つけたな?」

 

「はい、奥でこの人が叫び声が聞こえましたので、周りの人は・・・死んでいます。あとここに来る途中でいくつか壁に大穴が空いてました。それと道端でこんな物が」

 

「火炎石か・・・・てことは・・・爆発の穴か、これは」

 

「はい、この死体の人たちはおそらくその爆発で、それでこの人だけがなぜか生きていたのを見つけました」

 

「そうか、とにかくよくやった。さっさと変なことが起きる前に事を終わらせるぞ」

 

 

「おい、待てよ!ヘラクレス!」

 

 

「なんだ?」

 

 

「このパルゥムに聞いたぞ!あのリヴィラで殺人をしたのはお前なのか?」

 

 

「そうだが?何か問題でも?」

 

 

「お前!冒険者を殺すとか正気なのか!?」

 

 

「ボールス。俺はギルドの依頼でこんな事をしている。指名手配犯が居ると、そいつを捕らえるよう俺だけにギルドに依頼されたが、俺は犯罪者がそう簡単に捕まるとは思えない、そのため抵抗したら殺すと言う手段もすると、ギルドはその手段を渋々了承してくれた。つまりは殺人は合法の許可を得ている。俺が殺人をしたのは抵抗したからだ。あのジャンと言う男は抵抗をしたから殺した。それだけだ」

 

 

「まともじゃねえ、テメエ」

 

 

「忘れたのかボールス?俺は敵であるなら誰でも殺す。同職であろうとも。前に言ったはずだぞ?それとも文句があるなら俺の敵になると言うことか?もしそうならそれなりの対応させてて貰うが、覚悟はあるんだろうな?」

 

 

「テメエ・・・・本当にヒューマンかよ」

 

 

「ヒューマンだからこんな事をするんだ。それにこいつらだってそれなりのことをするんだ。それをされないための対応しているだけだ」

 

 

「じゃああのタークって野郎が、疾風がやったって言うのは・・・」

 

 

「全部奴の嘘だ。どうせこの目の前の奴と裏で取引して。疾風に邪魔されないために、お前らを利用したんだろう。今頃ターク・スレッドは仲間を連れて、こいつの企みを実行をするために、後から来ることなく、どこかで何かしているに違いない」

 

 

「俺たちは・・・・あいつに騙されたってことかよ」

 

 

「金に目が眩むからそんなことになるんだ。懸賞金目当てで動くお前らは、まるで『馬鹿丸出し』で滑稽だった」

 

 

「ぐう!?・・・・・」

 

 

「だが、こいつの企みはまだわからない。今問いかける」

 

 

目的を見つけ、状況を聞き、奴がこの階層で何かしてこの死体を生み出したと推測した、

 

が、その前にボールスはリリルカに全てを聞いて、俺にリヴィラで起こした殺人をしたのは俺かと聞かれ、素直に答えた。もちろん当然ながらの文句を言われるが、ギルドからの依頼と言って黙らせ、それでも文句を言うなら敵としてそれなりの事をすると言って武力行使に出ると喋らせないようにする

 

金に目が眩んで騙された奴らの言葉など、聞く耳も持たなかった

 

おそらくは周りは奴らに雇われた連中だろう。ベルからここに来る途中で火炎石を拾ったらしく、周りの壁は奴が開けたもので間違いないだろう。ここに来るまでの振動と揺れはこいつらの爆破の原因、しかもここだけ階層の修復が間に合っていない。普通は壁はすぐに修復するのだが、ここは全然修復しない。『何かを出す』ためにこんな事をしているに違いない

 

まさかとは思うが、この男、俺がさっき聞こえた初声が聞こえた怪物を呼び出すのが目的か

 

とにかく、ジュラ・ハルマーに目的を聞く

 

 

「ジュラ・ハルマーだな、ここで何をしていた?」

 

 

「ヘラクレス!助けてくれよ!疾風に殺されそうなんだ!」

 

