ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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こちらのグランド・デイ前夜祭はとても短いので、ご了承ください


グランド・デイ 前夜祭編
前夜祭でも賑やかなものだ


 

下界のとある昔。ある偉大なる伝説

 

ある日ダンジョンから大きな古のモンスターが三体下界の外に出現した。

 

その名は・・・・

 

 

 

陸の王者ベヒーモス

 

海の覇王リヴァイアサン

 

隻眼の黒龍

 

 

 

その三体は世界最強のモンスターであり。下界を幾度も荒らし多くの国を落としたりと。下界のほとんどの地形を破壊し尽くしたモンスター。そのモンスター を倒そうと挑もうする者は何千万と言う数の敗北者と言う犠牲者を出し。その三体に下界はなす術も無く滅ぼされようとしていた

 

 

ところが

 

 

その三体を倒そうとする。二つのファミリアが現れた

 

 

その名はゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリア

 

 

その双方は今から十五年前までオラリオ最強を誇った探索系ファミリア。その二つのファミリアで協力し合い。陸の王者ベヒーモスに立ち向かい。なんとかこれを討伐することに成功した

 

その後もゼウス・ヘラ・ファミリアは海の覇王リヴァイアサンにも挑み、それすらも彼は討伐を果たした

 

 

三大冒険者依頼を二つも果たした両ファミリアを知らない者はこの世界では誰も居なくなった

 

もはや彼らはどんなモンスターをも倒し。彼らに勝てない者は居ないと下界の人々は神々も大きな功績と評価をし、信じていた

 

 

 

 

 

 

 

 

だが

 

 

彼らにも勝てないモンスターが居た

 

 

それは三大冒険者依頼の最後の依頼にして。最後のモンスター

 

 

隻眼の黒龍

 

 

黒龍に倒す手段が無く。なす術も無く滅ぼされ。主力団員を両ファミリアは出しても黒龍にだけは勝てず。彼ら両ファミリアは隻眼の黒龍により全滅した

 

 

その後ゼウス・ヘラは当時対立していたロキとフレイヤに追い打ちをかけられて。主神二人はオラリオを追放され、オラリオの外で彼ら二人を知る者は誰も居なくなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その三大冒険者依頼の一つ。陸の王者ベヒーモスを倒した記念により。オラリオで祀られた祭り。

 


『グランド・デイ』

 

 

その前夜祭が今日行われようとしていた。街ではいろんなファミリアが屋台を出したりなど。闘技場では上級冒険者の模擬戦で盛り上がり。美女コンテストでは多くの美しい女性が体を浄めて美しさを披露するなど、多く街では賑わっている。

 

ギルド職員であるエイナ・チュールが開催を宣言する

 

 

『それではグランド・デイのイブです!今日は思う存分楽しみましょう!!!』

 

 

「「「「「「おおおおおおおおおお!!!!!」」」」」

 

 

と開催宣言をエイナがし。街の人々がそれに続いて歓声を出した。オラリオで一番の大イベント。前夜祭ではあるが開催された

 

 

俺たちヘスティア・ファミリアもこの日のためにダンジョンで資金稼ぎをしていたため。大きく羽を伸ばそうと完全なオフを楽しもうとしていた

 

 

その前にギルド本部で、開催宣言をしたエイナにお疲れと俺たちは挨拶をする

 

 

「大変だったな。開催宣言の大役を頼まれるなんて・・・」

 

「本当だよジーク。私が三大冒険者依頼の語りまでして大変だったよ。ミイシャにも原稿を作るの手伝ってもらったし・・・」

 

「お疲れ様。アドバイザー君」

 

「その割には緊張せずに上手く言えたじゃないですか?」

 

「そんなことないよベル君。これを先週から130回練習したんだから。噛まずに・・・」

 

「すげえな・・・・確かに聞いてて思ったけど三大冒険者依頼の語りを噛まずに言えるのは。流石にすげえと俺も思ったな・・・・」

 

 

