十二階層、別ルーム
ここに居るのは、何もアイズだけでは無い。不運にもこの階層に落とされ、この階層でアイズ以外でも激戦を繰り広げる者たちが居た。しかもかなりの苦戦をしていた
たった一体を相手に
たった一体を相手に数人が相手をしている。その一体が中々倒せない。しかも数人の冒険者がやられている。しかもあのベートですら倒れていた。そんな敵がまだクノッソスに居たのだろうか、だが
その一体は怪物ではない
いや、怪物ではあるのだが、『人型』である。それは俺の知る人物である。レフィーヤにとっても、そんな人物が敵として立ち塞がるなど思いもしなかっただろう。
その相手は
「はあ・・・はあ・・・まだ戦いますよ。フィルヴィスさん!」
「なぜだ・・・・レフィーヤ。なぜそこまで・・・・立ってられる!?」
フィルヴィスである。敵はそれだけである
しかし、彼女の胸には魔石が埋め込まれている。しかも体には赤い草木が生えている。顔にも腕にも、まるで怪物のような姿。まさしく『バンシイ』と呼ばれるに似合う姿に
もうベートが率いた仲間を何人も殺している。本当にもうエルフとしての生き方はしていなかった。全ては主神デュオニュソスのために
もはやエルフを捨て、怪物としてレフィーヤやベート達を殺そうとしている
本当に心までも怪物になったのか
否
今も彼女は苦しんで生きている。エルフとしてのフィルヴィス。怪物としてのエルフの感情が混ぜ込みになってレフィーヤを殺すのか救いたいのか、自分のしたいことができずに混乱していた
彼女は死んだと、前のクノッソスの攻略で仮面を付けたクリーチャーであるエインにやられたと通達したが
彼女は死んだのではなく、エインが彼女だった
つまりエルフなどではなかった。彼女の正体は『エイン』と言う仮面を付けたクリーチャーそのものである。
彼女は最初から怪物だった。魔石はおそらくダンジョンで遭遇した『デミ・スピリット』に埋め込まれた物で間違いない。数年前に。彼女は数年前からこのような姿だった
では今まで会って来たフィルヴィスは何者なのかと言うと
分身魔法
これが彼女の三つ目の魔法。これを使っていつも俺たちの前で『エルフの振りをしていた』。姿だけを騙せば、誰も感づかれない。そう思ってやってこれたのだろう
だが
それがもうできなくなった
デュオニュソスの計画は今日で実行される。これ以上言うことを聞かなくてはならないと、もう愛されてくれないと思い。この真の姿を晒してでも。レフィーヤ達を殺す
それが愛してくれたデュオニュソスのために
だが
「どうしてだ・・・なぜ・・なぜ・・・」
「貴方を救うために!・・・・」
多くの人を殺して来たのに。レフィーヤは殺せない
仲間だった者も、エニュオの正体を知ろうとする者も、邪魔をする者も殺して来た。なのにレフィーヤは殺せない
だからこそ、まだ『フィルヴィスの意思は死んでいない』
親友だった。大切な友だった。だから殺せない。フィルヴィスはそこまで魂まで化け物にはなれない
だから
「そこまでです!フィルヴィス様!」
「そこまでです!フィルヴィス!」
「っ!?春姫・・・ウンディーネ様・・・」
「ヘスティア・ファミリアの皆さん!?ウンディーネ様!?」
グラニに乗った春姫とウンディーネがやって来た
目的はもちろんフィルヴィスを助けるためにここに来た。そのためだけにクノッソスへ来た。春姫やグラニやウンディーネがフィルヴィスの姿を見ても驚かない
事前に俺からフィルヴィスのことについて伝えてあるから春姫達は驚かない。むしろゼノスと関わって来たヘスティア・ファミリアだ。それに彼女を助けるためにここまで来た
「どうしてここに!?なぜお前達が!ウンディーネ様まで!?」
「貴方を助けにここに来たんです」
「貴方の今の現状はもう主から聞いています」
「過去でデミ・スピリットに魔石を埋め込まれたようですね」
「っ!?ジークが私のこの姿を知っているのか!?」
ウンディーネもグラニもフィルヴィスの姿を見て、若干精霊の力が入っているが、ちゃんとクリーチャーになっているのがわかる。酷く体を弄られたのがわかる。すぐにでも助けないと苦しいと判断している
そしてフィルヴィスは、俺がもう先に正体を知っていることに驚く