 

「それは無理だな、ここで不穏な事をしたお前を俺は助ける気は全くない。怯えるように言っているがそれは演技で言っているんだろう?ここでもお前は俺たちを騙そうとしているのかもしれないが、疑いが多いお前を信用するなどこちらは全然ないぞ?」

 

 

「頼むよ!俺は今まで普通に平和に暮らしていたんだ!もう悪いことはしてないんだ!英雄だろう!俺を助けてくれよ!」

 

 

「ほう、アストレア・ファミリアを騙したお前が、その後は主神が消えて、それ以来は普通に生きていたと?そうか・・・・・」

 

 

ジュラ・ハルマーは演技でもしているのか、重傷者振りをして、わざと俺に助けを求めている

 

ここまで疑わしい事をして、まだ被害者振るなど、本当に犯罪者と言うのは醜い存在だとわかった。それで騙せると思っているんだろう。利用を考える人間はいつもこうだ

 

だったらもう本性を出せるような事を言うしかないと、俺は奴が嘘をつく徹底的な証拠を出す

 

それは

 

 

 

 

 

「じゃあクノッソスで飼っている怪物は今何処に居る?」

 

 

「は?」

 

 

「だから、お前がクノッソスで飼っている怪物は今どこに居るって言ってるんだ?」

 

 

「だからなにを言って・・・・」

 

 

「お前が指名手配であることには変わりはない。なのに捕縛は一度もギルドからされたと言う履歴がない。それなのにお前はさっき普通に悪いことはしないで平和に暮らしたと言った。普通それは一度ギルドに捕縛された上で身も心も変わって普通にオラリオの街で暮らすのが普通だ。なのにお前の目撃情報は一つもない。ギルドからなに一つ。となればお前は今までどこに居たかと思えば、クノッソスしか無いわけだ」

 

 

「クノッソス・・・・なんだよそれ!そんな場所知らねえよ!」

 

 

「ルドラ・ファミリアはイヴィルスの一つ。イヴィルスであるならクノッソスをアジトにしてもおかしくない、だから今までずっと・・・そこで自分の趣味をしていたんだろう?怪物を飼うって言うお前の肩書である『狂かれテイマー』なら、それにクノッソスはダンジョンにも繋がっている。ギルドにバレることなく、自分の趣味が堂々出来る。秘密の隠れ場にしてはちょうど良いわけだ」

 

 

「なんだよ!そんなことより早く助けてくれよ!このままだとあの疾風に殺されちまう!」

 

 

「まだしらばくれるか、情けないやつだ」

 

「ジーク様、ここからはリリにお任せできませんか?」

 

「お前がか?まあお前なら疑わしいことになると、良い正論を出してくれるからな、では頼む」

 

「はい、リリに任せてください」

 

 

まだジュラ・ハルマーはしらばくれるのか、なにを言っても見苦しい言い訳をしてくる

 

もうそれに飽きたのか、リリルカがもう我慢できないのか、彼女が代わりにジュラ・ハルマーに問いかける。

 

疑わしい者に対して一番厳しい事を言える彼女なら出来ると思い、俺は彼女に代わってもらうことにする

 

 

「ジュラ様、先ほど貴方は悪いことはせずに平和に過ごしたと言いました。ではここで何をしていたんですか?」

 

 

「なにって・・・・別に・・・」

 

 

「悪いことなんてしないならもうここになんて居ないはずです。もう冒険者なんてなりませんよね?その怪我も腕が無いのも、もうリュー様に数年前にやられたからですよね?普通ならもう冒険者なんてしませんよね?なのになぜ貴方はここに居るんですか?それに周りは死体だらけ、明らかに貴方だけが生きて、ここで何かをしていたとしか言いようがないんですよ」

