ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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魔剣で乗り越えろ

 

 

26階層、アンフィス・バエナ戦闘後、25階層はもう入り口が塞がれて、ヴェルフ達は渋々この階層に進んで生き残る道を選んだ

 

カサンドラの言葉を信じた通り、24階層に戻ろろうとして、25階層の道を登ろうとしたら、確実に崩壊に巻き込まれて殺されていた。

 

一度は乗り越えた

 

 

 

 

「ぬん!なんだよ!この数は!」

 

「くそ!数が多すぎる!?」

 

「こんなにマーマンが!切りが無え!」

 

「それだけじゃない!27階層のケルピーまで居る!」

 

「なんで27階層の怪物がこの上に上がってくるんだよ!?」

 

「まだ来る!ラミア!アーヴァンク!ドドラまで!」

 

「やっぱり27階層で何かあったんじゃあ!」

 

 

26階層でまさかのモンスターパレードに追われていた

 

四方各方位にモンスターに囲まれ、27階層に出るはずの怪物が26階層に現れる。もちろんこの階層で生まれたわけではなく、27階層の連絡路から登ってきた。普通そんなことは起こるはずがない

 

となれば、27階層で何か起こって、ここまで来たようだ。それも一斉に

 

しかし、ヴェルフ達はアンフィス・バエナ戦闘後であるため、命と春姫はもう負傷と体力切れで戦えず、今必死で戦っているヴェルフ達も、もう疲れで限界に近い、今はヴェルフの残った魔剣を使って、そのモンスターを退けながら、逃げられる道を探しながら進んでいる。もうアイシャも魔法も打てない。こんな限界に近い体で進むしかない

 

 

「ぬ!よし!道が開けたぞ!」

 

「走れ!安全な場所へ移動するぞ!」

 

 

まずは退け

 

こうするしかない。階層主を倒した後の残りの体力で、魔法も打てないこの状況下で、どこか避難できる場所をまずは確保しながら、進むしかない

 

だが、いつ怪物達一斉にに追われてもおかしくない。

 

下に行けば生き残れると言うが、完全に追い込まれている。このままではまたも全滅の可能性が高い

 

更に

 

 

ピキ!!!

 

 

「ち!あと一発だけか・・・」

 

 

もう最後の一本である魔剣も、あと一発で砕ける。魔法が使えない分、魔剣を頼りにモンスターを一掃するが、もう限界

 

まだモンスター達は追ってくる。それもかなりの数で

 

このまま逃げてばかりじゃあなんともならない。逃げても逃げてもモンスターはひつこく追いかけてくる。それを退ける手段もアイシャも流石にもう考えられない

 

どう、この怪物の大群をどうしたらいいか

 

すると

 

 

 

「うわあああああああ!!!!」

 

 

「っ!なんだ?」

 

「冒険者の声!?」

 

「27階層に行ったリヴィラの冒険者!?」

 

「この先からだぞ!」

 

「行ってみよう!」

 

 

突然、逃げた先から冒険者の悲鳴が聞こえた

 

27階層に行ったリヴィラの討伐隊に生き残りが居たのだろうか、モンスターに襲われて騒いでいるのか、助けに行こうと、全員先へ進む

 

すると

 

 

「うう!!おおおおおお!!」

 

 

「あれは!?」

 

「リヴィラのボールスか!?」

 

「アーヴァンクに襲われているぞ!」

 

「桜花!」

 

「ああ!」

 

 

悲鳴を上げていたのは、リヴィラのボスである『ボールス』だった

 

かなりの負傷を追っているが、まだ生きているのか、両腕に大盾を持って、アーヴァンク4体に襲われており、その襲撃を盾で防いでいる。アーヴァンクが張り付いているせいで、盾で防ぐばかりで反撃できず

 

ボールスを助けようと、桜花が助けに入る

 

 

「うおおお!!」

 

「っ!お前らは!?なんでここに!?」

 

「大丈夫か?」

 

「ああ、悪い。助かった」

 

「なんでお前がここに・・・っ!おい!それリリスケのバックパックじゃねえか!?なんでお前が持っているんだ!」

 

「それは・・・あいつらが置いて行ったから・・」

 

「置いて行った?リリスケやジークとベルは27階層にまだ居るのか?」

 

 

「違う。あいつらはイレギュラーのモンスターに引き摺り込まれて、更に下の階に連れてかれた」

 

 

