ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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竜殺しは二代目黒竜ファーブニルである

 

 

俺が流した黒いオーラはクノッソス全階層に流れる。そのためそれより上層に居る。デミ・スピリットオルターと引き続き戦っている者達にも流れた

 

地面の底から

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

 

 

 

ティオナとティオネの部隊

 

 

「っ!?なにこれ!?」

 

「この圧力はなに!?」

 

「なんだ・・・・なんだこの力は!?」

 

「デミ・スピリットからではない、一体どこから!?・・・・・」

 

「この全体に広がる黒いオーラは?」

 

 

ティオナとティオネの部隊にも感じた

 

カーリー・ファミリアの団長と副団長であるアルガナやバーチェすら感づくくらいの圧力と気が重くなりそうな負の感じが血に飢えたアマゾネス達でも恐ろしく感じる闇、ヒーラーであるアミッドたちも恐る闇

 

下級冒険者でも感じる。魔のオーラ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オッタルとアナキティの部隊

 

 

「っ!これは!」

 

 

「なに!?この力は・・・・この闇は何!?」

 

 

「まさか・・・・この力は、あいつが居るのか!!」

 

 

オッタルや、アナキティ達にもその圧力を感じた。アナキティ達は何が起こっているのか理解はできていないが

 

オッタルは違う

 

この力を少し似た力を感じたことがオッタルにはある。ここでこんな力を感じられるのなら、考えることは一つ

 

 

俺が来ていると言う証拠

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼノスの部隊

 

 

「なんだ!?」

 

「これは・・・・竜圧!?」

 

「どこからなの!?・・・一体!?」

 

「これは・・・・・ジーク!!」

 

「ウィーネ?」

 

 

「ジークがここに来てる!!!」

 

 

ゼノスからでもそのオーラはモンスターの気配では敏感で、リドやグロスでも恐怖を抱く。しかし、ウィーネは違って喜んでいた

 

なぜならここに

 

 

俺がここに居ると

 

 

 

 

 

 

 

 

ガレスの部隊

 

 

「っ!これは!?」

 

「なんだ!?この力は!?」

 

 

「これは・・・・」

「黒いオーラ・・」

「なんだ・・・この闇は・・・」

「まだ何かあるのか・・・・」

 

 

「来ましたよ!命さん!」

 

「はい!ジーク殿が本気を出します!」

 

 

「なに!?ジークじゃと!?まさか・・・この力は!?」

 

 

ガレスの部隊でも黒いオーラが流れていた。当然何が起こっているのかなどわからない。ガリバー四兄弟でも。なぜこのような力が出てくるのか理解できない

 

しかし

 

そこに居た命とノームは分かっていた。この力は俺あると

 

それを聞いたガレスが、この力が俺であるならなんの力なのか感づく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リヴェリアの部隊

 

 

「これは!?」

 

 

「なんだ!?この力は!?」

 

「この黒い闇。まるで黄昏れすらも飲み込むような無限の闇!?これは我の知らない闇!?」

 

「おい!?何が起こってやがる!?この流れる闇はなんだ!?」

 

 

「ふははは!来たぞ!ヴェルフ!!」

 

「ああ!俺たちの英雄の力だ!」

 

 

「なに!?と言うことは・・・・ジークが!?」

 

 

リヴェリアの部隊にも流れる。黒い闇が

 

当然ながらなぜこのような力を流れるのか、リヴェリア達でもわからない。イルタでさえ、この慌てよう、誰でもこんな状況でなにが起こっているかなど、この闇がどこから流れているかなどわからない

 

しかし

 

ヴェルフとサラマンダーは違う。二人は喜んだ。俺が本気を出して戦っているのだと、つまりは全力全開

 

それだけを聞いたリヴェリアが、すぐに俺だと気づいた。

 

これは俺の力だと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイズとアリアが居る。十一階層でも

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

 

 

「っ!この力は!?」

 

 

「っ!?これは・・・・・ファフニールの力!?一体誰が!?」

 

「ジーク君よ」

 

「え?お母さん?」

 

「ジーク君がね。ファフニールの力を完全に手に入れたの」

 