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

「それに、これはなんですか?火炎石ですよね?ここでの穴は明らかにあなたが開けた穴ですよね?火炎石で爆破を大きくして壁を壊そうとした。一体ここで何をしようとしたのかはわかりませんけど、少なくとも貴方だけが生き残っているなんて不自然です。それ以外の人は死んでいるのに、今あなたを助けることが出来ないほど、貴方は疑いが多すぎます。ここで何かを出そうとして壁を壊したんですよね?」

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

「だんまりですか、ジーク様、一応聞いておきますが、この方をどうしますか?これだけ言っても何も言いませんが、どう対応しますか?」

 

「無論、疑わしは罰せよ。と言うことで、ここで殺害する」

 

「ジークさん!?」

 

 

「っ!?」

 

 

「助ける気などない。最初からこいつは疑わしい、ここに居るのも不自然、ギルドにはどの道捕縛したら、『終身刑』にする予定だと決めているらしい、だから抵抗して俺に殺されようが、ギルドに捕まろうが、こいつはもう終わりだ」

 

「そうですか、だそうですよ。もうあなたは何があっても人生は終わりですね」

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

「もう本性を現したらどうです?リリもそれなりに犯罪者みたいな人を見てきましたから、経験で言いますけど・・・・・・・」

 

 

ここで殺されなかろうが、ジュラ・ハルマーはもう許されない存在、ギルドに捕縛されても二度と牢屋に出れない終身刑を喰らうか、今ここで無理して抵抗されて殺されるか、もうどの道終わりだ

 

だからリリルカがとどめの言葉を出す。リリルカは犯罪者を過去に何度も見たから言える言葉

 

 

 

 

 

 

 

 

「もうリリ達を騙しても、あなたが終わりであることは変わりないんですから、本性を出して抵抗したらどうです?犯罪者の人って、いつもそんな『屁理屈』を言うものですからリリにはすぐに怪しいってわかりましたよ、もう助かるとしたら抵抗しか無いですよ?」

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

もう何があってもジュラ・ハルマーは終わりだ

 

もう逃げ場はない。周りは俺達とボールス達、何があっても逃れられない。ボールス達はジュラ・ハルマーを助ける気は無いだろう、ギルドに出してしまえば懸賞金が貰えるわけだからな、だったらここで抵抗をするしか、もうジュラ・ハルマーに手段はない

 

と、リリルカがとどめの言葉を出した瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソが・・・・・英雄ヘラクレスに・・・・このクソパルゥム・・・リヴィラの連中を利用できると思ったのによ!!!」

 

 

 

「っ!」

 

「「「「「っ!?」」」」

 

「やっぱりですね・・・ジーク様」

 

「ああ、流石は犯罪者だ」

 

 

もう騙せないとわかった、ジュラ・ハルマーは苛立たせながら立ち上がり、本性を剥き出した

 

さっきまで怯えている様子はなく、今度は黒い笑みを見せて、ポケットから自身の体に回復薬を掛けて、自身の傷を治す。先ほどの傷は縁起のために負っていたのか、どうやらやっと本性を出したようで、腰から鞭を取り出して抵抗を選んだ

 

やはり犯罪者らしく、他人を騙すような事をするつもりだったと、自身の言葉からリヴィラの冒険者を利用していたと自白する

 

 

「クソめ!これだから冒険者は!」

 

 

「あなたもその一人でしょう!」

 

「その中でもお前は最低な方だ」

 

「テメエ!俺らを利用するだと!?じゃああのタークもテメエの仲間か!」

 

 

「ああ!その通りだ!タークにテメエらリヴィラの連中を利用するために嘘を吐かせるようにしようと、ジャンをリューにやられたと嘘を付くつもりだったが、その前にジャンがタークがやったんじゃなくて、ヘラクレスにやられたせいで簡単にバレちまった。まさかここにヘラクレスとその仲間が居るなんてな、今日に限って計画が壊されて最悪だ。テメエらをリューを止める足止めに使おうと思ったのによ!」

 

 

