ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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過去を乗り越えた正義の剣と翼

 

 

「・・・・・・っ!ここは!どこだ?」

 

 

リューはとある場所で目覚める。

 

ジャガーノートの戦いで疲れ果てたのか、眠っていたのだと認識する。しかし、周囲に俺たちの姿はない。まだダンジョンに居るはずなのにダンジョンでもない森林のような場所に居る、空から日差しが差し、目の前に少し大きな川があり、その川を跨いだ先には

 

 

「リュー!」

 

 

「っ!・・・・アリーゼ!みんな!」

 

 

川を跨いだ先にアストレア・ファミリアの仲間が居た

 

 

団長のアリーゼ、副団長の輝夜、ライラ、ノイン、ネーゼ、アスタ、リャーナ、セルティ、イスカ、マリュー

 

 

かつての仲間が笑顔をしてリューの前に現れる。なぜもう死んでいる彼女達が居るのかはわからない。しかし、目の前に居るのは事実。

 

彼女達に会えたなら、言いたいことが山程あると、彼女はかつての仲間に会えたことで、涙を流しながら彼女体に言う

 

 

「すまなかった!みんな!私は・・・・」

 

 

「気にしないでよ。私たちの仇を取ってくれたし」

 

「リューさんも、貴方の友人も生きているわけですし」

 

「あの怪物を倒してくれたから、私たちのやり残しはないかな」

 

「私たちの調和と秩序、そして笑顔を今日もリューが守った」

 

「私たちの正義を今日も引き継いで生きてきた」

 

「いろんな正義を貫いた。正義に正解が無いとわかっているながらも」

 

「少なくとも、私たちが死んだ後も、私たちの正義をしっかり持っていってくれた、もう十分な程にね」

 

 

「ノイン、ネーゼ、アスタ、リャーナ、セルティ、イスカ、マリュー」

 

 

誰も、リューを責める者は居ない、見捨ててしまったとリューは言うが、リューの仲間は見捨てられたではなく

 

託したのだ。あの怪物をいつか倒す日を

 

そして果たしてくれた。友人と共に、かつての仲間の仇は取れた。彼女達の無念を取ったのだ。彼女を恨む者など居ない

 

 

「お前が仇討ちなんて、似合わないけどな」

 

「しかもかなり恐れていた」

 

 

「でも・・・・私たちのために正義を再び掲げてくれた。ありがとう。リオン」

 

 

「ライラ・・・輝夜・・・・アリーゼ・・」

 

 

一番関係が強かった、ライアや輝夜やアリーゼすらも、リューに恨みはない。むしろまたも正義を手にしてくれたことに、喜びを見せている

 

一度は憎しみで正義を捨ててしまった。しかし、今遠くに居るアストレアも、そして今目の前rに居るかつての仲間であるアリーゼ達も

 

 

また正義を信じてくれたことに、自分たちが残した正義をまた取り、ジャガーノートを撃ち倒した

 

十分だった。彼女達の未練はリューがしっかりと取った

 

 

「私たちは本当に貴方に恨みはない。ただ私たちの正義をもう一度とってくれただけで嬉しい」

 

「だからお前にはこれからも生きて貰う。まだこっちに来るな」

 

「あのフィンみたいに、イケメンな青年に、アストレア様の居場所を聞いて会って来い。まだお前にはいろんなことを知らないとならねえみたいだしな・・・」

 

 

「アストレア様の所に・・・・」

 

 

まだ生きて欲しいと、自分たちの分も含めて生きて欲しいと言われる。

 

彼女達の最後の願い。まだ生きてやるべきことがある。まずはアストレアの所に行き、これからどうするべきかを聞くこと、そしてアストレア・ファミリアの正義をいつまでも忘れないこと

 

それを、アストレアの居場所を知る俺に聞けと言われる

 

 

 

「まだ貴方にはやれることがいっぱいあるわ。まだこっちに来てはダメ」

 