「だとしてもお前はギルド職員として良い宣言ではあった。流石だなエイナ」

 

「そんなことないよジーク。私こう言うのはあまり得意じゃないんだから・・・」

 

 

「そうか。お前が宣言したほうが俺としては様になるなと思ったんだがな。良いドレスも着ている。いつもとは違い綺麗だな?」

 

「ふえ!?そ、そう?」

 

「ああ。生真面目なお前とは想像つかず、貴婦人と言ったような美しい女性に見える」

 

「そ、そうなんだ・・・・・・・・・・・・先週から気合い入れて選んでよかった・・」

 

「ん?先週から選んでいたのか?その衣装?」

 

「え!?今の聞こえた!?」

 

「ああ。しっかりと・・・」

 

「その・・・・私こう言う服選んだ事もないし。似合ってないと思って今までこういうドレスは着たことないの・・・」

 

「自信がなかったのか。俺としては・・・いつものお前よりそっちの方が良いと思うがな」

 

「そ、そう?」

 

「ああ・・・・・」

 

 

普段生真面目なこいつにはとても見違えると思って良いほど。良いものを着ていると俺は偽りのないことを褒める。いつものエイナじゃないと。一応紳士らしい振る舞いをした

 

褒め方がよかったのか、エイナも顔を赤くして喜んでいる。どうやら嬉しかったようだ

 

 

 

「サポーター君?ジーク君ってやっぱりさ・・・」

 

「はいヘスティア様。ジーク様は自覚はありませんが・・・・・・リリでもハーレムを得ていると思います。特にエルフの・・・」

 

 

 

「なにか言ったか?二人とも?」

 

「「いいえ!別に!」」

 

 

「そうか、ところで・・・・・・・・ベルはあそこで何をしているんだ?」

 

「え?ベル君?」

 

「あっちでグランド・デイの展示物を飾っているところに居るよ?」

 

 

「ん?あれは・・・・・」

 

 

エイナと挨拶している中。いつの間にかベルが居なくなっていた。エイナが指差した方の部屋にベルが確かに居た

 

そしてベルはその展示物にある部屋である物を見ていた

 

 

 

それは当時ベヒーモスを倒した冒険者たちの防具だった。それをベルは眺めている。俺たちもそちらの方に行く

 

 

「ベル?何をしているんだ?」

 

「ジークさん!これ見てください!」

 

「ああ。ゼウス・ファミリアかヘラ・ファミリアのどちらかはわからないが。そのどちらかが着ていた男性冒険者と女性冒険者の防具だな。それでベヒーモスを倒したと記録と資料に残っている」

 

「はい!いいな!僕もこんなすごい装備を着てみたいな!」

 

 

「おいリトル・ルーキー。それは記録と資料で見て作ったレプリカだぞ?」

 

 

「え?あ!」

 

「ボールス・・・」

 

「よおスキールニル。聞いたぜ。アポロン・ファミリアをぶっとばしたんだって?流石だな・・・・」

 

「まあな・・・」

 

 

リヴィラの街のボスであるボールスが現れた

 

こんな大きな祭りでダンジョンに入る冒険者も居ないため。どうやら祭りを楽しもうとリヴィラの街から出てきたようだ。流石に商売にもならないのに地下に居ても意味はないだろうからな

 

 

「お前も羽伸ばしにか?」

 

「ああ。いくらなんでも前夜祭とは言え。グランド・デイでダンジョンに潜る奴なんて、相当祭り嫌いな奴くらいだろうからな」

 

「そうだな」

 

「あのボールスさん?これがレプリカってどう言う事ですか?こんなにキラキラ輝いているのに・・・」

 

「見た目はそうだが。俺たち武器マニアならわかるんだ。こんなところにそんなすげえ装備をあのギルドが置くわけねえよ」

 

「ベル。ボールスの言う通りだ。残念ながらこれは見た目だけの偽物だ」

 

「上手く似せて作ったみたいだが・・・・性能としては無い。ただのお飾りって奴だぜ。ベル」

 