「テメエ・・・・そんなことのために、俺らを使ったのか!」

 

「あんた!」

 

「よくも俺らを騙しやがったな!テメエもあのタークもその仲間も許さねえぞ!」

 

 

「騙すも何も、勝手にリュー様を疑って懸賞金を取ろうとしてダンジョンに入って犯人探しをしただけの、ただの金目当てじゃないですか」

 

「それがリヴィラの連中だからな」

 

「ジークさん、どういうことですか?」

 

「つまりはこうだ」

 

 

ベルはまだわからないため、簡単に俺がベルに説明する

 

ジュラ・ハルマーは明かしたことはこうだ

 

計画どうとか言っているが、その計画を実行をしようとしたが、クノッソスをヘルメスとアスフィの依頼で調査していたリューに見つかり、任務を放棄して、リューはジュラを殺すために追いかけたと推測する

 

そして、ジュラ・ハルマーはダンジョンに繋がる道に逃げ、リューを振りまくために、ジャンと言う男を身代わりにして、リヴィラに置いていったようだ

 

しかし、リューはジャンと言う男を殺さずに、ジュラが居ると思われるダンジョンに行き、そして身代わりにしたジャンと言う男を殺して、リューに殺されたとターク・スレッドがリヴィラの連中に嘘を付くつもりだったが、俺が先に見つけ殺した

 

いっその事、ここで俺がジャンと言う男を殺したとターク・スレッドがバラしてしまっても良かったが、どうやらそれではリューに罪を擦り付けることが出来ないと、計画を実行を優先するために無理にでもリューがやったと嘘をついたようだ

 

そして、リューを探しにダンジョンに入ったが、リューではなく、俺たちに見つかり、全て見抜かれてしまい、ジュラ・ハルマーは本性を出して、俺たちに抵抗をした

 

 

「ってところだな」

 

「計画がどうとかはわかりませんけど、そのために仲間を捨てて、リューさんに罪を擦り付けたんですか?」

 

「ああ、ベルも今日で覚えろ。お前が目の前に居るのは、ダンジョンの怪物と同じ悪。『犯罪者と言う人間』が居るとな」

 

「この人が・・・・・」

 

 

「タークの野郎、まさかジャンを殺し損ねやがって、しかもここにヘラクレスが居るなんて、運が無え。せっかくここまで来たのによ!」

 

 

「話はこれまでだ。観念する気は無いだろう。ここでお前に終わってもらう」

 

 

「レベル6のお前やラビット・フットやその仲間、そしてリヴィラの連中が居ようが、これならどうだ!!!」

 

 

どの道ここで抵抗しないと、終わるとわかっているジュラは、例え俺たちが相手だろうと、ここで計画とやらを実行ができなくなる前に打つ手を考えていたのか、突然鞭を地面に叩きつける

 

その瞬間

 

 

「来い!ラムトン!!!」

 

 

ドカン!!!!

 

 

『シャアアアアアアアアア!!!』

 

 

「あれは!?モンスター!?」

 

「37階層の稀少種!?ワームウェールです!?」

 

「テイマーだけのことはあったか、しかも強化種、捕まえてクノッソスで飼っていたのか、変な気配をすると思ったら、正体はやはり奴の僕か、っ!あの鞭・・・マジックアイテムか!あれであんな深層のモンスターも操ることができるのか」

 

 

突然、地面から大型の蛇が出てきた

 

名前は、ワームウェール。異名はラムトン

 

巨大蛇、深層に出現する稀少種であり、戦闘能力は下層のモンスターよりも高く、一部の深層のモンスターをも上回り、レベル4と変わらない強さを得ている

 

奴は金属をも溶解する毒液を出す上に、魔力反応がよく、自分よりも小さい獲物を正確に狙える特徴を持ち、戦闘能力以外では、地中を自由自在に潜り、階層そのもの移動して中層や上層に自力で階層越えをすると言う恐ろしいモンスターである

