ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

150 / 201
無事合流

 

 

 

 

50階層 セーフティポイント階層

 

森林が灰色に染まった大樹林。18階層と違ってあまりに殺風景だが、樹木の間には清流も流れており、水分の確保できる。ここではモンスターは現れない。18階層と同じ安全な場所である

 

 

そこで俺が一人で51階層で、ガドモスを片付けて、泉の水を取りに行っている間に、リューが49階層で召喚されて現れたアリアに、今の時代がどうなっているか、ここが何処なのか、そしてあの黒竜ファフニールの戦いからどうなったか

 

そして、これが彼女にとって重要

 

 

 

 

娘である『アイズ・ヴァレンシュタイン』が今どうしているか

 

 

 

これは一番に話さなくてはならない。アリアはこの千年ずっとファフニールや俺の中で生きていたため、この時代と言う未来を知らないため、この世界がどうなっているかも含め、彼女が説明する

 

 

「そうなの・・・アイズがあの・・あの人と同じ冒険者の仕事に・・・・」

 

「経緯は私も知りませんが、今彼女はロキ・ファミリアと言う神の恩恵を受けて、ファミリアの一員として冒険者をしています。第一級冒険者で幹部にもなっています」

 

「あの子が・・・じゃあ・・・あの子。黒竜の復讐を抱いている?」

 

「はい。一年前にジークさんがファフニールを殺して、その心臓を喰らって、彼が黒竜に変身する力を手にしたせいで、ある事件で、ジークさんはこのオラリオの街中で黒竜に変身したんです。その時の彼女は・・・・物凄く憎しみを抱いていました。しかし、中身はジークさんだとわかっているから、何もできないまま復讐は終わったんです」

 

「そうなの・・・あの子にはそんな生き方をして欲しくなかったのだけど、私とあの人の最後を見て、なんとかしてファフニールに復讐しようとしたのね」

 

「全部ジークさんに取られたことで、今の剣姫は普通にファミリアのために強くなると、今も普通に生きていますよ」

 

 

「あの子も救われたのね、あの人と言い、あのジーク君も、やっぱり『あの一族』は、私たちの悪を振り払ってくれるわ」

 

 

話を聞く限り、今アイズが普通の生き方をしてないと聞かれ、アリアは若干悲しい顔をする

 

その発端は、アリアとアルバートが黒竜に、アイズの目の前で殺されたことが原因。それによってファフニールをいつか殺すために冒険者になっていたと、リューに説明される。アリアとしてはそんなふうに生きて欲しくはなかった。それは娘としての親の居ない寂しさで生まれた孤独の心でもある

 

しかし、それを全部俺が奪ってしまった

 

それにより、一度俺と対立はしても、全ての真実を知って、もうこの世界にファフニールは居ないと、俺が第二の黒竜ファーブニルだと、それは流石に認識せずに、俺を人だと思い

 

今は普通にファミリアのために冒険者で生きていると行って、少しは安心している

 

リューから見て、アリアが早く娘に会いたそうな母親の顔をしている

 

でも、リューは気になることがあったため、その質問をする、それは俺についてのことと俺の先祖の事、そして・・・・『一族』とは

 

 

「あの一族?ジークさんやジークさんの先祖のことですよね?実は私も気になっていたんです。以前にもある場所で・・・ジークさんのことをある人から『あの一族』と言いますけど、ジークさんの一族ってそんな特別な存在なんですか?確か聞くには・・・・・千年前にも続く一族とか」

 

「あ、それは・・・・・・」

 

 

「それは答えないでくれアリア。一番面倒になる」

 

 

「ジークさん!?もうカドモスを倒してきたんですか!?」

 

「あ、ジーク君、もう戻ってきたんだ」

 

「泉の水は確保した。今からアイテムを生成する。それとその名前は出さないでくれアリア。特にあんたが『一番俺の一族を知っているんだ』。おいそれと、俺の一族名を他に絶対に喋るな。『神々に知られたら厄介なこと』になる。いいな?」

 

「そうね、ごめんなさいリューちゃん。これはどうしても私でも話せないの」

 

「そ、そうですか」

 

「リューも、俺の一族名について詮索するのはやめて貰う。いいな?」

 

「わ、わかりました」

 

 

リューが俺の一族について知ろうと、昔から生きているアリアなら知ってそうだと、聞こうとするが

 

そのタイミングで、俺が51階層に帰ってきた。

 

それでそれ以上俺の一族について喋るなと止める。俺の一族名は本来なら出してはならない。結構重要な話になってくる。その重要性を千年前に生きていたアリアとしてもわかるため、リューに教えることはなかった