初めて会った時から、分身魔法で偽った姿をしているのは気づいていた。ゼノスの時も、アレスに拐われたヘスティアを助けに行くのも気づいていた。もちろん近くで本物が居ることもな
今のフィルヴィスは、クリーチャーになった自分と魔石によって生まれたエインと言う怪物の二つの体をしていた。エインと言う魔石で生まれたクリーチャーと、クリーチャーになったフィルヴィスが合わさった姿
姿はフィルヴィスと変わりはないのだが、デミ・スピリットに体に魔石を埋め込まれ、二つの体ができた
一つ目は自分自身の体と
二つ目は魔石で生まれたエインとしての体
フィルヴィスは二つの体を持って生きていた。分身魔法を出したのは自身の意思を持ったクリーチャー。デュオニュソスの指示でほぼダンジョンで行動していたのはエインだ。
エインとフィルヴィスと言う。体を二つにされて、自身の体とエインとしての体として別れてしまった。しかし、今は一つの体。実はエインとフィルヴィスが合体したのだ
つまりはちゃんとクリーチャーとしての真の姿を現した
フィルヴィスとエインは同一人であること、フィルヴィスの正体はもう知っている
「フィルヴィス。あの主神のためにこんなことをするのはやめなさい。こんなことをしても自分のためにはなりませんよ」
「ウンディーネ様、わかるはずです。この醜い私のこの姿を、こんな私を愛してくれる人なんて、あの神しか居ないんです。私は汚れているんです。バンシーとして」
「おや?たかがクリーチャーになったことで嘆きになるのですか?その程度では私には汚れているようには見えませんね。ねえ春姫さん?」
「はい、ジーク様とあんまり変わりません。それにジーク様でもこう言いますよ。『お前は穢れていない』って」
「なぜ・・・そんなことを・・・」
「私たちヘスティア・ファミリアは化け物すら友人にするような、少しおかしなファミリアなんです。そんなことで嘆いても、私たちは絶対に貴方を助けますよ、もちろんジーク様はそんな貴方の姿でも。貴方を助けるはずですから」
「ジーク・・・どうしてあいつが・・・・」
「貴方がジーク様の友人ですから、だからあの人は決して貴方を救うまで諦めませんよ。もう少しでジーク様もこちらに来ます。貴方を助けに・・」
「え!?ジークさんが来るんですか?」
「はい。ここにジークさんがもう少しで来ます。全てはフィルヴィスさんを助けるために。私たちはそのためにここに来たような者ですから」
「なぜだ・・・なぜ・・ジーク・・お前まで・・・・」
フィルヴィスは、エルフが信仰するウンディーネすら、自身の姿に嫌悪感を相手に押し付けてくる。こんな姿をした怪物など誰も愛してくれないと、誰もが仲間だと思わないと自身の全ての嫌気を嘆く
しかし
こちらはその程度では何も嫌悪感すらも感じない。化け物を隣に置くのはゼノスの友人を持つヘスティア・ファミリアは気にする範囲ではない。しかも俺と変わらない存在。フィルヴィスの化け物の姿に気にすることはグラニやウンディーネ、春姫さえもそんなことは思わなかった
言うなら『俺程ヤバい姿を眼にするより』はマシだと思っているから
少し化け物の姿になったくらいで否定などしない。こっちはその化け物を友人を持つ、どこまで甘ったらしい派閥の変わり者ばかりだからだ
フィルヴィスがクリーチャーなどになった姿でも驚く素振りは一つもなかった
むしろこのタイミングで、更におかしいことを言う
それは
「フィルヴィスさん。ヘスティア・ファミリアに入りませんか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
「私たちのファミリアならもうそんなことをしなくてもいいですし、こっちなら自由なことができますよ。私たちのファミリアに入団しませんか?」
「その姿が嫌なら主様がなんとかしてくれます。主様はデミ・スピリットやクリーチャーに関しても詳しいですので、主様の知恵ですぐにエルフの姿に戻りますよ」
「むしろそのために、我々が来たようなものです。フィルヴィスさんを我々のファミリアに入団させるために」
「フィルヴィスさんがあのベル・クラネルのファミリアに!?」
「レフィーヤ以上に・・・とんでもないことを言って来た・・・・・」
