ウォーゲームを過ぎてから三日。俺は団長として大忙しだった。団員も三人も迎えた俺はギルドに書類報告がたくさんあった。報告内容はアポロン・ファミリアの財産を奪った賠償金で、ヴェルフに必要な機材やここに必要な設備を売却や購入。それとリリルカとヴェルフと命の移籍手続きも含めて
ギルドに報告する書類が多く出ていた。片付けるのに忙しく。それ以外にも引っ越しした家具の配置。購入した機材の配置も含め、ゴブニュ・ファミリアに依頼してホーム内を改装するなど。俺たちはダンジョンに行けない状態となっていた
それだけホームの模様替えと言う改築に忙しかった
まさかアポロン・ファミリアから全てを奪うだけで、ここまで忙しくなるとは思っていなかっただろう
ウォーゲームでアポロン・ファミリアに勝利した功績により。ヘスティア・ファミリアは評価がかなり上がり。都市大派閥ところまではいかないが。今注目するファミリアとしてオラリオで話題となっていた
そして一番に注目は俺の二年前の冤罪が晴れたこと。これによりもう俺を他の冒険者達が憎い目で見られることがなくなる。だがフレイヤに協力を頼んだ精霊をウォーゲームで使用するフォローをして貰ったことにより。俺がフレイの幼馴染にして義弟だとオラリオの街全体ににバレてしまい。少し街を歩けば見知らぬエルフの女性に声を掛けられるなど。面倒が増えたことも事実
特に様呼ばわりされるのが一番面倒だった
だが夜はヘスティア・ファミリアのウォーゲームの勝利の祝杯を今日の夜。開くと言うことで。あれから三日と遅くなったが。今日の内にホームの調整が済むと言うことで。祝杯の準備を今日の夜までに早めにすることなった
そして俺は
「チーズケーキと紅茶。礼に及ぶか分からないが食べてくれ。手作りだ」
「あらあら・・・・う〜ん。このケーキ美味しいわね。街で売っている物より美味しいわ」
「喜んでくれたなら幸いだ」
フレイヤの礼をしなくてはならないと。俺ただ一人でフレイヤ・ファミリアの本拠地に向かいお礼の品として手作りのチーズケーキと紅茶を用意した。本当ならヘスティアも連れてくる予定だが。
彼女はバイトのためここに来ることができないため。俺一人でお礼をしにここにやってきた
「今回のフォローは感謝する。だが質問いいだろうか?」
「何かしたら?」
「俺の冤罪を晴らしてまで。俺とロキとの関係を壊したかったのか?」
「やっぱり・・・・・わかっていたのね?」
「推測する限りではな」
やっぱりフレイヤは俺とロキとの関係を壊そうとしていた。なんとなく目的の意図は想像ついた。敵対するファミリアなら俺との関係を一切か関わりさせたく無いと、嫉妬まがいなことをすると理解した
「そこまでロキとの関係を離したかったのか?」
「ええ。真実を伝えれば。あなたに会う顔もないだろうと思って。大派閥の立場がなくなると思ってね?あなたを疑った罪ができるからかしら」
「血の繋がりのある叔母との関係を絶たせて、あんたにメリットがあるのか?」
「あるわよ。こうしてあなたと義理であるけど。姉弟で居られることよ?叔母の邪魔無しにね?血の繋がりのあるあの子じゃああなたへの情が深いから。血の繋がりのあるあの子から引き離したかったの」
「嫉妬深いな。本当にあんたは・・・・・・・・誰かとそっくりだ」
「今何か言ったかしら?」
「いや、別に。まあでも礼は本物だ。フォローしてくれたこともな。おかげで少し肩身が広くなった」
フレイヤのおかげで少し軽くなったのは間違いない。だが半分の自分の利益として働いているには明白だった。義理の弟である俺が欲しいのだと。簡単な予測が付いた。相手に一方的な愛情を与えるのは・・・・・・・・『彼女』とそっくりだと思った
ファミリアの勧誘をされる前に出ていく
「あら?もう行っちゃうの?」
「まだ仕事がたくさんある。ギルドの報告もある。その手作りを召し上がってくれ」
「ええ。またね」
「ああ。オッタル。邪魔したな?」