「は!?連れてかれた!?どういうことだよ!?」

 

 

ボールスを助けたが、奴の背中にリリルカが持っていたバックパックを背負っていた。ここで生き抜くために止むを得ず、人の使っていたようだ

 

しかし、持っていたリリルカがここに居ない

 

リリルカが居ないなら、俺やベルも、そしてリューも居ない。持っていた本人がここに居ないなら、どこに行ったかとヴェルフが聞く

 

そしてボールスは

 

 

イレギュラーモンスターに、更に下の下層に連れてかれたと言った

 

 

それだけを聞いただけではわからず、どういうことか、更に詳しく聞きたいが

 

 

『グウ・・・』

『ガア・・・』

『ギイ・・・』

 

 

「またモンスターが!?」

 

「ひとまず後だ!更にこの先に行くぞ!」

 

「ち!お前も来い!でないと殺されるぞ!」

 

「あ、ああ!わかっている!」

 

 

それを聞く前に、ヴェルフ達を追ってきたモンスター達がもうここまで辿り着きそうになる

 

見つかると今は面倒なため、詳しく聞くのは後で、まずはモンスター達を振りまくために、更に奥のルームへと全力で走った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、走った奥の先でルームを見つける。そのルームには大分広く。モンスターも居ないルームだった。

 

だが、そのルームは

 

 

「なんとかモンスターが居ない場所に着いた」

 

「行き止まりだけどね」

 

「ここでしばらく休むよ」

 

 

そこは行き止まりのルームだ

 

もう進める道はなく、先ほど通った道は一本道で、ここを出るには来た道を戻るしかない。しかし、今は皆疲れが出ているため、一旦休憩を取る

 

その間に

 

 

「おい、そのリリスケのバックパックは返せ。俺たちの仲間の物だ。代わりにこれをやる」

 

「ち、貰っちまおうと思ったが、そうはいかねえか、おう、悪いな」

 

「相変わらず根深い野郎だな」

 

「所詮リヴィラの冒険者だしね、おい、さっきの話詳しく教えな」

 

「わかった。バーベラ。だがヘラクレス達が無事かどうかはわからねえぞ」

 

 

ヴェルフはリリルカのバックパックをボールスから取りあげる。代わりに盾と三叉槍をボールスに渡す。ヴェルフはリヴィラの冒険者が意地汚い事を知っているのか、リリルカの持ち物を取られないよう取り上げていく、やっぱり盗むつもりだったようで舌打ちをした。だが、流石に何も無いではモンスターに無防備であるため、多少身を守れる武器は渡した

 

休憩に入っている間に、27階層で何があったのか、俺とベルがイレギュラーモンスターに、更に下層になぜ連れてかれたのか、そしてイレギュラーモンスターとは何があったのか、詳しくボールスに聞く

 

ボールスは、俺たちが生きているかわからないと、仲間が生きている確信は無いと初めにアイシャに言っておく

 

 

 

そして、27階層で起きた事と、イレギュラーの怪物とはなんのことか、起きたことの全てを説明した

 

 

「マジかよ。そんな強いモンスターが出てきたのか」

 

「しかもあの疾風が殺そうとしたジュラ・ハルマーが呼んだのかよ」

 

「あのタークと言い、本当にイカれてやがる。それじゃああんたの仲間は?」

 

「みんな死んだ。俺の子分も。俺以外は全滅だ」

 

「マジかよ、それでジークとベルとリリスケと疾風は?」

 

「ジュラ・ハルマーがテイムしたワームウォールが出てきた穴に、いきなりその怪物が、ヘラクレスとラビットフットを引き摺り込んで、下の階層に行った。それを追うようにあの疾風とパルゥムは二人を助けにその下に」

 

「それであんたは残って、こっちに一人で戻ってこようとしたところか・・・」

 

「お前らが居なきゃ死んでいたけどな・・ついでにあのラビットフットのおかげでもある。あの怪物から俺を助けてくれた」

 

「ってことは・・・・あいつら深層まで行ったのか」

 

「かもな・・・・・もう生きているかもわからねえよ」

 

「25階層の時、変な怪物の声がするなと思ったが、そいつの声だったのか」

 

「ジークが27階層に来るなって、そういうことだったのか」

 

 

ボールスの話をありのままの27階層でのことを全て知った

 