 

リューも俺のことについて秘密があるようだと気づいたのか、俺を好意に思っているから、いろいろ知りたいかもしれないが、こればかりは教えることはできない

 

 

『お袋』や『フレイ』や『爺さん』や『キュロス』は知ってはいるが、それでも神々に知られるのはまずい。それだけ俺と言う『一族の名は秘密にしないとならない』、他の神々に知られたら厄介なことになる。確実に

 

ちなみにヘスティアには、オリンピアからの帰りの船で教えた。あまりにエピメテウスが俺の一族名を言うものだから気になって、俺に聞いてきた。俺の主神でもあるため、信用できると思い

 

口にした

 

 

 

俺の一族名が『ニーベルング族』と言った瞬間

 

 

 

 

ヘスティアは『真っ青な顔』をした

 

 

 

 

彼女がそんな顔をするのもわかっている上に、当然だと思っている。それ以来、ヘスティアは絶対に何がなんでも俺の一族名について喋らないように指示された

 

こればかりは喋れない。何があっても

 

 

それだけを口止めして、俺は泉の水を確保して50階層に帰ってきた。カドモスを片付けて、ついでにガドモス皮膜を持って帰ってきた

 

それを使って俺は新たに回復アイテムを錬金術で錬成する

 

そして、新たに錬金術で錬成した回復アイテムは

 

 

「これで良し、更に強化できた。『メガ・エリクサー』『ギガ・ポーション』の完成だ」

 

「あら!もしかしてエリクサーとポーションの倍効果の回復薬?」

 

「その通りだ。グリフォンの爪やユニコーンの角を使えば、更に倍のポーションとエリクサーが作れる。あのカドモスの泉は特別なアイテムで、ガドモスは希少種の怪物だ。泉だっていつもあるわけじゃない。この回復アイテムなら少し掛けたり飲むだけで効果が出る。全部飲む必要はない」

 

 

ハイエリクサーやメガポーションの更に倍の回復アイテム。これで回復アイテムは確保した

 

こいつは全部飲む必要もない。ほんの少しだけやちょっとでも完治する回復アイテム。これだけあればもう帰れる

 

ここからは登りだ

 

 

「上に戻るぞ。アリア。リュー。ベルとリリルカと合流するぞ。あいつらは今37階層に居る。あの二人で37階層は辛い。今すぐ上に登るぞ?」

 

「ジーク君の仲間?」

 

「ああ、今すぐ戻らないあの二人であそこは危険過ぎる」

 

「どうして場所がわかるんですか?」

 

「この姿のせいで、ベルとリリルカがどこに居るのか、感知範囲が広がった。ここから十階層も離れているのに、階層一つ一つに何が居るのか、わかるようになったんだ」

 

「黒竜は感知力も強かったからね」

 

「ってことは・・・ジャガーノートも」

 

「ああ、居る。しかも・・・・37階層に」

 

 

「それだけでなく、ここからベルとリリルカの消耗声まで聞こえる。急いだ方がよさそうだ」

 

 

黒竜の体になって、感知範囲が莫大に広がった。そのせいでこれより上の階層でなんのモンスターが居るのかもわかってしまい

 

完全に感覚までも、人間離れになってしまった

 

アリアが言うには、黒竜は感知力もあると言っている。流石は三大クエスト最後のモンスターの能力、恐ろしい程の力を俺は手にしてしまった。耳や頭からいろんな気配がして音も聞こえる。これ程とはな

 

おかげでベルとリリルカの場所が正確にわかった

 

でも場所があまりにも危険であるため、早く助けに行かないと二人が死んでしまうと、一番のあの30からの階層の中で一番危険な階層。しかもジャガーノートも居るとわかった

 

これは急がねば

 

 

「アリア。風で自身の体に纏って、風で空を飛べるか?」

 

「ええ、できるわよ」

 

「仲間があまりにも危険な場所に居る。急いで助けたい。ここからはかなりの距離なのは知っているだろう?飛べば数時間で登れるはずだ。出てくるモンスターは無視だ。ここからは突っ走るぞ。リューは俺の背中に乗れ。片方の翼でも俺も空を飛べる」

 

「飛べるんですか!?片方の翼だけで!?」

 

 

「ああ、行くぞ。階層の天井辺りを飛んで連絡路を目指す。ベルとリリルカを助けに行くぞ」

 

 

ここからは急いで、上へと登る

 

アリアは自身の風に纏って空を飛べる。風の精霊のシルフはこれが可能だ。俺は黒竜の浸食を受け入れ、片方の翼だけで空を飛べると、もう動かし方と感覚はカドモスを片付けた時に覚えた