「いや。フレイヤ様が望んだこと。俺が咎める理由はない」
そうして俺はフレイヤ・ファミリアの本拠地を出る。途中アレンやヘディンにも会ったが、忙しかったため会話は少しで済ませ。すぐにギルド本部に向かった
もちろんアレンの会話は俺への嫌がらせだった
ギルド本部
「そう・・・・やっとひと段落なんだ」
「ああ。これでやっとダンジョンに入れる」
ギルド本部にてエイナとホーム改装完了とヴェルフ達の移籍報告を済ませる。俺はこれからの活動に関してもダンジョンに潜る階層までを報告しようとしていた
「アポロンの起こしたウォーゲームは余程以上に注目を浴びすぎた。おかげで俺たちを知らない者はこの街では居なくなった。大派閥とまではいかないが・・・・これで俺たちに災いをかける奴は居なくなるだろう。俺の疑いもな。自由の身になると言うのは・・・・・意外に良いものだな」
「大変だったね。今までずっと・・・」
「だがまた新しい問題が出てくる。俺にはそれが当たり前にやってくる」
「それって・・・・・・ロキ・ファミリアのこと?」
「ん?あいつらに何か新しい動きでも?」
「てことは・・・・ウォーゲーム以来会ってないの?」
「忙しくて、ホームから一歩も出ていない。今日三日ぶりに外に出た」
「そうなんだ・・・・・動きと言うのは無いけど・・・・・あれからダンジョンにも行ってもないそうよ?」
「そうか・・・・」
エイナの知らせに俺は何も感じなかった
まさかとは思うがロキたちが今更真実を受け止めきれないはずがない。俺はあいつらがそこまで柔じゃないと。落ち込んでいるわけがないと
俺はあいつが嘆いているはずがないと疑っていた
まあ・・・・ロキはどうなのかは知らないが
「接触は来るだろうな・・・・対応するのが面倒だ」
「揉め事になるかな?」
「多少あるだろうな・・・・あいつらだからな」
これからロキ達と対面するのが面倒になると覚悟した
何度問題が重なることに関してはもう俺は覚悟している。対応するのは面倒だが、そうでもしないと今後とも何か面倒なことを持ち込んでくると言うか、そろそろ気にしないように言っておかなければ
ロキに変なこと言うと言うか、さっさと疑ったことを嘆かないようさせないと、なんか面倒なことを押し付けてくるような感じがした
ギルド本部を出て。俺は報告も済ませた所でホームに帰ろうとしていた。夜の宴会に必要な食材を買い。全て買い出しが完了した。食材の買い出しが完了した所でホームに帰るのだが・・・
もうさっそく面倒なことになっていた
「やあ。君があのフレイの幼馴染の義弟にしてトールの息子かな?」
「ジーク・フリード。フレイ様の話を聞かせてくれないか?」
「ディオニュソスとフィルヴィス・シャリアか・・・・」
街中で主神と一緒と共にディオニュソス・ファミリアに出くわした。またもフレイのことで説明しなくてはならないと。面倒が増えた。フィルヴィスはエルフだからエルフの主神のことについて聞きたいのは当然だが。何度もあいつの説明しなくてはならないのは本当に面倒としか思えない
また今度にしてくれと言いたいが・・・・・後回しにしても、また言われるだろうから、ここで話をつけることにした。主神のディオニュソスも居ることだしな
あれだけ知っている奴に聞けと言ったのに
そうしてある酒場で紅茶を飲みながら、居場所の詳細は教えずにフレイのことあれこれ言った。あまりに謎すぎる二人を相手に色々フレイのことを話した
「そうか・・・・フレイ様がお前の故郷に・・・」
「あのフレイがレーヴァテインを君に譲るなんて驚いた」
「任された責任はデカイが。なんとかやって退けている。ディオニュソスは何度かあいつと天界で会ったりしたんだろ?フレイからあんたのことをよく聞いた」
「まあね。彼物凄く優男だったよ。よく女神の誘いを受けていたよ」
「その度に妹であるフレイヤが睨んでいたんだろ?」
「察しの通りだよ。ジークは本当にフレイの幼馴染で義弟なんだね?」
