ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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デメテル・ファミリア 救出

 

 

十一階層に俺たちはペルセフォネ達を救出に向かい、十一階層を隈なく捜索している。

 

ここの階層では隠し部屋がいくつもあった、俺の気配ではその先に人の気配がいくつもしている。どうやらここが侵入者を閉じ込める牢のあるルームのようだ

 

 

「グラニ!見つけたぞ!ペルセフォネも居る!この先の壁に取っ手の無い扉がある!」

 

「はい!私の嗅覚でも感知しました!」

 

「そこに!ペルセフォネ様達が!?」

 

「ここだ!!」

 

「ドアには見えませんけど!?」

 

「そういうふうに作ったんだろう。牢にしては出来が上手い。眼では気付けない牢だな」

 

「すぐに彼女達を!」

 

 

俺の気配ですぐにデメテル・ファミリアの眷属全員が牢に閉じ込められた隠し部屋を見つける。

 

そこは扉のような柄はない。しかも取っ手も無いから壁にしか見えない。下手をしたらドアだと気付かずに通り過ぎるかもしれない。牢にしているには向いている。これでは透明なドアと同義。バルカ・ペルディクスが作った階層だけのことはある

 

眼で見つけることは不可能。気配や匂いでなきゃ気づけないドアだ。だから俺やグラニじゃなきゃ気づけなかった。

 

しかし

 

気づいたのは何も俺とグラニだけじゃない。それは

 

 

「っ!ジーク!?どうしてここに!?」

 

「レイ。やはりロキ・ファミリアの所に居たか」

 

「え!?ジーク!?」

 

「なぜ貴方がここに!?」

 

「エルフィ、アリシア。なるほど。ペルセフォネ達を助けに来たのは何も俺たちだけでは無いようだな」

 

「それでは貴方達も!?」

 

「友人を助けにな」

 

「ん?ジーク?その・・・・アイズさんにそっくりな人は?」

 

「シルフ。風の大精霊シルフだ」

 

「え!?風の大精霊シルフ!?まさか・・・・また新たな精霊召喚を!?」

 

「そういうことだ」

 

 

すると横の道からレイとアリシアとエルフィが出てくる。どうやら人質が居たことに気づいたのは、何も俺たちだけじゃあ無いようだ

 

フィンも気付いていたのか、アリシア達に救助を頼んでいたようだ。どうやら俺たちが仕事を取ってしまったようだ。

 

がそうでもなく

 

 

「っ!ヴィオラスとヴィルガが居る!」

 

「え!?食人花ですか?」

 

「ああ。すまないがここは頼む、俺は一人で片付けに行く。その扉は簡単な爆破でも壊れる、そのドアを壊して、中に居る者を救出してくれ。ウンディーネ、シルフ。壊せ」

 

「はい!」

 

「ええ、これなら私の風で壊せる」

 

「頼んだぞ?」

 

 

救出は彼女達に任せて、俺は一人でここに近づこうとするヴィルガとヴィオラスの気配を感知したため、ここに近づかせないために一人で倒しに向かう

 

 

しかし

 

 

俺より先に、その処理をしている者達の気配を感知する

 

それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何も敵を殲滅して脱出口を作っているのは、ベルだけでは無いようだ

 

 

「バラバラになってはダメっす!」

 

「固まって叩け!」

 

 

ラウルとクルスが指揮を取りつつ、人質を閉じ込めている隠し部屋の近くでヴィオラスとヴィルガの大群を倒している。フィンもエニュオがデメテルの眷属を人質にしている事を知っているようで、ラウルとクルスを救出部隊として十一階層へと向かわせ、人質の脱出口を作るようにしているようだ

 

だが、エニュオもそう簡単に人質を救出させたくないのか、道中食人花が生息していた。その邪魔な食人花を一つ一つ倒しながら先へ進む

 

しかし

 

 

『『『『ギイ!!』』』』

 

 

「ラウル!また来たぞ!」

 

「数が多すぎるす!?このままじゃあ・・」

 

 

敵を倒し切ることが難しく、ヴィオラスとヴィルガが数多く出てきて、あまりの数が壁になって処理しきれない

 

できるなら援軍が欲しいが、上のスピリット・オルターを倒すのを優先しているため、援軍は来ないと二人は分かっている。だからどう切り抜ければいいか考えている

 

 

 

ザシュ!!!