俺たちがここに来た理由の目的の一つである
フィルヴィスを団員に迎え入れること
あのデュオニュソスの所に居たら、何を狂気なことをさせるかわかったものではない。友人をそんな所に置きたくはない。それだったら俺たちの団員に入れた方がより良い人生を歩めると
愛してくれるからの理由で、あんな主神の元に居てはならないと。これはあくまで俺の提案だが
俺たちの新しい団員として迎え入れるつもりで、ここへフィルヴィスを助けに来た
今の姿が嫌なら、俺の知恵でエルフに戻す方法があると、もう迎え入れる準備はもうできている
あとは、その提案にフィルヴィスが乗るかだ
「私を団員に迎え入れるなど、できるわけがないだろう!私はもうデュオニュソス様を裏切るわけには・・・・・」
「貴方にこんなことをさせている。あの主神こそ。貴方にとっての裏切りではないんですか?」
「っ!?」
「私もジーク様に貴方やあの主神の話を詳しく聞きました。ハッキリ申し上げますと、普通ではありません。自身の眷属を上に居るデミ・スピリットの魔力路にするために生贄として捧げられるなんて、主神のすることではありません」
「フィルヴィス。貴方の仲間はあの主神に騙されて生贄にされたんですよ?それでもあの神でなきゃいけないんですか?」
「貴方が化け物だろうと愛してくれていると言っても、それが本当の愛だと貴方は信じられるのですか?こんなことをしているあの主神が?」
「そ、それは・・・・・・」
少なくとも春姫やウンディーネやグラニは、あの主神が本当にフィルヴィスを信じて愛しているのか、本当に信じられるとは思えない
狂気な神だから、そんな化け物の姿でも愛せそうだが、それでもフィルヴィスを騙しているようにしか考えられない。フィルヴィスを愛せば使えると思っているのか、道具としか思ってないと、三人は思う
仲間を生贄にし、街の人々をも騙し、オラリオを破壊しようとする。全ては自身の快楽のために、そんなことをするイカれた神を。本当に信じることができるのか
フィルヴィスに問いかける
本当にあの主神の言うことを聞くべきなのか、本当にあの主神の言うことが全てなのか、狂気なことをさせているあの主神しか信じられないのか
デュオニュソスだけが、彼女の全てなのか
「フィルヴィス様。私達の所へ来てください!一緒に団員になりましょ!」
「他の皆様も貴方を受け入れてくれます。そんな姿でも・・・・」
「主様ならその姿をなんとかできます。さあ、もうやめて。こちらに来てください。ヘスティア・ファミリアは貴方を迎えます」
「フィルヴィスさん!この方達の言う通りです。もうやめましょう!」
「春姫・・・ウンディーネ様・・・グラニ様・・・・・レフィーヤ・・・・・私は・・・」
四人の励ましの言葉と手を伸ばしたことにより、フィルヴィスは手を出そうとする
もしも、本当にもうこの体を治してくれるなら、普通に生きれる。そして親友であるレフィーヤと共に普通に過ごせる。もうデュオニュソスのイカれた事もする必要がなくなる
ヘスティア・ファミリアに入れば自由だと、デュオニュソスのことをやっと疑うようになったのか、手を差し伸べようとする
しかし
「惑わされるなフィルヴィス。それこそあの輩の言う事こそ、本当の嘘かもしれないぞ?」
「っ!?」
「フィルヴィス様から別の声が!?」
「エインです!」
「あれがフィルヴィスに埋め込まれた魔石から生まれたクリーチャーです」
突然、フィルヴィスの口から別の者の声が発声する
明らかにフィルヴィス本人の口から出た声だが、その割にはトーンも口調も違う。明らかにフィルヴィス本人の声ではない。
これがフィルヴィスの中に埋め込まれた魔石から生まれた怪物『エイン』である
今は彼女と体が一体化しているから、フィルヴィスの体一つでフィルヴィス本人とエインとしての怪物の意志が二つ入っており、言うなら体一つで二重人格が入っている状態だ
そのエインである怪物が、春姫の提案こそ嘘だと、フィルヴィスを惑わそうとする。それでもデュオニュソスの命に従うべきだと言う
「こんな穢れたお前を信じるのも愛しているのも、あの主神だけだ。あの輩の言うことなど信じる必要はない。お前はオラリオを破壊するためにあのお方の言うことを聞けばいい」