「あいつのことは全部知っている。あいつの面倒さもな」
「フレイのことをそこまで言うなら、君とフレイがすっごく仲良しなのがわかるよ」
「仲良しか・・・・まああいつと一緒に居て退屈では無かったな」
「それで・・・・どうしても教えてくれないのか?ジーク。フレイ様の現在位置を?」
「ダメだフィルヴィス。これはフレイの頼みだ。俺はあいつの約束を破るわけにはいかない」
「フィルヴィス。理由はわからないが無理に聞くのはダメだ。彼にも事情があるんだろう。エルフとしてその言葉に従うべきじゃないのかい?」
「そうですね。すまないジーク・フリード。無理難題なことを言って・・・」
「構わない。もう他のエルフ達に散々言われているからな・・・・・・むしろその質問はエルフとして当然の質問だ。悪いことではない」
「話してみる限り無口そうではあるけど、良いヒューマンじゃないか。できれば僕らとも仲良くして欲しい」
「それは俺じゃなくヘスティアに言ってくれ。俺が独断でそんなことは決められない。個人的な事だったとしても。まあ・・・仲良くいけたら幸いだとは思っている」
「そうか・・・・僕はともかくフィルヴィスとは仲良くしてほしいな・・・」
「友人にはなれるだろう。だが・・・・・彼女は過去のことを引きずって人との関わりを拒むのであれば俺は本人の自由にさせるだけだ・・・」
「君もフィルヴィスのことは知っているんだね?」
「まあ。それなりにな」
フィルヴィス・シャリアは
6年前の27階層の悪夢での生き残りであり、それ以降、参加したパーティが四度とも彼女を除いて全滅したために『死妖精』と呼ばれるようになった
イヴィルスと言う組織にパス・パレードされてフィルヴィス以外は全滅した。そう言う事件はダンジョンの過去の経歴に珍しくもないと思い。対して驚愕はしなかった
人の手によって殺されることなど。ダンジョンで死ぬこと自体当たり前のことだと。こいつはそれが重く。生きていくのに嘆きがあるようだ
「だが・・・・俺はお前をバンシーと呼ぶ気はない」
「なぜだ・・・・私は・・・」
「仲間がお前のために犠牲になった。お前が呪われているなど俺はそんなものを信じない。お前と組んでいるパーティーの仲間がお前のために死んだだけだろ。お前のせいじゃない」
「だが・・・私は四度も・・・」
「それはお前が守りきれなかっただけだ。お前は自分と同じ種族の同胞が死にかけたら助けるだろう?」
「それは・・・そうだが」
「お前はただ守りきれなかっただけだ。今度こそ仲間を信じ守れば少しでもお前の今見ている景色は変わる。自分で行動しない限りは変われない。少なくとも俺はこれをフレイに教わった」
「フレイ様がそのようなことを・・・・」
「27回層の悪夢は、お前のために仲間が犠牲になっただけだ。ならばその仲間のためにも死ぬわけにはいかないと噛み締めて生きるべきじゃないのか?四度もパーティーを組んでお前以外が死ぬのはお前が守りきれなかったからじゃないのか?自分を責めても得られるものは何も無い。悔やみがあっても前を向いて生きろ。生きている限りは・・・・・絶対に幸せなことがある。だから・・・・お前は死の妖精じゃない。これからも生きる希望を捨てないように前を向く、二つ名である白巫女として生きて見せろ」
「ジーク・フリード・・・」
「ほう・・・フィルヴィスにそこまで言うなんて・・・・フレイの義弟は素晴らしいな」
俺は彼女が呪われているなど。一切信じない。呪われていると言うのは現に俺のことを言う。この程度で呪いなどと嘆くようじゃあフレイに笑われて当然だと。随分偉そうなことを言ってしまうが、彼女は前を向くことが今の彼女には欠けていると
俺は彼女に助言した
「仲間を失う気持ちはわかる。だがそれを乗り越えて受けれることも必要だと、フレイは言うはずだぞ?あいつは少なくとも長年生きていて戦争にも出ていたのだからな・・・」
