その日の夜
今回のミッションで遠征をクリアした俺たち派閥連合と、その他の救助に協力してくれた治療班を含めて
ミッションコンプリートを祝って、軽い宴を始める
地上に帰ってもすると思うが、ここで軽くやってもバチは当たらないだろう。目的のアイテムも手に入れ、標的であるアンフィス・バエナも倒した。そしてトラブルも起きたかもしれないが、ベルが一人でウダイオスを倒し、俺もバロールを倒すなどをして、この遠征だけで記録にある階層主を全て倒したのだ。これを喜ばずには居られないだろう。幸いもうミッションはクリア。後は変えるだけなら軽く宴やろうと。少し豪華な料理と多少の酒を出す
皆、三日間寝ていたから何にも食べてなかったため、今出された料理を残さず食べようとする。もうダンジョンに入る必要もなく、楽になったのか、食欲を増して豪快に食していた
ここまでの苦労と疲れがあったのか、普通の料理でも、美味しいと感じているようだ
皆、ここまで頑張ったんだ。そのご褒美と言っても良いだろうな
その間に、俺は今回シルの頼みで協力してくれた、アミッドの感謝を言いに行く
それとクノッソスについても聞いておきたい。確かディアンケヒト・ファミリアも協力していたはずだからな
「アミッド、今回シルが無茶を言ったとは言えここまでの治療を感謝する」
「あ、いいえ、確かにあのシルさんにいきなり言われた時は驚きました。しかも、あのフレイヤ・ファミリアの護衛が付けられるとは思いもしませんでしたですし。シルさんはフレイヤ・ファミリアと関わりがあるのですね?」
「驚くことが多くてすまなかったな、金の代わりにこれを受け取ってくれ」
「ん?これは?」
「『メガ・エリクサー』『ギガ・ポーション』だ。更に倍の効果を持つ回復薬を作った。三本づつ渡しておく」
「な!?エリクサーとポーションの更に倍の回復薬ですか!?」
「ああ、ガドモスの生息する泉の水を使って作った」
「一体どうやって・・・私もロキ・ファミリアに何度もそれを取ってきて貰っていまずが、これは流石に作れません。どうやって作ったのですか?」
「錬金術で作ったから説明できない。それに作り方に必要なのが簡単な物じゃないばかり、ユニコーンの角、そして一番重要なのが俺の精霊である『グリフォンの爪』そしてマーメイドの血など、精霊や希少種の部位を使わないと作れない、新たな上級回復薬を作るのに苦労はする。一応素材は渡しておくから、そこからは自分で作ってくれ、錬金術で簡単に作ったから、どうやって調合するかなんて説明できない」
「ジークが、錬金術と言うもので回復薬を作るとは知りましたが、まさかこんな新たな未知の回復薬を作るとは・・・・」
今回助けてくれた礼として、これからディアンケヒト・ファミリアの良い利益のために、新たに作った回復薬である『メガ・エリクサー』『ギガ・ポーション』を三つずつ渡しておく
一応それを作れる素材も渡しておくがそれをどうやって、調合するかは説明できない。錬金術で簡単に作ってしまったから説明できない。何かを合わせて調合するのではなく、魔法陣を地面に書いて、簡単に組み合わせて調合したため、分量とかは関係あると思うが、それを無視して調合できるため、残念ながらこれの調合方法は説明できなかった
ここから先はアミッドの努力次第で作って貰うことに
そして、ここからが重要
「アミッド、確かお前達はここに来る前にロキ・ファミリアの応援でクノッソス攻略をしたと聞いた。もし良ければ詳細を教えてほしい」
「はい。イヴィルスであるタナトス・ファミリアはなんとか打ち倒しました。主神であるタナトスも強制送還しました。しかしエニュオと言う女神が、最後に『緑肉』と言うものを放ち、残念ですが攻略には失敗しました」
「そうか、やはり一筋縄でいかなかったか」
「それと、あるファミリアが主神も含めて全滅しました」
「っ!どこだ?」
「ディオニュソス・ファミリアです。主神は強制送還され、眷属は全員、クノッソスに放たれた『緑肉』と言うものに食われて全滅しました」
「・・・・・・・・やはりか」
「え?」
「いや、なんとなくタダでは済まないと思っていたんだ。犠牲は出るのが攻略だ。しかもイヴィルスの巣穴なら、尚更だ。てことはフィルヴィスも・・・・・マイナデスもか?」
「はい。彼女もエニュオの部下らしい人物に首を折られたと聞き、その・・・今レフィーヤさんが物凄くショックで・・・」
「そうか・・・・」
アミッドのディアンケヒト・ファミリアがクノッソス攻略に参加していた。詳細を聞いて、結果としては失敗に終わったと聞く
イヴィルスであるタナトス・ファミリアは倒されたと聞き、主神も強制送還でこの下界を去った。しかし、エニュオと言う女神が、緑肉と言うものをクノッソス全体に放って、結果的に攻略は失敗に終わったらしい
そしてそれに犠牲者のファミリアが出てしまう
それはディオニュソス・ファミリアである
主神は強制送還、眷属は緑肉に喰われて全滅。残念ながら無残ながら、ディオニュソス ・ファミリアを全滅させて攻略は果たせずに終わったと、完全な敗北を得たと聞く。全滅ということはフィルヴィスも・・・・俺の友人までやられるとは無念だなと思う
が
ディオニュソスが強制送還?フィルヴィスがやられる?
