ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

157 / 201
黒竜ファーブニル完全制御

 

 

 

その日の夜

 

 

今回のミッションで遠征をクリアした俺たち派閥連合と、その他の救助に協力してくれた治療班を含めて

 

 

ミッションコンプリートを祝って、軽い宴を始める

 

 

地上に帰ってもすると思うが、ここで軽くやってもバチは当たらないだろう。目的のアイテムも手に入れ、標的であるアンフィス・バエナも倒した。そしてトラブルも起きたかもしれないが、ベルが一人でウダイオスを倒し、俺もバロールを倒すなどをして、この遠征だけで記録にある階層主を全て倒したのだ。これを喜ばずには居られないだろう。幸いもうミッションはクリア。後は変えるだけなら軽く宴やろうと。少し豪華な料理と多少の酒を出す

 

皆、三日間寝ていたから何にも食べてなかったため、今出された料理を残さず食べようとする。もうダンジョンに入る必要もなく、楽になったのか、食欲を増して豪快に食していた

 

 

ここまでの苦労と疲れがあったのか、普通の料理でも、美味しいと感じているようだ

 

 

皆、ここまで頑張ったんだ。そのご褒美と言っても良いだろうな

 

 

その間に、俺は今回シルの頼みで協力してくれた、アミッドの感謝を言いに行く

 

それとクノッソスについても聞いておきたい。確かディアンケヒト・ファミリアも協力していたはずだからな

 

 

「アミッド、今回シルが無茶を言ったとは言えここまでの治療を感謝する」

 

「あ、いいえ、確かにあのシルさんにいきなり言われた時は驚きました。しかも、あのフレイヤ・ファミリアの護衛が付けられるとは思いもしませんでしたですし。シルさんはフレイヤ・ファミリアと関わりがあるのですね?」

 

「驚くことが多くてすまなかったな、金の代わりにこれを受け取ってくれ」

 

「ん?これは?」

 

「『メガ・エリクサー』『ギガ・ポーション』だ。更に倍の効果を持つ回復薬を作った。三本づつ渡しておく」

 

「な!?エリクサーとポーションの更に倍の回復薬ですか!?」

 

「ああ、ガドモスの生息する泉の水を使って作った」

 

「一体どうやって・・・私もロキ・ファミリアに何度もそれを取ってきて貰っていまずが、これは流石に作れません。どうやって作ったのですか?」

 

「錬金術で作ったから説明できない。それに作り方に必要なのが簡単な物じゃないばかり、ユニコーンの角、そして一番重要なのが俺の精霊である『グリフォンの爪』そしてマーメイドの血など、精霊や希少種の部位を使わないと作れない、新たな上級回復薬を作るのに苦労はする。一応素材は渡しておくから、そこからは自分で作ってくれ、錬金術で簡単に作ったから、どうやって調合するかなんて説明できない」

 

「ジークが、錬金術と言うもので回復薬を作るとは知りましたが、まさかこんな新たな未知の回復薬を作るとは・・・・」

 

 

今回助けてくれた礼として、これからディアンケヒト・ファミリアの良い利益のために、新たに作った回復薬である『メガ・エリクサー』『ギガ・ポーション』を三つずつ渡しておく

 

一応それを作れる素材も渡しておくがそれをどうやって、調合するかは説明できない。錬金術で簡単に作ってしまったから説明できない。何かを合わせて調合するのではなく、魔法陣を地面に書いて、簡単に組み合わせて調合したため、分量とかは関係あると思うが、それを無視して調合できるため、残念ながらこれの調合方法は説明できなかった

 

ここから先はアミッドの努力次第で作って貰うことに

 

そして、ここからが重要

 

 

「アミッド、確かお前達はここに来る前にロキ・ファミリアの応援でクノッソス攻略をしたと聞いた。もし良ければ詳細を教えてほしい」

 

「はい。イヴィルスであるタナトス・ファミリアはなんとか打ち倒しました。主神であるタナトスも強制送還しました。しかしエニュオと言う女神が、最後に『緑肉』と言うものを放ち、残念ですが攻略には失敗しました」