「え!?ジークが!?」

 

 

「なに!?ジークがあの黒竜の力をやっと手に入れたのか!?まさか本当に怪物の力も手に入れるとは、やはりこの戦いが終わったら奴とも戦わなければ」

 

 

十階層より下の階層に居る、アイズやアリアにも、俺の力が伝わった

 

アイズは今でも忘れることなく、かつて憎んだファフニールの力だとすぐにわかる。しかし、奴はもう居ない、のに力を上の階層から感じるのはなぜか

 

それをアリアが答えた

 

 

俺が流している力であり、ファフニールの力を完全に手に入れたと

 

 

憎き敵の力を完全に手に入れて物にするなど、人間が怪物の力を手にするなど、しかもよりにもよってあの黒竜の力を手にするなど、俺に恐ろしさを感じるが

 

 

レヴィスは俺と殺し合うと言う快楽を味わいたい

 

 

そのため自分と同じクリーチャーになってくれたことに喜びを感じ、アイズを倒して俺とも戦いたいと、戦う衝動が抑えれないようだ。しかもあの誰もが倒せなかった黒竜ファフニールの力を手にした人間など、この世に居ることすらあり得ない

 

存在自体あり得ない。俺に戦いを挑みたいと、レヴィスはやはり俺にだけ欲を見せる

 

 

だが、それはアイズを倒せたらの話だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして最後に、フィンの部隊

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

 

 

「っ!?なんだこれは!?」

 

 

「これは!?まさか!?」

 

「なんだ!?この闇は!?」

 

「あいつだ!!」

 

「ん?」

 

「あの野郎!本当にファフニールの力を手に入れやがった!!!」

 

「ファフニール・・・・っ!?まさか!」

 

 

「これは・・・・まさか・・・・」

 

『フィン様!』

 

「ん?リリルカ・アーデ。まさかとは思うが。この闇は・・・」

 

 

『はい!ジーク様の力です!ファーブニルの力でニーズホッグをどうにかします!フィン様はそのまま戦いを継続してください!!』

 

 

「あの野郎!本気で怪物になったのか!!」

 

「ジーク。まさか君は・・・・・七体目のデミ・スピリットの存在を予知した上で、ここに・・・・と言うより、これをジークが?ジーク・・・・君はどこまで凄いんだ・・・」

 

 

最後にフィンの部隊にも流れる

 

突然のことで驚きはするが、アレンはこの闇を知っていた。アレンは黒竜の力を過去で感じたことがあるため、これがなんなのかわかる。これはファフニールの力で、俺が流しているものだと。苛立ちながらも驚きを隠せていないアレン

 

更にリリルカの連絡により、十一階層に居るニーズホッグは俺がなんとかすると、フィンは持ち場の戦闘を引き続きするようにと、リリルカに言われる

 

 

ニーズホッグの存在を知り、そして自分たちが居る場所にまで力の圧を流すことができる強さを持ち、黒竜の力を発揮していることにも、もう驚くことばかりで、凄いだけでは片付けれない偉業を俺はまた成し遂げると

 

本当に俺の強さに、フィンは違う意味で恐ろしさを感じた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その力は外までも感じていた

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

 

 

「なんだ!?この力は!?」

 

「これは・・・闇!?」

 

「なによこれ!?」

 

「これは・・・・天をも包む永遠の闇。でも・・・・・・なぜか希望に満ち溢れている。これは・・・・・『救済の闇』」

 

「これって・・・・・まさかジーク?」

 

 

地上で食人花を倒している桜花と千草、ナァーザやダフネやカサンドラにも通じていた。突然地上の底から溢れ出た黒い霧のようなものが流れる

 

突然の異常な光景に桜花達は驚く。他の地上で戦う冒険者も含めて、神、人、ゼノス達が誰もが驚く。

 

カサンドラがこの力の流れの意味を感じ取れた。恐ろしいと思う闇の力。しかしその闇の力になぜか希望を感じた。それは皆を救う闇だと言う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後にウラノスにも

 

 

