ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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英雄が居なくても

 

アイシャ達の目の前に、目標であるアンフィス・バエナが出現した。しかも今俺やベルやリリルカが居ないこのタイミングで

 

もしもアンフィス・バエナが出てきた場合は、アイシャ達で倒すよう、指示を入れている。しかし、まさか本当に俺やベルやリリルカの居ないパーティで戦えなど、かなり無茶ではある

 

 

「階層主が出てくる機関であることは聞いていましたが・・・」

 

「まさか、ジーク・フリードやあの小僧が居ないこの時でか」

 

 

いざ階層主を目の前にすると、アイシャも流石に簡単ではないと、アンフィス・バエナの威圧感に、彼女も恐ろしさを感じている

 

確かに階層主を倒すのが、このミッションの最終目的だ。倒す事には変わりはない。でも、本当にこのメンバーで戦えるかなど、言われなくても無理だと彼女は分かっている

 

自分以外はレベル2しか居ない。そんなパーティだけで、本当に勝てるのかと、目標を目の前にして、アイシャはどう行動すべきか考えている。一度撤退を掛けて体制を立て直そうとした

 

 

しかし、アンフィス・バエナは、相手に考えさせる時間など与えない

 

 

 

『ガアアアアアアアア!!!』

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

「っ!?ハウル!?」

 

 

突然アンフィス・バエナは雄叫びを上げた

 

その雄叫びはこの湖に声音だけで地割れが発生する。そして頭上に張り付いていた大きな大木が一斉に降り注いで行く、特に周りに

 

そのせいで、周りは

 

 

「な!?囲まれた!?」

 

「しかも!?全ての入り口が壊されました!?」

 

 

アンフィス・バエナとアイシャ達の周囲に、大木が降り注ぎ、その衝撃で24階層に帰れる道も別ルートも全て入り口を壊されてしまい。大木はまるでアイシャたちを囲むように、まるで檻のように、大木はアイシャたちを逃さないかのように塞がれてしまう

 

 

アンフィス・バエナがまるで自身のフィールドを作るかのように、アンフィス・バエナによって逃げ道は無くなった

 

 

「退路が無くなった!?」

 

「完全に檻・・・・ってことか」

 

「くそ!これじゃあ体勢も立て直すこともできない!?」

 

 

もう戦う他ない。奴を倒す以外の道はもう無し。体制を立て直す時間もない。完全にアンフィス・バエナに追い込まれてしまう

 

アンフィス・バエナに休むと言う習性は無い。そのため

 

 

『ガア!!!』

 

 

「バーベラ!?」

 

「っ!?」

 

 

突然、アンフィス・バエナは右頭だけ、蒼い炎のブレスを吐いた。いきなり怪物が攻撃してきたのである。突然のことでアイシャは考えている隙を狙われてしまい。避ける体制は取っていなかった

 

しかし

 

 

「悪い!使うぞ!」

 

「え!?」

 

 

「ぬ!!」

 

 

「イグニス!?」

 

「鍛治師!?」

 

 

「ぬうう!!ぬおおおおおおおお!!!」

 

 

ヴェルフは千草から盾を無理矢理取って、アイシャの前に立って、ブレスを防いでアイシャを守る。

 

なんとかブレスを防ぎ切ることはできた。だが結構無理があり、この前夜中まで白剛石で作ったせっかくの盾をもう溶かされてしまった

 

しかし、ヴェルフは盾を壊されても

 

 

なぜか『笑っている』

 

 

「たく!あ〜あ!せっかくの盾を台無しにしやがって。それじゃあその分の仕返しをさせて貰おうか!」

 

「お、おい、鍛治師。何をして・・・・」

 

「ああ?なんだよ?目的が今ここに居るんだぞ?さっさと武器を取れよ!大男!俺はこいつを倒しにここへ来てんだ!何を恐れることがあるんだよ!」

 

「お、お前・・・・・」

 

「春姫殿?妖力は全開ですか?」

 

「うん。大丈夫。五人分のレベルブーストは可能だよ。あと二回もできる!いつでもやれるよ。命ちゃん」

 

「承知!ならあとは自分たちが切り開くまで!」

 

