ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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ヘスティア・ファミリア、再びクノッソスへ

そして夜

 

 

ヘスティア・ホームに戻り全員を集めて、今この事態に何が起きているのか、ヘスティアに全てを話して、これからの戦いに向けての説明を行う

 

ヘスティアの顔を見る限り、もうわかっているのか、まずは彼女から話をする

 

 

「エニュオのことについてね、みんなを集めたのはやっぱり、あのクノッソスの事だね?」

 

「ああ、わかっているようで何よりだ。と言うより、今の事態を知ったことで、もう地上にも危機が及んでいると君ならわかると思った」

 

 

ヘスティアはもうわかっていた

 

ダイダロス通りの地下から緑肉が出てくる始末、そして地下から『歌』が聞こえる。こんな状況だ。絶対に何が起こってもおかしくないと、今の街の状況を見てヘスティアも俺が何も言わなくても何を言うかわかっていたようだ

 

 

「そのエニュオの目的は?」

 

「オラリオを吹き飛ばして、大昔みたいにダンジョンから地上にモンスターを解き放つこと。大昔の逆戻りにする気だ」

 

「地下で歌が流れていると思っていたけど、そういうことだったんだね。間違いなく大精霊の秘術の詠唱で間違いない」

 

「天の扉、間違いなくここ周辺を吹き飛ばせる。ヘスティア様、そのエニュオと言う神は間違いなくオラリオを消すつもりです」

 

 

「うん、これは間違いなくオラリオの危機だ」

 

 

ヘスティアに敵であるエニュオの目的と、その目的達成方法を教える

 

ヘスティアも地下から歌が聞こえるのを確認している。それが精霊の詠唱であることも、アリアの言うことが確かなら、『天の扉』と言う精霊の大技。俺がバロールを倒した『エレメンタル・エンドリヒ』もその一つ。確実に散りも残さずに消し飛ばせる

 

まさしく精霊の反則技である

 

 

「精霊が居るクノッソスの階層場所は?」

 

「リリルカ」

 

「はい!間違いなく『十階層』です。ジーク様の言う六体の大精霊のデミ・スピリットもそこかと」

 

「ヘスティア様、その階層でマジックサークルが貼られていると思われる魔力を感じます。もうほとんど、大秘術の完成は近いと感じます」

 

「それだけではない。そのデミ・スピリットがあの迷宮そのものを魔法で侵食していると感じる。どうやらエニュオと言う神は精霊の全力を使ってオラリオを滅ぼす気だ。自身の居場所を祭壇に変えてでも」

 

「もう終わりは近いってか!?」

 

「もう一刻の猶予がないってことですね!」

 

「オラリオの崩壊!?」

 

 

場所はクノッソス十階層

 

そこにその大秘術を展開しようとしている大精霊のデミ・スピリットが居ると、クノッソスの近下層にしか居ないと確信する

 

そしてクノッソスの十階層から膨大な魔力をグリフォンとサラマンダーが感じる。もうデミ・スピリットの領域になっているようで、クノッソスの迷宮そのものが魔法展開ができる『祭壇』になっていると、報告を受ける

 

そして、天の扉の詠唱も、もう近い完成に至っていて終わりはもうすぐ

 

 

「クノッソスにはもうロキ・ファミリアを中心に、ディアンケヒト、ガネーシャ、ヘファイストスの派閥、そしてゼノスがもう向かっている」

 

「もう攻防が開始しているのか?」

 

「ああ、俺の気配からして数十人の気配が、クノッソスに侵入するの感知した」

 

 

もうクノッソスでは戦争は始まっているのを、ホームからでも俺は感知していた

 

元々はロキ・ファミリアが攻略を果たすべく事だったこと。だからロキ・ファミリアの団長であるフィンが中心になって皆に指示をしながら先行をしている

 

ここからでも、クノッソスの戦いが聞こえる。黒竜の感覚がより広大に感じるようになっているから

 

 

「それだけではない。『ペルセフォネ達』がクノッソスで捕らえられている」

 

「「「「「な!?」」」」」

 

「どうしてペルセフォネ君達が!?」

 

 