「この力は・・・・・ファフニール!?まさか・・・・ジーク・フリードか!?あの大英雄が、かつて大英雄アルバードが倒せなかった黒竜を、倒すだけでなくその力を物にしたと言うのか!?下界の人間が怪物の力を手にするなど!?」

 

 

 

ギルド本部の地下に潜む。ウラノスにも伝わっていた

 

俺の流れる闇を創設神ウラノスも感じていた。無論俺がこの力を流しているのはわかっている。しかしだ。まさか人間が怪物の力を手にするなど、そんな得体の力を使いこなすなどあり得ないの一言

 

しかもそれが黒竜の力なら尚更である。かつての大英雄やゼウスとヘラの眷属達でも敵わなかった。それを討伐するだけでも偉業だと言うのに、更にその怪物の力を手にする?神であるウラノスでも驚きは隠せない。もしそうなら、今の俺の力をウラノスは考えた

 

 

「レベル7に上がったと言うのは聞いた。それに加えて神の間に生まれることのないはずの子供でアルカナムを放てる神の力を持ち、そして黒竜を倒してそのドロップアイテムを喰らいその力を手にするなど、そんな人間の器では保たないはずの三つ巴の力をあの青年は手に入れたと言うのか・・・・・・・・トール。お前はなんという下界の子供を産んだのだ・・・」

 

 

人間の力レベル7、トールのアルカナムで神の力、黒竜ファフニールの怪物の力。その三つの力を神の間に生まれた半神半人・・・いや・・半神半人半怪が扱う

 

創設神ウラノスでも恐ろしく思う。トールが下界の子供を産んで、かつての大英雄や伝説の派閥をも倒せなかった怪物を知らぬ地で倒し、その怪物の力までも手にする。そんな三つの力を持つ人間など、それを産んだトールに、ウラノスは、あのヴァルハラの自由気ままな雷神になんてことをしたんだと、少し俺の母に呆れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、十一階層

 

 

ビリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!

 

 

「っ!・・・・・ジーク!?」

 

「ヘラクレス!?」

 

「なんだその黒いオーラと黒い雷は!?」

 

 

ニーズホッグを目の前にしていたラウル達の後ろから

 

 

黒いオーラを纏った状態で、グラムの刃に黒い雷を帯びて、俺が現れる

 

 

邪竜ニーズホッグを絶滅させるために、俺が闇を纏って捻り潰しに来た。前回はまだそこまで育っていなかった竜幼児。しかし、もう立派な邪竜として成長を遂げた。これで奴を滅ぼす理由は揃っている

 

ニーズホッグが六体のデミ・スピリットに力を与えているのはわかっている。これ以上の強化はさせない

 

だから

 

 

 

封印する

 

 

 

 

「は!!!」

 

 

ビュン!!!

 

 

ズシャ!!!

 

 

『グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』

 

 

「ジークの魔剣がニーズホッグの首に刺さった!?」

 

 

俺は奴の首にグラムを突き刺すように投げた

 

ニーズホッグの首に簡単に奥まで魔剣が突き刺さり、魔剣が突き刺さって苦しそうな悲鳴を上げる。ダメージとしては十分な一撃だ、だが

 

これで終わりではない

 

 

俺は右手で上げて

 

 

指を鳴らす

 

 

 

ファーブニル・フルーフ

 

 

 

パチン!

 

ビリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!

 

 

『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』

 

 

「魔剣グラムから黒い雷がニーズホッグの体全体に流れているす!?っ!?それだけじゃない!?ニーズホッグから紫色の文字みたいなのが流れているす!?」

 

 

「レアカースの流出を確認、これでいいだろう。リリルカ。ニーズホッグに呪詛を掛けた。奴の力はもう使えない。フィン達に伝えろ」

 

『はい!これでデミ・スピリットオルター六体が片付きます!!』

 

 

俺のレアスキルである呪詛のレアスキルで、ニーズホッグの力を封印した。その証拠にニーズホッグの身体全域に紫色のルーン文字が流れている。これでニーズホッグは何もできない。

 

ゼウスとヘラの眷属の魔法をも封印したファーブニルの呪詛を俺は全力で使った。

 

