『ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!』
「おい、ヘラクレス。なんだ?このモンスターの声は?」
「ジュラ・ハルマーが呼び出した、怪物の声だな、場所からして27階層の入り口付近の滝からだな、もう出てきたか」
こちらからも、怪物の鳴き声が響いた。間違いなくイレギュラーモンスターはここに出現したと気配で感知した
感知する限り、この気配今までの怪物と比べて大きい、確かにリューが恐れるのもわかる。これでは階層主以上かもしれない
とにかく怪物は強大、せめて退路の確保はした方が良いかもしれないなと、一応ボールスに伝えておく
「ボールス。28階層にそいつらを連れて逃げた方がいいぞ?。でないと殺されるぞ?」
「は!?ジュラ・ハルマーを放って逃げろってのか?」
「こいつを放っておけってのかよ!」
「そんなことを言って、あんた達も懸賞金目当てなんでしょ?」
「ここまで来てまだ懸賞金が欲しいと言うか、殺される覚悟はできているんだな?金に目が眩んで死んでも良いなら好きにしろ」
「ジークさんも早く逃げてください!クラネルさんも!アーデさんも!!」
「悪いが、俺は残る」
「どうして!?」
「奴の好きにはさせない。そのイレギュラーモンスターを破壊する。そんな怪物が出てくるなら放っておくわけにはいかないだろう。ここで始末する」
「は!ヘラクレス!英雄と呼ばれたあんたでも勝てるとは思えねえな!」
「怪物の力頼りに意気がるお前が何度言おうと、俺は排除すると決めている。だが、ベル、リリルカ、お前達二人は28階層へ行け、相手は強大だ。殺されるのは当たり前だと思った方が良い」
「そんな!ジークさんを置いてなんて行けませんよ!」
「ジーク様が残るなら、リリも残ります!」
「そうか、覚悟できているなら構わん。リューのあの慌てよう、余程みたいだからな、その怪物とやらは、リュー。お前は?」
「・・・・・・ジークさんが残るのなら、私もここに残ります」
「わかった。経験しているみたいだから、奴の特性を教えてくれ」
イレギュラーモンスターが迫り来る中、結局全員残ることになった。ボールス達はジュラの懸賞金目当てでここに止まることに
俺はそのジュラに目論見を断つために、イレギュラーモンスターの排除に迎え撃つ、それにここで排除しないと周りに被害が広がるかもしれない、そんな危険な怪物ここで始末あるのみだった
ベルもリリルカも、ここで俺を置いていくわけにはいかないと、仲間意識でここに残ることを決める
俺たちも残ると聞き、リューもここに残ると決めた。若干まだ体に震えがあるようだが、この先の怪物をよく知っているのか、恐怖を感じているようで、あまり普段の冷静である彼女からは考えられない震えをしていた
それだけ強い怪物と言うことだろう
そんな危険な怪物を放っておけないと、尚更迎え撃つと体制を全員取った。幸いここにリューと言う経験者が居るのだから、詳しく聞いてそれでから上手い対応を取る
相手が強大なら、尚更の行動を取る方が一番である
そんなことを考えていると
「来るぞ!」
「「「「「「っ!」」」」」」
ズカズカと、大きな足音が聞こえた。間違いなく大型のモンスターの移動音であると、皆誰もが息の飲むように、武器を構えて気を引き締める。この先に危険な奴が居ると、この先にどれだけ殺意が込められているのか、容易に想像できたからである
その間にターク・スレッドは俺たちがその怪物に気を取られていることで動きやすくなり、自分だけ岩場の後ろに隠れる、その怪物を捕まえるチャンスを伺おうとしているようだ
そして、その怪物が飛んできて、姿を現す
『グウウ!!』
「なんだありゃあ!?」
「骨のような竜・・・」
「あんなの見たことがありません!」
「スカルトン系の竜種か、リュー。あれか?お前の昔の仲間を殺した怪物と言うのは?」
「ああ・・・はい、あれです。本当にまたこんなものが!!」