 

リューを背中に背負って、急いで数時間で上にある階層

 

 

37階層を目指す

 

 

天井を飛んでいればモンスターに遭遇しても届かないだろう。出てきても速攻片付ける。走るのでは遅い。飛んだ方が早い。ロキ・ファミリアでここに来るのに五日間掛かっている

 

なら飛んだら数時間で行けると、ここから13階層を速攻で通って登る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

 

37階層 玉座の間

 

 

「数時間でなんとか一日掛けることなく、ここまでこれましたね」

 

「懐かしい・・ダンジョンの壁ね。あの人の冒険を思い出すわ」

 

「おかしい・・・・・」

 

「え?何がです?」

 

「ここに来て、『ウダイオス』が出てこない。もうインターバル的に出てくるはずだ。まさか・・・」

 

「ジーク君?」

 

「大円壁を通るぞ。この先だ」

 

「ベルさんとアーデさんは?」

 

「第四円壁だ。場所からして・・・・コロシアムだな」

 

「コロシアム?」

 

「コロシアム!?まずいです!?あそこは無限にモンスターが出現する場所ですよ!?早く助けに行かないと!」

 

 

「いや・・・・・・そこにモンスターは居ない。しかも・・・・ベルとリリルカはそのコロシアムの真下に居る」

 

 

「え?真下?コロシアムに・・・地下でもあるんですか?」

 

「どういうこと?」

 

「行けばわかるだろう。瀕死になっているのは間違いないから、早く行くぞ」

 

 

なんとか早くここ37階層に早く着いた。38階層に行くには、この37階層は五つの円でできたエリアがある、その中心のエリアに次の階層に入れる。しかしこのエリアである『玉座の間』は37階層の第三の階層主である『ウダイオス』が出てくる場所なのだが

 

もう出現する時期なのに、出てこない

 

 

しかも、ここに着いて気づいたことがある。何やらこのエリアが『荒れている』。なぜかここの玉座の間が荒れている。何か戦ったような後のような、壁や地面の傷が多い、自然のものじゃない。まさかここで『誰かがウダイオスと戦ったのか』と、だから出てこないと思っている

 

とにかく、ベルとリリルカの元へ向かう

 

気配からして第四円壁のコロシアムのある場所に居ると感知した。コロシアムは無限に怪物が出てくる場所だ。しかし気配からしてそこに怪物の気配がない。なぜ無限に出てくるはずのコロシアムが出ないのか、しかもベルとリリルカはその真下に居る。

 

なぜリリルカとベルはコロシアムの下に居る?そもそもあそこにルートがあったのか?まさか誰も近付かないかなら、新しいルートや場所を見つけたのかもしれない。そこで一旦避難しているようだ

 

瀕死の状態であると消耗が激しくなっているようだ。急いで方が良いとさっさと第四円壁を目指す

 

 

そして

 

 

「よし、第三円壁の入り口だ!」

 

「あと一つね!」

 

「アーデさんとクラネルさん!どうか無事で!」

 

 

やっと第三エリアである。第三円壁に入った。あともう一つ潜れば、ベルとリリルカが居ると思われる。コロシアムの場所へ向かう

 

 

 

 

 

その第三エリアのルートも易々と簡単に進めた。やはり天井近くを飛べばある程度はモンスターと退けられる。

 

そして第四円壁である、ベルとリリルカが居ると思われるコロシアムに着いた

 

入り口からではなく、上から入ると

 

とんでもない光景が

 

 

「これは・・・・・」

 

「地面に大きな穴が・・・・・」

 

「ベルとリリルカがやったんだろうな・・・」

 

 

ベルとリリルカが居ると思われるコロシアムに着いた。そこに無限に出てくるはずのモンスターも居ない。驚くのはそれだけではない

 

 

コロシアムの中心にある地面が崩壊していた

 

 

何かの爆発でコロシアムの地面を壊したのだと、推測する。こんなことをするのはベルとリリルカだろう。この階層に爆破を起こせるモンスターは居ない。しかし、何をして爆破をさせたのか

 

すると

 

 

「あれは・・・・」

 

「どうしました?ジークさん?」

 

「あの大穴の底に・・・『黒い剣』がある」

 

「え?・・・あ!本当ね!」

 

「あの穴の中に行くぞ」

 

 

大穴の底、地面の瓦礫が埋もれているのだが、そこに一つ

 

 

骨でできた黒い剣が見つかる

 

 

俺たちはそれを拾いに、コロシアムの大穴に入っていく。瓦礫の上に刺さった黒い剣を拾い上げ、なんの剣なのか調べる

 