 

リリルカに、フィン達に集中攻撃を掛けろと呼び掛ける。これで上に居るデミ・スピリットオルター六体の力も封印される。ニーズホッグと力が繋がっているなら、上に居る六体の力も封印される

 

 

これで俺たちの勝利は確実となった

 

 

役目を終えたグラムを手に呼び寄せて、突き刺さったグラムは俺の手元に飛んでくる。グラムを回収して、それだけをして

 

 

 

俺はその場から去る

 

 

「ラウル。これでニーズホッグは力を失った。これで奴はもう無力だ。簡単に倒せるぞ?」

 

 

「ジーク!?まだニーズホッグが生きているす!倒してくれないんすか!?」

 

 

「とどめは・・・別の者がする」

 

 

「別の者?」

 

 

ニーズホッグの力は封印した。しかし、奴はまだ生きている

 

とどめを刺して貰えると、ラウルは俺がここに来たのならそこまでしてくれると思ったようだが、俺はそこまでしない。俺は奴の力を封印しただけ

 

とどめは

 

 

あいつにやって貰う

 

 

 

「ジークさん!」

 

「お待たせしました!」

 

 

「ベルを連れて来たな、レイ」

 

 

「はい!指示通りに!」

 

 

「ラビットフット!?レイ!?」

 

 

「ラウル。とどめはベルが打つ。やれるな?ベル?」

 

「はい!任せてください!!」

 

 

すると、隠し扉の方から、レイがベルを連れてやってくる。

 

 

ニーズホッグに止めを刺すのは俺ではなく、ベルである

 

 

ベルはもうニーズホッグを倒せるレベルや力を手にしている。ベルにニーズホッグを倒して貰うために、彼一人にこの階層に残って貰っていた

 

ニーズホッグの息の根を止めることはベルでもできる

 

ここはベルに任せて、俺はフィルヴィスの元へ

 

 

「では、頼んだぞ」

 

「はい!お願いします。四分・・・・・いいえ、五分だけでいいですので!僕を守ってください!」

 

「ラウル。ベルを守って貰えるか?ベルにニーズホッグを倒せる力を持っている。チャージを貯める時間稼ぎを頼む」

 

 

「本当なんすか?」

 

 

「はい。お願いします」

 

 

「・・・・・・・よし!わかりました!!全員ラビットフットを守れ!!!彼にあの邪竜を倒す時間を稼ぐす!!」

 

「いいんですか?ラウルさん?」

 

「自分は・・・・ラビットフットを信じるす!」

 

「・・・・・・わかりました!みんな!盾だ!!!」

 

「「「「「「おお!!」」」」」」

 

 

ベルは倒せるには倒せるが、チャージが必要。ベルのレアスキルには時間が要る。そのために、ラウル達はここでベルを守るために盾となる

 

ベルに倒す方法があるならと、ラウルは他のファミリアだろうと信じて、ベルを守ると、ラウルの部下達もラウルの言うことを信じて、ベルを守る

 

 

ニーズホッグの力は封印したから、弱くなっていて、もうニーズホッグに耐性は無い。これで勝利はもう少し目の前となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?なんだ!?・・・・・ニーズホッグの力が消えた!?」

 

 

「っ!皆さん!主がやってくれましたよ!」

 

「はい!ニーズホッグの力を封印したんですね!」

 

 

「何!?どういうことだ!?」

 

 

「簡単です。主には魔法を封印するレアスキルを持っているんです。主がニーズホッグに呪詛を掛けて、力を封印したんです。これで私たちの勝ちは近いです」

 

 

「なんだと!?おのれ英雄ヘラクレス!!!」

 

 

一方、春姫達がエインと引き続き戦闘を続けている中、

 

 

エインが突然、ニーズホッグの力を失ったと感知した

 

 

エインはニーズホッグの力を感知できるクリーチャーでもあった。繋がってはいないが、気配はその上に居るデミ・スピリットオルターよりも感じる。そのニーズホッグの力が失ったことにより、エインの状況が不利になる

 

 

そして

 

 

ドカン!!!!!