「命!?春姫ちゃん!?」

 

「申し訳ないですけど。千草殿。自分たちはこのまま戦場に出ます。このために今日まで修行をしてきたんです。この強敵のためにタケミカヅチ様に教わってきたんです。ここで終わるつもりなんてありませんから!」

 

「千草ちゃん。私もここで終われない。絶対にあの双竜を倒して、ベル様やリリ様や・・・ジーク様やリュー様の所に行きます」

 

「嘘でしょう・・・・あんたら、よくそんなことを言えるわね?」

 

「どうして・・・・・あの人達は・・・そんな絶望に抗えるのですか・・」

 

 

ヴェルフは盾を捨てて、魔剣を持って前へ出た。それだけでなく、隣で命も春姫も前に出た。そして二人も戦闘体制を取る

 

階層主を目の前にして、何一つ怖気付いていない。

 

それどころか、これくらいは当たり前かのように堂々と前に出る。なぜそこまでして怖れないのか、なぜならヘスティア・ファミリアの眷属はこの程度では揺るがない

 

もう絶望は『あの神域』で味わった。だからもう折れることはない。ただまたしても絶望が襲いかかるのならやることは一つ、そしてこれを目の前にしても折れない最大の理由は

 

 

 

 

「決まっているだろう!ジークが居なくても!」

 

「ベル殿が居なくても!」

 

「リリ様が居なくても!」

 

 

「「「俺(私)たちだって、戦える!!!階層主が相手でも!!!」

 

 

 

「「「「・・・・・」」」」

 

「ふん!春姫も・・・・『あの神域』でここまで成長するとはね・・・・」

 

 

アイシャは知っている。あのオリンピアでヘスティア・ファミリアの眷属が大きく成長した事

 

あの神域でもう絶望を思い知らされた。だから次に絶望が来るなら、こちらから迎え撃つと、もう逃げることや目をそらすことをやめた。それにこいつは倒さなくてはならない最終目的。それに倒さないとベルやリリルカや俺の所にも行けない。ならやることは一つ

 

死に物狂いで、勝って見せると

 

自身の全身全霊を賭けて戦う

 

 

その言葉に、皆は

 

 

「確かに、もうここに来たわけだしな、俺たちがこいつを倒さなきゃいけない事には変わりはない。なら俺も戦うしかねえな!」

 

「わ、私も戦います!な、何ができるかわかりませんけど、みんなの力になってみせます!」

 

「やれやれ、あんた達ってこんなに熱いんだね。まあでも、私だって冒険者だしね。ここで終わるつもりなんてないしね!」

 

「ダフネちゃん・・・・」

 

 

「ふん!あんたらもやる気になったじゃないか、それじゃあ覚悟は決まったでいいね!こいつとは一度私も相手にしている。私が先導するから、あんたら必死に付いてきな!」

 

 

「「「「「「「おう(はい)!!!」」」」」」」

 

 

こうして、ヴェルフと命と春姫の戦う覚悟の言葉により、桜花、千草、ダフネもやる気を出し。全員武器を取った。ここで階層主を倒して見せると、レベルが低くても立ち向かう

 

カサンドラはまだ不安があるようで、予言の言葉を当てにしてまだ絶望をしているのか、とりあえず皆の空気の流れに合わせて、ヒーラーとして仕事をすると、一応自分のやるべきことを全うする

 

 

とにかく、これで全員の覚悟は決まった。

 

アイシャも一度イシュタル・ファミリア所属の時に戦っていたため、アンフィス・バエナの行動はある程度知っているため、経験者であるアイシャの指示でアンフィス・バエナの討伐が

 

 

開始された

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全員武器を取り、アンフィス・バエナ討伐を始める。

 

しかし、奴は湖の上、水上の敵を倒すのに足場が必要だ。そうでなければ奴に近づくことはできない。

 

だからまずは足場作り、だからヴェルフが作る

 

 

「氷鷹!!!!」

 

 

ヴェルフの氷結系の魔剣が、湖全体を凍らせた。流石はクロッゾの魔剣、湖全体を凍らせれば足場としては十分

 

これで奴に近づくことができる

 

無論だが

 

 

『ガアア!!』

 