「ジーク・フリード・・・・そうだな、私は自分の過去を断ち切らなかればならないな・・・」
「これからそれがお前の試練だ・・・・がむしゃらでも生きていけ」
「ああ。お前の助言しっかりと受け取った」
「やはり君はすごいな。あのロキの甥とは思えないよ。ウォーゲームの勝っただけのことは確かにある」
「俺はフレイならそう言うだろうと思ってこいつに助言しただけだ。でないとこんな過去に縛られている奴を俺は友人と呼ぶには・・・あまりに人に言えたものじゃない」
「まあ・・・・確かにあまり友人が少ないのは・・・・私から見てもそう思うからねえ・・」
「ああ。そんな感じは俺もした。まあでも思ったことは口にしそうだな」
「ちょ!?ディオニュソス様!?ジーク!?」
「すまんが俺が見る限りではそんな感じに見えた」
「すまないフィルヴィス。私も前から・・・そう思っていた」
俺もディオニュソスから見てもフィルヴィスの印象をそう見えたらしい。無口そうな女ではあるが、友人が少なそうどう言う見た目判断が浮かんだ
陰キャラと言う性格をしてそうだなとフィルヴィスの印象を持った
「まあ、何にしてもどうかフィルヴィスと友人になってくれ・・・」
「まあ・・・・本人がいいならな・・」
「なぜ・・・・私がそこまで惨めに・・・」
「それだけお前が寂しい奴だと思われたんだろう・・・」
ディオニュソスの変な気遣いにフィルヴィスはショックを受けていた。友人になるのは別に勝手にしてくれて構わない。別に他のファミリアの友人や知人は多いくらいだ、別にあまりよく知らないファミリアの友人を一人持つくらいは俺は大いに構わないと思った
だが
「ん?どうかしたのかい?ジーク?」
「いや・・・別に・・」
俺はディオニュソスの方を疑い。危険な奴だと俺は思った
こいつは確かに普通の男神だと思う。だが俺はディオニュソスの全てを神威を感じ取ってなぜか警戒をする。まあそれを言うならフィルヴィスもそうだが、この二人の『ある』不自然さを感じ。なぜ俺に接触をして友人になろうとするのがなぜか俺を利用しようとしているんじゃないかと疑う
そこまでディオニュソスを敵意に感じる。まあ言うなら
こいつは『嘘が下手くそ』だったと言うことだ。
まあ何にしても俺はその後。軽くお茶をして。さっさとホームに帰る。結局ディオニュソスの勝手ながらフィルヴィスの友人になってしまった。本人が望めばいいがな
ここまでオラリオ中に俺の家系を知られたとなると、さっきみたいにディオニュソスみたいなあまり知らないファミリアに声を掛けられると。頭に入れた
結局たかが食材の買い出しを行くだけで、いつの間に帰る時には夕方になっていた。ディオニュソス達と話すだけでここまで遅くなるとは思っていなかった。もう夕方になると夜の祝杯の食事の分が用意できなくなると。もう誰かに声を掛けられても忙しいからまた今度にしろと無視することにした
ところが
「ジーク・・・居た」
「ごめん・・・ちょっといいかな?」
「今度はお前らか。本当に今日は久しぶりに外出した瞬間、いろんな奴に声を掛けられるな」
一応覚悟はしていたが、まさかこんなタイミングでアイズとティオナが出てきて声を掛けられるとは。何とも・・・・・・運が悪い。無視はしたいが・・・・・こいつらの用件はわかっている
一応聞いてみることにした
なぜなら二人の顔が芳しくないからだ
「なんの用だ?」
「その・・・今から私たちのホームに来てくれない?」
「はあ・・・・そう言うと思った。内容は?」
「みんな・・・・・・・ジークに謝りたいだって・・」
「だろうと思った・・・」
今になって俺の疑ったことを謝ろうと。今からホームに来てくれとまたも無理難題な頼みを言われた。無視・・・・・・・したいが、今対応しないと後からまた何か言われそうだから
「わかった。だが忙しいから早めに終わらせろ」
「うん」
さっさと用件を済まそうと。アイズの後に付いていく。あの懐かしいホームに行く日が来るとは思ってもいなかった。あれからあのホームの建物は変わっているのだろうかと。フィン達の元へ久しぶりの家へ向かう