「そ・・・・・そうなんだ。でもこれであのベヒーモスを倒したんですよね!」

 

「資料じゃあその通りだと言っている。ボールス。お前はこの装備二つがゼウスかヘラかどちらかのファミリアの誰の装備だったかわかるか?」

 

「いや。それは俺でも分からねえ。確か・・・・・ヘラ・ファミリアの資料や記録を元に似せて作ったって言っていたような・・・・ヘラ・ファミリアの団長と副団長の装備って聞いた気がするぞ?」

 

「ゼウスとヘラの資料と記録はそこまで詳しくは書かれてなかったか」

 

 

「だとしても・・・・・僕もこんなかっこいい装備を着て戦いたいな!」

 

「ベル?もしかしてこれみたいに幻の装備をして、巨大なモンスターと戦って、勝って英雄になりたいとか思っているのか?」

 

「え!?は・・・・はい」

 

「ベル様らしいですね?」

 

「ベル君は本当に英雄になりたいんだね?」

 

「ベル君は英雄に憧れているから・・・」

 

 

どうやらベルはかつてベヒーモスを倒した英雄たちが装備していた防具を見て。いつか自分もこんな凄い防具を着て。強いモンスター に勝って英雄になりたいと。なんとも子供らしい夢を持っていた

 

そもそもこいつはそれを目的にもダンジョンに入って強くなって英雄になりたいらしく。小さい時から英雄譚を読んでいるのか、それに影響して自分もなりたいと日々強くなりたいと前にベルから聞いたことがある

 

 

英雄になりたいか・・・・

 

 

英雄なんて最後はとんでもない結末を終えると言うのに、それになりたいなんて。ベルは確かにまだ14歳の子供だけのことはあるなと思ってしまった

 

失礼ながら

 

もちろん流石にそんな落胆させるような言葉は伏せようとこれ以上は何も言わなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エイナの挨拶を済ませて、エイナとはギルド本部で別れたその後は

 

屋台の方に向かい。そこでいろんな物を食べようと移動している。だがそっちに移動する理由はそれだけじゃない。その理由は

 

 

「命君が美女コンテストに?」

 

「ああ。なんでも千草に一緒に出るように頼まれたらしい・・・」

 

 

団員になったばかりの命がなぜかここに居なかった。その理由はかつての仲間でもあったタケミカヅチ・ファミリアの団員に頼まれて。一緒に美女コンテストに出るように頼まれたらしく。先に会場の方で準備をしていた

 

 

「タケに言われたのかな?」

 

「おそらく・・・・」

 

「大変だな。あの美女コンテストに出るなんて・・」

 

「え?そうなのヴェルフ?」

 

「ベル様は知りませんから仕方ないですけど・・・・・それに出場した女性に投票する冒険者に問題がありまして・・・」

 

 

「要するに嫉妬とかで喧嘩になるんだ。投票した自分好みの女性冒険者が優勝しなかった場合、自分好みの女性冒険者がなぜ優勝しなかったと投票者同士で文句を言い争い。最終的に喧嘩になると言う事態に。毎年なるんだ」

 

「うわ・・・・・それは大変ですね」

 

 

「それに命に参加しなければならないと言うのが、団長として同情するところだ」

 

 

毎年このグランド・デイ前夜祭で開催される美女コンテストには必ず最後は喧嘩になるなど。ベルやヘスティアは思いもしないだろう。実は言うと二年前俺もそれに巻き込まれそうになったと言う経験もある

 

 

「でも・・・・見に行かないわけにはいかないよ。主神として」

 

「まあ・・・彼女のことだから綺麗な和服を着て、少し友人に駆り出されたと口にして緊張しながら誤魔化すだろうがな」

 

「ああ。あいつもアポロンのパーティーの時。ドレス着てめっちゃ恥ずかしがっていたからな・・・・」

 

「これが水着だったりしたら・・・・・命様絶対に出ませんよ」

 

「ああ。そうだろうな」

 

「あのジークさん?もしかしてその美女コンテストの主催者って・・・」

 