「ふははははは!やっぱり俺の研究は間違ってなかった!よくぞまた出てきてくれた!!」
姿として、スカルトン系のモンスターのよう特徴のドラゴン、だが骨のような体にしては黒く、まるで装甲に覆われた化石のような外見、体は約3Mはある。それに4M程の長い尻尾、脚は逆関節状、あれなら素早く動けるような脚だ
それに
(あの両腕に付いている六本の爪・・・『アダマンタイト』だ。あれじゃあ鎧も盾も容赦無く壊される。まさしく『破爪』か、しかも先程ここまで飛んできたが、あの体格で20m以上の高さを飛んでいた、こいつは俺たちが居るってわかって、迷わずこっちに向かってきた。索敵能力も俺と同じか、全身のあの骨・・・いや装甲か、何か『反射板』のような殻が見える。まさか何かを跳ね返すような殻をしているのか、見た感じでは攻撃も防御も完璧だ、こんな怪物にリューは昔やられたのか)
素早くこのスカルトン系ドラゴンの分析をした
分析する限りじゃあどう見ても、奴は今までにおいて強敵であることは間違いない。攻撃も防御も何もかもが通用しない相手、しかも爪がアダマンタイトでできていると目で見た時は驚いた、ダンジョンで生まれたモンスターが、鉱石の体を持つモンスターが生まれるなど、流石はイレギュラーモンスターと言ったところだろうか
昔に、リューの仲間が全員殺されておかしくない程、強敵の圧を感じる
そんな敵を前に
「は!こんな図体だけがデカいだけのモンスターが、そんな危険なのか!」
「そんな強そうには見えないな!」
「迂闊だ!よせ!!」
「ダメだ!」
二人程のリヴィラの冒険者が見た目で判断し、軽率な行動に走り、なんの警戒も無しにただ目の前の敵に、真っ直ぐ突っ込む
そんな行動に俺とリューが声を掛けて止めるが
『ガアア!』
「がは!?」
「ぶは!?」
「な!?お、おい!?」
「武器ごと体が真っ二つに!?」
それを言って特攻を止める前に、怪物は素早く爪で、リヴィラ二人の体の胴体と下が掛け離れ、武器ごと砕かれて斬り裂かれた
ドサ!と、俺たちの前に二人の斬り裂かれた胴体が転がる
それを見た、リヴィラの連中が
「お、おい、嘘だろう!?」
「そんなあんな簡単に!?」
「う、うわああああ!!??」
「に、逃げろおおおおおお!!!」
「「「「「「「うわああああああああ!!!」」」」」
「お、おい!?お前ら!?」
「ダメだ!背中を見せるな!」
その二人の胴体が地面に転がるのを見て、敵わないと察したリヴィラの冒険者が、さっきまでジュラ・ハルマーの懸賞金目当てでここに残って戦うと言ったが、今特攻を掛けた二人がなに一つ敵わないと無残にもなにもできずに散った姿を見て、怖くなったのか、今になって28階層に逃げようと、敵を目の前に背中を向ける。ボールスを置いて
しかし、リューはそれをしてはならないと言う。その理由は
『グウウ!!』
「っ!」
「早い!?あんな体がデカいのに!?」
「真っ先にリヴィラの人達に向かっている!?」
怪物はさっきまで俺たちの前に居たのに、いつの間にか逃げる冒険者達の前に回り込んでいた
一瞬だった。あれだけ体が大きいのに、瞬速で奴は動いた。微かに俺の感覚では、俺とベル達の横を通り過ぎた。攻撃や防御だけでなく、瞬息の速度のある機動力と運動性があった。あの逆関節状は瞬時に飛ぶことができるためにあの形になっているのだと、すぐに理解した
しかも、俺たちではなく、逃げ出すリヴィラの冒険者を優先するなど、知能もしっかりあるようで、逃げ出す冒険者を先に殺すと言うことは、この怪物は階層に居る人間を一人残らず殺すのだと、やはり奴は階層を破壊したと思われる俺たちをターゲットに動いているのだと、行動範囲を分析した
そんなことを考えている間に、リヴィラの冒険者達を怪物は蹂躙する
「ぐわ!?」
「きゃあ!?」
「うわあ!うわあああ!!がは!」
「た、助け・・・がは!?」
「ぐわああああああ!!」