「懐かしいと言えば懐かしい・・・でも変わってないんだな」
アイズの後に付いて行き、ロキ・ファミリアの本部である『黄昏の館』に俺は懐かしき家に着いた。何も変わらないお城の風景。塔にはピエロの旗が掲げられている。あれから二年経ったくらいでは変わらないか
そしてそのホームの前にはロキやフィン。ロキ・ファミリアの団員全員が出てきていた
「あ。団長!来ました!」
「ジーク・・・・・」
「全員ホームの前に出して・・・・・・用件は?ロキ?」
「あ・・・あの・・・ジーク・・・二年前・・・本当のことを言ってたんやな」
「そう何度も言ったはずだが・・・・・それでなんだ?」
「ごめんやジーク!ウチ・・・・本当に自分のことを信じてなかった!神に嘘をつくことはできないはずやけど!でも・・・・あの時ジークのことがどうしても信じられなかったんや!自分を信じなかったことを・・・疑ってしまったことを・・・ホンマにごめん!」
「そうか・・・・・」
「ジーク。僕からも謝らせてくれ。あの時の君を信じられなかった。だがアポロンの白状で君は本当のことを言っていたことに本当に僕は君の全てを疑ってしまった。君には・・・・・・・本当に申し訳なかった。団長として謝罪する」
「・・・・・・お前がそこまで言うとはな・・」
「みんな・・・ジークに謝りたいんだよ。みんな・・・ジークを疑ったから・・」
「すまなかったジーク。お前が本当のことを言ったのに私はお前のことを信じなかった。確かにお前を上辺しか見てなかった私の落ち度だ。本当にすまなかった」
「ああ・・・・・」
「すまなかった。お主がワシらを憎んでおるじゃろう。お前さんが気が済むまでワシを殴れ」
「僕もだ。もちろん殺してくれても構わない。僕はそれだけ申し訳ないことをしてしまった。君に恨まれて当然のことなんだ」
「・・・・・・・・・」
そう言ってロキとフィン達が謝ってくるが・・・・・・・・・・
やはり何も感じない。何を言われも恨みも感じず。何を言って言い返したら良いか思いつかない。だが恨む必要はないと思い。失礼ながら俺は
帰る
「言いたいことはそれだけだな。じゃあ帰らせてもらう」
「「「「「「え!?」」」」」」
用は済んだなと。アイズ達の言う通りあいつらが謝りたいとそれを聞き受けて帰る。それで何も言い返すような事はないから、特に俺から何かをしようとも言おうとも思わないため。俺は何も言わず帰る
でも、どうやら何も言わない俺のことを不自然にフィン達は思っていた
「ちょ、ちょっと待ちや!?」
「なんだ?まだ何か言いたいことがあるのか?」
「な・・・何も言うことないんか!?仕返しとか・・・しようと思わないんか!?」
「俺からはそれに対して何も言う事はない。ロキ」
「ほ・・ほ・・・本当に?何も無いのかい?」
「前に18階層でも言っただろうフィン。お前らに恨みなんて無い。辞めたのは俺自身の意思だ。お前らのせいじゃない」
「でも・・・・・・その辞めたきっかけは・・・私たちでしょ?」
「だとしても俺が決めた事だ。二年前の疑いは・・・・それだけ俺は信頼できるに値しなかったと言うことだろう。それに関しては受け入れるのみだティオネ」
「怒らないのか?」
「もう過ぎた事だ。俺はそんな過ぎたことをあれこれ言う気はない。受け入れるのみだリヴェリア」
「何か言うことくらいは無いのか!?ジーク!ワシらはお主を疑ったのじゃぞ!」
「無いな。特に俺からは・・・・・何も」
もうレベル5になると『カオス・ヘルツ』によって恨む感情を失いかけているため、特に疑われた恨みは何も感じず。フィン達は何か言い返すことを期待しているようだが・・・・・・それでも俺の意志は何も無い
「おい!ジーク!」
「お前は何か言いたそうだな。なんだ?」
「俺を・・・・・・・・殴れ!」
「は?なぜ?」