なぜ俺が27階層だけは来るなと言った意味が。新種のモンスターが出てくるからと言う意味だった。それでボールスの仲間も子分も皆殺し、ボールスはベルが助けてくれたことで生き残れた

 

そして、新種のモンスターは俺とベルを更に下に続く階層の穴に引き摺り込まれ、リリルカとリューも穴に追うように入って行ったと

 

事実、殺されたところは見ていないが。下の階層に連れられ、生きているかどうかわからなくなった

 

だが

 

 

「あいつらがそんな簡単に死ぬわけねえよ、特にジークとベルはな。俺たちの英雄とその後継者になろうとしている奴が、そんな簡単にくたばるかよ。リリスケも頭が良いはずだから、うまく考えて乗り越えているはずだ」

 

「鍛治師・・・・」

 

「自分もそう思います。自分もヘスティア・ファミリアの一員になって、あの三人の凄さを実感します。きっと今も生きていますよ」

 

「命・・・・」

 

「私もです。私もジーク様やベル様うやリリ様ばらどんな強敵でも、今を乗り越えているはずだと、私も必ずリュー様を連れて帰るはずだと、私も信じます」

 

「春姫・・・・」

 

 

本当に生きているか、なんの確証も無しにヴェルフと命と春姫はただ信じる

 

ボールス以外の仲間達を全滅させた新種のモンスターであろうと、必ず倒して、今も生きているはずだと、信じ続ける

 

何がそこまで三人は今居ない仲間を信じ続けることができるのか、何がそこまでの絆を強めたのか、もはや信頼がどこまでも固く。俺たちが更に下の階層に居ても、まだ生きていると信じていた

 

今からでも、迎えに行きたいが

 

 

「あなた達が、今ここに居ないジーク・フリード達が今生きていることを信じるのはいいけど、私たちもヤバイことを忘れないでよね」

 

「うん、ここは行き止まり、もう行く宛はない」

 

「さっき通った道に戻るしかないけど・・・戻ったら」

 

「確実にあのモンスターの大群にやられる」

 

「もう魔法は打てない」

 

「状況としてはまずいですね・・・」

 

「これから・・どうしたらいいでしょう・・・・・・アイシャさん」

 

「わからない、ひとまずは休んでおきな、今は考える時間だ」

 

「何かあればいいが・・・・」

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

ヴェルフ達の今の状況も最悪だ

 

もうみんな疲れ果てて、戦えるだけの体力も限界になってきた。もう魔法も打てない状態だ。今来た道を戻っても、モンスターの大群にやられるだけ、先ほどから進めば進む程数が増えるばかりで、全然前へ進めない。そして行き止まりで、ここにモンスターに来られたら、完全に終わる

 

完全にモンスター達に追い込まれた状況で、どう切り抜けるか、完全に詰んでいる状況である。休んでいる間にお互いでどう切り抜けるか、考え合うが

 

そんな中、ヴェルフが

 

 

「ジーク・・・お前。まさかこんな事になると思って、これを俺に渡したのか・・・」

 

 

ヴェルフは持ち物の中に、昨日俺に渡された『アダマンタイト』を出す。これで新たな魔剣を作るしかないと、ヴェルフは俺はこんなことのためにこれを渡されたのでないのかと考えている。まさかこんなことになると、俺が想定した上でこれを渡したのか、でも、これを使って魔剣を作るにしても、折れる魔剣ではダメだ

 

これを作るのは

 

 

 

 

目標である『折れない魔剣』

 

 

 

 

つまりは、俺の専用武器である『魔剣グラム』と同じ種類の魔剣を作るしかない

 

 

あれだけのモンスターの大群を蹴散らすにはこれしかない。魔剣の力でなければ。今まで簡単に折れる魔剣を作ることを否定したが、やはりその力が無ければここを生き残ることができない。自分の力である『魔剣製作』でなければ、ここを乗り越えることはできない

 

だから、ここは賭けるのみだった。ヴェルフは最大の賭けに出る

 

 

 

「ふう・・・なあ!お前ら!」

 

「「「「「「っ!」」」」」」

 

「俺に命を賭けられるか?」

 

「は?イグニス?いきなり何を言ってがやる?」

 

 

 

 

 

「今からここで『鍛錬』する!ここで新しい魔剣を造るって言っているんだ!!」

 

 

 

「ここで!?」

 

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

 

ヴェルフが賭けたことは、ここで魔剣製作だった。

 

