今年もよろしくお願いします
エニュオの宣戦布告
遠征は終わってから四週間後、あれから特に一回もダンジョンに入ることのない日常を送っている。
いや
静かだ
オラリオは冒険者の都市であり、いつも冒険者たちが騒がしくしているはずの先週から、騒がしい街が静か過ぎる。それだけではない。街を少し歩けば冒険者が彷徨くのを何度も見る。冒険者の街だから当然なのだが、その割には全員闘志を燃やすような戦意のある表情をしている。まるで何かを来るのを待っているのかのような
それもそのはず
ダイダロス通りの地下から『緑肉』と言う異物が『地下』から盛り上がっている
ダイダロス通りはギルドの通報により冒険者以外は立ち入り禁止になった。その緑肉は触れていい物ではなく、その緑肉でディオニュソス・ファミリアがやられたとのこと、緑肉が人間を食べる植物みたいな物になりそれに触れることは冒険者以外は禁止、ダイダロス通りは封鎖となり現在ガネーシャ・ファミリアとその他のファミリアが緑肉を処理中。ダイダロス通りの市民は、別の場所で避難区を設置してそこに避難する形となった
最近街中で、噂となっていたダイダロス通りで二柱の神の送還を確認されたらしく、間違いなくディオニュソスとタナトスの送還で間違いないだろう。ダイダロス通りで不便なことばかりが起きて、更に嫌な不気味さが感じている
俺はヘスティアに頼んでマリアとその子供たちを俺たちのホームで一旦避難させて欲しいと、俺の友人を助けて欲しいと頼んで、俺たちのホームでマリアとその子供たちであるライたちを避難させる
あの遠征から四週間後だと言うのに、今度は地上で大ごとが起きていた。ダイダロス通りから緑肉と言う植物が漏れ出すと言う、いつでも怪物か何か出てくるような異常な現象。その仕業は一人
オラリオを崩壊させようとする
『エニュオ』と言う謎の神
またしても邪神の攻撃を受けているオラリオに昔から住んでいる人間からすれば七年前と同じだろう。イヴィルスに襲撃を受けている感じがあって、遠征が終わった後でも俺たちに平穏は用意されないようだ
そんな中で俺はと言うと
「やはりか、ペルセフォネとデメテルの気配がしないと思ったら、『やられた』ようだな」
俺は一人でデメテル・ファミリアに居た
最近これだけの騒ぎの中をデメテル・ファミリアの行方やそれらしい眷属を見ないと誰もがデメテル・ファミリアを誰も見てないと聞いて、あまりに気になったから俺はデメテル・ファミリアのホームに来た。しかし、中に入ると誰も居ない。俺の気配からしてもデメテルも居らずホームでは蛻の殻だった。商業ファミリアが、ホームに居ないのはオラリオ外の畑で働いていても全員が出ていくわけではない。
不自然に決まっている、こんなことは
そのためにホームの隅々を探索する。
すると
「っ!地下への入り口か」
奥の部屋で地下に続く入り口を見つける。確か、この地下は『糠味噌を作るための部屋』。その入り口が空いているなど、普通ではないなぜなら
奥から『人の気配』がする
間違いないなく、誰か居るだろうと言っても敵ではない。どうやら先にデメテルのホームを調べていたようだ。その人の気配とは
「流石に仕事が早いな、アスフィ。お前達もデメテル・ファミリアを調べていたようだな」
「ジーク!?どうしてここに!?」
「ジーク・フリード!?」
「レベル七のヘラクレス!?」
「最近デメテル・ファミリアを見かけないと聞き、ホームに来てみれば、『やられた』ようだな?」
地下の先で、アスフィ率いるヘルメス・ファミリアと遭遇する。どうやらエニュオに関係しているとここまで捜査しているようだ。デメテルが犯人だと思っているのか?と聞いてみる
「おいアスフィ、まさかとは思うが、デメテルがエニュオだと思っているのか?」
「な!?なぜそれを!?」
「俺もエニュオについて調べていたからな。だが、デメテルがエニュオではない。それはもう調べが付いている。それにこれが証拠だしな」
「ん?なぜこの壁に書かれた事が証拠だと?」
「これはデメテルの眷属の血だ。どうやら『やられた』ようだな」
「やられた?どういうことです?」
「人質だ。デメテルの眷属を人質にした。エニュオがな?」
「どうしてそこまで調べが付いているんです!?我々でも調べるのに苦労はしたのに!?」
「詮索する範囲を広げるのと警戒をした結果だ。さて、なんて書いてある?」
どうやら、やはりデメテルがエニュオだと、『騙されている』ようだ。