「私たちの正義をもう一度掲げて」

 

「今日もいっぱい噛み締めて笑って生きろ!」

 

「「「「「「「頑張れ!!」」」」」」」

 

 

「みんな・・・・・・・」

 

 

もうこれで心残りは無くなった

 

みんなにも会えた。そして恨みはなく、むしろあるとしたら今日も元気に笑って生きること。これが彼女達の望み、これが過去を乗り越えて今を生きる正義

 

この言葉を、リューは

 

 

 

「はい!アリーゼ達の正義は私の心の中に!」

 

 

 

その正義を執行する

 

もう彼女は死にたいとは思わない。ここで死んではダメだ。それではアリーゼ達のためにならない。まだ生きてやるべきことがたくさん残っている。そのために今日も彼女達の正義を心に秘めて生きる

 

彼女に涙の笑顔が

 

 

「それに、あのイケメンお兄さんに恋をしているでしょ?」

 

「え!?なんでそれを!?」

 

「それはもちろんずっと見ていたから、だからリュー!逃しちゃダメ。そして想いをぶつけて、手に入れちゃえ!」

 

 

「アリーゼ・・・・はい!」

 

 

そして恋をしていると、アリーゼはリューの想いに気づいていた

 

本当に天で見ていた。だからずっとアリーゼ達は見守っていた。ずっと一人かもしれないが、ちゃんと側に居たのだ

 

誰に恋をしているかは知らないが、恋をしている相手が居るなら奪えと、リューの恋も応援していた

 

 

もう一人ではない。ずっと皆と一緒に居たのだと、やっとここで知らしめられる

 

すると

 

 

ビュン!

 

 

「っ!どうやら時間みたい・・・」

 

「ここまでみたいだな・・・」

 

「私たちは先に天に行く。まだ来るなよ?」

 

 

「アリーゼ!みんな!」

 

 

この場所と彼女達の体が光になって消えていく。もう再会できるのはこれで最後、次に会えるのは、リューが死んでから、だけど、まだ死ねない。やるべきことがまだ残っているから

 

 

「リュー。私たちはずっと貴方の心の中に居る。これが・・・・・私たちの正義だ!」

 

 

「アリーゼ・・・・」

 

 

「「「「「「バイバイ!リオン!」」」」」」」

 

「元気でな・・・」

 

「風邪・・・引くでないぞ」

 

「貴方の恋も応援しているから!」

 

 

「はい!アリーゼ、輝夜、ライラ、ノイン、ネーゼ、アスタ、リャーナ、セルティ、イスカ、マリュー・・・・・・行ってきます!」

 

 

そうしてリューは、彼女達が消えていくのを最後まで見届け、これからも皆の正義を持って生きると、ここにアストレア・ファミリアの誓いを建てる

 

 

「正義の剣と翼と共に!!!」

 

 

その言葉を胸に、上を見上げ

 

もう彼女達に心配されずに生きると、強く正義を持って生きると硬く誓う。

 

 

これがアストレア・ファミリアの正義である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?・・・・・っ!ここは・・・・」

 

「リュー!」

 

「リュー!起きたにゃ!」

 

「よく眠れたにゃ?」

 

「おはようリュー」

 

「ここは・・・・・一体・・」

 

 

「俺たちのキャンプだ。ここは18階層だ」

 

 

「18階層!?どうしてシルがここに!?」

 

 

リューは無事に目覚めた。

 

リューが目覚めたことで、シルもアーニャもクロエもルノアも、リューに抱きつく。目覚めたばかりの怪我人だと言うのに、それをしたい程リューが生きていたことに喜ぶ意味である

 

 

「ジークさん。あの後・・・」

 

「無事に皆と合流してな、18階層でシルがディアンケヒト・ファミリアを率いてここまでやってきた。そしてお前は治療をされ眠っている間に三日もここで寝ていた」

 