 

「ちぃ!やっぱり動きまでは止められないか!」

 

「いや、十分さ!足場を作るだけでもな!」

 

 

湖全体を凍らせたとしても、やはり階層主の体力では不可能。アンフィス・バエナは無理矢理体を動かして湖を凍った氷を体で壊していく

 

できることなら、動きも止めなかったが、流石の第二の階層主、そんな簡単ではない

 

 

更にアンフィス・バエナは厄介な特性を持っている

 

 

「あんたら!よく見てな!」

 

「バーベラ!?」

 

「ヘル・カイオス!!!」

 

 

『ガアアアアア!!!』

 

 

シュウウウウウウウウウウウウウ!!!

 

 

「左頭から赤い霧のブレス!?」

 

「アイシャ殿の魔法が掻き消された!?」

 

「あれがアンフィス・バエナの『ミスト』だ!だから魔法なんて通用しないと思え!」

 

「魔法も消される!?てっことは・・・俺の魔剣も通用しねえってことか」

 

「なら、近づいて斬るしか無いわけだ」

 

 

「そうだ!なんとか懐に近づいて殴れ!!!」

 

 

アンフィス・バエナの左頭の、赤い鱗をした左首から、『紅霧』と言う息吹を吐き出す

 

それは魔法を打ち消す息吹で、どんな魔法も打ち消されると言う。第二の階層主は魔法対策をした怪物である。そのため魔剣も通用しない。

 

アイシャは一度戦っているから分かっているため、皆に理解して貰うよう、先に魔法を放ってそれが意味がないと、皆に見せるために魔法を手始めに使った

 

 

と、なれば、もはや接近戦で戦う他ない

 

 

しかし、レベル2のヴェルフたちでは階層主に敵うわけがない。本来アンフィス・バエナを討伐する場合は、必ずレベル5の冒険者が必要だ。倒せる推定レベルは5から上の冒険者でなければ倒せない階層主、当然ながら今のヴェルフ達では無理。魔剣も魔法も通じないなら

 

 

なら次の一手はこれだと

 

 

春姫が動く

 

 

「ウチデノコヅチ!!!」

 

 

「よし!これなら!」

 

「レベル3でなら行けるだろう!」

 

「自分たちも行きましょう!」

 

「ええ!これなら行ける!」

 

 

「「「「うおおおおおおおおお!!!」」」」

 

 

「四人までなら、メガポーションを飲んで、何度でもやれます!千草ちゃんはもうちょっと待ってて!」

 

「大丈夫!私はまだ後回しで!今は桜花たちの援護を!こんな時のために矢をいっぱい作っておいてよかった!」

 

 

レベルブーストで一時的にレベル3になったヴェルフ、桜花、命、ダフネ

 

その状態でならアンフィス・バエナにも届くはずだと、四人はアイシャの後を追うように特攻を掛ける

 

春姫も四人までなら、メガポーションを飲みながらマインドダウンせずに、何度でも発動できると、春姫はこの階層主を倒すために体に負担を出しても全力でサポートを続ける

 

後にまだレベルブーストを掛けていない千草もレベルブーストを掛けるが、千草は後でも構わないと今は桜花たちの援護に回り、後方で弓を使って矢を放つ。千草は昨日の18階層でたくさんの矢を木の枝で作っていた。タケミカヅチの知恵で簡単に作れる矢の作成方法を学び、それを昨日実行していた。千草は弓の腕しか力になれない。だから矢は貴重。無駄撃ちをして矢切れが起こらぬように大量に製作していた

 

 

皆、一人一人、この怪物を倒すために全力を出している

 

 

だから、それだけは足りないと、ダフネも全力を出す。

 

 

「『追従せし空の太陽。全ては汝から逃れるため、咲け、月桂樹の鎧』・・・『ラウミュール』!!!」

 

「ダフネちゃん。それは・・・・使いたくなかったんじゃ・・・」

 

「まあね。アポロン様を思い出すし、でも、今はそんなことを言っている場合じゃない。今はあの怪物を倒すためにも、これが必要なの。はああ!!」

 

 

ラウミュール。ダフネの魔法

 

