ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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合流 しばし休憩

 

 

俺はリューを担ぎベルとアリアとリリルカで36階層に続く連絡路付近に着き、そこでまずはゼノスたちを待つ。

 

すると

 

 

「ジークウウウウウ!!」

 

「ウィーネ!来たか!」

 

「ジーク!」

 

「元気だったか?ウィーネ?」

 

「うん!またジークに会えた!あれ?ジークその姿は?私と同じ?」

 

「まあ、そんなところだ」

 

「えっと・・・モンスターなのに、喋っている?」

 

「アリア、わかりやすく言えば、『アナザーモンスター』だ」

 

「これが!?あのシグ君が言っていたことは本当だったんだね」

 

「ベルっち無事か!・・・って、うお!?ジークっち!その姿はまさか!?」

 

「人の形でモンスターの一部を変貌させた」

 

「大丈夫です!ジークさんはこの姿でも。負傷していますけど、生きてます!」

 

「リリルカも無事だな?」

 

「ゼノスの皆様、来てくださったんですね!」

 

 

ゼノスが連絡路から出てきた

 

先に合流したのはゼノスだった。ウィーネは俺に久しく会えて抱き付いてきた。リドやグロス、他のゼノスも全員来ていた。アリアにゼノスを説明してもわからないため、簡単にアナザーモンスターだと説明したら、アリアも敵ではないと判断した。俺の先祖もアナザーモンスターを知る一族で、先祖がアリアにもしっかり教えていたようだ。喋るモンスターがこの世界に居るとアリアもゼノスの存在を簡単に信じた。話が早くて助かる

 

 

「早かったな、ヴェルフたちは後から?」

 

「うん。後で春姫たちが来る」

 

「そうか。ゼノスの皆、ここまで助けてくれて助かる。お前たちが道を開いてくれたおかげで帰りは楽になりそうだ」

 

「ジーク。お前・・・・フェルズの言う通り、黒竜に・・・・」

 

「それはもう言うな、わかっていたことだろう」

 

「それは・・・そうだけどよ・・・」

 

「ジーク、私はジークが私のようになっても私は好きだよ。ジークは私と同じドラゴンだもん」

 

「そう言うと思ったから特に心配はしていない。今の俺はお前たちの仲間になったような者だ。心配する必要もなければウィーネがむしろ歓迎するから、俺はこのままでも問題ない」

 

 

黒竜になった俺を心配するゼノス達、心配も何もゼノス達と同じ姿になっただけだ。心配などする必要ないと言うのに、むしろ俺も仲間になったみたいだから普通は喜ぶところだと思うのだが、人として心配してくれるのは嬉しい限りだ

 

だがウィーネは嬉しそうだ。仲間が増えた気分で今の俺に恐れるどころか、感激していた

 

そして、ゼノス達を見て気づいたことがあったのだが

 

 

「レイが居ないな?あいつはどうした?」

 

「ああ、今レイはロキ・ファミリアに保護されている。クノッソスでロキ・ファミリアの団長を助けたから今は、ロキ・ファミリアのホームで安全に保護されている」

 

「フィンがしくじったのか?レイが助けてここに居ない訳か」

 

 

緑のセイレーンのレイが居なかった

 

リドが言うには、クノッソス攻略でフィンに危険があったらしくレイが助けて今はここ居なくてロキ・ファミリアで保護されているとのこと。

 

フィンが油断するとは珍しい。とにかく怪物に助けられたのだ。これでロキ・ファミリアもゼノスのことを改めるだろうなと、レイに助けられればダンジョンに居る怪物とは違うのだと、認識は変わるはずだと思った

 

だが、長話もここまで

 

 

「リド、グロスに他の皆も、もう大丈夫だ。そろそろお前達も行った方がいい。もう少しでヴェルフ達がここに来るからお前達を知らない者も居る。目撃される前に行った方がいい」

 

「っ!しっかりヴェルフっちも付いてきたか!」

 

「行くぞ!ジーク・フリード達は助けられた!我々もずらかるぞ!」

 

「「「「「おお!」」」」」

 

「リド。もしよかったらこの先にセーフティルームのある地下がある。そこには川もあるから休めるにはちょうど良い場所だ、利用するといい」

 