 

 

「っ!?なんだ!?」

 

 

「っ!人!」

 

「この魔力は・・・・・まさか!」

 

 

突然天井が砕けて、上の階から誰かが落ちて来た。

 

気配からして一人、ウンディーネは魔力を感知して、誰がここへ来たのか、すぐにわかった。天井を砕いてここに降って来たのは

 

 

 

 

「待たせたな、春姫。ウンディーネ」

 

 

「ジーク様!」

 

「主様!」

 

「ジーク!来てくれましたか!」

 

「ジーク!」

 

 

「派手に激戦しているな、そして・・・・・派手な姿をしているな・・・・フィルヴィス。いや・・・・今はエインか」

 

 

「ジーク・フリード!?おのれまさかここに現れるとは!!」

 

 

天井を壊して出て来たのは俺だ。クノッソスの壁や地面や天井が例えアダマンタイトやオリハルコンだったとしても、もう俺はそれすら簡単に壊せる

 

やっとフィルヴィスの元へ到着した。とは言っても、表情と声が違う。今はエインであることが既に奴を見て理解した

 

 

「無事か?お前達?」

 

 

「はい!今の所は!」

 

「主も!ご無事で!」

 

「来てくれましたか!ヘラクレス!」

 

「助かるよ。レベル7のアンタが居れば、あの怪物もなんとかなるさね」

 

「じ、じ、ジーク・・・・・本当に来たんですね?」

 

「無事で何よりだ。苦戦はしていたようだが、それでリューはなんでそんなに恥ずかしがっているんだ?」

 

「ジークさん!?どうしてここに!?」

 

「決まっている。フィルヴィスを助けに来た。その様子だと、お前もここに居たんだな、レフィーヤ」

 

 

とりあえず、見る限りでは無事のように見える。まだ誰もやられてはいないように見えるが、何やら何かに消された跡のようなものが地面にある

 

ベートが率いた仲間がやられたのだろう。おそらくエインの雷魔法で焼かれたのだろう。今ここに居るのはヘルメス・ファミリアが数人とアイシャとウンディーネと春姫と。レフィーヤと倒れているベートと、それを治しているレナ・ナタリー

 

のみしかここに居ない

 

それ以外はエインにやられたようだ。

 

とにかく、もう少しで終盤戦。さっさと終わらせようと、エインの方を向く

 

 

「声からして瞳にしてフィルヴィスではない。エインの方か、フィルヴィスを出せ。お前に話す気はない。殺戮を楽しむクリーチャーに用など無い」

 

 

「フィルヴィスだと、お前はあの女の友人か何かか?そう言われて・・・・易々とあいつを・・」

 

 

バコン!!!!!

 

 

「ぐは!?」

 

 

「出さないなら痛みつけるだけだ。さっさとフィルヴィスを出せ、穢れた精霊に造られた贋作如きに喋ることなど何も無い」

 

 

「早い!?」

 

「いつの間に!?さっきまで私たちの隣に居たのに!?」

 

「まるでヴァナ・フレイヤ・・・いいえ、それよりも瞬時に動いた!?」

 

 

これ以上エインが無駄口を叩くなら、容赦しないと奴が喋っている最中だと言うのに、俺は奴の腹に目掛けて蹴りを入れた。もうレベル7だから。奴の耐久では耐え切れない一撃を入れる

 

更に避ける事ができない程の速さで、瞬時にエインの目の前まで来た。さっきまで春姫達の隣に居たのに、もうレベル7になって素早さも変わった

 

 

「ぐふ・・・・なんだこの重い一撃は!?・・」

 

 

「早く出せ、出さないのなら今度は腕を折る。その次は足だ。最後にお前の心臓である魔石を壊すぞ?」

 

「ジーク様、容赦なさすぎです!?」

 

「相変わらずの敵への容赦なさですね」

 

 

「チイ・・・おいヘラクレスが呼んでいるぞ。お前が出ろ」

 

 

やっと俺の脅しが効いたのか、エインは意識をフィルヴィスに戻す。顔を下に向けて気を失ったかのような意識が一瞬消える。そして再び顔を上げる

 