いや
『あり得ないな』
あいつはここ最近は『酔っていた』。そんな奴が『まともな行動』ができるはずがない。またしても『葡萄酒』を飲み過ぎて変なことをしたのだろうと思っている。それと眷属が全滅はわかるが、フィルヴィスがやられるのも『あり得ない』。全部嘘だと言ってもいい。おそらくタナトスはデュオニュソスにしてやられ、それがわかって強制送還を選んだに違いない。
今のアミッドの話を聞いて、何もかもが『奴の計画』。エニュオか・・・・・本当に
『狂乱荒ぶる話』だ
帰ったらヘスティアに詳しく聞いてみようと思う。ヘスティアが一番ディオニュソスを知っているからな
「ジーク!アミッドさんと何を話しているの!こっちで飲もう!」
「こっちに美味しい果汁ジュースがありますよ!」
「今行く!アミッドいろいろ教えてくれて礼を言う」
「あ、はい。こちらも新たな回復薬の提供ありがとうございます」
そうしてアミッドから聞きたいことは聞き、シルとリューの所に戻る
今の話を聞いて、まだエニュオとクノッソスの高いはまだ終わらない
今度は『俺たちも出る形』になるだろうと想定する。もうロキ・ファミリアの問題だけにはならない。以前俺とウンディーネでクノッソスを襲撃し、あの地下で『ある壁画』を見た。間違いなくエニュオはそれを使う
と、なれば
俺たちは地上に帰っても戦いはまだあると、それのための準備も用意するべきだと考えておく
三時間後には、宴は終わり
皆、テントに戻って休んでいる。明日には地上に帰れそうだ。夜を迎えても俺は相変わらず眠ることはできなかった。俺はテントに入らず、近くの湖のあるところで、静かに紅茶でも飲んで過ごしている、こんなほぼ竜肌で鱗も若干あるくらいだ、もはや人としての生活習慣も崩れているのだとわかる
この三日間ここで休んだが、それでも俺は眠ることができなかった。別に体に負担があるわけではない。眠ることができないのは、あまり休んでいる気はしない、まるで何か体に重りを付けたまま過ごしているような感覚、やはり怪物になるのは楽じゃないなと思う
すると
「ジークさん」
「リューか、お前も眠れないのか?」
「ジークさんが気になるもので、やはり眠れませんか」
「ああ、この体だとな」
リューが後ろから出てきた
俺が気になるとかで眠れないらしい。皆は眠れるのに俺だけ眠れないのがあまりに心配なようだ
別に俺のことは放っておけばいいのに、それでも放っておけないのか、近くに来た。せっかく来たなら紅茶でもいかがかと、勝手にリューの隣に暖かい紅茶を出す
「ありがとうございます」
「この三日間眠っている間、アリーゼ達かつての仲間に会えたか?」
「え!?どうしてそれを!?」
「なんとなくだ。ジャガーノートを倒す時、お前の周りに人影のようなものが見えた。あれはお前の仲間の魂で間違いない、死んだ仲間は常にお前の側にいたんだと、そして夢の中で少しだけ会話できたんじゃないのかと、仇を取れてやっと仲間に再会できたと、勝手な思い込みで言ったんだが、間違ってないようだな」
「はい。私はこれからもアリーゼの正義を持って生きていきます」
「それでいい。それがお前のこれからの生きる意味だ。あとはアストレアに会いに行くだけだな、彼女に言ってやれ、アリーゼ達を殺した怪物は私が倒したと」
「はい、これで私も前へ進めます」
ジャガーノートを倒す時、リューの周りに人影が見えた。あれは間違いなくリューのかつての仲間、あの時名前のような言葉を口にしていた
間違いなく、彼女のかつての仲間で間違いない
そして彼女が三日間ここで眠っていたが、その夢の中でかつての仲間でも会っているのではないのかと、想像として言う。どうやら当たりらしく、俺の思い込みではなかった
これでリューも過去を囚われる事なく前へ進める
「何かしたいことがあるのか?」
「それは、まあ・・・・・・」
「まあ、地道に考えると良い、まだ先は長いしな」
「そう言うジークさんは・・・もうその体では・・・・・」
「ああ。もう少しで完全に果たすだろうな」
「人間の姿には・・・・もう」