 

そんな厄介なモンスターが、奴にテイムされていた

 

噂では変な怪物までテイムする、狂った獣人だと聞いたが、こんな奴まで手を出すとはな、狂った奴と呼ばれることだけはあった。首に変な宝石を埋め込まれている。奴はタナトスの眷属にモンスターを操るマジックアイテムを用意して貰ったようだ。鞭の操作で言うことを聞くようだ

 

 

「これでヘラクレスも、その仲間も、リヴィラの連中も皆殺しだ!ラムトンやれえ!!!」

 

『シャアアアアアアア!!!』

 

 

「リリルカ!ボールス達を下がらせろ!!奴はレベル4じゃないと、倒せない反応に強い奴だ!余計なことをしたら殺されると思え!」

 

「はい!リヴィラの皆様!岩壁に隠れてください!」

 

「お、おう!!」

 

「ベル!俺たちでやるぞ!奴の反応に付いて来ない!地中に素早く潜るから気をつけろ!」

 

「はい!」

 

 

ここは俺とベルが受け持つことにした

 

奴は異常なまでに、体をくねって素早く体当たりすることができる面倒なモンスター、それで上級冒険者を丸呑みにされた経緯がいくつもギルドの情報に残っている

 

ロキ・ファミリア時代は一度経験しているから、奴の動きはわかる

 

しかし、ボールス達では足手纏いだ。簡単に飲み込まれて終わる、その前にリリルカに下がらせる

 

そしてワームウェールに対応する方法は一つ

 

 

「ベル!地面に潜らせるな!!魔法を使っても構わん!絶対に逃すな!」

 

「はい!ジークさんは!?」

 

「あいつの『ピット器官』を破壊する!!そうすればあいつの反応も悪くなって!簡単に殺せる」

 

 

「な!?クソ!?やっぱりヘラクレスは、ラムトンの倒し方を知っているのか!?」

 

 

ピット器官

 

わかりやすく言えば、どんな蛇にも。顔の前面にある、熱を感知するくぼみ状の器官がある

 

赤外線を受容器官で、数メートル程離れた位置にいる温度差のある物体を視ることができる。そのためにどんな小さい獲物でも感知できるため、地中に潜っている間に獲物を見つけて丸呑みにすると言う特技を持っている。それを破壊すれば反応が悪くなり、どう動いたらいいかわからなくなり混乱して動きは悪くなる

 

二年前は俺はベートと一緒に丸呑みにされたが、その喰われた苛つきで俺がカオス・ヘルツを発動してしまい。奴の腹の中で大暴れし、腹の中でリジルを串刺しにしまくって、腹を貫通させて生きながらえた

 

 

だが

 

 

もう弱点は知っているため、俺はどう対応するか、もう見えている

 

俺は喰われる振りをして、奴の前面左口を斬り裂く

 

 

「はあ!!!」

 

 

『グ!?シャあああああああ!?』

 

 

「くそ!左口がやられた!?ラムトン!毒を吐き出せ!!」

 

『シャアアア!!!』

 

 

「っ!避けろベル!」

 

「っ!うわああ!」

 

 

シュウウウウウウウ!!!

 

 

「地面が溶けた!?」

 

「武器も金属も溶かされる!絶対に当たるな!」

 

「はい!」

 

 

ワームウォールは口から毒液を吐き出した

 

ベルを狙ったようだが、ベルは上手く避けた。避けた先の地面は簡単に溶けて泥のようになって溶解した

 

金属も簡単に溶かすため絶対に魔法壁以外で防いではいけない。簡単に溶けて死んでしまう

 

とにかく、時間を掛けてリューに追いつかれる前にさっさと片付けようと、残りの右のピット器官を崩す

 

 

「はあ!!!」

 

 

『シャアア!?』

 

「くそ!?ラムトン!?」

 

 

「よし、右も全部落とした。これで反応が崩れる」

 

 

「ラムトン!地面に潜れ!」

 

 

「させません!!ファイア・ボルト!!!」

 

 

ボン!!ボン!!!