「そうか、教えてくれてサンキューな」

 

「ウィーネ、また会いに行く。今度も元気な姿を見せてくれ」

 

「うん!またね!」

 

「ああ」

 

「リドさん!ありがとうございました!」

 

「ゼノスの皆さんもお元気で!」

 

 

そうして彼らはフェルズの言った頼みを達成し、どこか休める場所へと移動しようとする。もし安全な場所を探しているなら、この先にセーフティルームがある地下があると伝える。リドはそれを聞いて皆と共に37階層の奥へと進んだ

 

 

「あれから、元気なようでよかった」

 

「ジーク君はアナザーモンスターとも友人が居るのね?」

 

「偶然、ここでな。そろそろ俺の仲間が来るぞ?」

 

 

もうヴェルフ達もこちらへやって来る

 

気配を感じる限り、アーニャたちや椿も居る。どうやら増援と合流してここまで来たようだ。ここまでリド達が怪物を倒してくれたおかげで、一人欠けることなく、ここまで来れたようだ

 

 

そして連絡路から

 

 

 

「「「「ジーク!」」」」

 

「「「「ベル!」」」」

 

「「「「リリルカ!」」」」

 

 

「みんな!」

 

「皆さん!」

 

「なんとか全員合流できたな」

 

 

36階層の連絡路から、ヴェルフ達が降りて来た

 

ヴェルフ達だけでなく、ボールスや酒場のアーニャ達、そして椿と、増援部隊も含めて、やっとこれで全員合流できた

 

イレギュラーや試練もあったと言うのに、しっかりと全員で集まることに成功をした

 

 

「ジーク!・・・・っ!お前!?その姿!?」

 

「黒竜になった。これしか生き延びる方法が無くてな。生きているだけマシだ」

 

「やっぱり黒竜の浸食が・・・」

 

「いずれなる姿だ。覚悟をしていたことだ。気にする必要はない」

 

「そうか・・・・相変わらず英雄だけのことがあるくらい、覚悟が強いんだな」

 

「ボールス、お前も来ていたんだな?」

 

「仕方ねえだろう。本当は行きたくなかったが、ラビットフットに助けられたんだ。借りは返さねえとな……まあ生きててなによりだ」

 

「ボールスさん・・・・」

 

「ベル殿よくご無事で、そんな装備も崩されて傷を負ってよく生き残りましたね」

 

「もう何度も死にそうになりましたけど」

 

「よく生き残ってくれました!ベル様!」

 

「ふん、男らしく無茶してきたじゃないか、ベル・クラネル」

 

「リリルカ!無事だったんだね!」

 

「ダフネさん!カサンドラさん!」

 

「リリルカさん!よく無事で生きていてよかったです!」

 

「よくここまで生きておったな、ジーク」

 

「椿、今回の増援、感謝する」

 

「なに、ヴェル吉の成長も見れたたし、収穫はあったさ」

 

「リュー!しっかり!」

 

「生きているにゃ!?」

 

「しっかりと呼吸はしているわ!」

 

「よせ三人とも。寝かせてやれ。もうリューは疲れたんだ。休ませてやれ。治療はもう済んでいる。彼女は無事だ」

 

「よ、よかったにゃ!」

 

「本当に無事で!」

 

「リュー・・・よく生きてくれた!」

 

 

本当にここまで階層を離れさせられて、生きているかもわからない最中で、よく全員一人欠けることなく生き残ってくれた

 

皆。かなりボロボロな状態だがそれでも全員生き残っている。それだけでも十分だと。今は全員でしっかり合流できたことを喜ぶ

 

だが

 

その前に紹介したい人物を出す

 

 

「ジーク・・・・この剣姫のような似た女性は誰なんだ?」

 

「俺が新しい精霊を召喚した。『風の精霊シルフ』だ。シルフに皆に簡単な自己紹介を・・・・この三人が俺のファミリアの仲間のヴェルフと命と春姫だ・」

 

「うん、皆さんこんばんは。ジーク君に新しく仕える精霊シルフと言います。ヴェルフ君に命ちゃんに春姫ちゃん、よろしくね」

 

「あ、どうも・・・・なんか・・・やっぱり剣姫に似ているな・・・」

 