瞳がエルフの眼になっている。フィルヴィスに戻ったようだ

 

 

「っ!ジーク・・・お前が・・なぜ!?」

 

 

「友人であるお前を助けに来た。と言ったら信じられるか?」

 

 

「私が・・・友人だと・・・・何を馬鹿な・・」

 

 

「レフィーヤと同じだ。俺も今そんな姿であろうと友人を助けるためにここへ来た。それだけのことだ」

 

 

「お前までレフィーヤと同じことを言うのか、こんな穢れた私を・・・」

 

 

「穢れた?俺にはモンスターの姿にしか見えないが、それがどうした?すぐにでも俺が治せる。だから戦いはもうやめろ。それともまだ続けるか?お前を利用しているデュオニュソスのためにまだこんなことをするか?」

 

 

「私のこの体を治す?そんな事ができるわけがない!どうやってできると言うんだ!」

 

 

「それはまず、お前の胸にある魔石を壊してからだ。それでから治せる。信じられないか?」

 

 

「私は・・・・そんなことを望んでいない。私はあのお方のための悲願のために、殺戮をしないとならないんだ」

 

 

「信じられるのか?」

 

 

「え?」

 

 

「春姫やレフィーヤが散々お前に言ったとは思うが、これだけのことをしておいて、更にお前がそんな姿でも、デュオニュソスを信じる事ができるのか?それで後悔しないか?」

 

 

「わ・・・・私は・・・・・・私にはあの神しか居ないんだ!!こんな穢れた私にはあのお方しか居ないんだ!!」

 

 

「俺は頼れないのか?」

 

 

「お、お前は・・・・・頼れない。お前はきっと後悔する。こんな姿をした私と一緒に居たら、他が何を言うかわからないぞ!」

 

 

「他人の眼を気にしているのか?穢れている・・・・穢れているか・・・・」

 

 

「なんだ?何が言いたい?」

 

 

フィルヴィスは意識を取り戻して、俺の存在に気づいて俺の問いに答え続ける

 

何度聞いても、俺の助けなど要らないと諄く言った

 

もう信じられるのはデュオニュソスだけだと、化物となった自分には、もう愛してくれる者はデュオニュソスしか居ないと答える。頑に自身が怪物になったことを気にしているようだ

 

自身がクリーチャーってだけで、もう何もかも信じられず、そんな姿をしても愛してくれたデュオニュソスしか信じられないと答える

 

 

それでも助けたいと言っている、俺やレフィーヤを前にしても、揺るぐことはなかった

 

 

中身まで怪物になったのだろうか、もう信じられる者が限られていると思っているようで、どんな言葉を聞いても、聞いてくれなかった。

 

 

そんなに穢れているとほざくなら、怪物だと否定をするのなら

 

 

やることは一つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ俺も『怪物』なればいいのか?」

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

 

 

 

 

「え!?ジークさん!?」

 

「ジーク様!?もしかして!?」

 

「ここで変身するのですか!?」

 

 

 

なら俺も化け物になれば分かち合えると思い、俺はフィルヴィスに提案する

 

 

もちろんなぜそんな意味不明な提案を出されるのか、理解できないフィルヴィスは呆然する。いったいどう言う事でそんなことを言っているのか、レフィーヤは俺がクリーチャーになると思っているが、春姫とウンディーネはそれがどう言う意味なのかすぐにわかる

 

 

俺の今することは、事情を知る春姫とウンディーネしか知らないこと

 

 

そのためにパンドラボックスからフロッティを出し

 

そして

 

 

 

「ルーン文字接続・・・・ふん!!!」

 

 

フロッティの刃に黒色のルーン文字を流して、自身の心臓にフロッティを刺した

 

 

 

「な!?何を!?」

 

 

 

「ヘラクレス!?自身の剣で胸を刺してどうするんです!?」

 

「自殺なわけないさ、また変なことをするに決まっている?」

 

「ジークなら、あり得そうです。シル。貴方は一体ジークに何をしたのですか?」

 

 