「お、お前ら!?」
「リヴィラの冒険者たちが!」
二十人近く居た冒険者が、たった数秒で半分以上殺された。
誰も抵抗できずに無残に散る。そんな光景は戦争経験のある俺は幾度も見たから、あまりそんな光景を見たことがないベルとリリルカは、絶望な顔をして呆然していた。こんなあっさり人が殺されるなど、もはや地獄絵図
リヴィラの冒険者達が無残に殺される姿を、ただ見るだけだった。
そんな中で
「う、うわあ!・・・ああ!!」
「ふう!」
『グウ!?』
「ヘラクレス!?」
「ジークさん!?」
「なにを突っ立っている!動け!でないと殺されるぞ!」
遅れてではあるが、あと四人くらいな所で、俺が助けに入る
俺は敵が強かろうと関係なく、こいつを仕留めると決めているため、俺はリヴィラの冒険者を助ける気はまったくないが、絶対にこいつは殺さないと臆することなく、斬り裂く
俺が顔を斬り刻んだことで、怪物は俺の方に振り向く。俺が誘い出すべきだと、上手く俺の方に反応する
「さて、今のは当たったが、どれだけ早く動けるか試させてもらうぞ」
『グウ!』
「ほう、警戒して構えたか、強化種のように知能もしっかりあるようだ」
この怪物、俺の攻撃をまともに受けたからなのか、今度は油断しないよう、腰を低くしていつでも動ける体制を取った
どうやら用心も出来る程、強化種のように知能を持つ怪物でもあるようだ。とにかく外見の分析はできた。あとは動きと体内を調べる
もちろん、戦って
「は!」
『グ!』
「っ!ほう・・・・」
「ジークさん!?」
「あのジーク様の背後を取った!?」
俺が飛んで奴を斬り出そうと飛び出したが、あと数センチで奴に届くはずが、その前に奴は瞬時に俺の後ろに居た
ベルもリリルカも驚く、レベル6の俺の背後を取れるような素早い瞬速をしたことに、俺も背後を取られるのは、『これで四度目』だ。まさかここで四人目の俺の背後を取る者が居るとはな
俺は背後を取られてしまい、そのまま奴の爪に串刺しにされる
が
ガキン!!!
『グウ!?』
「甘いな、確かにその動きは良い。しかし、それだけでは俺を殺せない、俺はお前のような怪物は『経験済み』なんでな」
「背中にジーク様のグラムを回した!?見事な反応です!?」
俺は振り向くことなく、グラムを持っていた右腕だけ背中に回し、奴の爪をグラムで防いだ
生憎、この怪物に瞬足で動く敵など、もはや経験済みであるため、背後を取ったらそれで仕留められると思っているのなら、浅はかである
と言うより、この程度の瞬足は『まだ俺の中では遅い方』、『あいつ』ならもっと早い。あいつより遅いこいつの瞬足は俺でも反応できるため、動きを簡単に先読みできた
そのまま俺は攻撃してきた爪の上に乗り、今度は奴の腹を刺す
「ふ!」
ザシュ!!
『ガア!?』
「っ!こいつ・・・・」
「やった!ジークさんの刃が腹に刺さった!」
「でも灰になりません!どうしてですか!?」
「無いんです!」
「え?なにを言っているんです?リュー様?」
「あの怪物に魔石は無いんです!!」
「は!?魔石が無い!?」
「それじゃあどうやって、倒せば!?」
俺もグラムで奴の腹を刺して気づいたことがある。
奴には魔石が無い
珍しく、魔石の無い全身を倒さないと倒せない怪物に久しく会うとはな。それがこの怪物である。普通のモンスターは腹か胸あたりに魔石がある。そこを突けば大抵のモンスターは魔石が武器に当たって砕け散るのだが、こいつには無い
「では・・・どうすれば・・・」
「無論、全身体ごと、壊すしかない。なら、ムスペル・・・」
「ダメです!ジークさん!」
「っ!なぜだ?」
「そいつに魔法は効かないんです!全て跳ね返されます!」
「跳ね返す!?魔法を!?」
「跳ね返す・・・そうか、あの全身の反射板はそのためか・・・・軽くやってみるか、ムスペルスヘイム!」
『グウ!ガアアアアアアアア!!!!!』
「っ!」
ボオオオオオオオオオオ!!!