ここを鍛冶場にして鍛錬すれば、絶対にモンスター達に金属音で気づかれる。そうなったらモンスターは一斉にここに押し寄せてくる。そうなったら本当に全滅する

 

その前に新しい魔法を作って、その新しく作った魔剣でモンスター共を蹴散らして、この場を切り抜けると言った

 

そんな間に合うかもしれない賭けに、皆は

 

 

「本気で言っているの!?それ!?」

 

「ああ、まともじゃねえのは自分でもわかっている。でも、もうそれしかねえだろう」

 

「それに必要な道具と火は?」

 

「全部整備用で俺のバックに入っている。一応こんなこともあろうかと持ってきておいた。火は、この後一本の魔剣で起こす。材料はジークから貰ってある」

 

「アダマンタイト!?それを使って新しい魔剣を造る気?」

 

「ああ、これなら俺の目標である『折れない魔剣』も造れる。いや、造って見せる!」

 

「「「「「折れない魔剣!?」」」」」

 

「冗談じゃねえ!そんな絶対にできるかもわからねえ物をこんなところで造るなんて、お前どうかしているぞ!?」

 

 

「じゃあボールス!お前は他に方法があるってのか?もうこれしかねえだろう!」

 

 

「っ!?」

 

「みんなも、お前も。全員戦いばかりをして疲れ果てて、もう魔法も打てない。もう頼れるアイテムももうほとんどない。今リリルカのバックの中身を見ても、そこまで回復アイテムもあるわけじゃない。もうこれしかないだろう?」

 

「だ、だけどよ・・・・」

 

 

もうこれしかない。魔剣に頼る他

 

ヴェルフのプライドにおいても、魔剣を頼りにして生きていかなきゃならないと言う罪悪感に、痛みを感じる。けど、俺の言う通り

 

 

魔剣がなきゃ、何もできないとヴェルフ本人も痛感している

 

 

ここで魔剣を打たなきゃ、全員が死ぬ。もう逃げる場所もない。アイテムも限りがある。魔法も打てない。もう完全に打つ手がない。こうでもしなきゃこの場を切り抜けることができないと、危険も伴うが、最終手段に賭けるしかない

 

ボールスも含め、あまり皆は賛成ではない。その通りでもある。なぜなら『折れない魔剣など実現できない』と常識に思っているからだ。魔剣と言うのは打てる回数がある。そのため使い果たすと砕けて散りになる。これが魔剣である。それを折れない魔剣を造るなど、実現した奴など今まで誰も居ない。そう神さえも

 

 

それを今、ダンジョン内で造ると、彼は息巻いた

 

 

その賭けに、アイシャはヴェルフに問いかける

 

 

 

「イグニス・・・」

 

「バーベラ・・・・」

 

 

「それは本当にできるんだろうね?」

 

 

「できるんじゃねえ!やるんだ!!でなきゃ終わりだ!ここで抗わなきゃな!俺は鍛治師だ。絶対にやってみせる!!」

 

 

「・・・・・わかった。私の命はあんたに賭ける」

 

「おう!」

 

「正気か!?バーベラ!?」

 

「あんたはどうするんだ?あんたもここに居る以上。そうでもしなきゃ生き残れないよ?それともベル・クラネルやあの英雄に助けられて何もしないのかい?」

 

「ぐ!?・・・ああわかったよ!俺もお前に賭ける!失敗したら承知しねえからな!」

 

「ボールス・・・」

 

「俺もお前に賭ける」

 

「大男!?」

 

「こんな良い大斧を俺に作ってくれたんだ。お前ならできると、俺はお前を信じる!」

 

「お前・・・・」

 

「私もヴェルフさんに信じます。防衛は私に任せてください!」

 

「千草・・悪いな・・・」

 

「まったく。あのジーク・フリードの仲間はこんなとんでもないことをするのね?」

 

「ダフネちゃん」

 

「わかっているわよ、もう方法もないわけだしね。私も賭けるよ。あんたに任せる」

 

「私も賭けます。回復はまだできます。サポートは任せてください」

 

「悪いな、二人とも」

 

 

全員ヴェルフの最悪な手段に賛成する

 

絶対できるなんてわからないにも関わらず、皆その可能性に賭ける。もうこれしかないというのもあるが

 

この賭けを全てヴェルフに託される

 

更に

 

 

「はあ・・・アイシャさん・・・私のレベルブースト・・あと一回使えます!」

 

「っ!春姫・・・」

 