彼女の体から光でできた草木が咲き上がるような発光をし、ダフネの体が緑色に輝く。効果が耐久の微強化、更俊敏の高強化がならせる防護魔法である。少しでも自身の体を守って戦う

 

あまり使いたくない理由にアポロンが関係しているようだが、詠唱がアポロンを彷彿させる内容でもあるため、もう違う主神になったからのもあり、あまり彼女にとってアポロンは元主神でもあるのに、恨んでいた事もあるのか、思い出さないためにこれをミアハの眷属になってからは使わないようにしていたらしい

 

しかし、もうそんなことを言ってられない程、敵は強大。生き残るために仕方がなく使う他なかった

 

そんな皆が必死で戦う中、カサンドラは

 

 

「どうして・・・・皆・・・絶望に逃れないのに・・・・」

 

 

まだ彼女は諦めていた、もう絶望からも厄災からも逃れないと、それでも皆が戦う事を抗うことをやめない。

 

どうして、そんなにも必死になれるのか、カサンドラは理解できない。何をしても無駄だと、何をしても無駄だと、予言だからと何もしないで、皆の頑張りをただ見ていた

 

 

「はああ!」

 

 

『グウ!!』

 

 

「くそ!浅い!!」

 

「まだ足りねえ!?」

 

「レベルブースト掛けられても、やっぱりまだ俺たちの攻撃が届いてない!?」

 

 

レベルブースト四人も掛けた。それでも足りない

 

流石は第二の階層主。アンフィス・バエナは本来レベル5が居なくては倒せない敵だ。愛車が一度挑んだ時は、レベル5の『フリュネ・ジャミール』が居たから、倒せたのもある。だからそれ以外のレベルの下で倒すのは、苦戦を免れない

 

近づいても右頭がブレスを吐いたりと、長い首だからとても動きやすく、避けられたりと上手く攻撃が当たらない。仮に当たっても奴の体はかなり硬く、奥まで武器を通すことができない

 

更に

 

 

『ガアアアアアアアア!!!』

 

 

「なに!?」

 

「水中に潜られた!?」

 

 

まさかのアンフィス・バエナは湖の中に潜られた。

 

水竜系のモンスターであり、ここまで滝登りをしてきたくらいだ。潜ることはできることくらいは当然皆わかっていると思っていたが、まさか本当に潜るなど思いもしなかった

 

当然アイシャたちは湖の中で戦うことなんてできない。それに潜レたとしてアクア・サーペントやレイダーウィッシュなどの別のモンスターも生息しているため、やはり追いかけて潜ることなどできない

 

残念ながら奴が出てくるのを待つしかなかった

 

 

「くそ!・・・どこから!」

 

「っ!来るぞ!」

 

「「「「!?」」」」

 

 

『ガアアアアアア!!!』

 

 

「「ぐわあ!?」」

 

「のわあ!?」

 

 

「くそ!?このままじゃあ足場までどんどん壊されてちまう!?」

 

 

潜水攻撃で、アンフィス・バエナは湖に大波を起こさせて、ヴェルフや桜花や命を吹き飛ばす。

 

潜水、魔法を掻き消すミスト、盾も燃やす炎、どれもこれも隙が無さすぎて、倒す方法が見つからない

 

このままじゃあただこっちが体力が削れるばかりで、いつアンフィス・バエナに圧倒されるかわかったものじゃない。アイシャ達はただでさえまだレベルが低い。一撃でも喰らえば、身は持たない

 

 

「せめて・・・・動きを止められれば・・・・」

 

 

千草が必死に、この状況を打破できる方法を探している。せめて攻撃できる隙を作ろうと、何か方法がないかと、考えている。

 

千草は矢を放つだけでなく、より戦いやすくできるよう、周りを視察して、敵の身動きを止める方法を模索する

 

すると

 

 

ガタ!!