 

「そうか、やはり一筋縄でいかなかったか」

 

「それと、あるファミリアが主神も含めて全滅しました」

 

「っ!どこだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ディオニュソス・ファミリアです。主神は強制送還され、眷属は全員、クノッソスに放たれた『緑肉』と言うものに食われて全滅しました」

 

 

「・・・・・・・・やはりか」

 

「え?」

 

「いや、なんとなくタダでは済まないと思っていたんだ。犠牲は出るのが攻略だ。しかもイヴィルスの巣穴なら、尚更だ。てことはフィルヴィスも・・・・・マイナデスもか?」

 

「はい。彼女もエニュオの部下らしい人物に首を折られたと聞き、その・・・今レフィーヤさんが物凄くショックで・・・」

 

「そうか・・・・」

 

 

アミッドのディアンケヒト・ファミリアがクノッソス攻略に参加していた。詳細を聞いて、結果としては失敗に終わったと聞く

 

イヴィルスであるタナトス・ファミリアは倒されたと聞き、主神も強制送還でこの下界を去った。しかし、エニュオと言う女神が、緑肉と言うものをクノッソス全体に放って、結果的に攻略は失敗に終わったらしい

 

そしてそれに犠牲者のファミリアが出てしまう

 

 

それはディオニュソス・ファミリアである

 

 

主神は強制送還、眷属は緑肉に喰われて全滅。残念ながら無残ながら、ディオニュソス ・ファミリアを全滅させて攻略は果たせずに終わったと、完全な敗北を得たと聞く。全滅ということはフィルヴィスも・・・・俺の友人までやられるとは無念だなと思う

 

 

 

 

 

 

 

 

ディオニュソスが強制送還?フィルヴィスがやられる?

 

 

いや

 

 

『あり得ないな』

 

 

あいつはここ最近は『酔っていた』。そんな奴が『まともな行動』ができるはずがない。またしても『葡萄酒』を飲み過ぎて変なことをしたのだろうと思っている。それと眷属が全滅はわかるが、フィルヴィスがやられるのも『あり得ない』。全部嘘だと言ってもいい。おそらくタナトスはデュオニュソスにしてやられ、それがわかって強制送還を選んだに違いない。

 

今のアミッドの話を聞いて、何もかもが『奴の計画』。エニュオか・・・・・本当に

 

 

 

 

『狂乱荒ぶる話』だ

 

 

帰ったらヘスティアに詳しく聞いてみようと思う。ヘスティアが一番ディオニュソスを知っているからな

 

 

 

「ジーク!アミッドさんと何を話しているの!こっちで飲もう!」

 

「こっちに美味しい果汁ジュースがありますよ!」

 

「今行く!アミッドいろいろ教えてくれて礼を言う」

 

「あ、はい。こちらも新たな回復薬の提供ありがとうございます」

 

 

そうしてアミッドから聞きたいことは聞き、シルとリューの所に戻る

 

今の話を聞いて、まだエニュオとクノッソスの高いはまだ終わらない

 

今度は『俺たちも出る形』になるだろうと想定する。もうロキ・ファミリアの問題だけにはならない。以前俺とウンディーネでクノッソスを襲撃し、あの地下で『ある壁画』を見た。間違いなくエニュオはそれを使う

 

と、なれば

 

 

 

俺たちは地上に帰っても戦いはまだあると、それのための準備も用意するべきだと考えておく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三時間後には、宴は終わり

 

皆、テントに戻って休んでいる。明日には地上に帰れそうだ。夜を迎えても俺は相変わらず眠ることはできなかった。俺はテントに入らず、近くの湖のあるところで、静かに紅茶でも飲んで過ごしている、こんなほぼ竜肌で鱗も若干あるくらいだ、もはや人としての生活習慣も崩れているのだとわかる

 

この三日間ここで休んだが、それでも俺は眠ることができなかった。別に体に負担があるわけではない。眠ることができないのは、あまり休んでいる気はしない、まるで何か体に重りを付けたまま過ごしているような感覚、やはり怪物になるのは楽じゃないなと思う