 

「ベルもオラリオに染まってきたのか察しが良くなってきたな。当然主催者は・・・・・・・・・・・ヘルメスだ」

 

 

「やっぱり・・・・・」

 

 

「ヘルメスは毎年そんなことをしているのかい?」

 

「ああ。その代わり優勝したら賞金として千万ヴァリスは貰える。多分千草が出る理由はお金目当てだろうな」

 

「おお!千万ヴァリスが貰えるのは確かに凄いね!」

 

「だから・・・・・・ロキたちも出るはずだぞ。今年も」

 

 

「え!?ロキ・ファミリアが美女コンテストに出るんですか!?てことは・・・・」

 

「言っておくがベル。アイズは出ないぞ。あいつは当然そんなものに興味がないからな。今頃闘技場で自分以外の上級冒険者と模擬戦をしているだろう。あいつの頭の中身は戦って強くなること。これが一択だからな」

 

「ですよね・・・・」

 

 

「へえあのロキの子供たちも出場するんだ。ちなみに誰が出場するか知っているかい?」

 

「昨日街の人から聞いた話では・・・・・・・ティオネとティオナ。そしてレフィーヤくらいだな」

 

「へえ・・・あのアマゾン姉妹も出るんだな」

 

「あとは・・・・・・・ロキに無理矢理出場されるリヴェリアだな」

 

「うわあ・・・・確かにあのナインヘルがそんなものに志願して出場するわけないしな・・・」

 

 

「今年もトラブルが起きそうだ」

 

 

毎年のことだからわかっていたのだが、やはり今年も起こりそうだと期待はしなかった。それに団員である命も友人のために共に出場するとなれば見に行かないわけにもいかず。会場に向かい彼女の晴れ姿を見てあげるのもヘスティア・ファミリアとして当然のことだった

 

 

すると

 

 

「いらっしゃいませ・・・・ジャガ丸君は・・・・いかがです・・・か・・」

 

 

「ん?桜花か?」

 

「大男?なにをしているんだ?」

 

「うお!?お前たちか!?見ての通り・・・・・ジャガ丸君を売るために接客をしていてな・・」

 

「その割には・・・やる気のねえ接客だな?」

 

「すまん。俺もこんなことやったことはないんだ・・・・タケミカヅチ様に稼ぎ時だって言われて・・・・無理矢理頼まれたんだ」

 

「確かタケミカヅチもヘスティアと同じ店でバイトしていたな・・・」

 

「うん。グランド・デイだから稼ぎ時だろうからとタケは休みも取らずに働いているよ。でもそのタケがここに居ないってことは違う店舗の方に?」

 

「はい。違う店舗に駆り出されました」

 

「それで一人でここに働いているんですね桜花様?」

 

「ああ・・・・・売っている物はいつもと変わらないからあまり売れ行きが良くないんだけどな・・・」

 

「いつも同じ売っている物なら当然だな・・・」

 

「まあ。ここのジャガ丸君店は新作のジャガ丸君を売っているわけじゃないから。売れ行きが良くないだけだと思うが・・・・・・あっちの店は特にやばいぞ?詐欺で訴えられるほどに・・・」

 

 

「あっちの店?ん?あれは・・・・・」

 

 

桜花たちがが売れ行きに関して、桜花が働いている『ジャガ丸君店』よりも。更に奥の方でも店が開いていた。桜花は売れ行きに関してその店だけが一番酷いと言い。こちらよりも売れてないと、評判が悪く物凄く良くないと桜花は言っていた

 

 

その店は

 

 

 

「なぜだ!?なぜ売れんのだ!?」

 

「ディアンケヒト様。どれだけ『グランド・デイ特製ポーション』と書かれていても。中身は普通のポーションと変わりありませんし。ただ値段が高くなっただけですから・・・・・誰も買いたがらないと思います」

 

「単に値上げしたポーションだよね?普通のポーションと変わらないじゃ意味ないでしょ・・・・」

 