「ヘスティア、今までエニュオは間違いなくここに居た。しかし奴は誰にも見つかることができなかった。その理由は『エニュオに脅されて』エニュオを匿っていた『デメテル』のおかげだからだ」

 

「な!?デメテルが!?なんで!?」

 

「無論、眷属であるペルセフォネ達がエニュオに人質に取られたからだ」

 

 

そしてクノッソスの牢がある階層でペルセフォネたちが捕まっているのを感知している

 

ホームに居ないからどこにいるかと気配を辿ってみれば、なぜか彼女達がクノッソスに居ると感知する。冒険者じゃないペルセフォネ達がクノッソスに居るのは間違いなくおかしい

 

それと後はデメテルの方だ。あいつのホームを確認したところ『ぶどう酒』が多くあった。間違いなくエニュオにやられた

 

 

「エニュオがデメテルを脅しにかかるなんて」

 

「ヘスティア。更に君に聞きたいことがある。そもそもの話なんだが、エニュオは一体誰だと思う?」

 

「え?誰って・・・僕は女神だと噂で言われているけど・・・・・」

 

 

俺はエニュオが、そもそも誰なのかヘスティアに聞く

 

まだ肝心の『犯人』がわかっていない。そもそも俺たちはエニュオとの関わりはあまりないから。誰なのかなんてわからないだろう、そもそもエニュオなんて『女神』はヘスティアでも知らない神だ。だから街の皆がエニュオがオラリオを破壊しようとしていると言う噂しか知らないため、あまりに俺たちはエニュオの関わりがないから、エニュオの正体などヘスティアでも知りもしないだろう。しかし、『俺とヘスティアはある』。エニュオとの関わりに、だからその正体がわかるはずだと、俺は『キーワードと今回の戦争を引き起こした目的』をヘスティアに話す

 

 

 

 

 

 

 

「エニュオは『神酒であるぶどう酒』が好きで、それを飲み過ぎるとあり得ないくらい頭が『狂う』。殺意な狂気でも楽しむイカれた『神』。だから見たかったそいつは、地上でモンスターに人間が殺される光景を見たかった。あの『狂乱』を、数年前からこの計画を実行をしようとした。『デメテルに関係を続けていた』『天界でも神々を狂わせて神同士の殺し合いを楽しむ』イカれた『男神』が」

 

 

「・・・・・・・・・まさか・・・・ジーク君?それ本当なの?」

 

 

「ああ、『あの男』はこの下界で染まることなく、変わることはなかった。ただ『人殺しを楽しみたかった』だけの『快楽主義者』だ」

 

 

「やっぱり・・・・『彼はこの下界でも変わっていなかった』のか」

 

 

それだけを聞いて、ヘスティアもわかった

 

 

 

エニュオの正体が

 

 

 

確かにそれを聞いたら自分でも俺にも関わる神だった。そいつが犯人でエニュオ。ヘスティアは信じたくないだろう。まさか『彼』だったなんて、でも納得はしていた。それだけのキーワードと目的を聞くだけで、すぐに彼で間違いないと確信する

 

更に

 

 

「ぶどう酒は神酒。それを飲まないと狂うことはできないはず、じゃあデメテルは・・・」

 

「そういうことだ。デメテルは今頃『エニュオを名乗っている』だろう。子供を守るためにな。それだけではない自身の子供まで殺してまでして。このオラリオを崩壊させて、ダンジョンの蓋を開けるためにな」

 

「まったく・・・・・怖いことをするのは相変わらずだけど・・・・」

 

 

もう彼のことなんて怖いだけじゃあ済まないとヘスティアは『怒り』を見せる

 

ヘスティアだって『天界で同郷の出身』だからこそ、『あいつ』でも流石に下界で変わるはずだと思っていた。しかし

 

 

変わることはなかった

 

 

俺の話を聞いて、そしてこの戦争を引き起こした発端を考えるなら、エニュオの正体は『彼』でしかない。そうだと言うのなら、それだけを知った

 

ヘスティアは

 

 

 

 

「本当に狂っている!!!どうかしている!!天界であの席を渡したのに!!」

 

 

 

「「「「「っ!?・・・・」」」」」

 

「・・・・・・・・」

 