 

すると

 

 

「ジークさん」

 

「リューか、お前も眠れないのか?」

 

「ジークさんが気になるもので、やはり眠れませんか」

 

「ああ、この体だとな」

 

 

リューが後ろから出てきた

 

俺が気になるとかで眠れないらしい。皆は眠れるのに俺だけ眠れないのがあまりに心配なようだ

 

別に俺のことは放っておけばいいのに、それでも放っておけないのか、近くに来た。せっかく来たなら紅茶でもいかがかと、勝手にリューの隣に暖かい紅茶を出す

 

 

「ありがとうございます」

 

「この三日間眠っている間、アリーゼ達かつての仲間に会えたか?」

 

「え!?どうしてそれを!?」

 

「なんとなくだ。ジャガーノートを倒す時、お前の周りに人影のようなものが見えた。あれはお前の仲間の魂で間違いない、死んだ仲間は常にお前の側にいたんだと、そして夢の中で少しだけ会話できたんじゃないのかと、仇を取れてやっと仲間に再会できたと、勝手な思い込みで言ったんだが、間違ってないようだな」

 

「はい。私はこれからもアリーゼの正義を持って生きていきます」

 

「それでいい。それがお前のこれからの生きる意味だ。あとはアストレアに会いに行くだけだな、彼女に言ってやれ、アリーゼ達を殺した怪物は私が倒したと」

 

「はい、これで私も前へ進めます」

 

 

ジャガーノートを倒す時、リューの周りに人影が見えた。あれは間違いなくリューのかつての仲間、あの時名前のような言葉を口にしていた

 

間違いなく、彼女のかつての仲間で間違いない

 

そして彼女が三日間ここで眠っていたが、その夢の中でかつての仲間でも会っているのではないのかと、想像として言う。どうやら当たりらしく、俺の思い込みではなかった

 

これでリューも過去を囚われる事なく前へ進める

 

 

「何かしたいことがあるのか?」

 

「それは、まあ・・・・・・」

 

「まあ、地道に考えると良い、まだ先は長いしな」

 

「そう言うジークさんは・・・もうその体では・・・・・」

 

「ああ。もう少しで完全に果たすだろうな」

 

「人間の姿には・・・・もう」

 

「ああ、戻れない」

 

 

リューは地上に帰って体が治ったら、ミアに多少を叱られて、休みを次取れたらアストレアに会いに行くなど、リューはやるべきことがこれからもいっぱいある

 

 

逆に

 

 

もう俺は人間の姿には戻れない

 

 

もう完全に俺は怪物になった、今はまだ人の形を保っているに過ぎない。皮膚や体の内臓のほとんどはファーブニルそのもの。もう完全に侵食を受け入れてしまった事で、俺は二代目黒竜ファーブニルとしてこれからも生きることになる

 

それでリューを救えたのだから覚悟の上、これから先更に人々や神々に怪物呼ばわりされても構わなかった

 

しかし

 

 

「ジークさん!私は変わりませんから!」

 

「なんだ?急に?」

 

「私はそれでも貴方をジークさんだと思い、貴方はファーブニルではないと、私は信じています」

 

「俺の手を取ってまで、変わったなお前は」

 

「少し自分の気持ちに素直になっただけです、貴方を想う気持ちは絶対に変わらない」

 

「俺を想う気持ちか、好意とか?」

 

「っ!?そ、、それは・・・うう」

 

「またそんな反応する。そこはまだハッキリしてない所は、皆の言う『ポンコツエルフ』らしさなんだろうな」

 

「な!?ジークさんもそう思っていたんですか!?」

 

「そんな悪い言い方はしないが、少し優柔不断さはあるな」

 

「う、でも・・・・・変わりません。絶対に誰もが貴方を否定しても、私は否定しない。絶対に」

 

「わかった。それがお前の望むことなら。にしても笑えるようになったな。お前のその顔を見るのは久しぶりだ」

 

 

リューは俺を怪物呼ばわりはしないと約束する

 