「怪物め、惑わしているのはそっちだろうに」
「流石はクリーチャーですね。所詮は精霊になれなかった造り物の癖に」
「フィルヴィス様!嘘ではありません。私たちは本当に貴方達を迎えます。その怪物にこそ惑わされないでください!」
「フィルヴィスさん。私たちを信じて!」
「わ、私は・・・・・・」
どちらかを信じて欲しいと言われても、フィルヴィスにはどちらも抗議されるような感じで言われるせいで、どちらを信じていいのかわからない
同じ体の中に居る怪物エインのいうことを聞いてデュオニュソスを信じるべきか
春姫やレフィーヤを信じるべきなのか
そんな両方から責められるように言われると、どうすべきか余計迷ってしまい。答えが出せなくなってしまう。フィルヴィスは完全に困惑した
だから
「ち、こんな簡単な問いに答えられないとは、やはりあのお方に相応しくない、私に『体を貸せ』!私がやる!!」
「よ、よせ!?や、やめろ・・・・・・っ・・」
「フィルヴィさん!?」
「っ!まずい!クリーチャーに意識が持ってかれている!」
「フィルヴィスさん!!」
「まったく・・・・やはり最初から私がやればよかったんだ。あのお方のために、レフィーヤも含めて私がお前達を殺す!!!」
「っ!?来ます!?」
「水よ!」
「きゃあ!?」
「ち、水の壁か。流石は水の大精霊か。だがあの方の邪魔をするなら容赦はしない」
意識がエインに持ってかれてしまい。フィルヴィスの意識は無くし、今のフィルヴィスの体はエインの意識だけになる。エインがフィルヴィスの体を使って、レフィーヤ達を殺そうと、まずはレフィーヤを殴りかかろうとするが
ウンディーネがレフィーヤの手前にある地面から水を吹き出して、エインの打撃を防ぐ
一度下がって、戦闘態勢を取る。もうフィルヴィスに声を掛けることはできない
「仕方がありません。戦闘を行います。春姫さん。もうエインに意識を持ってかれました。これ以上の交渉は聞きません、もう戦って倒す以外は」
「このクリーチャーをやはり先に倒さねば」
「そうみたいですね。他にフィルヴィスさんを助ける方法はありませんか?」
「あるとしたら、あの胸にある魔石です。あれを壊せば、エインを倒すことができます。ですが、あれはフィルヴィスさんの心臓でもあります。それを壊せば彼女は・・・・・」
「そうですか、ですが、そこはジーク様に策があるようですから、そこは信じましょう。レフィーヤ様!支援します!戦闘を続けてください!」
「わ、わかりました」
「ほう、水の大精霊と知らん精霊が増えたところで、私に勝てるとでも?」
もうこれ以上の交渉はできない
フィルヴィスは意識のなく、あるのはエインと言うフィルヴィスの胸に埋め込まれた魔石の意志のみ。もう魔石を壊して助ける他ない。それだと彼女も死んでしまうが、そこは俺に策があるからと、とにかく今はエインを止めることに専念する
しかし
今のエインは大量に魔力を溜め込んだ状態でもあるため、しかも上に居る『デミ・スピリットと力が繋がっている』ため、今のフィルヴィスはレベル6でも勝てない強さを持っている
いくらウンディーネとグラニが居ると言っても勝てるだろうか
が
「いいえ、戦うのは私達だけではありません」
「なに?」
「お待たせしました!」
「今来たよ!」
「ベート・ローガは居る?」
「無事ですか!皆さん!」
「アスフィさん!」
「アイシャさん!レナ様!」
「リューさん!」
「ヘルメス・ファミリアに!?バーベラ!?」
「ヘルメス・ファミリアとバーベラか。なるほど、私を倒すのに援軍を呼んだか」
春姫達の後ろからアスフィ達ヘルメス・ファミリア数人と。アイシャとレナが現れ、更にアスフィの頼みで加勢することになったリューも居る
こんな時のために、アスフィは協力できる部隊を用意してあったようだ。相手が物凄く強いのなら、数で押すしかないと、大人数でエインを倒す
「ベート・ローガ!?なんでこんなことに!?私のオスがあああ!?」
「あんたはさっきからうるさいよ。心配ならさっさと治してあげな!」
「う、うん!待っててベートローガ!今私が治しに行くからね!」
レナはベートを助けるために、ここに来たようだが、エインにやられてしまい。地面に倒れている。急いで助けようと彼女だけベートの治療に入る