むしろ、そうするようにされたのだと、全てエニュオの言われるがままにされているようだ。でなければ
壁にピエログリフで書かれたデメテルの眷属の血文字が書かれているはずがない
おそらく『何人か殺されている』。何人か殺されている上で、その殺されている眷属の血で書いたに違いない。もう俺は二代目の黒竜だから、この血文字からデメテルの眷属の子供の血であると匂いでわかった
だからそんなことを、デメテルがする筈はない
子供を誰でも愛していたあの女神がそんなはずがないからな。『あいつに嘘なんてできるはずがない』
知っているからこその、俺の断言である
そして書いてあることは
「『死に絶えろ、オラリオ。冥府の道は私が開く』・・・・・これが『あいつ』のしたかった事か」
「オラリオを崩壊させる言葉で、間違いないですね」
「どうせ下界に降りてから『ずっとこれを狙っていたんだろう』。『下界に降りて何も変わらなかった』ようだ」
「え?」
この文字だけを読んだだけですぐにわかった、爺さんの言う通り、『あの神は最初から狂っている』。だからこんな言葉を簡単に出せるんではないのかと本当に『狂っていた』のだと、本当にあんな奴を『友人』として過ごしていたのだと
俺はあんな奴に悟られないために『友人の振り』をしていたと思うと、俺も案外どうかしていると思った
これは『とんだ馬鹿騒ぎになると』本当に笑えんことをするようだ
しかし
冥府の道は私が開くか……果たして、本当にそうなるか
「ジーク?まさかとは思いますが?エニュオの正体を知っているのですか?」
「そうだと言ったら?」
「っ!一体誰なんです!?教えてください!」
「言っても無駄だ。口だけでの証拠なんて信じないだろう?それに教えるつもりはない。いずれお前の主神が『俺たちを使う』。その時は俺も奴に出向くことになるのだからな」
「え?ヘルメス様が?」
「それに、ここで『戦争』が起こる。それもファミリア総出でこれはエニュオの宣戦布告だ」
「っ!?」
もうこれだけ読めば、もう確実な『宣戦布告』の合図だ
これはもう戦争だ。エニュオからの
オラリオを滅ぼすために本当に邪神になることを選んだようだ。いや『これが快楽』なのだろう。もはや大戦にも及ぶ戦いになる。これはヘスティアに言うべきことのようだ
それと、『あいつらにも』
「アスフィ、オラリオの真北のべオル山地。山肌に隠れるように建てたデメテル・ファミリアの隠れ家がある。そこに行け。デメテルはおそらくそこだ」
「っ!どうしてわかるんです!?」
「デメテルの気配がそこからする。そこに行けば会えるはずだとヘルメスに伝えろ。俺からの話は以上だ」
そうして俺はデメテル・ファミリアのホームを出ていく
これは俺への怒りを買った意味でもある。『あの神』め、そんなに殺されたいか?そんなに狂乱が楽しいか?俺の友人にこんなことをさせるのが楽しいか?もしそうなら
俺が神殺しするまでだと。俺はまた『大罪』を起こそうとする。冥府を道をあいつが開くではなく、俺が『あいつの存在そのものを消してやる』と
この戦いは俺たちにも関わることだとわかった。狂乱より怖い『仇討ち』を見せてやると、人間の恐ろしさを『奴』に教えようと俺も戦いに出ようとする
まずは一旦ホームに戻ってヘスティアに報告する
「あ、ジークさん!」
「こっちです!」
「ライ達の避難は済んだか?」
「はい、完了しました。マリアさんの子供達は全員リリ達のホームに避難させました」
「礼を言う。突然匿って欲しいなどと、無茶なことを言ってすまなかった」
「いいですよ。前もお世話になりましたし。今度は僕たちがあの子達を守らないと」
俺は街中でベルとリリルカと合流していた
ベルとリリルカはダイダロス通り避難民区からライ達をホームに避難させるために移送をして貰った。今それが終わったらしく、マリアとその子供達は無事にヘスティア・ホームに避難できたようだ
俺が黒竜でギルドに指名手配にされた時も匿ってくれた。そのお礼を今返すべきだと、今度は俺たちが安全な場所へ避難させるためにマリアとその子供達を避難させる。より安全のために
今その帰りである
「リリルカ、ベル、マリアにあれを渡したか?」
「はい。渡しました。ですが・・・・・」
「物凄く泣いてました。数年前に帰ってこなかった子供達が、37階層で遺体を見つかったと聞いて、やっぱり帰って来なかったのはダンジョンで死んだと。本当はわかっていたようですが、流石にその報告を受けて泣き崩れてしまいました」