「ジークさんの炎の波が、跳ね返った!?」
「確かに、奴の体が反射して光り出し、ムスペルスヘイムが跳ね返ってきた。あれは『マジック・リフレクション』か、そんな便利な効果まであるのか、あれでは魔道士は無意味だろうな」
魔石なら、全身を壊すしかないと、この怪物を倒す方法はなかった。魔法で消し飛ばそうとしたが
リューに止められる
理由は奴の体に『マジック・リフレクション』と言う特殊な効果を持っていた
マジック・リフレクション、その名の通り魔法を跳ね返す能力、それは魔法を一度押さえ込んで、魔法を発動させてきた者に打ち返す能力、本来なら上級魔道士が会得できるレアスキルの一つだ。それを怪物が会得しているなど、最悪。
まさしくこの怪物は冒険者対策の怪物だ
一度軽いムスペルスヘイムを放ったら、案の定、一度怪物に炎を吸収されて、吸収された波の炎が俺の方に跳ね返った。俺は上手く避けたから当たることはなかったが、初めて相手をする者においてはやられてもおかしくないだろう
リューが居なかったら、分からずに放ってしまった。
「こうなっては・・・・もう物理で叩く他無いな」
魔法がダメなら、もう物理で奴を倒す他ない。しかし、素早くて上手く狙いは定まらない。確かにこれだけの力を持つ怪物なら、リューの昔の仲間がやられてもおかしくないレベルだった
これは階層主以上の苦戦になると、リューの言う通り、こいつを野放しにしてはならないと、俺も思った
すると
ガタ
「っ!」
『グウ!』
「だあ!?」
「ボールスさん!」
「逃げろ!」
『ガア!』
俺とこの怪物が戦っている最中、突然ボールスが仲間の死体の装備の破片を、足で踏んでしまい、その物音で、怪物は気付き、俺を無視して
先にボールスを怪物は襲う
まさかここで俺を無視して、別を襲うとは、やはり奴は意思はなく、ただただ人間を殺すだけの道具としてダンジョンに生み落とされたようだ
ボールスはあまりの突然なことで、反応できずに、怪物に食われそうになる
しかし
「ボールスさん!!」
ガン!!!
『グウ!!』
「ラビット・フッド!?」
「ベル様!」
「クラネルさん!?」
「ベル!」
「ぐわあ!!」
ベルがボールスを真横に押して庇った
それにより、ベルは怪物に吹き飛ばされてしまう。奴は反応も素早さも良い
倒れてしまったベルに追い討ちを掛けてしまうと、俺はベルに素早く起き上がるよう叫ぶ
「ベル!立て!殺されるぞ!」
「っ!?まずい!?」
『ガア!!』
「く!」
ベルは急いで立ち上がる。しかし、怪物は容赦なくベルに素早く襲い掛かる
俺は怪物よりも早く、ベルを守るためにベルの前に立った
そして
ザシュ!!!