 

「これ・・・何かしら?」

 

「アリアさんでも知らないんですか?」

 

「ええ、私でも知らないわ。なにかしら?」

 

 

「ウダイオスの黒剣だ」

 

 

「え?ウダイオスの?」

 

「ウダイオスに・・・剣なんて出てこないはずですよ?」

 

「実は数ヶ月前、アイズがレベル上げのためにウダイオスを単独で挑んだと、ギルドの経歴を読んだことがある」

 

「アイズ!?あの子ウダイオスを単独で挑んだの!?」

 

「俺がオラリオに来る前にな、その時にわかったことがあったらしく、ウダイオスを単独で挑むと、奴が剣を使うらしい。それで倒すと、その黒剣と言うドロップアイテムが手に入ると、アイズがギルドに通達したらしい」

 

 

 

これはウダイオスの黒剣

 

俺がオラリオでヘスティア・ファミリアに入る前の話、アリアの娘であるアイズが、当時レベル五の時に、レベル上げのためにウダイオスを単独で挑んだと言う経歴がある

 

その時に、ウダイオスを単独で挑むと、奴が剣を出してくると新しい習性を見つけたらしい。そして見事ウダイオスを倒すと、その剣である。黒剣がドロップアイテムとして手に入るらしく、単独で挑んだ時だけ手に入る貴重なアイテムだと、ギルドの経歴を俺は呼んだことがある

 

だが、これがここにあるってことはだ

 

 

「そのような習性をウダイオスが・・・しかし、ウダイオスは玉座の間しか出てきません。なぜこの第四壁円のエリアに・・・」

 

「そのことなんだが、おそらくイレギュラーだと思う。奴がコロシアムに出てきたんだ」

 

「ここに!?しかし、そのウダイオスはどこに・・・・・っ!まさか!?」

 

 

 

「ああ、これがここにあるってことは倒したんだろうな。ベルとリリルカが・・・・」

 

 

 

「すごいです。クラネルさんはまだレベル4。それなのに、ウダイオスを倒すなんて・・・・」

 

「ウダイオスを一人で倒す!?あの人や私のかつての仲間でもそんな人居ないわ!ジーク君の仲間はすごいのね!」

 

「あいつ・・・・また一つ強くなったんだな」

 

 

イレギュラーで、ここであるコロシアム内でウダイオスが現れたのだろう。そこに潜みながらここを道としてここに居たと思われるベルとリリルカが

 

 

偶然遭遇したウダイオスと戦った

 

 

なるほど、だからコロシアムの中心にあった地面に大穴が開いていた。そしてこのドロップアイテムがここにあるなら、

 

 

 

ベルが一人で戦って倒した。

 

この黒剣がここにあるってことが証拠

 

 

 

まだレベル4なのに、なんて奴だと、ベルも徐々に強くなっているのだと、強くなるために命を賭けてでもウダイオスを単独で挑んで倒したようだ。あいつも良い試練になったようだ。

 

しかし、そのベルとリリルカが居ない

 

 

「しかし、クラネルさんとアーデさんはどこに?」

 

「この先だ。見ろ。光が見える」

 

「あ!本当ですね!」

 

「あれは・・・・水光ね」

 

「これは・・・・水の音が聞こえる。川だな」

 

「でも、なぜこのコロシアムにこんな道が・・モンスターの気配もしない」

 

「ここは本来無限にモンスターが出てくるコロシアム。どんな奴でも流石に近付かない。近付かないから、誰も見つけることができなかった。つまりは未開拓領域だな。二人が見つけたようだ」

 

「じゃあジークさん。この先に・・・」

 

 

「ああ、あの二人が居る。これを持って行くぞ」

 

 

この大穴の底で、先に進める小さな道を見つける。

 

 

その先に、ベルとリリルカの気配が

 

 

ウダイオスの激戦でこのコロシアムの地面を壊し、この道を通った先で休んでいるようだ。二人の気配は遠くで感知するよりもしっかりと感じる

 

間違いなく、二人はこの先に居る

 

コロシアムの地下にこのような安全な場所があるとは、確かにリューの言う通り、モンスターの気配はしない。まさかのセーフティ・ルーム。コロシアムは誰も近付かない危険地。誰も近付かないから見つけることができなかった。それを偶然あの二人が見つけたようだ

 

コロシアムを無理して通って。そこに出てくるはずのないウダイオスにイレギュラーに巻き込まれ、なんとか倒して、地面を開けてしまい、地面の底で見つけたこの道を通って、この先にある川の近くで一度休んでいるようだ