「ジークさん?そのエニュオの正体が分かったんですね?」

 

「ああ、このオラリオで『一番狂っているから』、すぐに分かった」

 

 

ヘスティアでも許せないことだった

 

この下界でどれだけ下界の子供と打ち解けていたのか、その信頼を多くあったのに、それでも下界の子供を裏切ってこの下界を滅ぼそうとしているような真似をしているのだと知って、ヘスティアは彼に怒りを向ける

 

ベル達でも驚く、ヘスティアが本気で怒るところなど見たことがない。それだけ彼女にとっては因縁なんだろう。『エニュオ』とは

 

そして

 

 

「ジーク君、彼の居場所はわかる?」

 

「ああ。奴はクノッソスだ。隠しルームに居るな」

 

 

「ジーク君、僕も行くよ……決着を付けたい。彼と」

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

「そう言うと思った。全員準備しろ!」

 

「ジークさん!?いいんですか!?神様を連れて!?」

 

「彼女のしたいことだ。させたいことをさせる。それにこれは彼女のするべきことだ。俺たちがどうこう言う話ではない。付き添いにグリフォンを護衛させる。グリフォン。頼むぞ?」

 

「はい。畏まりました。主」

 

「さて、『友人二人』を返して貰おうか、エニュオ。お前が誰を怒らせたかわからせてやる」

 

 

これでクノッソスへ向かうことが決まった

 

ヘスティアはエニュオと決着を付けるために、俺は友人二人を助けるため

 

ヘスティア・ファミリアもクノッソスへと向かう。エニュオの計画を打破するために、遠征後とは関係なくに、俺たちは動く

 

すると

 

 

 

「おーい!ヘスティア!ジーク君!ベル君!居るかい!」

 

「ジーク!私です!」

 

 

「来たか」

 

「ヘルメス!まさか!」

 

「そういうことだ。リリルカ!二人をここへ!」

 

「はい!」

 

 

突然外からヘルメスとアスフィの声が聞こえた。やはりこの事態に応じて、俺たちを必要とすると、ヘルメスが来ると思った

 

リリルカに中を入れるよう、指示をして、ヘルメスとアスフィを中に入れる

 

 

「ジーク君!ベル君!ヘスティア!お願いが・・・あれ?」

 

「やはり準備をしているようですね」

 

 

「ああ、どうせお前たちが来ると思っていた。状況を教えろ。アスフィ」

 

「僕たちはもう準備完了しています」

 

 

もう俺たちは戦闘服を着て、いつでも戦えるだけの装備をしていた。

 

俺とベルは新たに装備を身につけている

 

ベルは白い甲冑服を、前回の精霊の護符の素材を手に入れて、それを使った鎧はどんな魔法も固く防いでくれる。相手はデミ・スピリットだ。魔法対策をしないとな

 

更に、ベルにはウダイオスの黒剣を素材とした大剣を装備している。前の遠征で手に入れた素材で黒い大剣を作った。ナイフでは足りないかもしれないと、ヴェルフにベルの新たな武器を用意させた

 

 

俺は黒い甲冑の上に軍服を着ていた。

 

素材は黒竜ファフニールの鱗。俺が一週間前に一旦奴そのものに変身し、ヴェルフに手伝って貰って、リジルで俺の鱗を削り落として貰う。削り落とした鱗を俺の錬金術で軍服を作った。これで奴と同じ固さを有する。デミ・スピリットでもこの軍服を燃やせるか破けるかどうか

 

それで状況をアスフィに聞く

 

 

「地上にも食人花が出てきました。下級冒険者が今対応しています。それと酒場の者たちも・・」

 

「なるほど、シルの酒場で誰が暴れているのかと思えば『ミア』か。派手に暴れているようだな?オラリオ外からも来ているな?なんのファミリアだ?」

 

「メレンから『ニョルズ・ファミリア』『カーリー・ファミリア』にも来てもらいました」

 

「戦力は多い方が良いと思ってね」

 

「おい!?カーリー・ファミリアって、テルスキュラじゃねえか!?」

 

「ニョルズも来たか、地上ではタケミカヅチに・・・・ミアハも居るな、これなら地上のフォローは要らないな」

 

 