「な!?」
「っ!?」
「え?」
俺がベルの前に立った瞬間、一瞬で怪物は俺とベルの後ろを素早く通り過ぎる。側から見るとなにもされてないかのように見える
しかし
何か斬り落とされるような音が響いた
その出来事に、ボールスとリリルカは唖然、ベルは一瞬の出来事に何が起きたのか頭が追いつかない。だが怪物は俺とベルの後ろを通り過ぎている。何かされてないはずがない。
何をされたのか、リューが叫ぶ
「ジークさん!!腕が!?」
「やれやれ・・・左腕を斬られたか、斬られるのは『久しぶり』だな」
なんと
俺の左腕が奴に喰われた
あの一瞬で俺の左腕を引き千切るとは見事だ。敵に切られるのはこれで二度、まさかここで久しく斬られるとは思いもしなかった。しかし、それでベルは無事、庇っただけの結果は出せた
しかし、俺のその無残な姿にベルは
「ああああ・・・・あああああああああああああああああああああ!?!?!?」
自分が早く立ち上がらなかったせいで、俺がやられたことで、状況も考えずに嘆いた。まさか自分がさっさと動かなかったせいで、仲間の腕がやられるなど、もはや自分のせいだと、自分を責め立てる他なかった
敵を目の前で、自分のミスを嘆くなど、流石に俺も呆れた。
なぜなら
「俺の腕が斬れたからって嘆くな!早く避けろ!ベル!」
「っ!」
『ガアア!!』
ゴキ!!
「ぐは!?」
「ベル様!?」
「クラネルさん!?」
「ラビット・フット!?」
「く!」
「がは!?」
ドボン!!!
ベルが嘆いている隙に、怪物は尻尾でベルの首を狙い、まるで骨が折れたかのような音が響き、首に直撃した
直撃後、そのまま衝撃で吹き飛ばされ、隣にあった流れの強い湖にベルは落とされた
「リリルカ!」
「はい!リリも行きます!」
「ふ!」
「ベル様!」
俺とリリルカは、ベルを助けるために、怪物を無視して湖に潜る
ベルの首にはヴェルフが作ったゴライアスの皮でできたマフラーを巻いていた、そこに直撃したのを俺とリリルカは見逃さなかった。だからまだベルは生きていると、すぐに助けに入る。リリルカは背中に背負っていたバックパックを置き捨てて、泳ぎやすい体制になってから湖に入る
「く!ラビット・フット、すまねえ!」
「来るぞ!冒険者!」
「ぼ、ボールス、どうするんだ!?」
「くそ・・・・俺たちだって冒険者だ!疾風!俺たちも戦う!あいつの動きを教えてくれ!テメエら!あいつらに守られたんだ!ここで俺たちが踏ん張るぞ!」
「「「「お、おお!!」」」」
「クラネルさん・・・ジークさん・・・・アーデさん・・・・ここは私たちで引き付ける他ない・・・・」
『グウ・・・ガアアアアアアアアアア!!!』
俺とリリルカが湖に入っている中、リューはボールスと生き残っているリヴィラの冒険者で、この怪物を引き付けることになった
どれだけ耐え切れるかなど、わからない
でもリューは確信していた
これを倒せるのは、俺か、ベルかだと
湖の中
俺とリリルカは首に打撃を受けたベルを拾いに潜っていた。レイダーウィッシュが運良く居ないために、安全にベルを拾いに行ける
ベルは見えない程深くまでは沈めておらず、すぐに見つけてベルを拾い上げる
しかし
(なんとか命は取り止めたが、今の衝撃で首にかなりの傷で血が多出している)
(ゴライアスマフラーのおかげで、骨は折れずに済んでますけど、でもそこから出血が・・・ジーク様、これでは・・・)
(ああ、俺の魔術でしか無理そうだ・・・)
予想以上に重傷を負っていた、死んではいない、骨も折れていないが、首に少し大きな傷があった。奴の尻尾は硬いだけでなく、鋭さもあったために、マフラーで防いでも少し小さなマフラーに穴が空いていた。それだけ奴の尻尾もゴライアスの皮に負けない頑丈差があったようだ
だからまずい
この出血が予想以上に激しく流血している。それで体に十分な血に含まれておらずで死んでしまうかもしれない。俺の魔術で急いで治す
しかし
「ジーク!ベル!リリ!」
(っ!マリィ!)
(マリィ様!?どうしてここに!?)
「やっぱり心配でここまで来たの!それよりベルがこのままだと死んじゃうんでしょ!」
(確かに、そうだが・・・)
「ここは、私に任せて!」
(え?なにを!?)