「バカモン!!普通のポーションと一緒にするな!ちゃんと『グランド・デイ』と書かれた派手な紙が置いてあるだろうが!!」

 

「だからと言って・・・・中身はポーションと変わらないじゃない・・・」

 

「一応・・・・記念の粗品もつけるようにしましょう・・・・」

 

 

「すまない二人とも。ディアンのわがままに付き合って貰い・・・」

 

 

ディアンケヒトとミアハ・ファミリアの薬舗の店だった。

 

ディアンケヒトのわがままによりただ特性と書かれた。中身は普通のポーションと変わりないのにも関わらず。値上げして多く稼ごうとしているようだが

 

客も普通のポーションと変わりないことに気づいているのか。誰も買おうとしない光景を

 

俺たちは見た

 

 

「確かに酷いな。あのクソジジイ。詐欺だってことがわからないのか。所詮神だろうと老いぼれだな・・・」

 

「ジーク君何げにディアンに関して本当に酷い言葉を使うね?まあ確かに詐欺だけど・・・・」

 

「ディアンケヒト・ファミリアもミアハ・ファミリアもこの機会に大儲けしようと店を多く出しています。確かゴブニュ・ファミリアも出しているとか・・・」

 

「ああ。それは毎年のことだろう。確か主神であるゴブニュ自身が製作した武器も売っているだとか・・・」

 

「え!?あのゴブニュ様のですか!?」

 

「ああ・・・・・だがどの道何千万ヴァリスとかだ」

 

「あ・・・・・ですよね」

 

「アミッドもナァーザも大変だな。ここ以外はこんな感じなのだろうか・・・・例えばヘファイストス・ファミリアとか・・・」

 

「あ、今年は出さないぞ?ヘファイストス様の屋台は・・・・」

 

「ん?珍しいな。今年は出さないのかヴェルフ?」

 

 

「実は・・・・・・・・・・ヘファイストス様も美女コンテストに出されているだよ」

 

 

「出されている・・・・・・椿の仕業だな?」

 

「そういうこと。ヘファイストス様もあんな団長に振り回されるなんて可哀想だぜ」

 

「椿本人は主神の美しさをもっと見せたいと言う眷属想いをしているだろうな」

 

 

ヴェルフの言う言葉に、俺は驚いた

 

ゴブニュ・ファミリアをも超える上級鍛治師が多いヘファイストス・ファミリアが今年は珍しく店舗は出さずに、楽しむ側になっているようだ。ヘファイストスに関しては苦労の間違いだと思うが

 

まああの女神でも。そう言うのに出るのもたまにいいものじゃないかと、俺は新鮮ながらヘファイストスのそんな光景を見てみたいと思った

 

ヴェルフは今も見たがっているが

 

 

「ん?」

 

「どうしましたジーク様?」

 

「あれは・・・・・シル?」

 

「え?」

 

 

するとディアンケヒトたちの店より更に奥に

 

豊饒の女主人の店舗を俺は見つけた

 

そこにシルとリュー。更にはアーニャ・クロエ・ルノアも居た。どうやら豊饒の女主人たちもグランド・デイに合わせて。特別メニューでも出しているのか。店とは別にテントなどを出したりして販売をしていた

 

だがその店に寄っていた客が何も買わずに逃げている。一体何を売っているのだろうか

 

そちらの方へ。俺たちは行く

 

 

「シル?君たちも特別メニューとかを販売しているのか?」

 

「あ!ジーク!もしかして買ってくれるの!」

 

「メニューによる。お金による。さっきからお客が逃げているようだしな・・」

 

 

「ま。まあね・・・・・・実はみんな黒い食べ物と黒い飲み物で・・・・」

 

 

「ん?これは・・・・」

 

「うげ!?なんですかこれ『ベヒーモス丼』って!?どんぶりの中が全部黒いですよ!?」

 

「こっちの『ベヒーモスティー』もだよ!?なにこれ本当にコーヒー!?汚水じゃなくて!?」

 