 

とにかく、これで合流できると、ウダイオスの黒剣を持って、先へ

 

 

 

 

すると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちがその先に進むと、目の前に少し小さな川と、いくつか端に花が多く咲いていた。ここがセーフティルームで間違いない。未開拓領域を見つけた

 

驚くのはそこだけでなく

 

 

 

 

 

 

 

 

「な!?」

 

「どうして!?」

 

 

 

「無事か、ベル・・・リリルカ」

 

「お二人とも、よくぞご無事で・・・」

 

 

「ジークさああああああん!!」

 

「リュー様ああああああああ!!」

 

 

「っ!よく、ここまで生き残った」

 

「アーデさん。なんとか生き残ってよかったです!」

 

 

「はい!いろいろありましたけど!ジークさんに再び会えて良かった!」

 

「リリもです!もう怖くて怖くて!」

 

 

「かなり傷を負っているが、よく頑張った」

 

「もう安心ですからね、ジークさん!治療を!」

 

「ああ、かなりの傷だ。早く治さねば!」

 

 

 

なんとかベルとリリルカと合流できた

 

二人はかなりの重症で体に多くの血と傷を負っているが生きていた。ここに居て、無事に生き残れるなど、レベルが低いでありながら二人で協力しながらなんとか生き延びたと、ここまで来るのにたくさんの苦労をしたのだと認識した

 

二人も俺たちに出会うと、泣きながら俺とリューに抱き付いてきた

 

まだ二人は幼い15未満の子供だ。こんなどこを行っても殺されるような場所でなんとか生き残ったにしても、二人だけでも心細かったのだと、二人は無理して頑張ったのがわかる

 

でも、ここまで生き残れたのは間違いなく二人の実力。この二人もいろいろあるが強くなったと感じた

 

俺たちと合流したはいいが、まずは俺に驚くことが二人にある

 

 

「っ!ジークさん!?その姿は!?」

 

「気づくのが遅いぞ?出会ってから驚くところだぞ?」

 

「まさかその翼に肌に腕や角まで・・・黒竜に!?」

 

「その通りです。ジークさんは黒竜の浸食を受け入れて、その一部を顕現しました」

 

「そんな・・・・・」

 

「気にするな。俺はリューを守れるために必要なことをしたんだ」

 

 

俺の姿を見て驚くのもわからなくはないが、それでもいつか来る浸食だ。サーナの薬も効かない上に、リューを守るために必要なこと、リューを救うためには仕方ないと、俺も怪物の力を使うしかなかった。

 

まあ、俺に驚くのはここまでだ

 

それより、驚くのが俺の隣に居る

 

 

「ジーク君?この子がジーク君の仲間?」

 

「ああ、そうだ」

 

 

「ジーク様?誰ですか?この人は?」

 

「なんだか・・・・アイズさんにそっくりですけど」

 

「確かに剣姫に似ていますが・・・それより大人びているような・・・・しかもなぜ白いドレスを?こんなダンジョンで」

 

 

「紹介する。俺が精霊召喚した風の大精霊アリアだ。アイズの母親だ」

 

 

「アイズさんの母親!?」

 

「剣姫のお母様!?」

 

 

「うん、私はアリア。よろしくね」

 

 

「あ、はい!」

 

「それって・・・・・あのダンジョンオラトリアの!?実在したのですか!?」

 

 

「あら?この子・・・アルバートにそっくりね。名前はベル君でいいんだよね?」

 

 

「はい。ベル・クラネルです」

 

「ジーク様!?どういうことです!?なぜジーク様がこの精霊を召喚できたんです!?」

 

 

「ああ、治療しながら説明しよう」

 

 

アリアを召喚した経緯を、二人を治療しながら説明する

 

千年も黒竜の中で封印された精霊。俺が奴の心臓を食べたことで、今度は俺の中で封印されたと、黒竜の力を解放させて、アリアの魂を取り出し、体を具現化させて召喚させたと説明する

 

もちろん、ダンジョンオラトリアの伝承も本物だと

 

 

「すごい!お爺ちゃんの話は本当だったんだ!」

 

「え?千年後経って、私とあの人の話を書物にされているの!?」

 

「まあ、一部はな」

 

「そ、そうなんだ・・・・あの出会いが千年後で、本にされているなんて恥ずかしいな」

 

「あんたにとって、アルバートの出会いは恥ずかしいのか?それでも人の子を産んだ風の精霊か?」

 

「わ、私でも恥ずかしいのあるもの」

 

「そうか・・・」

 