 

 

『『『『『ギイ!?』』』』』

『『『『『ガア!?』』』』』

 

 

「っ!?」

 

「なんだ!?斬られた!?」

 

 

突然のことだった。ヴィオラスとヴィルガが突然真っ二つになった。もちろんラウルとクルス、その他の部下達は何もしていない、だから真っ二つになった理由がわからない

 

なぜヴィオラスとヴィルガが突然真っ二つになったのか、それは

 

 

「お前達も人質の救出か?ラウル。クルス」

 

「ジーク!?」

 

「お前!?なんでここに!?ヘスティア・ファミリアも来たのか!?」

 

「こっちは友人を救いにここに来ただけだ。そのついでにエニュオを倒しにもな」

 

 

斬ったのは俺だ

 

ヴィオラスとヴィルガの後方から俺が斬りつけた。いきなりの登場でラウルとクルスは驚く。まさか俺たちヘスティア・ファミリアが加わるとは思いもしなかっただろう。

 

クノッソスは本来ならロキ・ファミリアが攻略を果たすべく事だからな。だが俺たちはペルセフォネとその仲間の救出に来ただけだと説明する

 

 

「主!」

 

「ジーク様!ペルセフォネ様達を牢から出して治療をしています!」

 

「っ!よくやった。すぐに向かう。ラウル。クルス。俺たちはもう行くが、お前らはどうする?」

 

「自分たちも行くす!」

 

「お前らだけに任せるわけにはいかねえからな。ていうか、お前・・・あれだけの数を一人で倒すって、本当にレベル7になったんだな」

 

「まあな」

 

 

俺の後方の奥からグラニとその背中に乗る春姫が、奥でもうペルセフォネ達を見つけたと報告を受ける

 

気配からしても間違いなくペルセフォネの気配がする。その仲間も、まさかこんなに早く見つかるとは思わなかった。案外見つかりやすい場所に閉じ込めていたのだと、案外エニュオはそこだけは警戒心が無いと感じた

 

俺はすぐに向かうが

 

ラウルやクルス達も共に俺たちに付いて行く。人質をクノッソスの外に出すまでは護衛してくれそうだ

 

クルスが俺が先程、一人でかなりの数のヴィオラスとヴィルガを倒した光景を見て、俺が本当にレベル7になったことがあまりに信じられないのか、俺をまだ二年前と比較しているのか、俺がレベル7になったことに驚かされている

 

 

そんな話は置いておいて、ラウル達は俺を追いかけるように、奥へと進む

 

そして

 

 

「ペルセフォネ!」

 

「っ!ジーク!!!」

 

「大丈夫か?助けが遅くなくてすまない」

 

「ううん!絶対に助けに来てくれるって信じてた!絶対に来てくれるって・・・」

 

「遅かったことには変わりないが、その証拠に・・・・『数人くらい足りない』『やられたんだな?』」

 

「うん、あの『仮面の人』が私の仲間を!数人殺したの!デメテル様を脅すために・・・」

 

「『エイン』とか言う奴か、仇は俺が取る。あとは任せてくれ」

 

 

ペルセフォネ達を牢屋から解放し、俺が辿り着くと、ペルセフォネは尽かさずに俺に抱きつく。抱き付かれて分かったが、体がかなり震えている。間違いなく拷問をされたに違いないと確信する

 

それに俺の知っているペルセフォネの仲間が『数人見当たらない』。

 

牢に閉じ込められた人質を全員解放され、他に居ないか気配を辿るが、もう流石に居ない。となればペルセフォネの仲間が数人やられたのだと確信する

 

そうでなければペルセフォネ達が衰弱するしているはずがない

 

かなり衰弱しているため、春姫のバックパックからシルフとウンディーネとアスフィがポーションでペルセフォネ達を回復をさせる

 