 

 

『シャアアア!!!???』

 

「ラムトン!?」

 

 

「よくやったベル。あとは・・・終わらせるだけだ!!」

 

 

もうピット器官は俺が潰し、地面に潜られる前にベルがファイア・ボルトで怯ませた。怯んでいる間に、俺がさっさと終わらせようと、グラムの魔剣の力を発揮させて雷を放出させて斬れ味を上げる

 

そして。奴の顔を一刀両断する

 

 

「終わりだ!!!」

 

 

ザシュ!!!

 

 

『シャアアアアアアアアア!!!』

 

「ぐわ!?ラムトン!!」

 

 

「やった!」

 

「ワームウォールを倒しました!あ!ワームウォールのドロップアイテムゲットしました!」

 

「やりやがった!?流石はヘラクレスか、っておい!ドロップアイテムは山分けだぞ!」

 

「ボールス様達は何もしてないじゃないですか!これはリリ達の物です!」

 

「何!?」

 

 

「おい、ドロップアイテムの取り合いする前に、まだ敵が居るのを忘れるな」

 

 

「そうだった。テメエ!ジュラ・ハルマー!!俺らリヴィラを騙して覚悟はできているんだろうな!」

 

 

「くそ・・・・タークの野郎・・・まだ終わってねえのか?」

 

 

「やはりターク・スレッドに何かさせているのか」

 

 

ワームウォールは無事に倒せた

 

奴の牙が手に入り。リリルカが拾うが早速欲深いボールスが取り合いを始めるが

 

その前にまだ敵は残っている

 

自慢のペットはもう死んだ。残るはこの事件の黒幕であるジュラ・ハルマーだけ

 

ボールスも一旦取り合いをやめてジュラ・ハルマーの追い詰めることに専念する

 

一応ジュラ・ハルマーは観念するが、ターク・スレッドに何か愚痴を言っており、観念していると言うより、何かをして貰うよう待っているようだ。やはり狙いがあるようで、観念している振りをしているように見える

 

奴を問い出す前に、ワームウォールの首輪に付いていた。ジュラが巻いたと思うマジックアイテムを調べる。

 

 

「これが・・・ジュラ・ハルマーが深層のモンスターを操ったマジックアイテムか」

 

 

俺は念のために、ワームウォールの首に巻かれた首輪であるマジックアイテムを調べた。おそらく闇派閥が開発した調教師用の魔道具、まさかこれであの鞭で操作できるとはな、タナトスの眷属、バルカ・ペルディクスが作った物で間違いないだろう。こんな物を奴に使わせるとはな

 

奴を殺す前に、まずは何を狙っているのか、そこを聞かなくては

 

 

しかし

 

 

 

「見つけたぞ。ジュラ」

 

 

「来たか、あれだけの戦闘をしていればバレるか」

 

「リューさん!?」

 

「本当に居たんですね!?」

 

「疾風!?本当に居たのか!?」

 

「ボールス!どうするんだ?」

 

「でもあいつも、指名手配で・・・」

 

 

「何もするな、俺の友人に何かをするなら、俺の敵になると判断するぞ?」

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

「こいつは俺がなんとかする。お前らリヴィラは何もするな」

 

「しかし、ジーク様。リュー様は話を聞いてくれる感じではないのですが?」

 

「完全に殺気立ってます。やっぱりこの人を復讐するのが目的で?」

 

「そういうことだ」

 

 

「は!?まさか本当に来やがったとはな、リオン!」

 

 

ここでまさかのリューに追いつかれてしまう

 

大方、さっきの戦闘音が聞こえてしまい、その音を辿ってここまで来たようだ

 

まだ奴から聞きたいことを聞けてないと言うのに、まだ奴の目的も聞けてない状態で殺すのは、状況としても悪いため、先にリューに話をして止める

 