少しは自身の気持ちに素直になったようだ。他のエルフもそうだが、自身の素直さがあまりない。それを恥じらいと思うからか、それとも、プライドの高さ故か

 

でも

 

 

今のリューはとても成長している

 

 

エルフは潔癖症と言っても良いほど、他人に触れられるのを否定する。なのに今彼女は自身の手から俺の手を取る

 

少しは俺を友人・・・・かどうかは分からないが、やっと自身の気持ちを出して生きているのだと、

 

 

彼女の笑顔を見て、そう思った

 

 

「もう寝ろ。明日は早く出る。明日に地上に帰るんだ。ほら」

 

「はい。私は貴方を・・・・いつまでも想っています」

 

「わかった。お前の気持ちを俺は理解した」

 

 

そう言って、彼女はテントに戻る

 

 

貴方をいつまでも想っているか

 

 

まるで告白だなと思った。多分そんなつもりはないと思うが、リューの気持ちは確かに俺に届いた。俺に少し返事できる感情があれば良かったのだが

 

カオス・ヘルツのせいで、どんな返事をして良いのか、感情で理解できてない。だが、リューが俺を想う気持ちは確かに理解した。今はそれだけでいいと思っている

 

そう、それだけあれば、今は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と言っても、くれなさそうだ

 

 

「シル。そこに隠れているのはわかっている。出てくるんだ」

 

 

「やっぱり気付いていたんだ」

 

 

「俺と君は本当に心が繋がっているからなのか、君は俺の現状をいつもわかる。しかし、それは君だけではない。俺もだ」

 

 

真横にある木の裏で、シルが出てくる

 

俺が眠れないのを気になるのは何もリューだけではない。シルもだった。リューがテントで居なくなったのを気付いたのか、リューが俺の所に居ると気付いて、ここまで来たようだ

 

しかも、さっきの会話をしっかり聞いて、少し

 

 

嫉妬気味だ

 

 

彼女がそんな感情をするなど久しぶりだ。余程リューのあの感じを見て、俺に劇的な好意があるのだと気付いたのか、俺とリューのやり取りを見て、顔が膨れているのが見える

 

彼女がどこで俺が何をしているのか、心を通してわかるように、俺も彼女が今どんな感情をしているのかわかる

 

 

「リューに随分と好かれていたね?しかも『ちゃんと名前』で呼ばれてまで、今まではさん付けなのに」

 

「そうだな、いつものことだ。誰か女性を助けると、好意に思われる。アルテミスやアフロディーテのようにな」

 

「ジークって女たらしね。正直言って酷いわ。私だってこんなに想っているのに」

 

「君と彼女では別だな。君の方が強い。リューはまだ素直になれない部分がある。君の方がまだ好意が強い」

 

「だとしても、これ以上ジークに好きな人ができるのはやっぱり嫌」

 

「だろうな、君は好意は強くても、どっちかと言うと独占に近い。ここまで心が繋がっているだけでは不満か?」

 

「不満よ。もっと私はジークから愛が欲しい。貴方がレアスキルで恋愛感情が殺されていても」

 

 

今日のシルは独占強い

 

これ以上俺に愛する女性が現れるのは嫌だと言い。その中にリューも入ってしまう。リューはシルにとっても親友のはずだ。そんな親友でも俺には譲りたくないと言う

 

しかもこれで五人目。これ以上は増えたくないと、俺に少し不満を見せる

 

 

もうこれ以上言い訳しても許してくれそうではない

 

 

なら、どうするべきか、

 

 

それは一つのみ

 

 

 

 

「じゃあ、一つだけ君のお願いをなんでも聞こう、なんでもいい。君に言うことならなんでも構わない言ってくれ」

 

「え!?なんでもいいの?」

 

「ああ」

 

 

彼女の言うことをなんでも聞くことだった

 

 

これしかない。もうこうでもしなきゃ彼女の嫉妬は収まらない、今彼女は俺に何をしても許す。彼女のためなら俺はなんでも聞こう。今俺にできることはこれくらいしかない

 