「このベヒーモスクッキーもだぞ!?これクッキーなのか!?消炭じゃね!?袋やリボンまで真っ黒じゃねえか!?」

 

「全部黒いじゃないですか!?」

 

 

「滋養強壮に良いようです」

 

「見た目からして滋養強壮が言い訳ないだろうリュー。グランド・デイだからと言って。料理までベヒーモスをベースに全部真っ黒にしたな・・・・・・そしてこれを作ったのはシル。君だな?」

 

「はい・・・私です」

 

「君は料理が得意じゃないんだ。無理に一人で作るな」

 

 

 

豊饒の女主人に寄って行った客が逃げるのもわかった。

 

見た目からして全部真っ黒。そんな料理を誰が食べると言うのだろうか。誰も買わないのは当然だ。食欲が湧きそうに無いこんな料理を誰が食べて美味いと言うだろうか

 

シル。ベヒーモスだからと言ってなんでも真っ黒にする必要はない

 

『ベヒーモス丼』

『ベヒーモスティー』

『ベヒーモスクッキー』

 

これ全部売れ残ることを決定だな

 

ベヒーモスをベースにするならせめて形だけあれば良いと言うのに

 

 

「ジーク?買ってくれないかな?」

 

「どうせ高いんだろ?」

 

「うん。一つ1800ヴァリス」

 

 

「高!?シルさん高すぎですよ!?」

 

「ぼったくりもいいところじゃないか!?」

 

「誰が買うんですかそんなもの!?」

 

「そりゃあ誰も買わなねえよ!?」

 

 

「頼むにゃ!買ってくれにゃ!」

 

「まあわかるけどね・・・こんな真っ黒じゃあ・・・」

 

「食い物に見えないニャ。こんなのミャーもでも買わないニャ!」

 

 

「なんとかできませんか?ジークさん?」

 

「お願いジーク!」

 

「・・・・・・・」

 

 

シルたちが困っている姿を見せられて俺はなんとか助けようと。俺は頭で考えていた。単にシルのおねだりに負けて。仕方なく手伝うことを選んだのだが

 

出来なくはないが。難しい

 

ベヒーモスと言うベースにする料理。わざわざそれをベースにする必要はない。少しこの料理にするには器用な奴でなければできない作業だ。

 

まずはそれができるかと、様子を伺いにミアがやってきた

 

 

「あ、居た居た。ってあれジークじゃないか?」

 

「おいミア。料理に関して相談がある。ちょっと来い」

 

「ああ・・・やっぱり。シルの作ったそれはダメだったか」

 

「ダメに決まっているだろ。見た目が酷すぎる。料理を手直しでも入れないとこのままじゃあ売れないぞ?シルが料理が得意じゃないことくらいあんたでも知っているだろ?」

 

「ま、まあね。やっぱりグランド・デイだからと言って。真っ黒は流石に無いと私も思ったよ・・・」

 

「流石どころか当然だ。俺が今考えたからその通りに作ってもらうぞシル?」

 

「う、うん!」

 

 

とりあえず今閃いた考えた料理に変えるため、今この真っ黒の食べ物を処分して。新しい料理を作り始める。

 

全部ベヒーモスの色にしないで、

 

 

まずはベヒーモスクッキー。

 

グランド・デイと言う文字を一つ一つ形をしたクッキーにする。袋にそのグランド・デイと言う一文字づつ入れる。色も普通に茶色で。そうすれば遊び心もあるなと思い。買った人はつい並べたくなると。これならクッキーの方は面白く買ってくれるだろう

 

名前も変更して『グランド・デイクッキー』。一つ500ヴァリス

 

 

 

 

次にベヒーモスティー

 

これに関しては俺が『ある物』を渡し。それを入れてレモンティーにすること。

 

それはハートの形をしたレモン

 

これは故郷で作ったレモンなんだが、ゲルズ姉さんに無理矢理箱ごとパンドラボックスに奥に入れられたのを先週気づき。それを今日で全部使い果たそうと。シルたちに全部渡した。それを入れてハートのレモンティーとして売る