 

 

「ん?大木?・・・・・・・っ!?」

 

 

突然上から天井に張り付いた大木が目の前に降ってきた。天井を見てみると、いくつか崩れ落ちそうな大木がたくさんあった

 

それがちょうど、アンフィス・バエナの真上にある

 

もし、これを落とせるならと、千草は何か閃いたのか、一度命を呼び戻す

 

 

「命!中衛に来て!」

 

「え?千草殿?」

 

「早く!!!」

 

「あ、わかりました!」

 

「ダフネさん!しばらくダフネさんが前衛に行ってください!」

 

「何か思いついたの!?」

 

「はい!」

 

 

千草は急いで命を中衛に戻した

 

命にしかできないことだと、彼女にやって貰いたいと、千草は命にこれから何をするべきか指示をする

 

 

「命!あの上の大木!全部落とせる?」

 

「あれをですか?フツノミタマなら・・・・」

 

「あれを落とせば、アンフィス・バエナの動きを封じれそうなの!あれを落として!」

 

「なるほど、良い考えです!千草殿!」

 

 

命は千草の考えに応じて、命は急いで魔法を発動とさせる。その前に千草が皆に、前衛のアイシャ達を下がらせる

 

 

「皆さん!一旦下がってください!命の魔法で一旦動きを封じます!その間に次の攻撃体制を整えてください!」

 

 

「なにをする気なんだ?」

 

「魔法が効かないのはわかっているのに、何かするの?」

 

「なにをするか、知らないが、とにかくあんたら下がるよ!」

 

 

千草がなんのつもりで、一旦前衛を下がらせるのか知らないが、何か策があると思って、アイシャたちは千草を信じて前衛から下がる

 

 

「神武闘征!『フツノミタマ』!!!」

 

 

『ガア!?ガアアアアアアアアアアア!!??』

 

 

「またミストが!?」

 

「命!もっと上!それで強く!」

 

「うおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 

アンフィス・バエナの頭上から、命の魔法陣が展開し、そこから重力波を発生させた

 

だが魔法であることは変わりないため、左頭が重さに耐えながらミストを吐き出す。このままかき消されるかと思いきや

 

千草は、アンフィス・バエナではなく、

 

 

『天上を狙う』

 

 

すると

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

 

 

『ガアアアアアアアアアアアアアアアア!?』

 

 

「天上と滝の上から!?」

 

「大木が!?」

 

 

アンフィス・バエナの頭上からたくさんの大木が落ちてくる

 

そのせいでアンフィス・バエナはその大木に下敷きにされた。大木のいくつかはアンフィス・バエナを重さで抑えられる程の大きさをしていた

 

それがアンフィス・バエナを下敷きにすることで、奴の身動きを封じることが可能になった

 

 

『ガアアアアアアァァァァ・・・・・』

 

 

「アンフィス・バエナが!?」

 

「これで遠慮なく斬れる!」

 

「ヴェルフ殿!」

 

「おう!」

 

 

これでアンフィス・バエナの動きを完全に封じることに成功した

 

千草の考えが通用し、これで一斉に攻撃ができる。まずは足場作りと、ヴェルフがもう一度魔剣・氷鷹を使い、また湖を一斉に凍らせる

 

 

「氷鷹!」

 

 

ピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキピキ!!

 

 

『ガアアアアアアアア!?』

 

 

「今だ!!」

 

「「うおおおおおおおおお!!」」

 

「「はあああああああああ!!」」

 

 

ヴェルフが足場を作ることで、皆一斉にその上を走り、アンフィス・バエナに貼りつていた大木の上に乗って、アンフィス・バエナの首に近づいて切り裂く

 

 

「「うおおおおおおおお!!」」

 

「「はああああああああ!!」」

 

 

『ガアアアアアアアアアアアアア!!??』

 

 

「やりました!!」

 

「これで!首の鱗が斬れました!!」

 

 

「このまま攻撃を続けるよ!」

 

 

なんとかやっと奴に近づくことができ、アイシャ、ヴェルフ、桜花、命、ダフネはアンフィス・バエナの双頭の首の鱗を斬り落とす。中の肉まで見える程剥ぎ落とした

 

このまま一気にアンフィス・バエナの首を斬り裂くまで攻撃を続ける

 

しかし

 

 

『ガアアアアアア!?』

 

 

「っ!?なんだ!?」

 

「まさか!?皆さん!?下がってください!何か来ます!!」

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

突然、アンフィス・バエナは雄叫びを上げた

 