突然横から、何やら人影のような者がこちらに迫ってきた
それはマーメイドのマリィだった
俺の言うことを聞いて、安全な場所に移動していると思ったが、まさか俺達が心配でここまで来たようだ。とりあえず地上に出てはいないだけ良しとするが、今このルームの地上ではあの怪物が居ると言うのに、ここまで来るとは随分と危険なことをする奴だとだと思った。まあ、俺たちのことを思っての行動であることは理解する
マリィはベルが重傷だと気づき、急いで治療しようとベルに近づく、ちょうどベルが持っていたナイフを手に取り、そして
「く!・・ぬう!!」
(な!?なぜ!?自身の傷を!?)
(まさか・・・『マーメイドの血』か)
突然マリィはベルのナイフで腕に切り傷を自身で付ける。そこから血が流血する。なぜマリィは自身の血を垂らしたのか、その理由は
実はマーメイドの血は最高級の希少回復アイテムである
斬れた腕も修復できる回復力を持つ、ユニコーンの角と同じ回復力、その血を飲めば体力が全快になる。切り傷にその血を浴びて、切断した部位をくっつけることもできる
マリィは自分の血をベルの首に浴びさせて治療をする
すると
(傷が消えていく!?)
(流石はマーメイドの生き血か・・・ベル!起きろ!)
「うう・・・・ぶ!?・・・・ごごば(ここは)!?」
(ベル様!?目覚めたんですね!?)
(ベル、ハンドサインで教える。お前は、怪物に首を、やられて、ここに落ちた)
マリィの生き血を受け、ベルの首は治り、俺はベルの頬を叩いて起こす、
そしてベルは無事に起きた
が、水の中であったため、ベルは気絶していたため急いで呼吸を抑えて、俺がハンドサインで簡単に状況を教える。
(そうだ!僕はあのモンスターに・・・リューさんは!?リリ!)
(まだ上で戦っています!ボールスさんたちと一緒に・・・・)
(リューさんやボールスさんたちが・・・・は!?ジークさん!?腕が・・・僕のせいだ)
(気にするな、それでお前が無事だったんだ。俺の斬り傷は気にするな)
ベルは無事に目覚めると、状況を確認して、未だに危険であることを気づき、そして俺の腕を気遣ったが、そんなことは俺は気にせずに、この状況を打破するために、動ける体力があるかを俺は聞く
(体力は取り戻したな?再戦するつもりだが、準備はいいか?ベル?)
(まだリューさんやボールスさんたちも戦っている・・・・はい!戻りましょう!)
(よし、マリィ。ベルを助けてくれたことを感謝する)
「うん!でも待って!ジーク!ジークの腕が・・・・」
(俺か・・・・問題ない。俺はこうなるしかないんだからな)
ベルが無事にマリィの生き血で完治したため、再びあの怪物にリベンジをしようと地上に戻る
しかし、マリィが、俺の斬れた左腕の切り口だけでも治そうとした。腕自体は奴に喰われてしまったため、くっ付ける左腕は無いためマリィはせめて俺の傷口から出血を止めようとしている
しかし、そんなことはしなくてっもいい程
もう『限界』だった
俺の左腕から、ズズズズズズ!!っと何かが出てくるような、何かが生える音が聞こえる。それは俺の左腕の切断された部分から
その切断された左腕から、なにやら『黒い物』が生えた。その姿にベルとリリルカも驚く
(な!?ジークさん!?・・・)
(ジーク様!?・・・もうそこまで・・・)
「ジーク・・・・それって!?」
(ああ、もうこうするしかないからな、さあ、地上へ戻るぞ)
俺はこうするしかなく、この状態で俺は地上に戻ることに、これでも十分戦える。いや、これで戦う方があの怪物を倒しやすくなる
もうこの状態で戦うしかない、もう俺には限界だった。斬れた腕からこれが生えると思っていたしな、これでシルの約束を破った
帰ったら、怒られるだろうな
だが
これで奴にリベンジができるのも、事実