 

「リュー。待て。この男を殺すことにはもう決まりだが、奴の目的を聞いていない、それが済むまでは何もするな。それとも奴が何をしようとしているのか、お前は知っているのか?」

 

「目的?ジュラの何をです?」

 

「奴は囮になっていると思っている、今ここに居ない仲間を使って、このグレートウォールの階層のほとんどの壁に、火炎石を使って爆破を起こしいる。壁を壊しているようだがなぜかダンジョンの修復は追いつかず、壁は壊れたまま。それにさっきからダンジョンの壁の中から『怪物の声』がする。それも聞いたことのない声が、イレギュラーな怪物をこいつは呼び出そうとしていると、俺は推測している。お前はこれに関して何か知っているか?」

 

「グレートウォールの壁を壊して、ダンジョンの壁の中から、怪物の声が聞こえる・・・・・っ!?その手口はまさか!?」

 

 

「ふはははははははははは!!気づいたかリオン!まさかヘラクレスも正体はわかっていないにしても、俺たちの動きをそこまで正確に当てるなんて、流石は英雄様だぜ!」

 

 

「ジュラ!?貴様まさか!?」

 

「やはりか、今度はお前の口から説明して貰おうか、お前の目的はなんだ!」

 

 

話を聞いてくれないと思ったため、俺は止め口ではなく、ジュラ・ハルマーの動機について説明した。まともに聞いてくれないのなら、まずはリューがジュラ・ハルマーが何をしようとしているのか、知っているかもしれないと試しで

 

それだけを聞くと、リューは何かを知っているのか血相を変えたような顔をした。それだけではない、彼女は常に冷静沈着で慌てるようなことはしない。なのに彼女はそれだけを聞くと、焦りや汗を流し始め、まるで恐怖を受けたかのような怯える顔をしていた

 

 

その話に、リューが気づいたとジュラ・ハルマーはわかったのか、やっとジュラ・ハルマーから話をするようで、奴から説明を勝手にし出す

 

 

「グレートウォールは25から27までが領域、階層と同義なんだ。つまりはそこら辺で爆破を起こせば修復は一つにしか集中できない。そこにダメージを送ればダンジョンは錯覚する!!『修復が間に合わないなら、その者を殺すしかない』と!!!」

 

 

「なるほど、ここに来る途中でやたらに壁に穴が多かったのは、ダンジョンにダメージを送るためだったのか、まさかとは思うが、やたらに階層の壁を壊して、『ダンジョンに強力なモンスター』を呼び出すのが目的か?それも階層主以上の?」

 

「どういうことです?ジークさん?」

 

「ベル。お前に説明しただろう?壁や領域を無闇に壊し過ぎて修復が追いつけなくなる程破壊しすぎると、それを起こした者を排除するためにダンジョンは破壊工作する者を殺すために『強力な怪物』を生み出すんだ。奴はそれを呼び出してテイムする気だ」

 

「なんですって!?」

 

「それじゃあこの人がやろうとしているのは、あの黒いゴライアスのような、イレギュラーなモンスターを呼び出して、それをペットにするってことですか!?」

 

「そういうことだろうな、ジュラ・ハルマー。今の推測で合っているか?」

 

 

「正解だ!!ヘラクレス!流石は英雄様だぜ!どうしてもあいつを物にしたかったんだ!!ずっと調べていたんだ!奴が出てくる方法を。そして見つけたんだ!修復が一番困難だった場所にダメージを送れば、あいつが出てくるってな!!あのアストレア・ファミリアの眷属を、リオン以外を殺したあの怪物が欲しかったんだ!!!このマジックアイテムならそれを可能にするんだ!!」

 

 

「ジュラああああ!!貴様!何をしたのか!わかっているのか!!あれはそんな人の言うことを聞くような怪物ではない!!あれはただの絶望だ!!それを呼び出すとは、貴様そこまで狂ったか!」