「ああ、戻れない」
リューは地上に帰って体が治ったら、ミアに多少を叱られて、休みを次取れたらアストレアに会いに行くなど、リューはやるべきことがこれからもいっぱいある
逆に
もう俺は人間の姿には戻れない
もう完全に俺は怪物になった、今はまだ人の形を保っているに過ぎない。皮膚や体の内臓のほとんどはファーブニルそのもの。もう完全に侵食を受け入れてしまった事で、俺は二代目黒竜ファーブニルとしてこれからも生きることになる
それでリューを救えたのだから覚悟の上、これから先更に人々や神々に怪物呼ばわりされても構わなかった
しかし
「ジークさん!私は変わりませんから!」
「なんだ?急に?」
「私はそれでも貴方をジークさんだと思い、貴方はファーブニルではないと、私は信じています」
「俺の手を取ってまで、変わったなお前は」
「少し自分の気持ちに素直になっただけです、貴方を想う気持ちは絶対に変わらない」
「俺を想う気持ちか、好意とか?」
「っ!?そ、、それは・・・うう」
「またそんな反応する。そこはまだハッキリしてない所は、皆の言う『ポンコツエルフ』らしさなんだろうな」
「な!?ジークさんもそう思っていたんですか!?」
「そんな悪い言い方はしないが、少し優柔不断さはあるな」
「う、でも・・・・・変わりません。絶対に誰もが貴方を否定しても、私は否定しない。絶対に」
「わかった。それがお前の望むことなら。にしても笑えるようになったな。お前のその顔を見るのは久しぶりだ」
リューは俺を怪物呼ばわりはしないと約束する
少しは自身の気持ちに素直になったようだ。他のエルフもそうだが、自身の素直さがあまりない。それを恥じらいと思うからか、それとも、プライドの高さ故か
でも
今のリューはとても成長している
エルフは潔癖症と言っても良いほど、他人に触れられるのを否定する。なのに今彼女は自身の手から俺の手を取る
少しは俺を友人・・・・かどうかは分からないが、やっと自身の気持ちを出して生きているのだと、
彼女の笑顔を見て、そう思った
「もう寝ろ。明日は早く出る。明日に地上に帰るんだ。ほら」
「はい。私は貴方を・・・・いつまでも想っています」
「わかった。お前の気持ちを俺は理解した」
そう言って、彼女はテントに戻る
貴方をいつまでも想っているか
まるで告白だなと思った。多分そんなつもりはないと思うが、リューの気持ちは確かに俺に届いた。俺に少し返事できる感情があれば良かったのだが
カオス・ヘルツのせいで、どんな返事をして良いのか、感情で理解できてない。だが、リューが俺を想う気持ちは確かに理解した。今はそれだけでいいと思っている
そう、それだけあれば、今は
と言っても、くれなさそうだ
「シル。そこに隠れているのはわかっている。出てくるんだ」
「やっぱり気付いていたんだ」
「俺と君は本当に心が繋がっているからなのか、君は俺の現状をいつもわかる。しかし、それは君だけではない。俺もだ」
真横にある木の裏で、シルが出てくる
俺が眠れないのを気になるのは何もリューだけではない。シルもだった。リューがテントで居なくなったのを気付いたのか、リューが俺の所に居ると気付いて、ここまで来たようだ
しかも、さっきの会話をしっかり聞いて、少し
嫉妬気味だ
彼女がそんな感情をするなど久しぶりだ。余程リューのあの感じを見て、俺に劇的な好意があるのだと気付いたのか、俺とリューのやり取りを見て、顔が膨れているのが見える
彼女がどこで俺が何をしているのか、心を通してわかるように、俺も彼女が今どんな感情をしているのかわかる
「リューに随分と好かれていたね?しかも『ちゃんと名前』で呼ばれてまで、今まではさん付けなのに」
「そうだな、いつものことだ。誰か女性を助けると、好意に思われる。アルテミスやアフロディーテのようにな」
「ジークって女たらしね。正直言って酷いわ。私だってこんなに想っているのに」
「君と彼女では別だな。君の方が強い。リューはまだ素直になれない部分がある。君の方がまだ好意が強い」