 

名前は『レモンハートティー』。一つ400ヴァリス

 

これは流石にハート型のレモンが無くなり次第終了なため。期間限定とする

 

 

 

最後にベヒーモス丼

 

これは普通に米の上にタレが掛かった肉を盛り付けるのだが

 

盛り付け方だけ綺麗な形にすればいい。米の上に肉をただ盛り付けるのではなく、花ビラのように重ねて花の形にし盛り付ける。そして最後に真ん中に卵を入れれば

 

まるで肉の花が咲いたような盛り付けになる。

 

名前は『フラワー丼』。これは1000ヴァリスで良いだろう

 

 

と言うように、クッキー以外はグランド・デイとベヒーモスは関係ないが、色鮮やかにして形が良く。食欲が湧きそうな食べ物になった

 

 

「す、すごい!?」

 

「職人みたいに見た目が美味しそうになりました!」

 

「す、すげえ・・・・マジで肉丼が花の形をしやがる!?」

 

「うん!流石ジーク君!見た目が良くなったよ!」

 

 

「ああ、こんなもんだな。どうだミア?」

 

 

「すごいじゃないか!流石はジークじゃないか!やっぱりウチで働いてもらいたいね・・・・」

 

「俺はもうヘスティア・ファミリアの団長だ。これで構わないかシル?」

 

 

「うん!凄い綺麗になったよ!」

 

「凄いです!本当に肉丼が・・・・花の形に・・」

 

「このレモンティーも。レモンがハートの形になるなんて・・・凄いおしゃれ!」

 

「このクッキーも面白いにゃ!」

 

「普通のクッキーだけど。ついグランド・デイって並べたくなるにゃ!」

 

 

「手間はかかるが、こっちの方がさっきよりはマシだ」

 

 

さっきよりも可愛く見た目を良くした。値段も安くした。見た目も良くした。味はミアの腕で賄い。これで少しは客も興味を持って来るだろうと

 

さっそく客が来た

 

 

『お!なんだこれ!?グランド・デイの文字になったクッキーだ!?』

 

『一文字ずつになっているぞ!?』

 

『なにこのレモンティー!?レモンがハートになっているんだけど!?』

 

『この肉丼も花柄になってて可愛い!』

 

『すげえ・・・・このクッキーください!』

 

『私もこのハートレモンティーください!』

 

『このフラワー丼をくれ!』

 

 

「は、はい!ただいま!」

 

「にゃにゃ!さっそく客を取り戻したにゃ!」

 

 

すぐにシルたちが接客に戻りに行った。どうやらさっき逃げた分の客は取り戻せたようだ。やはり人が食べたくなる衝動は見た目で間違いないだろう

 

男だけでなく、女も可愛い盛り付けに眼を奪われたのか、どんどん頼んでいる

 

 

「これで構わないな。俺たちはもう行くぞ?ミア?」

 

「ああ。ありがとうよジーク!おかげで客を取り戻せた!」

 

「喜んでもらえて何よりだ」

 

 

「流石ジークさんですね・・・」

 

「あれだけ料理が上手くて、その上職人みたいにあんな盛り付けがうまいとは驚いたぜ・・・・」

 

「ジーク様。絶対に料理に関してはチート級ですよね・・・」

 

「なんだかジーク君に作れない料理は無いって感じがしてきたよ・・・」

 

 

「俺はそこまで料理人レベルじゃないんだがな・・・・」

 

 

確かに普段料理はしているが、そこまでプロの料理人とまでの腕前は持っていなかった。確かに親父が残したメモを元にいろんな料理はしてきたが。料理がチートなんて言われても。これ以上俺に何を作らせたいんだか

 

ヘスティアたちの気が知れなかった

 

まあでも、作って喜んでくれることには幸いだがな

 

 

 

シルたちの出店メニューは解決したところで。あとはシルたちに任せ

 

俺たちは命が出ている『美女コンテスト』会場に始まる前に向かう

 

 

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