そしてそれ以外はエイン退治・・・・否
まだ足りない。この人数でも、だから
「かなりやられているようですね、春姫さん」
「はい。一応フィルヴィスさんに交渉をしてみたのですが、エインと言うクリーチャーに意識を持ってかれてしまい、交渉はできないまま、あのフィルヴィスさんはもうエインになっています。もう倒すしか方法が・・・・」
「あの狼を倒したってことは、かなりの強さを持っているってことで判断していいみたいだね」
「状況を見る限りでもそのようですね。まさか同胞があのような姿に、ウンディーネ様?あの魔石を壊せばいいのですか?」
「はい、そうなると彼女も死んでしまいますが、そこは主様がなんとかしてくれます。主様も時期こちらに来ますので、それまではこちらで時間稼ぎをします」
「え!?ジークが来るんですか!?」
「はい、フィルヴィス様を助けるために、こちらにもう少しでやってきます」
「そうですか、それでは私は急用を思い出したので。これで失礼します」
「リオン!?今来たばかりだと言うのにどこへ行く気ですか!?今オラリオが危険である状況なのに、急用なんてあるはずないでしょ!?」
「離してくださいアンドロメダ!今の私はジークに会う勇気が無いんです!あの人がここに来るなんて・・・とてもじゃないですけど、まともに戦えません!」
「なに惚気ているんだい。このポンコツエルフ。ジーク・フリードが来るくらいで・・・」
「仕方ありませんよ。アイシャさん。今のリュー様はジーク様に恋をしていて、最近まともに会話ができない上に会ってくれないと、ジーク様がこの前言っていました」
「主様は本当に女性にモテすぎです。まさかあのリューにも恋焦がれるとは、前の遠征でリューを助けたと聞きましたが、その時に更に距離を縮めるような出来事でもあったのでしょうね」
「え!?あの同胞も!?ジークさんのことが好きなんですか!?ジークさんがモテるとは思ってましたけど、ここまでなんて!!!」
俺が来るまでは時間を稼ぐしかない。残念なことに今加勢を多く用意しても、あのエインを倒せるとは流石にアスフィもアイシャも思っていなかった
ただでさえ、レフィーヤ以外の仲間とレベル6でもあるあのベートでもやられている。少なくともクリーチャーになったフィルヴィスはレベル6にも並ぶ力だと思っていい
そんな敵に人数が多くても勝てるとは思えない。
だが問題はない
もう少しで俺がここに辿り着く
レベル7になった俺なら、エインを倒し、フィルヴィスを助け出す方法もあると、俺が来るのを待つために、今は時間稼ぎするしかない。のだが
リューが俺がもう時期ここに来ることを伝えると、なぜか何処かへ行こうとする
彼女が俺に恋い焦がれているのは自覚しているが、まさか会うことすら恥じらうとは俺も思いもしなかった。あれだけ俺のことを想っているとは言いつつも。実際に俺に会うことができない恥じらいを見せる。リューとの距離は良くなり過ぎたせいで、俺を避けるようになってしまった
レフィーヤも、なぜかその話についても何か納得できないような顔をしていた。理由は知らないが
だがそんなことを言っている暇はない
相手はベート・ローガも倒した敵だ。そんな敵を倒せるだなんてアスフィ達は思っていない。俺が来るまでは持ち堪えるまでだった
「いいだろう。何人でも殺してやる。全員かかって来い!!」
「来ます!皆さん!」
「春姫!私とアスフィとあのエルフ二人に!」
「はい!ウチデノコヅチ!!舞い上がれ!!」
「これは!?」
「よし、これでひとまずはレベル5です」
「どれだけ強くなったのかはわかっているが、こっちも倍強くなった」
「これで同胞の体を乗っ取るあの怪物を止めます」
「レフィーヤ。あなたは詠唱を続けてください。私が必ず守ります」
「はい!ウンディーネ様!」
エインとの戦闘が再開される。今度はアスフィ達をも含めて、エインに立ち向かう
春姫はアスフィとアイシャとリューとレフィーヤにレベルブーストで一時的にレベル一つアップしている。まだこれでもエインの力には対抗できる程強くはない。それでもやるしかない。
フィルヴィスを助けるためには
あとは俺の急ぎ次第である