「俺はテメエを疑った!お前は本当のことを言っていたのに、俺はテメエを疑った!だから俺を殴れ!これは俺のけじめだ!!」
「そうか・・・・・なら尚更断る」
「は!?なんでだ!」
「なぜ俺がお前を殴らなければならない。何度も言うがこれは俺の選択だ。別にお前のせいじゃない」
「だとしても俺の気がすまねえ!だから俺を殴れ!」
「俺がお前のために殴ったところでメリットも無い。どうでもいいお前を殴る理由は俺には無い。だから断る」
「なんだと!!テメエ・・・・俺が憎くねえのか!?」
「どっちかと言うとどうでもいい。俺はお前と関わるだけで面倒しか起こらないから。お前とはなるべく関わらないようになればそれでいい。あとティオネともな」
「え!?なんで私もよ!」
「俺はお前とベートのことが一番どうでもいい。嫌いとは別にな。お前らと話すだけで言い争いしか出ない。まともな話すらできないお前らと関わることなければ俺はそれでいい。だからお前を殴る気はないベート」
「く・・・・テメエ」
「ロキ。フィン。そんなに言うならこれだけは言っておくぞ。お前らも」
そこまで俺から何か恨み言が欲しいならと、俺はもうこんな私怨が残るようなことを避けるために。俺がこいつらにもうこんな茶番は終わりにしたいと、二年前の恨みを終わらせる
「俺は本当にもうお前達を恨んではいない。いつまでも過去のことにこだわる気は無い。疑われたのは俺に見込みが無く値しなかった、時には疑われることもあるのだと俺は学んだ。だから俺はお前らに仕返ししようとも思わない。もしお前達がそれでも俺を疑ったことに対して後悔と思い。俺に何か詫びたいと言うなら・・・・」
もう俺はロキ・ファミリアじゃない。だから決別とまではいかないが、もう俺たちは別のファミリアで、仲間ではないと。もう俺に罪滅ぼしをさせないように。二年前の後悔を終わらすよう告げる
「今度から仲間を信じてやれ。そして二年前のことはもう忘れろ。今は目の前にあるものだけを見ていろ。もう俺に詫びるな。それだけだ・・・」
「ジーク・・・・」
今言い返す言葉はこれしか思いつかなかったが。二年前の事を引き摺らずに済ませるにはこれしか無いと。俺はもう二年前のことを忘れるように言い聞かせ。もう詫びる行為を止めさせた
もう繰り返さないためにはこれが一番だと。釘を打っておく
そしてそれだけを言って。黄昏の館から去ろうとする
「じゃあなロキ。もうこれで嘘つき事件は終わりだ。俺はトールの息子。ヘスティア・ファミリアの団長として俺はお前らになすべき事はした。お前らあの過ちをもう忘れて終わりにしろ・・」
「っ・・・・・・・・ジーク!!」
「っ!」
「ホンマに・・・・・ごめん」
「・・・・・・」
帰ろうとしたらロキに抱きつかれてしまった。今度はしっかりと泣いているのがわかる。久しぶりに帰ってきて偶然あの夜にこいつ出会ったあの日もそうだったが
こいつは『俺だけには』嘘をついていたな
ここを辞めてホームを出て行こうとしたあの日もこいつは泣いていたのを知っていた。みんなに見せないようにロキ・ファミリアの主神として泣かないように我慢しているのを俺はわかっていた。久しぶりに会ったあの夜も、失望の発言をしていたが。本当は申し訳ない顔をしていた。フィン達のことを想い信頼しているのに、俺だけは嘘をついた
でもその嘘をつくのは、こいつと俺はフィン達とは違う愛情を俺に与えていたと、俺には遠慮しないくらいの言い争いできるくらいの眷属だったと俺は理解している。
それでも俺が選んだこと。感情も無い俺には・・・・・・もう彼女には癒しの言葉で励ますことすらもできなければ・・・・・・・・もう俺には・・・これくらいしか言えなかった
「本当に泣き虫だな。ロキ『叔母さん』」
これくらいしかもう俺には何も言えない。感情があったりすれば少しは罪悪感もあったりするだろうか、自分で決めて辞めたこと。もう彼女達を信じられなくなって辞めて選んだこと。それは・・・・・・後悔にもなるだろうが