 

 

「仕方ねえだろ!!俺がお前に勝てるわけねえんだ!お前に勝てるとしたら、あの怪物をもう一回出すしかなかったんだ!ずっとお前にどう仕返しするか考えていた!たかが綺麗事を語る口先だけのファミリアが!何が正義だくだらねえ!!俺らにあんなことをしやがって!あの恐ろしい怪物をテイムして、俺らがやられたように、あの日みたいに、今度は俺があいつを使ってお前を殺してやる!!」

 

 

「逆恨みじゃないですか・・・・そんなこと」

 

「この人は、それだけのために怪物を生み出す気なんですか?」

 

「理解しろ、ベル。『これが犯罪者』だ。お前も見ただろう?ディックス・ペルディックスのような『悪人』を、そう、これが下界の子供の本質だ。悪い手段であろうと自身の欲のためなら外道な手段をする。それが『悪人』と言うこいつだ」

 

 

やはりジュラ・ハルマーの目的は、ダンジョンにダメージを負って、イレギュラーモンスターを呼び出し、テイムをするのが目的

 

そのイレギュラーモンスターは過去にも出ていた。それがアストレア・ファミリアを全滅させた怪物らしい、嵌め殺したと聞いたが、奴を呼び出してしまったが故だろう

 

しかし

 

ジュラはその怪物が欲しいようで、それ以来の5年間奴を呼び出す方法を調べていたようだ。そしてこの年で見つかり、計画を建てて実行したようだ

 

リューの焦りからして、物凄く危険な怪物のようだ。

 

そういえば、ターク・スレットに何かして貰っていると言っていたな、それも聞いておくか

 

 

「ジュラ、ターク・スレッドはお前の仲間だな?ってことは、どこが火炎石を使って爆破を起こして貰っているのか?」

 

 

「その通りだ。あと25階層の奥だけだ。そこに爆破をすればあいつが出てくる!!!」

 

 

「やはりか、ターク・スレッドはあとから追わずに別の場所に行ったか」

 

「でも、アイシャ様たちなら」

 

「リリルカ、悪いが、俺は本気で『カサンドラの予言』を信じている。大いなる厄災にして破滅の化身は出てくる」

 

「え?」

 

「つまりはだ・・・・」

 

 

ジュラ・ハルマーが言うには、ここに来るはずのないターク・スレッドとその仲間が25階層の奥で作戦を建てたようだ。だから俺とリリルカの予想通り、奴はここに来ることはない

 

実はアイシャ達にターク・スレッド達を見張るよう指示をしていた。だから部隊を二つに分けた。もしアイシャ達が予定通りにターク・スレッド達を止めているだろうと、リリルカは信じているが

 

 

俺はカサンドラの予言を信じていた

 

 

つまり、何かしらのトラブルでアイシャたちはターク・スレッド達を止めることはできず、結局25階層の奥のルームを爆破されてしまい

 

 

そのリューが恐れている怪物が解き放たれる

 

 

と、仲間を信じないと言う申し訳なさもあるが、ジュラの目的は果されてしまうと思っている

 

 

なぜなら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ウウウウウ!!ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!』

 

 

 

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

「なんだ!?」

 

「モンスターの声!?」

 

「ジーク様!?まさか!?」

 

 

「ああ、リュー。諦めろ。どうやらお前の恐れている怪物はもうここに来るぞ」

 

「そんな・・・ああああ・・・・ああああああああああああああ!!!」

 

 

「ふはははははははは!!!来い!俺の絶望!!」

 

 

 

やはりカサンドラの予言が的中した

 

今のは怪物の声で今度は皆に聞こえる程大きい、声からして、27階層入り口付近の『水の迷都』ら辺だろうな、何かが生み落とされる音が聞こえた

 

どうやらアイシャ達はターク・スレッドとその仲間を止めることはできなかったようだ

 

 

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