「ジーク様、そこに居る方があのダンジョン・オラトリアに出てくるアリア様なのはわかりました。しかし精霊と人間との子供は産めないはずでは・・」

 

「風の精霊と水の精霊はそれが可能だ。風と水の精霊はほぼ整体としては人と変わりない。だから人と繋がって普通に繁殖することは可能だ。そしてそれで生まれたのはアイズだ」

 

「なるほど、ではなぜ千年前に生きていたアリア様が剣姫を産んだなら、どうして剣姫が今生きているんです?おかしいじゃないですか。千年前に生きていた精霊が剣姫を産んだなら、剣姫が今生きているとは思えません。これはどういうことです?」

 

「そ、それは・・・・・」

 

 

「リリルカ、それは答えられない」

 

 

「え?」

 

「これはロキやフィンたちも知っているが、どうしても俺もアリアも話せない。すまないがこの話は聞かないでくれ。どうしても今は説明できないこともあるんだ。『俺にも関わる』ことなんでな。これは今後聞かないでくれ、約束してくれるか?」

 

「そ、そうですか・・・・ジーク様は本当に秘密が多いですね」

 

「どうしてもな」

 

「ジーク君?あなたまさか?」

 

「そういうことだ。だから言ったろ?『俺はあの一族』。知ってもおかしくないだろう?」

 

「・・・・そうだったわね。やっぱりシグ君そっくりな子ね」

 

「それと、ファミリアの仲間意外に、彼女のことをアリアだと教えるな。ホーム外では『シルフ』と彼女を呼べ。いいな?」

 

「どうしてですか?」

 

「どうしてもだ。アリアを狙う不届き者は多い。彼女を守るためにも、今後は彼女をシルフと呼ぶように、わかったな?」

 

「わ、わかりました」

 

「アリア、それで構わないな、俺の精霊になったからには、ファミリアの仲間意外にその真名を明かすな。いいな?」

 

「私の事情を知っているのね、わかったわ。色々ありがとうね。ジーク君、それじゃあ今日から私はシルフね」

 

 

アリアにベルとリリルカを紹介した

 

まさかあの伝説の御伽話。『ダンジョン・オラトリア』の登場人物である精霊、アリアだと思いもしなかった

 

しかし、アリアは千年前の存在。そしてアイズはそのアリアとアルバートの間に生まれたなら、アイズは千年前に生まれたことになる

 

 

なぜアイズが千年前に生まれたのに、今ではロキ・ファミリアの幹部として生きているのか

 

 

 

それは話せない

 

 

 

アイズはかなりこの世界に『俺と真逆に重要な存在』、アリアも千年経って彼女がここで生きていると聞いて、アイズがここで『とんでもない役割』をしているのだと、この時代でこの世界で神々にとってかなりの重要視されていると、正直アリアがここで召喚された方が、あえて彼女のためになると思った

 

それと彼女にはとんでもない秘密がある。それを今明かされては困ると俺も彼女の事情を察して、今後からは彼女をシルフと名乗るようベル達に言っておく。アリアも新しくシルフとして名になり今は隠す

 

 

そんな話は置いて、別の話をする

 

 

「ベル。これを」

 

「それは!?・・・あのウダイオスの黒い剣に似ている!?」

 

「それはお前が単独でウダイオスに挑み、奴が剣を出しただろう?その剣を持ったウダイオスを倒すと手に入る。奴の唯一のドロップアイテムだ」

 

「そうですか、やっぱり僕は勝ったんだ」

 

「ああ、よく頑張った。まさかレベル4でウダイオスを倒すとは、オラリオの歴史においてもお前が初めてだぞ。レベル4で倒せるのはな」

 

「そうなんですか!だとしたら嬉しいです。でも『偶然ウダイオスが左腕が無い』状態で出てきたから、勝てたて言うのもあるんですけどね」

 

「なに?ウダイオスが左腕が無い?」

 

「はい。ウダイオスがコロシアムに出てきたのは驚いたのですけど、出て来た時なぜか少し傷を負った状態で、左腕が無いまま出てきたんですよ?これもイレギュラーですかね?」

 

「すまないが、そこまではわからない」

 

 

どういうことだ?と思った

 

ウダイオスはちゃんと『両手を出して』上半身出すモンスターレックス。なのに『左腕』が無い?ウダイオスはまさか『何かにやられた』のか?。あの『玉座の間』の荒れよう。まさか玉座の間で何かとウダイオスは戦って傷を負い、そしてコロシアムに逃げてベルに倒されたのかと推測する

 

ここに来る前に玉座の間を通った俺はそう思っている。一体何とウダイオスは戦ったのかは知らないが、とりあえず奴が倒しやすい状態だったのなら良しとしよう。それでベルとリリルカが生きているのだからな