「ダメだ春姫!お前も限界に・・・」

 

「あれから大分休みました・・それに・・リリ様のバックからマジックポーションもあります。これで休みながらなら・・・あと一回は使えます」

 

「春姫・・・お前・・・」

 

「自分もまだ戦えます!」

 

「命!?あなたまで!?」

 

「フツノミタマもあと一回だけなら使えます。防衛がもし失敗した時は使います。足に木の棒で固定すれば、片手だけでも戦えます」

 

「命、お前も・・・・」

 

「あとはお願いしますね、ヴェルフ殿」

 

「ここを乗り越えて、ジーク様やベル様やリリ様やリュー様のところに行きましょう。ヴェルフ様・・」

 

 

「二人とも・・・おう!任せろ!お前らの命は俺が預かる!絶対に造って見せる!!」

 

 

命と春姫も、無茶ながら出口の防衛に無理に出る。リリルカのバックに多少なアイテムがある。それを使えば、なんとかあと一回だけ魔法を使える。二人はヴェルフならやり遂げると、仲間を信じて、体が限界なのにまだ戦う

 

 

こうして、ヴェルフの試練が始まった

 

この行き止まりのルームで、鍛練するなど普通の鍛治師ならやらないこと

 

 

 

でも、鉄と炎があればどこでも打てる

 

 

 

ヘファイストスのこの言葉を、今でもヴェルフは魂の中でその言葉を信じている。そしてここでそれを始める。失敗することはないだろう。アダマンタイトで失敗する事例はどんな鍛治師も経歴にもなかった。少し腕が悪いだけで質が悪くなるだけで、失敗はしない。しかし、問題はできるかだ

 

アダマンタイトを武器作りに使うのは中々に難しい。上級鍛治師でも中々にそれを使った武器を上手く製作したことはない。できるとしたら椿とその部下くらい

 

それを今、ヴェルフは絶対に出来上がらなくてはならない状況で始める

 

失敗すれば死

 

成功すれば生きられる

 

 

できるか、できないか

 

 

 

ヴェルフの熱き魂次第だ

 

 

「防衛陣形を張るよ!男二人は盾を持って前へ出な!それ以外は全力でサポート。あのイグニスに何があっても、モンスターを近付かせるんじゃないよ!私らの命はあの鍛治師に賭ける!」

 

「「「「「「「おう!」」」」」」」

 

 

ヴェルフ以外は出入り口で防衛陣形を取る。

 

桜花とボールスで出入り口を塞ぐように盾を前に出す。出入り口の大きさはちょうど二人程、塞ぐにしては十分な広さだ。そして盾を抜け出すモンスターはそれ以外で排除する。もしも防衛に失敗した場合は春姫がアイシャにレベルブーストを掛けて一掃、命はフツノミタマで大群を蹴散らす。もちろんそれだけは終わらないが、これがアイシャ達の防衛陣形

 

 

「よし・・・・始める!!」

 

 

ヴェルフは壊れない魔剣をここで創り上げる

 

最後の魔剣で、炉に炎を灯した。そして魔剣は砕かれて、もう手持ちの魔剣は無い。これで全て武器は無くなった。あとは新しいの造るしかない

 

ガン!ガン!!ガン!!!

 

と、力強く鉄の音が聞こえる。アダマンタイトは簡単に素早く武器は完成しない。それを素早くやらないとならないと言う苦難を勝負している

 

無謀であろうとも、やらなきゃ終わる

 

 

このヴェルフの賭けに、皆の命は掛かっている

 

 

「始まったか・・・・」

 

「本当に完成するんだろうな?」

 

「ウダウダ言うんじゃないよ」

 

「もうこれしか無いんだ。あいつならできると、お前も信じろ」

 

「たく・・・・」

 

 

『『『『『ガア!』』』』』

 

 

「マーマン!?」

 

「来やがったか!」

 

「二人とも!」

 

「「おう!!」」

 

 

そしてヴェルフが鉄を鳴らしたことで、モンスターが押し寄せる。敵はマーマンの大群。桜花とボールスが出入り口を塞ぐ

 

ルームに入らせないために出入り口で攻防、もちろん盾の上を通るモンスターも居る。それはアイシャ、ダフネ、千草、命で排除する

 

何があっても、ヴェルフに近づかせないために

 

 

それまでにヴェルフは完成するだろうか

 

 

 

 

 

 

 

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