「そうなって当然だ。孤児院の資金を集めるために冒険者になった子供が、ダンジョンで死に、まだ遺体が残って形見も残ってそれを渡したと、しっかりした遺品を渡されれば、そうもなる。しかし、これでライ達はわかってくれるはず、冒険者になって欲しくないと言うマリアの願いがどんなに苦しいものか」
「はい。その光景を見て、ライ君たちは将来は冒険者以外の職業になると約束してくれました」
「辛いかもしれませんが、こればかりは受け入れて貰うしかない。もう二度とマリアが悲しませないためにな」
「ジークさん。次にダンジョンに行く事があったら、37階層まで行きませんか?遺体はまだ残っているかもしれないんです」
「俺も考えていたベル。もし遺体がまだ残っているなら、持ち帰ろうと考えていた。レベルも上がったから、もうそこまでは頑張れば行ける。リリルカ、その遺体があると思われる場所はわかるか?」
「はい、大体ですが余り目立たない場所ですから、確かにベル様の言う通りまだ残っているかもしれません」
「次ダンジョン行く時は、マリアのために遺体があるかわからないが37階層でその三人の遺体がもしあったら持ち帰ろう」
「「はい!!」」
ヘスティア・ホームに避難させた際
マリアに37階層で見つけた三人の遺体が所持していた遺品を渡し、その遺品がかつて孤児院の子供の所有物だった事がマリアはしっかりと覚えていたようで、数年前にダンジョンで亡くなった子供の遺品を受け取って、本当にダンジョンで死んだと知って、ダンジョンに行って帰ってこないことは知ってはいたが、まさか本当にダンジョンで死んでいるなど、思いもよらずでマリアは物凄く悲しんでいたと、ベルとリリルカに聞く
ベルとリリルカから37階層のあるルームで遺体はしっかりと残されたと聞く、なら次ダンジョンに行く事があったら37階層まで目指して、遺体があったと思われる場所に行き、遺体がもしまだ残っていたら持ち帰ろうと、まだ先の話だが提案する。マリアも遺体も確認したいはず。マリアのためにもしあったらの話だが、計画する
すると
「あ!ジーク!アルゴノゥトくん!」
「ジーク!?それにリリルカ・アーデ!?」
「ジーク・・・ベル・・・・」
「っ!ティオナとティオネ・・・」
「アイズさん!?」
「ロキ・ファミリア!?」
突然道の間取り角から、ティオネとティオナとアイズに偶然出会う
久しく出会う。彼女達とはあの事件以来会うことはほとんどない。こっちはオリンピアと遠征とかで、ロキ・ファミリアと関わりを交わすことはない。ロキ達もクノッソスの攻略で忙しかっただろうなとお互い進むべき道であまり出会うことはなかった。関わりのある関係はあっても別のファミリアである以上はそんな頻繁的に会うわけではない。
まあ、俺は久しくアイズに用があるのだが、その前にティオナが突っ掛かてくる
「ジーク!アルゴノォト君!聞いたよ!レベル上がったんだよね!アルゴノゥト君はレベル5で第一級冒険者の仲間入りで、ジークはあの猛者と同じレベル7だよね?」
「は、はい。僕もジークさん達と同じ第一級冒険者になりました」
「リリも上がりましたからね!これでレベル2です!」
「まあな」
「あんた。マジでイカれているわ。あのバロールを一人で倒すなんて、本当にあんたは黒竜なのかもね」
「実際にそうなんだが」
「偶然なんですよ。ティオネ様。バロールを倒したのは偶然そこまで落とされたからです。ジーク様は倒しに行ったわけじゃあありません」
「ジーク・・・・ベル・・・・また強くなったんだ」
「あ、はい。僕もアイズさんみたいにウダイオスを倒して強くなりました」
「おかげでお前達と同じ派閥等級は『S』だ」
ギルドの通達で、俺とベルとリリルカがレベルアップを果たしたと聞いてその話題をもう触れられる。レベル7になった理由も驚き、ティオネには怪物呼ばわりされる。実際にその通りだから言い返す気はない。倒したのも偶然そこを落とされただけで倒すしか帰る道がなかっただけだしな
アイズは俺とベルが更に強くなったことに驚いている様子はなくて、むしろ俺とベルならまたレベルが上がるだろうとわかっていた様子だった
もうアイズは俺が黒竜であることは分かっているからそれでも本当に人として扱っている。もう俺は敵として認識することはない。彼女は本当に俺をジークとして扱っているのだから
俺たちが更に強くなったのはこいつらでもわかったことだろう
しかし