「だとしても、これ以上ジークに好きな人ができるのはやっぱり嫌」
「だろうな、君は好意は強くても、どっちかと言うと独占に近い。ここまで心が繋がっているだけでは不満か?」
「不満よ。もっと私はジークから愛が欲しい。貴方がレアスキルで恋愛感情が殺されていても」
今日のシルは独占強い
これ以上俺に愛する女性が現れるのは嫌だと言い。その中にリューも入ってしまう。リューはシルにとっても親友のはずだ。そんな親友でも俺には譲りたくないと言う
しかもこれで五人目。これ以上は増えたくないと、俺に少し不満を見せる
もうこれ以上言い訳しても許してくれそうではない
なら、どうするべきか、
それは一つのみ
「じゃあ、一つだけ君のお願いをなんでも聞こう、なんでもいい。君に言うことならなんでも構わない言ってくれ」
「え!?なんでもいいの?」
「ああ」
彼女の言うことをなんでも聞くことだった
これしかない。もうこうでもしなきゃ彼女の嫉妬は収まらない、今彼女は俺に何をしても許す。彼女のためなら俺はなんでも聞こう。今俺にできることはこれくらいしかない
一線を超えることになっても構わない
流石の俺の言う言葉に彼女も驚いている。俺がこんな大胆なことを言うわけではないからな、でも今は・・・・・彼女のその嫉妬に応えたいと
心に抱いている
そして彼女の答えは
「じゃあ・・・・『キス』していい?」
「もちろんだ。君の願いなら」
「本当だね?」
「ああ」
「『あの方』には悪いけど、これだけは」
彼女の願いは『口付け』
それなら構わない。そうして欲しいと言う日はいつか来ると思っていた上に、そうしようと何度も彼女は俺を狙っていた。『あの人』が俺にそんなことをしたらタダでは済まなくなると言うのに、でもシルのこの気持ちは嘘ではない。俺もそれに応えたい
唇にするのは、これが初めて、俺のファーストキスの初めては
「む!」
「・・・・・・・・・」
シル・フローヴァだった
嗚呼、こんな感じなのか愛する女からの温もりと言うのは、今になってわかる。心地の良いものだ。なぜか感情は縛られているはず。なのに、こんなにも暖かく。心地の良い感じがする
むしろ俺も望んでいたのかもしれない。彼女とこうしていたかった。二年前からずっと『初恋』をしていた彼女とこうしたいと、俺がやっと
彼女の愛を理解した
だからなのか、俺のレアスキルが発動する
ビュウウウウウウン!
「っ!これは!」
「なに!?ジークの体からピンク色の光が!?」
突然『フレイ・リーベ』が発動する、シルと口付けして、彼女の愛を理解したからなのか、フレイ・リーベが勝手に発動し、俺の体からピンク色に発光する
フレイ・リーベはシルに関わる謎のレアスキル。彼女から愛を貰ったからでもあるのだろうか、俺の体がなぜか以前よりも重みがなく、軽くなるような楽を体が感じる
更に
ブウン!!
「っ!フロッティ?」
「ん?ジークの剣?」
突然の俺の右手の内から闇が放出され、そこから俺の予備の剣であるフロッティが現れる。今テントに置いたままのパンドラボックスに入れていた剣が、なぜいつの間に俺の右手から出てきたのか、俺でも分からない
だが、そのままフロッティは
ザシュ!!!!
「ぐふ!?」
「っ!?ジーク!?」
突然フロッティが俺の心臓に突き刺した
フロッティの刃はファフニールの鱗でできているから、俺の体でも貫ける。しかし貫いているのは心臓だけ、しかも痛みが無い、なぜいきなりフロッティが俺の心臓を貫いたのか分からない
だが
そこから力が放出し
「っ!黒竜装甲体現、魔力補充完了、稀少呪詛展開、体格竜人固定、全身魔術竜系変換、恐怖、後悔、無念、嫌悪、軽蔑、嫉妬、罪悪、殺意、怨念、苦痛、憤怒、空虚、傲慢、強欲、色欲、暴食、狂気、残酷、怠惰、悲嘆、虚栄、淫蕩、絶滅、滅亡、破滅、闘争、憎悪、そして絶望と終焉、負の全神経統一。黒竜解放、黒竜装甲体格完了」
「ジーク?」
「ルーン・アーマメント発動」
なぜか脳裏に、何かの魔術手続きが頭に入り、その用語を全て口に出して、突然ルーン・アーマメントが発動した
そして
ブウン!!!!!