なぜそんなことをするのか、突然の雄叫びでアイシャ達は動かずに一旦怯む。だが、千草は耳が良いからなのか、気づいたことがあった

 

 

『何かここに来る』と、なぜか予感をして、アイシャたちは千草の言葉を信じて下がる。すると

 

 

 

『『『『ガアアアアアアアア!!!』』』』

 

『グガアアアアアアアアアア!!!』

 

 

「くそ!せっかくの下敷きを壊しやがって!」

 

「アクア・サーペントか!?」

 

「仲間を呼びやがった!?」

 

 

「それでもやるしかないんだよ!さあ!踏ん張りな!」

 

 

「「「おう!!!うおおおおおおお!!!」」」

 

 

アンフィス・バエナは雄叫びでアクア・サーペントを水中で呼び出した。そして下敷きにした大木を一気にアクア・サーペントが体当たりで壊した

 

攻撃を続けることはそこまで簡単ではない。しかし、仮にアクア・サーペントが来たとしても、少し数が増えただけ、戦うことには変わりないと、皆諦めずに前へ出る

 

 

そんな光景に、カサンドラは

 

 

「どうして・・・こんなにも・・・必死に・・・・なにをしたって・・・無駄なのに」

 

 

カサンドラは未だに絶望をしていた。このまま終わるしかないと諦めていた。もうアクア・サーペントだって出てきている。それなのに、皆はまだ諦めていないことに、どうしてなのかと疑問を浮かべるばかり

 

どうしても、彼女にはここから巻き返そうと言う、抗いを示せなかった

 

そこへ

 

 

ガン!!!」

 

 

「痛い!?」

 

「早くしろバカヒーラー!あんたは回復するのが仕事でしょ!さっさとみんなを回復しろ!」

 

「ダフネちゃんは・・・どうして抗えるのを」

 

「は?」

 

「ここまで追い込まれて、なんでまだ戦えるの?」

 

「はあ・・・・何をバカなことを言っているのよ!このバカ!それを言ったら、あんたもここまで来たのはどうしてよ!」

 

「それは・・・・」

 

「あんたはいつまで予言だとかお告げだとかで、一々振り回されるな!あんたも冒険者なのよ!冒険者らしく最後まで抗いなさい!ここで私もあんたも死なせる気はないからね!」

 

「ダフネちゃん・・・・」

 

「さあ!戦いなさい!ここでなんとしてもあいつを倒すのよ!そして生きて帰るわよ!」

 

「っ!・・・・うん!!」

 

 

それだけを言うためにダフネはカサンドラの所に戻って、持ち場に戻る

 

わざわざカサンドラの頭を殴ってまで、戦うよう言った。確かにこれは絶望にしては当然のこと、だけど、それでもここに来たのだから、目的の敵を倒すために戦えと、言い聞かせる

 

ここまで来たのだから、諦めずに、予言なんかに振り回せずに抗えと、親友の彼女の言葉に

 

 

カサンドラは動く

 

 

「ソウル・ライト!!!」

 

 

「っ!?これは!」

 

「回復した!?」

 

 

「回復は私に任せてください!皆さんの怪我は絶対に私が治します!全力で戦ってください!」

 

「カサンドラさん!」

 

 

「遅いのよ!このバカ!」

 

 

後方からカサンドラの回復の光が、ヴェルフ、桜花、命、ダフネ、アイシャに届く。やっとカサンドラもやる気になったのか、彼女も全力でヒーラーとして戦う。予言で絶望で厄災の檻に閉じ込められた。だけど、ここまで来たのは、みんながその絶望通りにならないために彼女は付いてきた

 

結局予言通りになってしまったが

 

でもやるしかない。みんなを守るために全力でヒーラーとして全うするしかない。

 

カサンドラも腹を括った

 

 

 

これで、やっとカサンドラもやる気になった。

 

全員のパーティの連携でどこまでやれるのか、今度はアクア・サーペントも出できた。数に限りがあるが、全員の協力でこの戦いの戦況は変わる

 

 

さあ、アイシャ達は次はどう挑む

 

 

必勝方法は未だに無い。この危機であるこの状況をどう打破するか、それは彼ら次第となった

 

 

 

 

 

 

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