「ジーク殿の新しい精霊ですか、それも風の」

 

「まさかあのシルフ!?風の大精霊の!ジーク様すごいです!これで最後の四大精霊を精霊召喚したんですね!」

 

「ジーク。また新しい精霊を召喚したのか・・・」

 

「相変わらず、この英雄さんのすることはぶっ飛んでいるねえ」

 

「あれがまさか・・・・希望の嵐・・・」

 

「カサンドラ?また予言?」

 

「え、そういうわけじゃあ・・・」

 

 

簡単にアリアの紹介を皆にさせる

 

ヴェルフと命と春姫には後で真名を教えておくが、まずはファミリアの仲間ではない者も居るため、あまり知られないためにシルフだと嘘を付いておく。ここでアリアだと知られるのも面倒なことになるため、それを避けるためにシルフだと嘘をつく。春姫は英雄譚好きだからなのか風の大精霊を知っているため、すぐに信じてしまった

 

そして春姫の言う通り、これで俺は四大精霊の四元素を齎す眷属を統べたのである

 

まあ、話はここまででいいだろう

 

 

「再会の感動はここまでだ。今から休みながら18階層に戻るぞ。18階層でシルが救助部隊を連れて待っている」

 

「え!?シルが18階層に居るの!?」

 

「俺たちが心配なようでな、知り合いの眷属を率いて、18階層で待っているらしい。さっきその眷属に会って伝言が来た。今から上に戻る。あまりここに居ると、またモンスターが来るぞ?」

 

 

『『『『ガアア!!』』』』

 

 

「っ!遠くからモンスターの声が!」

 

「今のお前達じゃあここのモンスターとはまともに戦えない。皆疲れているとは思うが、細かい報告も18階層に帰ってからだ。あとは帰るだけだ。皆、帰るまでは油断するなよ!」

 

 

「「「「「おう!」」」」」

 

 

「よし、全員上層に戻るぞ!」

 

 

あまり長居をすると、またスパルトイやらバーバリアンなど、また多数のモンスターが遠くからやってくる。

 

皆はもう疲れ切っている。まともに戦えるのはもう俺と数人のみ、いつまでもここに居る訳にはいかないと、急いで怪我人を背負って上層に向かう

 

ここまで来るのに苦労もあったかもしれないが、あとは帰るだけだと、帰る時も油断せずに、18階層で救助達を引き連れているシルの元へ向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後、途中休めそうな場所で休みながらや道中出てくるモンスターを蹴散らしながら、道中で道壁も多くあったが、なんとか

 

 

「着いたぞ」

 

「やっと帰れた!」

 

「セーフティポイントだ!」

 

「疲れました!」

 

「戦いの連続でしたからね」

 

「やっとしっかり休めます」

 

 

18階層に到着する

 

やはり遠征と言うのは、中々苦難の多い試練だが、それをなんとかこのメンバーでも乗り越えて、再び安全な場所に帰ってこれたんだ。これも俺たちの実力の証だと証明して良いはずだと

 

この遠征は、仲間が居たからこその成果だと、皆にとって良い成長の証だと思っている

 

そんなことを思っていると

 

 

遠くから

 

 

 

「ジーク!!」

 

 

「っ!シル!!」

 

 

「シルさん!?」

 

「シル!?本当に来ているにゃ!?」

 

「嘘でしょう!?」

 

「なんでシルがダンジョンに居るのよ!?」

 

 

遠くから、シルが酒場の格好でこっちに走ってくるのを見掛けた

 

本当に彼女がここに来ていたことに俺も驚く、まさか心配でここに来るなど、さぞかしヘディン達を無茶な頼みをしてここに来たのだと、推測する

 

そして彼女は焦りながら、まっすぐ俺の方に向かって飛び付いてくる

 

 

「ジーク!」

 

「シル!待っていろと言ったのに、約束を破ったな?」

 

「それはジークもでしょ!あれだけ黒竜の力は使わないって言ったのに、その力を使ってそんな姿になるなんて!」

 

「それに関してはすまないと思っている。言い訳はしない。それでリューを助けることができたんだ。理由があったとだけわかってくれ」

 

「リューは?」

 