仇はいずれ俺が取る

 

そしてここからどうするか

 

 

「クルス。アリシア、エルフィ、お前達の部隊でペルセフォネを地上まで運び出せるか?」

 

「ああ、そのつもりでここに来ている」

 

「はい、あとは任せてください」

 

「気をつけて、ジーク!」

 

「そうか、なら頼みたい。これで俺たち一つ目の目的は完了した。ペルセフォネ達を地上まで頼む」

 

「お前達は?」

 

「俺たちの仕事はまだ終わっていない。このまま奴らを蹴散らす。ペルセフォネの仲間を殺した奴の仇討ちもあるしな。ベルが今ここ十一階層の怪物を全部倒してくれている。安全に帰れるはずだ。頼んだぞ?」

 

「ああ、任せてくれ」

 

「ペルセフォネ。必ずお前の仲間の仇は打つ。クルス達と共にデメテルの所に戻れ」

 

「うん、気をつけて、ジーク」

 

「ああ、その前に、シルフ!」

 

「風を!」

 

ビュン!!

 

 

「っ!?その方は?これは?」

 

「俺の新しい召喚精霊、風の大精霊シルフだ」

 

「今、風の壁を皆さんに付けました。これで怪物から身を守れます」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「お前、また新しい精霊を召喚したのか?しかも・・・・・なんかアイズさんにそっくりなんだが?」

 

「それだけ俺がレベル7になっただけの力を得たってことだ。アイズ似なのは気にするな。ラウル。お前達はどうする?」

 

「自分たちもここで戦います。ラビットフットだけじゃあ大変でしょうから」

 

「そうか、ではベルの手伝いを多少で構わないからやってくれ」

 

「はいっす!」

 

「レイ、お前もそろそろゼノスの皆のところに戻れ。彼らもここに来ている。と言いたいが、一つだけ頼みたいことがある。指示を送るから、これを首に」

 

「オクルス?何か狙いがあるようですね。わかりました」

 

「それまではアリシア達が無事に脱出できるか、守ってくれ」

 

 

 

ラウルとクルス達はもう俺の仲間ではないが、指示ではなく頼みをいくつかして貰う

 

ペルセフォネたちはクルスの救出部隊に任せて、彼女達を地上へと脱出させる。ラウルは自身の部隊を引き連れてここの怪物倒しを続ける。ベル一人だけじゃあ大変だと。ここ十一階層に残るようだ。シルフに念のためにペルセフォネ達の体に風を覆う、これで多少は怪物に触れられることなく風に守られる。

 

クルスが俺が新しい精霊を仲間にしたことに驚くが、そのシルフにやけにアイズに似ていると言う、団員以外に真名を言う気はないため、気にするなと何も答えない

 

レイは皆の所に戻るようにと、ちゃんと仲間の所へ戻すよう言う。が、その前に一つだけ頼みたいことがあるため、レイの首に小さな鎖付きオクルスを首に通し、後で頼みたい仕事をやって貰うため、今は仲間の元へ戻らずにまだアリシアと共にペルセフォネ達を救出するよう護衛を頼む

 

俺たちはこのまま戦闘を続行。十一階層はベルに任せて、それ以外の俺たちは

 

更に、下へ。十二階層へ向かう。そこに倒すべき敵が

 

そして

 

 

「シルフ。待たせたな。アイズは十二階層に居る。十二階層に着いたら行っていいぞ」

 

「うん。その時は行かせて貰うね」

 

「ジーク?やはりその剣姫に似た人は精霊でしたか、しかし、なぜ剣姫にその精霊を送らせるのです?」

 

「彼女がそうしたいからだ。俺を先頭に十二階層に向かう。行くぞ!」

 

 

そして目的地である十二階層へ

 

そこにアイズがレヴィスと戦っている気配、それとベートとレフィーヤとその仲間が数人と、『エイン』と言う敵が居る

 

間違いない、やはり『彼女』はここに居た。早く彼女の元へと急ぐ。そしてシルフはそこからは単独行動を取る

 

母としてアイズを助けるために

 

 

 

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