一線を超えることになっても構わない

 

流石の俺の言う言葉に彼女も驚いている。俺がこんな大胆なことを言うわけではないからな、でも今は・・・・・彼女のその嫉妬に応えたいと

 

心に抱いている

 

 

そして彼女の答えは

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ・・・・『キス』していい?」

 

「もちろんだ。君の願いなら」

 

「本当だね?」

 

「ああ」

 

「『あの方』には悪いけど、これだけは」

 

 

 

彼女の願いは『口付け』

 

 

それなら構わない。そうして欲しいと言う日はいつか来ると思っていた上に、そうしようと何度も彼女は俺を狙っていた。『あの人』が俺にそんなことをしたらタダでは済まなくなると言うのに、でもシルのこの気持ちは嘘ではない。俺もそれに応えたい

 

唇にするのは、これが初めて、俺のファーストキスの初めては

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「む!」

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

 

シル・フローヴァだった

 

 

嗚呼、こんな感じなのか愛する女からの温もりと言うのは、今になってわかる。心地の良いものだ。なぜか感情は縛られているはず。なのに、こんなにも暖かく。心地の良い感じがする

 

むしろ俺も望んでいたのかもしれない。彼女とこうしていたかった。二年前からずっと『初恋』をしていた彼女とこうしたいと、俺がやっと

 

 

彼女の愛を理解した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だからなのか、俺のレアスキルが発動する

 

 

ビュウウウウウウン!

 

「っ!これは!」

 

「なに!?ジークの体からピンク色の光が!?」

 

 

突然『フレイ・リーベ』が発動する、シルと口付けして、彼女の愛を理解したからなのか、フレイ・リーベが勝手に発動し、俺の体からピンク色に発光する

 

フレイ・リーベはシルに関わる謎のレアスキル。彼女から愛を貰ったからでもあるのだろうか、俺の体がなぜか以前よりも重みがなく、軽くなるような楽を体が感じる

 

更に

 

 

 

ブウン!!

 

 

「っ!フロッティ?」

 

「ん?ジークの剣?」

 

 

突然の俺の右手の内から闇が放出され、そこから俺の予備の剣であるフロッティが現れる。今テントに置いたままのパンドラボックスに入れていた剣が、なぜいつの間に俺の右手から出てきたのか、俺でも分からない

 

だが、そのままフロッティは

 

 

ザシュ!!!!

 

 

「ぐふ!?」

 

「っ!?ジーク!?」

 

 

突然フロッティが俺の心臓に突き刺した

 

フロッティの刃はファフニールの鱗でできているから、俺の体でも貫ける。しかし貫いているのは心臓だけ、しかも痛みが無い、なぜいきなりフロッティが俺の心臓を貫いたのか分からない

 

だが

 

そこから力が放出し

 

 

「っ!黒竜装甲体現、魔力補充完了、稀少呪詛展開、体格竜人固定、全身魔術竜系変換、恐怖、後悔、無念、嫌悪、軽蔑、嫉妬、罪悪、殺意、怨念、苦痛、憤怒、空虚、傲慢、強欲、色欲、暴食、狂気、残酷、怠惰、悲嘆、虚栄、淫蕩、絶滅、滅亡、破滅、闘争、憎悪、そして絶望と終焉、負の全神経統一。黒竜解放、黒竜装甲体格完了」

 

「ジーク?」

 

「ルーン・アーマメント発動」

 

 

なぜか脳裏に、何かの魔術手続きが頭に入り、その用語を全て口に出して、突然ルーン・アーマメントが発動した

 

そして

 

 

 

 

ブウン!!!!!