「そんなに・・・・他の皆さんは!」

 

「無事だ。今それぞれのテントで休んでいる」

 

 

他の仲間であるベルは。別のテントで休んでいた

 

もちろん皆かなりの階層を何度も登ったり下ったりなどをして、かなりの苦労を何度もしたため、疲れて皆、ほとんど寝ている

 

起きているのはアイシャとヴェルフと桜花とリリルカくらいである。その四人は仕事があると、三日休めば十分だと、今は自分のやることを率先して仕事している

 

 

「そうですか・・・よかったです。全員無事で」

 

「それとお前は指名手配犯になっているが、俺がボールスに手を回して、ルドラ・ファミリアの残党と相討ちになって死んだってことにして、昨日ボールスがギルトに通告して貰い、お前は死んだことにして貰った」

 

「え?私の罪を・・・もみ消したのですか?」

 

「ボールスに金を渡してな」

 

 

そしてリューの罪である、お尋ね者の疾風は死んだってことに嘘を広めた

 

ボールスに大金を渡して、リューが死んだことを嘘の通告をするよう依頼した。ボールスはリヴィラのボスであり、奴の言うことに誰も文句は言えない。それにあいつは何度もリューに助けられている。金を貰って喜んでもいるが、是非とも助けられた恩を返したいと、これからも自由に生きて行けるために、今回の騒動と事件はルドラ・ファミリアの残党の仕業だとギルドに通告し、その残党達に嵌め殺しされそうになったが、リヴィラの者達を守るためにリューが一人で立ち向かい、相討ちになって死んだと

 

これでリューはもう疾風ではなく、ただのリュー・リオンとして生きていけるよう、彼女の罪をもみ消しにした

 

更に、疾風は何度も自分たち冒険者をイヴィルスから救ってくれたと、暗殺はあくまで自分たち冒険者を守るためだと、『リヴィラの正義の味方』として、ボールスが決して彼女は暗殺者ではないと。正義の味方だと、死んだ後も永遠に語ると、ボールスは称すると。ギルドに報告した

 

これでリューはもう自由の身である

 

 

「これでお前はもう犯罪者ではない。お前は正義の味方だ」

 

「そうですか・・・・私はアリーゼ達の正義を受け継いだんですね」

 

「もうお前はこれで過去に囚われることなく、前を進める」

 

「はい、私はまだやりたいことがありますから」

 

「それはアストレアに会いに行くことだろう?」

 

「っ!どうして?それを」

 

「大体わかるさ、お前の進みたい道くらい、場所はここだ、この紙に書いておいた。それと出かける際は俺に言え、オラリオの門番は俺が話を付けておく」

 

「何から何までありがとうございます」

 

 

これで自由の身となり、これからはもう自分の進める道を辿れると、まずはアストレアに会いに行きたいと、居場所は知っているため、俺がその行先を書いたメモを渡しておく

 

仲間の仇討ちをしっかりできたと、かつての主神に報告するために、まだリューには生きてやるべきことが多くできた

 

それと、もう一つ言うことがあるのだが

 

 

「アーニャ、ルノア、クロエ、もうリューは目覚めた。元気なようで何よりだろう?先に酒場に戻れ。あんまり留守にすると、ミアに叱られるだけではすまなくなるぞ?」

 

「うん、私もミア母さんに伝言預かっているけど。『早く帰ってこないと、拳骨だけじゃあすまなさいよ』。だって?」

 

「ぐ!そういえばあれから四日も休んでいるにゃ!」

 

「やばいにゃ!殴られるだけじゃあすまなくなるにゃ!」

 

「急いで戻るわよ!」

 

 

「ルノア。これをミアに渡しておいてくれ。三人を借りた。迷惑料だってな」

 

 

あんまり酒場を留守にすると。ミアが叱るだけではすまなくなると。リューが目覚めて元気な様子を見ただけで十分なはずだと、先にアーニャとルノアとクロエは先に酒場に戻る

 