「っ!・・・・・なに!」
「これは!?」
俺の姿が更に変貌した
俺の頭から二本の黒竜の角が生えた。更に俺の背中に、今度は片方ではなく、二本の翼が生える。更に腰の上から鋭い尻尾と、腕と足は黒竜そのものの鱗で覆われた腕と足をした。だが人の形をしまま、その姿で黒竜の一部を体現させた
「まさか・・・これは・・・・・」
「ジーク?大丈夫?なぜか翼と尻尾と角が生えているけど・・・・・」
「シル・・・・・」
「なに?」
「やったぞ。黒竜の力を『完全制御』をした」
「え!?本当に!?」
「ああ、黒竜の浸食を完全に俺の魔術に変換した。これは俺のルーン魔術武装『黒竜騎士(ファーブニル・リッター)』だ」
なんと完全に制御した。
俺の中にある黒竜の侵食が俺の力に変わったのが体に感じる。むしろ体は予想以上に力が増幅した、まさか俺が黒竜の力を完全に手に入れた。これで侵食に負うことなく黒竜怪獣にもこの姿にも簡単になれる
新しいルーン・アーマメントとして、『ファーブニル・リッター』と、奴の一部を顕現させた体を手にした。しかも、ファーブニルドラグーンよりも強い力を感じる
人の姿のまま、翼や尻尾や角、そして腕や足まで、黒竜の一部を体現させた。物凄く以前よりも体が軽くなった
「まさか、俺がこんな力を手にする時が来るとはな」
「おめでとう!ジーク!じゃあ・・もう人の姿に」
「ああ。これでやっと・・・」
ブウン!!!
「こうして戻れる」
「やった!ジークが人に戻った!」
簡単に俺の姿は人間に戻れた髪色も青い髪に戻る
完全に黒竜の浸食をも俺の意志で自由自在に操れる。いつでも俺は奴そのものにもなれる。完全に俺は黒竜を物にした。しかし、まだレベルが低いからなのか、まだファフニールの全力は出せない。まあここは制御ができただけでも喜ぶべきだった
「シル。俺がファーブニルとして完全制御ができたのは、間違いなく君のおかげだ」
「え?そうなの・・・かな?」
「ああ、俺には君と心繋がる。一番のレアスキルがある。君が俺に口付けしてくれたから、俺を愛してくれたから、俺の黒竜化をなんとかしてくれた。君が俺の力へと変えてくれたんだ。ありがとう」
「私が貴方を愛したから・・・・私はジークを愛している。嘘なんかじゃない。貴方に恋愛感情が無くても良いから、私の気持ちは常に貴方を愛している」
「ああ、今だけは答えたいな。強くなるために感情を捨てたが、君のその気持ちに答えられないのが虚しいな。でも・・・・ありがとう本当に」
黒竜化はもう何があっても浸食して、人の姿では済まなくなると覚悟をしていたのだが
彼女が俺のレアスキルを発動させて、黒竜の浸食も俺の力に変換してくれた、彼女の愛があの黒竜ファフニールの力よりも強く、それを完全制御させる。俺が二代目ファーブニルとして物にさせてくれた彼女のおかげ
答えたかったな。彼女の今の愛な気持ちに、しかし、カオス・ヘルツで恋愛感情を殺されてしまい。応えることができなかった
でも
精一杯、彼女に感謝をして、彼女を抱きしめる
正直諦めていた。全ては覚悟の上。二代目ファーブニルとして化け物になる覚悟をしていた。それを彼女が奇跡を起こし、俺に力へと変えてくれた
奴そのものになって怒り狂っていた俺を止めたのも、俺を英雄にさせたのも、誰もが化け物呼ばわりしても彼女は俺の味方になってくれた
全て彼女のおかげだ
力でしか俺には解決できないけど、それ以外はいつも彼女が俺を救ってきた。今もそうだ。そんな彼女の愛に応えられないのが悲しい
でも感謝はしている
嗚呼、俺も彼女を愛せたら
どんなに幸せだっただろうか、これが愛なのだろうか
と、彼女が人間に戻してくれたから、俺はより彼女を理解したいと、『人間らしい貪欲』を持った