 

 

「っ!・・・・・なに!」

 

「これは!?」

 

 

俺の姿が更に変貌した

 

俺の頭から二本の黒竜の角が生えた。更に俺の背中に、今度は片方ではなく、二本の翼が生える。更に腰の上から鋭い尻尾と、腕と足は黒竜そのものの鱗で覆われた腕と足をした。だが人の形をしまま、その姿で黒竜の一部を体現させた

 

 

「まさか・・・これは・・・・・」

 

「ジーク?大丈夫?なぜか翼と尻尾と角が生えているけど・・・・・」

 

「シル・・・・・」

 

「なに?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やったぞ。黒竜の力を『完全制御』をした」

 

「え!?本当に!?」

 

「ああ、黒竜の浸食を完全に俺の魔術に変換した。これは俺のルーン魔術武装『黒竜騎士(ファーブニル・リッター)』だ」

 

 

なんと完全に制御した。

 

俺の中にある黒竜の侵食が俺の力に変わったのが体に感じる。むしろ体は予想以上に力が増幅した、まさか俺が黒竜の力を完全に手に入れた。これで侵食に負うことなく黒竜怪獣にもこの姿にも簡単になれる

 

 

新しいルーン・アーマメントとして、『ファーブニル・リッター』と、奴の一部を顕現させた体を手にした。しかも、ファーブニルドラグーンよりも強い力を感じる

 

 

人の姿のまま、翼や尻尾や角、そして腕や足まで、黒竜の一部を体現させた。物凄く以前よりも体が軽くなった

 

 

「まさか、俺がこんな力を手にする時が来るとはな」

 

「おめでとう!ジーク!じゃあ・・もう人の姿に」

 

「ああ。これでやっと・・・」

 

ブウン!!!

 

「こうして戻れる」

 

「やった!ジークが人に戻った!」

 

 

簡単に俺の姿は人間に戻れた髪色も青い髪に戻る

 

完全に黒竜の浸食をも俺の意志で自由自在に操れる。いつでも俺は奴そのものにもなれる。完全に俺は黒竜を物にした。しかし、まだレベルが低いからなのか、まだファフニールの全力は出せない。まあここは制御ができただけでも喜ぶべきだった

 

 

「シル。俺がファーブニルとして完全制御ができたのは、間違いなく君のおかげだ」

 

「え?そうなの・・・かな?」

 

「ああ、俺には君と心繋がる。一番のレアスキルがある。君が俺に口付けしてくれたから、俺を愛してくれたから、俺の黒竜化をなんとかしてくれた。君が俺の力へと変えてくれたんだ。ありがとう」

 

「私が貴方を愛したから・・・・私はジークを愛している。嘘なんかじゃない。貴方に恋愛感情が無くても良いから、私の気持ちは常に貴方を愛している」

 

「ああ、今だけは答えたいな。強くなるために感情を捨てたが、君のその気持ちに答えられないのが虚しいな。でも・・・・ありがとう本当に」

 

 

黒竜化はもう何があっても浸食して、人の姿では済まなくなると覚悟をしていたのだが

 

彼女が俺のレアスキルを発動させて、黒竜の浸食も俺の力に変換してくれた、彼女の愛があの黒竜ファフニールの力よりも強く、それを完全制御させる。俺が二代目ファーブニルとして物にさせてくれた彼女のおかげ

 

答えたかったな。彼女の今の愛な気持ちに、しかし、カオス・ヘルツで恋愛感情を殺されてしまい。応えることができなかった

 

でも

 

 

 

 

精一杯、彼女に感謝をして、彼女を抱きしめる

 

 

 

正直諦めていた。全ては覚悟の上。二代目ファーブニルとして化け物になる覚悟をしていた。それを彼女が奇跡を起こし、俺に力へと変えてくれた

 

奴そのものになって怒り狂っていた俺を止めたのも、俺を英雄にさせたのも、誰もが化け物呼ばわりしても彼女は俺の味方になってくれた

 

 

全て彼女のおかげだ

 

 

力でしか俺には解決できないけど、それ以外はいつも彼女が俺を救ってきた。今もそうだ。そんな彼女の愛に応えられないのが悲しい

 

でも感謝はしている

 

嗚呼、俺も彼女を愛せたら

 

 

 

 

どんなに幸せだっただろうか、これが愛なのだろうか

 

 

と、彼女が人間に戻してくれたから、俺はより彼女を理解したいと、『人間らしい貪欲』を持った

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。