 

 

ベルとリリルカの治療がもう少しで終わりそうになっている時に。一番重要な話をする

 

 

「お前たち、よくあの怪物・・ジャガーノートが彷徨くこの階層でよく生き残れたな?」

 

「ジャガーノート?あのジュラ・ハルマーが呼び寄せたあのイレギュラーの怪物の名前ですか?」

 

「ああ、リューが言うには、フェルズが知っていたようで、フェルズがあの怪物のことをそんなふうに呼んでいるらしい」

 

「そうですか、あ!ジーク様!実はここに落ちてから、ある場所で休憩したらその怪物であるジャガーノートに出会しました!」

 

「なに?なぜ出会したのにお前たちは生きている?まさか逃げ切れたのか?」

 

「いいえ、それは・・・・・」

 

 

リリルカが、コロシアムに辿り着く前にジャガーノートに偶然遭遇したらしい。しかもベルがスカルシープの皮で顔まで覆って仮眠している間に、運悪くジャガーノートに出会したらしい

 

しかし、偶然ジャガーノートに出会したにも関わらず、ジャガーノートは襲おうともせず、無反応であり、そのまま何処かへ去ったと言う

 

その時に、何かを探すように、頭を全体を見るような動きをしていたと、何かを探している様子だと、リリルカが説明する

 

 

「何かを探している・・・・まさか」

 

「はい。ジーク様の考えている通りかと、その時ベル様はスカルシープで顔まで隠して寝ていました。おそらくベル様とジーク様を探しているかと」

 

「俺もそう思う。そうでなければリリルカを無視するはずがない。優先すべき敵を探しているようだな」

 

「あり得ません!あの怪物はイレギュラーです!冒険者は誰でも殺すはずです!」

 

「ジーク君?イレギュラーって?」

 

「このダンジョンでトラブルを起こして、強力なモンスターを呼び寄せた人間のせいで、多くの冒険者を殺された・・・・って簡単な説明すると、そんな感じだな」

 

「そんな酷い人間がまだこの時代でも居るのね」

 

「ああ、それが下界の生き物だ」

 

「僕は寝ていましたから、ジャガーノートと出会したことに気づきませんでした。なんだかぬかりなくてすみません」

 

「寝ていたから助かったんじゃないか、お前が起きていたら、奴に気付かれて襲われていたかもしれないんだぞ?運がよかったと思うべきだ」

 

「でも、ジークさん、あの怪物がジークさんとクラネルさんを探しているなんて、あり得ないです」

 

「だが、奴は27階層で、37階層へ俺とベルを落とそうとした。ワームウォールの開けた穴を使ってな。でなければリリルカとリューを無視した説明がつかない」

 

「一体どうして・・・・あ!そういえばジュラ・ハルマーのマジックアイテムが、あのジャガーノートの首に光っていました!」

 

「あのジュラのマジックアイテムか、確かあれで意志を支配する。ジャガーノートには魔石が無いから、逆に意志ができて俺たちと戯れたいがためか、もしくは俺とベルを倒したいと闘争心ができたのかもな・・・・」

 

 

ジュラ・ハルマーのマジックアイテム

 

あれはモンスターの意志を取り込んで操るマジックアイテム、しかし、ジャガーノートに魔石はない。だから逆にあのマジックアイテムのせいで意志ができてしまい

 

俺とベルをこの階層に引き摺り出し、もっと戦いたいと闘争心が生まれたのか、リリルカとリューを無視して、俺とベルと再び戦いたいと、ここで俺とベルを探しているのかもしれない。

 

奴は絶対に倒すことは決まっているが、もしそんな考えを持ってここで彷徨っているなら、やることは一つ

 

 

「予定変更だ、次の指示を出す。地上に帰る前に、ジャガーノートを倒しに行くぞ」

 

「え?」

 

「な、なぜです!?ジーク様!?」

 

「決まっている。俺とベルを奴が探しているなら、このまま地上に帰ったら、奴は俺とベルを探して地上まで上に登ってくるかもしれない。むしろあの怪物を放っておくのは危険だ。ここで仕留めておかないと、他の冒険者にも被害が及ぶ。奴はここで倒すべきだ」

 

「た、確かに・・・・」

 

「ベル、お前はどうだ?」

 

「やります!リリ。僕もあの怪物を放っておけない。ジークさんの言う通り、ジャガーノートは絶対に倒すべきだよ」

 

「ベル様・・・・・わかりました。それではこれからの予定はその方針で?」

 

 