もう過去を乗り越えるための
完全なる決別なものだった
「それではヘスティア・ファミリアのホーム改装祝いと。リリルカとヴェルフと命の我らファミリアの入団祝いと。アポロン・ファミリアにウォーゲームに勝利を祝って・・・・・乾杯」
「「「「「乾杯!!!!!」」」」」
そしてその後を帰りは遅くなったものの。時間通りに祝杯用の料理を用意を間に合わせ、なんとか時間通りに祝杯のパーティーを間に合わせた。
「やっとひと段落だな?ウォーゲームをした後でここまで忙しくなるとは思ってなかったな?」
「ああ。ヘスティア・ファミリアもそれだけ最大派閥とまではいかないが、お前達が入ってくれたおかげで派閥としては大きくなった。弱小ファミリアとは言え。第一冒険者である俺が一人加わるだけでも、ファミリアとしては少し功績が上がるからな。それにあまり金に裕福がなかったと言うのもあり。アポロンの賠償金のおかげで必要な機材も買えた。必要な設備はこれからのファミリア活動しても必要不可欠だからな」
「はい!ジーク殿!自分のわがままでホームに温泉を作ってくれたことを感謝します!」
「俺はお前のわがままを聞いた覚えはないが。アポロン・ファミリアのウォーゲームに協力してくれたお礼だ。喜んでくれて何よりだ」
「鍛治部屋も用意してくれてサンキューな。ジーク」
「ああ。構わないと言いたいが・・・・・・・・・俺がお前に容赦ない注文をまた頼むかもしれない。そこだけは了承してくれ。そのためにあれを作るよう頼んだ」
「んなもん構わねえよ。それだけ団長様に頼りにされているってことだ。やりがいはあるってもんだ」
「そうか・・・・・ならまた何か突然事件が起きた時用のために。クロッゾの魔剣を二本用意してくれるか。念の為の保険として」
「ああ。団長のご命令とあらば・・・」
「助かる。会計はリリルカ。お前に頼みたい。頼めるか?」
「リリにお任せを!」
「本当に大きくなりましたね?神様?」
「うん!ジーク君のおかげでここまで大きくなれたよ。本当に君が入ってくれてよかった!」
「俺は団長として、当然のことをしただけだ」
俺ばかりに感謝を言われるが。俺だけの活躍じゃないんだが、ベルがヒュアキントスを倒した働き。ヴェルフの魔剣の製作。命の重力魔法の足止め。そしてリリルカの変身魔法の隠密。全部全てが俺の成果ではない
俺はその指示をしただけで、作戦を建てただけ。功績としてはあまり無い。団長としてそれなりに働いただけだった
「そう言えば今日は帰りがやけに遅かったけど、フレイヤの話はそんなに長かった?」
「いや、遅くなった理由は・・・・帰りにロキ達に会ったからだ」
「「「「「え!?」」」」」
「ロキに!?何か言われたかい?」
「まあ・・・・・・・謝罪を受けただけだ。そんな酷い話をしたわけじゃない」
「そうか・・・・流石のロキもジーク君が二年前嘘を付いてないと聞いて。謝らないわけにもいかなかったか」
「穏便にいったから、別にそこまで重くなったりはしていない」
「そう・・・・・でもロキも辛いだろうね・・」
「アイズさん達も・・・」
「あいつらが選んだことだ。仕方ない。それにこのくらいであいつらがへこたれるはずがない。すぐに立ち直るさ」
ヘスティアもベルも落ち込んでいるのではないかとロキやアイズ達のことを心配する。真実とは言え残酷だが、真実を背く事はできない。知らなかったとは言え。もうしてしまった事は仕方ないと。受け入れるのみだろう
それでも俺はあいつらがそんな柔な連中ではないと。すぐに立ち直るだろうと思って、それ以上のことは何も言わなかった
「それでジーク様?これからのファミリア活動はどうしますか?」
「もちろんアポロン・ファミリアのウォーゲームのせいでできなかったが、タケミカヅチ・ファミリアと混合パーティーで久しぶりのダンジョン探索をしよう」
「はい!」
「やっとひと段落着きましたですしね」
「待ってました!」
「桜花殿には自分が連絡します!」