地上では今食人花が出ているようで、被害が地上にも及んでいるらしい。しかし下級冒険者が対応しているとのこと。ミアハ、タケミカヅチ、ニョルズ、ソーマ、デリング、そして・・・豊穣の女主人の店員まで。対応しているとのこと

 

地上にもエニュオの怪物が用意されているようだ。しかし、下級冒険者が対応しているとのこと。しかも・・・・あのミアが出るとはな。それなら地上の被害は問題なさそうだ

 

 

「クノッソスの増援は?用意してあるんだろう?」

 

「フレイヤ様の眷属が総出で向かったよ」

 

「だろうな、あいつらの気配がする。全力のようだな?」

 

「はい。ギルドから格ファミリアにミッションとのことで全員出動を要請されています。ウラノスが全派閥を投入するようにと」

 

「言われなくても、俺たちも出る。状況はもう把握した。ヘスティア!準備完了だ!」

 

「うん!行こう!」

 

「ちょ!?ヘスティア!?君も行くのかい!?」

 

「うん!僕は『あいつ』に決着を付けに行くんだ!」

 

「あいつ?・・・・っ!?まさかエニュオの正体を知っているのかい!?」

 

「ジーク君が教えてくれてね!これは僕のしたいことなんだ!僕もクノッソスへ行く!」

 

 

「ヘルメス。話はここまでだ。出るぞ!」

 

 

ヘルメスとアスフィからは状況は全て聞いた。

 

地上はもう問題ない。俺たちがやるべきことはクノッソスでペルセフォネ達を助けること、そしてデミ・スピリットの殲滅。その二つを行うのに、部隊を分けた方が良いみたいだ

 

やるべきことはもう見えた

 

クノッソスで全ファミリアが投入された。なら俺たちは俺たちのやるべき事をするだけのこと

 

準備を整えて完了し、アスフィから状況は全部聞けた。あとは外へ出て、俺たちがクノッソスに向かうだけ

 

 

「まったく!遠征後だと言うのに!はた迷惑な神様ですね!一応いつでも戦える準備はできていますけど!」

 

「仕方ないだろう。オラリオの危機なんだからな!こういう時こそ俺たちの出番だ!」

 

「自分たちはいつもこんな感じですからね。でもなぜか・・・・・武者震いがします!」

 

「私たちは世界が危機になった時は、いつもこうですからね。私もオラリオが危険だと知ったら戦わなくちゃって怖さが無くなります!」

 

「ノーム、ウンディーネ、アリア。主の命だ。我々の出番だぞ?」

 

「ええ、やりましょう。我ら四大精霊の力をあの怪物になった堕落者に教えましょう!」

 

「見せましょう!精霊王であるジーク様の下部として!アリア。貴方の娘も助けに行きましょう」

 

「ええ、そろそろあの娘の所に行かないと!待っててねアイズ!」

 

「グリフォン君、僕を頼むね?」

 

「はい!任せてください!」

 

「主様!主の言う通り、フレイヤ・ファミリアやオラリオ外からのファミリアもクノッソスに集いています。あとは・・・・・我らだけです!」

 

 

「ああ、報告感謝するグラニ。友人を救いに、決着たる神を撃ち倒しに、全員オクルスを持て!いつでも連絡できるようにな!」

 

 

俺たちは準備を整ってホームに出る

 

ヘスティア・ファミリアは世界の危機であるなら、友人のためなら動いて出る。どんな敵であろうと、全てを『悪を燃やして平和を創る』。

 

 

それが

 

 

 

 

我らヘスティア・ファミリアだ

 

 

 

「さあ、クノッソスへ行くぞ!!エニュオの計画を、今夜!終わらせるぞ!!!」

 

 

「「「「「「「「「「「「はい(おう)!!!」」」」」」」」」」」」

 

 

 

そうして、俺たちはホームを出た

 

まだ戦いに出ていないのは俺たちで最後。今夜倒すべき穢れた怪物と神を倒し、友人達を救う。これが俺たちのやるべきこと

 

 

待っていろ。ペルセフォネ、デメテルの眷属の皆。

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

『フィルヴィス』。今度は俺と面を向かって貰うぞ

 

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