「ああ、ヴェルフ達と合流する前に、奴を片付ける。少し休んだら奴を倒しに行くぞ。奴はこの先に居る」

 

 

「この先?ってことは・・・・第五円壁!?」

 

「ああ、上に登るにはそこを超えないとならない。しかし、そこに『ジャガーノートの気配』がある。どの道奴を倒さないと帰れない」

 

 

これからの予定は決まった。しばらくここで休んだら

 

 

ジャガーノートを倒しに行く

 

 

奴が俺とベルを探してこの階層を彷徨っているなら好都合。ここで奴を確実に仕留めると俺とベルは決めた。あれだけ多くの冒険者を殺した危険な怪物だ。放っておいたらどれだけの被害が出るか、それだけではない。仮に奴を仕留めずに地上に帰ったら、俺たちを追って地上に出てくるかもしれない

 

そうなったら地上の人間にも被害が

 

それに奴はこの先に居る。この先に上の階層に行ける連絡路がある。なのに奴が居るため通れないだろう。どの道倒さなくてはならないと、倒す以外の道はなかった

 

 

すると

 

 

ピカン!ピカン!!ピカン!!!

 

 

『おーい!ジークっち!無事か!』

 

 

「っ!これはオクルスからか」

 

「今のリドさんです!?」

 

「まさかもう・・クノッソス攻略が終わったのか」

 

「ジーク君のマジックアイテム?」

 

「ああ、ちょっと知り合いからの連絡だ」

 

 

突然、俺がヘスティアに連絡できるオクルスから、リドの声が聞こえた

 

ゼノスは今クノッソス攻略で忙しいはず、もう攻略が終わってダンジョンに帰って来たのか、リドの連絡が入る

 

 

「リド。俺だ。どうした?もうクノッソスの攻略は終わったのか?」

 

『ああ、それでフェルズに言われて、ジークっちを助けろって、今ジークっち。イレギュラーモンスターに追われているんだろう?フェルズが言っていたぜ?』

 

「フェルズか、ウラノスからここで起きていることを報告したか、リド。今俺たちは37階層に居るが、俺たちがそいつを片付けるまで、今はまだ来るな」

 

『は!?なんでだよ!?』

 

「その怪物はお前達よりも強い怪物だ。俺たちが倒し切るまで、こっちに来るな」

 

『そうはいかねえよ!こっちはもう25階層に来ているんだぞ!今更引き下がれるかよ!なんだか物凄く荒れているけどな!』

 

「荒れている?ヴェルフたちは今・・26階層に居る。あいつらも何かあったのか、だったら26階層へ行って、ヴェルフ達を助けてやってくれ。あいつらじゃあ、そこは苦難だ!それで37階層に来い。わかったな?」

 

『わかった!とにかくジークっちも死なないでくれよ!』

 

「そちらもな」

 

 

そうして通話を切る

 

まさかフェルズが増援を送るとは思いもしなかった。ウラノスはダンジョンを抑えるために神の力を使っている、となれば、ここでなにが起こっているかは把握している。それで増援を送ったのか、ジャガーノートが出て来たと

 

まさかここでアーニャ達だけではない。増援を送るとは

 

しかし

 

問題はその近くに居る。ヴェルフ達が

 

 

「リドさん達はなんと?」

 

「俺たちを助けに来たみたいだが、その前にヴェルフ達の増援に向かわせた。その後でここに来るぞ。ゼノス達は」

 

「じゃあジーク様。リド様達ゼノスが来る前に・・」

 

「ジャガーノートを倒さなないと・・・」

 

「ジーク君、その人達のことは私は知らないけど、それなら急いだ方が・・・」

 

 

「ああ、実行するぞ。今からこの先に居るジャガーノートを倒しに行く。リュー?お前もそれでいいな?」

 

 

「はい、私はジークさんが一緒ならあの怪物が居ても大丈夫です」

 

 

「よし、あいつらが来る前にジャガーノートを片付けるぞ!」

 

 

こうして俺たちは、当初の予定を変更し、ゼノス達、リドたちが来る前にジャガーノートの討伐をしに、この先を進む

 

リューはまだ不安もあるようだが、俺が居るなら問題ないと、彼女もある程度の覚悟はしているようだ

 

 

それにしても、ヴェルフ達が26階層に居ると言う気配には驚いた

 

25階層で待機と言ったが、先ほどのリドが荒れていると言っていた。あいつらもイレギュラーでも起こって、26階層に行くしかなかったようだな

 

 

さて

 

 

今度は帰る道作りの試練か

 

 

俺たちの初遠征も楽じゃないなと思う

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。