「それで構わないなヘスティア?」
「うん!構わないよ!」
許可が取れたところで、明日から桜花達を誘って久しぶりのダンジョン探索を予定に入れた。アポロンの災害など。ソーマ・ファミリアとのいざこざもあった。ファミリア騒動によってダンジョンも行けなかったから、久しぶりに行けてベル達も楽しみにしていた
「ジーク様。そのダンジョンで得る資金についてご相談があるのですが・・・」
「なんだリリルカ?その資金で買いたい物でもあるのか?」
「いいえ!そうではなくですね。実は・・・・・・
そろそろ再来週から『グランド・デイ』がありますから・・・それに資金を使いたいとリリは思っています!」
「ん?ああ・・・・・確かに再来週から『グランド・デイ』だったな?」
「そうかもうその日が近づいていたのか・・・・そうだな。その日まで資金をダンジョンで稼いで。グランド・デイに使うと言う息抜きか。その提案は俺も賛成だ。」
もうそんな時期になっていたのか
正直リリルカが知らせてくれるまでは気づかなかった。それだけオラリオも日は建っていたと理解した。またあの大きなお祭りがやってくるとは、いいタイミングだと思った。ヘスティア・ファミリアはこの一ヶ月でトラブル続きだからと
息抜きにはいいと俺も賛成した
「構わないだろうかヘスティア?」
「ジーク君・・・・・・『グランド・デイ』ってなんだい?」
「ジークさん。僕も知らないです」
「ん?ああ・・・・・・二人はまだオラリオに来てから1ヶ月半しか経ってなかったな」
「お二人とも。『三大冒険者依頼』は聞いたことがありますか?」
「あ!それなら僕は知っているよリリ!昔ゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアが。ベヒーモスとリヴァイアサンを倒して、『隻眼の竜』には敗北して、残された『隻眼の竜』は今も全世界の悲願なんだよね?」
「その通りです!ベル様!」
「その内の一つ。『陸の王者ベヒーモス』を倒した日として。ベヒーモスの依頼を達成した記念に『グランド・デイ』と言われるお祭りを毎年一年に一度。オラリオで祭りとして開催するんだ」
「それがグランド・デイですよ?」
「へえ!そうなんだ!」
「そんなお祭りがオラリオであったなんて知らなかったよ」
「グランド・デイはオラリオの中で大きなイベントだ。滅多に出さない武器や回復薬を屋台で出したり、美女コンテストなど。あとは闘技場で上級冒険者同士が模擬戦をするなど。この都市で一番のお祭りだ。そのお祭りに他国の大使や王族も来るくらいの重大なイベントだ。お前達二人でも楽しめるぞ?」
「おお!それならおばちゃんに頼んでその日は休みにしてもらおう!」
「楽しみだな!オラリオで一番のお祭りだなんて!」
「ヘスティア・ファミリアは色々と忙しかったしな。息抜きになると思う。どうだヘスティア?リリルカの提案に?」
「賛成!!是非ともそうしよう!明日からダンジョンでお祭りのお金稼ぎだ!!」
「「「「はい!!」」」」
「了解した」
そうして再来週のグランド・デイに向けて使用する金稼ぎを。明日ダンジョンで行うことになった。まさかあの大イベントがもうそのような時期になっているとは思っていなかった。
二年前も俺はティオナとレフィーヤでよく楽しんだのを覚えている。今度は別のファミリアと過ごすが、こいつらとなら・・・・・楽しく過ごせる
アポロン・ファミリアのウォーゲームを終えて自由の身になった。その祭りで穏やかをたまには味わおうと。疲れを癒すように俺もそのイベントでヒューマンらしい生活を味わおうと思った
できるなら。二年前のように美女コンテストのトラブルにならないことを祈りながら。楽しみにしていた
俺が二年前美女コンテストでトラブルに巻き込まれたことがあった。
そのトラブル内容は・・・・・・・・・・俺でも思い出したくないので、言う気はない
第二章・第二次アポロン事件・終わり