「そういうお前達は、クノッソス攻略は一度目は失敗したようだな。ディオニュソス・ファミリアが犠牲になって・・・」
「う、うん」
「なに?嫌味が言いたい訳?自分たちが順調だからって」
「お前からしたらそう聞こえるだろうな、だが俺にそんな気持ちはない。ただその失敗を挽回する機会を探しているのかと聞きたかっただけだ。失敗は事実だとしても馬鹿にする気はない」
「うん、実はクノッソスである壁画があったんだけど、それについて調べているの」
「壁画?ああ・・・『邪竜ニーズホッグと六人の大精霊の六円環』のことか?」
「「っ!?」」
「知っているの!?」
「ああ、千年前以上の出来事だからな、知らないのも無理はない。文献すら無いからな」
「あ!僕も知っています!お爺ちゃんに教えてもらいました!『精霊の六円環』ですよね?」
「ああ、唯一英雄の存在しない大昔の話だ。知らないのは当然、それを目撃した『人間も死んだ』のだからな」
次のクノッソス攻略のために、クノッソスで見つかった壁画について調べているようだ
あまりにその壁画はどんな書庫でも見つからない大昔の話の壁画。それは
『邪竜ニーズホッグと六人の大精霊の六円環』
千年前以上に、まだ黒竜も出てこない大昔に大穴から出現した、最強の邪竜でその話に英雄は出てこない。邪竜ニーズホッグの強さは異常で何度も下界を滅ぼそうとした。『この世を嚙る者』と呼ばれていて、あまりの危険な強さを持っていたため、天界はニーズホッグを倒すべく六人の大精霊を送り込み、その大精霊の秘術によって滅んだ。その秘術の名は『天の扉』。ニーズホッグとその周辺を跡形も吹き飛ばす光の柱で周辺に居た人間も殺してしまったため、ニーズホッグと共に消されたからどうなったか誰も見ていないから知らない。だからどの文献にも残されておらず、その名前しか残っていなくて今の時代の人々には誰もその童話を知る者は居ないのだ
これが俺の知っているニーズホッグに関すること、ベルも知っているようで内容を俺の知っているのと違うのか聞いてみる
「ってところだな、ベルは祖父にニーズホッグと六人の大精霊についてどんなふうに聞かされた?」
「いいえ、今ジークさんの言ったことで合っていますよ。僕もお爺ちゃんにそう聞かされました。ジークさんも知ってたんですね?」
「ああ、俺は母の教えと俺の先祖の文献から調べて知った。ニーズホッグが実在している時代にも俺の先祖は居たからな。討伐する前に大精霊が先に取ったと、先祖が倒そうとしたが先に大精霊六人が終わらせた話だと、俺の故郷の書庫に残されている」
ベルは祖父であるキュロスから、俺は母トールからとニーズホッグが生きていた時代と生きていた祖先の文献。だから俺とベルは知っていた。
しかし、なぜそんな大昔のことを話すのか、まあ、考えることは一つだ
「アイズ、ティオナ、ティオネ、エニュオはその大精霊が使った天の扉でオラリオを吹き飛ばす気だぞ?それもこの周辺をも巻き込んでな。奴はオラリオを吹き飛ばしてダンジョンからモンスターを地上に解き放つ気だ。大昔みたいにな」
「「え!?」」
「「「な!?」」」
これしかないだろうな。奴の目的は地上の怪物を解き放つために大精霊の秘術を使う気だ。どうせどこかでその六人の大精霊をデミ・スピリットに食わせたんだろう。それで大精霊級の力を持ったデミ・スピリットがその秘術を使おうと、クノッソスで『詠唱』を歌っているのだとすぐにわかった
まあ、おそらくそれだけではないと思うがどの道早くしないとオラリオが消えるだろう
「話はここまでだ。早くフィンに伝えろ、でないと一刻を争うことになるぞ?ベル、リリルカ、帰るぞ?」
「ま、待ってください!ジークさん!」
「今の話はどういうことです!?」
「帰ったら説明する、俺たちにも関わる話だからな。早く行けアイズ、ティオナ、ティオネ。早くしないとエニュオの『狂乱』が始まるぞ」
「ジーク!?今の話どういうこと!?」
「どういうことよ!?それ!?」
「ちょ!?ジーク!?」
俺はアイズ達にそれだけを言って、それ以上なことを言わずにアイズ達が止めようとしても無視してベルとリリルカと共にホームに帰る
アイズ達がその壁画についてのことを教えて貰った瞬間に理解した。もうあまり猶予がないってことだ。もうエニュオはオラリオを消す方法を見つけ、その準備を始めている
もう崩壊の支度を始めている
これは俺たちヘスティア・ファミリアにも関わりがあることだと、なるべく急いでホームに戻る