ちなみに椿は二日前に主神に報告があるってことで先に一人で帰っている。ヘファイストスに新たな魔剣を作ったヴェルフの話をするだろうと、俺は想像する

 

シルの伝言を聞く限り、もうミアはお怒りのようだ。彼女達を借り出したのは俺が原因だとして、迷惑料の大金をルノアに頼んで、ミアに渡すよう指示しておく

 

 

「うう・・・ミア母さん、怒ってますよね?私も」

 

「当然だと思うぞ、あいつの考えなら、それにお前は何も言わずに酒場を休んだんだ。当然だと思うが?」

 

「う・・・・」

 

「リューにも伝言があるんだけど」

 

「っ!?なんですか?」

 

 

 

「『リゾット。多く作り過ぎたから、早く帰ってきな』。だって」

 

 

 

「っ・・・・はい」

 

「ミアも、お前を心配していたんだ。これでもうお前は一人ではないな」

 

「はい。私はこれからも皆さんと居ます」

 

 

ミアもリューの帰りを待っている

 

あと一日はここに居ることになるが、それでもミアも心配で酒場で待っている。もうこれでリューは一人ではない。俺、シル、アーニャ、クロエ、ルノア、ミア、たくさんの仲間と友人が居る。

 

アリーゼ達だけが仲間ではないと、ここでリューは思い知った

 

 

「俺もそろそろ自身のファミリアのテントに戻る。俺が居なかった出来事の報告をしなきゃいけないからな。俺はここで失礼する。シル。彼女の看病を頼む」

 

「うん、分かった」

 

「あ!待ってください!」

 

「なんだ?」

 

 

 

「その・・・・もう少し側にいてください。お、お願いします」

 

 

「ちょっと!?リュー!?」

 

「・・・・・・・・」

 

 

俺がこのテントを出ようとしたら、彼女はベットを飛び出して、俺の手を取った

 

リューがそんな寂しそうなことを言うとは思わなかった

 

何か言うことがあるわけでもなく、ただ自身の側に居て欲しいと言われる、まさか彼女がそんなんことを言うとはな、前より率先するようになった。いつもは恥ずかしながら素直なことを言うことはないと言うのに

 

やっと自身の好意を前面に思うようになったようだ。彼女に恋い焦がれているとは言えど、俺も返事する心があればいいが、『今の心』ではな

 

 

「リュー。必ず後で戻る。だから今は行かせてくれ。大事な話もあるんだ。頼む」

 

「あ、はい。絶対ですよ?」

 

「ああ。それとお前の体は酷かったから、治療のためにその格好になっている。俺に見せるべきではないと思うのだが?」

 

「え?う!?うわああああああああ!?」

 

「リュー!その格好でジークに近づかないで!ジークもリューの体を見ない!」

 

「すまない。だが教えないと分からなかったようだから、あえて言うためだと思ってくれ」

 

 

彼女は治療でほぼ衣服を身につけていない。今は体のほとんどを包帯で巻いている状態

 

ベットから飛び出した彼女の体が完全に見えてしまう。それだけでなく。いきなりその包帯の結びが緩んだのか、包帯が全部解けてしまい。彼女の裸を見てしまった

 

シルに見ないよう言われるが、リューは気づいていないようだから、気付かせるために言うのと、人の裸を見ても羞恥心は感情にはないため、何も思わずにただただ見ていた。

 

 

「シル。リューに衣服を着せてやってくれ。リュー。早く戻るから待っててくれ」

 

 

そうして、俺は自身のファミリアのテントに戻る

 

リューが自身の格好を気にせずに俺にしか意識が向いてないとは驚きだ。それだけやっと自身の好意をぶつけるような気持ちになれたのだと、彼女は内心も成長したのだと

 

ある意味、このダンジョンの遠征は彼女にとっても良い試練だと思った

 

 

 

 

 

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