「大丈夫だ、無事だ。しかしもう彼女は疲れているからもう休ませてやってくれ」

 

「もう!ジークもリューも私にこれ以上心配かけさせないで欲しいよ!」

 

「すまない。だが、俺はこんな姿だけど俺もリューも生きて帰ってきた。それで許して欲しい」

 

「まったく・・・二人は本当に薄情者よ!」

 

「すまない。今はこれしか言えないな」

 

「でも・・・よかった、本当に」

 

「心配かけてすまない。シル」

 

「本当よ・・・本当」

 

 

「本当にジークってあのシルって言う店員に愛されているよな?」

 

「あれで付き合ってないってのが凄いです」

 

「ジーク様はレアスキルで恋愛感情は無いはずですから」

 

「完全にシル様の片想いですね」

 

「あはははは・・・・・・」

 

「シル!近すぎにゃ!」

 

「ジークから離れるにゃ!」

 

「本当に!あんたジークの恋人振るのやめなさいよ!」

 

 

シルが俺の心が繋がっているせいで、俺の今の現状も把握済みだから、流石に心配になってここまで自らの足でやってきた。全ては俺とリューが心配であるため、そうさせたのは俺が黒竜の力を使わない約束を破ったから、俺が心配でここまで早く顔を合わせたいがために姉上の眷属を使った。

 

まあ、今回ばかりは俺に文句を言える立場はなし、素直に謝罪しか俺にはできず

 

でも

 

 

彼女は俺やリューが生きてくれたことには喜んでくれて、俺に抱きつく

 

 

そのやり取りが、ベル達には俺と彼女は恋人のようだと言うが、残念ながら俺と彼女はそんな感じでは無い。

 

残念ながらな

 

 

「シルさん!患者はこの人たちですか!」

 

「あ、はい!お願いします!」

 

「アミッド。ディアンケヒト・ファミリアを呼んだのか?」

 

「うん!負傷者も多いだろうしね」

 

「助かる。アミッド!俺の仲間を頼む。負傷者が複数居る!」

 

「はい!・・・っ!ジーク!?あなたその姿は・・・」

 

「言わなくてもわかるだろう。俺は黒竜だ。奴の姿の一部を変貌させた。それよりも負傷者が居る、そっちを優先してくれ」

 

「わ、わかりました!皆さん!ジークさんの仲間を治療に入ります!担架を!医療キャンプに運んでください!」

 

「「「「はい!」」」」

 

 

シルはディアンケヒト・ファミリアも読んだようで、18階層で医療キャンプを設置してまで、負傷者を治療する準備はできているようだ

 

アミッドは俺の変貌した姿に驚くも、俺には構わないで、さっさと俺の仲間の治療に入って貰いたいと、仲間を担架で運んでいく

 

もうこれで俺たちの遠征は終わった

 

なら

 

 

「もうこの翼と角は要らないな」

 

「っ!ジーク!?」

 

「ぬん!!」

 

 

ブシャア!!ブシャア!!

 

 

俺は自身の両手で角を折り、片翼を引っ張って背中から引き千切る。引き千切った背中と頭から大量の血が流血する

 

もう戦いは無い。これ以上化け物のような姿で居ると、さっきのアミッドのよう一々驚かされるのも面倒であるため、角と翼を引き千切った

 

 

「ジーク!なにも翼と角を引き千切らなくても!」

 

「一々驚かれても面倒だから、なるべく人の姿で居るよう、翼と角を斬り落としただけだ。死ぬわけじゃないから心配しないでくれ」

 

「せめて、血だけでも止めて!」

 

「わかった、俺の血で君の綺麗な手を汚したくないから触らないでくれ、回復薬はあるから、とりあえずリューの容態を見に行くぞ。彼女が心配なら、一緒に居た方がいい」

 

 

こうして俺たちは18階層に無事に戻れた

 

シルがディアンケヒト・ファミリアを18階層まで呼んでくれたおかげで、ベル達を速やかに医療キャンプに運んで、ディアンケヒトの眷属達が治療していく

 

俺とシルは、リューの容態を見に、彼女が運ばれたテントに向かう

 

今は側に居た方が良いと。俺とシルは共にリューの側に居る

 

 

 

 

 

 

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