当然なぜいきなりフロッティで自身の心臓に目掛けて刺したなど、誰もがわからないとして常識だ。ましてや自殺じゃああるまいし

 

しかし

 

アスフィは驚くが、アイシャとリューは何かするのだと、何かするために必要な手段だと、大胆なことだが、俺が何かすると思っている

 

 

俺の心臓にフロッティの感触が感じる。これでルーン文字を体全域に流して展開する

 

 

恐怖、後悔、無念、嫌悪、軽蔑、嫉妬、罪悪、殺意、怨念、苦痛、憤怒、空虚、傲慢、強欲、色欲、暴食、狂気、残酷、怠惰、悲嘆、虚栄、淫蕩、絶滅、滅亡、破滅、闘争、憎悪、そして絶望と終焉、負の全神経統一完了!黒竜解放!!!

 

 

「黒竜!?まさかここでファフニールに変身する気か!?」

 

 

「ん?にしては・・・・詠唱の最後の部分で何か別の言葉が?」

 

 

 

俺はルーン魔術武装の展開を始める

 

俺が黒竜と口にした瞬間、フィルヴィスも俺が前にセントラルパークで変身した黒竜そのものに、ここで返信しようとしているのだと気づいた

 

しかし

 

リューは違和感に気付く、詠唱で別の言葉が含まれていることに、ファーブニルドラグーンとは別の詠唱をしているのだと気付く

 

そう、俺はファーブニルそのものに変身するわけではない。これは新たなルーンアーマメントにして、黒竜の完全制御を果たした姿

 

 

 

「ルーン・アーマメント発動!!!」

 

 

ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!

 

 

「な!?ジークが黒い闇の球体に飲み込まれた!?」

 

 

「何をする気なんですか!?水の大精霊ウンディーネ!」

 

「見ればかわかります!」

 

「ジーク様の新しい姿です!」

 

 

俺の胸から闇が溢れ出し、俺の体を包む程の闇の球体が俺を飲み込む。その中で俺は姿を変える。これは新たな力にして、人間が怪物の力を得た結果の姿。黒竜を支配する事ができた俺の新たな力

 

その新たな姿を、フィルヴィス達に晒す

 

 

ブウウウウウウウウン!!!!

 

 

「っ!・・・・・・ん?な!?」

 

 

「その姿は!?」

 

「おいおいなんだありゃあ!?」

 

「あの姿は!?」

 

 

 

「ジークさんが・・・ヴィーブルみたいに!?」

 

 

 

球体は突風を巻き起こして、球体が爆発するように消える。

 

そして、中で現れた俺の姿に、フィルヴィスだけでなく、アスフィ、アイシャ、リュー、そしてレフィーヤも驚く

 

その俺の姿は

 

 

人の形をしたまま、俺の頭から二本の黒竜の角が生えた。更に俺の背中に、今度は片方ではなく、二本の翼が生える。更に腰の上から鋭い尻尾と、腕と足は黒竜そのものの鱗で覆われた腕と足をした。だが人の形をしまま、その姿で黒竜の一部を体現させた

 

その新たなルーンアーマメントの名は

 

 

 

 

 

ファーブニル・リッター。黒竜の力を手にした姿だ」

 

 

 

 

 

「こ、黒竜だと・・・・まるでヴィーブルのような・・・・・」

 

 

「どうだ?この姿は?お前より禍々しい姿をしているだろう。俺もこの姿が俺の体の一部にして怪物。お前と同じ存在なわけだ。ただし、お前よりも・・・・・・・・悍しい力を帯びてな?」

 

 

ブウウウウウウウウン!!!!

 

 

「っ!?このオーラはさっきの!?これが・・・『黒竜の魔圧』!?」

 

 

俺の体から闇のオーラをフィルヴィスに流す

 

それだけで彼女は足を震えた。彼女はクリーチャーでありながら俺の姿に恐怖をした、俺と同じ怪物の姿、しかし、フィルヴィスと俺の姿では完全に異なっている

 

クリーチャーの姿と、俺の黒竜が人型になるとでは全然異なる強さを圧を感じたからだ。今の俺の姿は完全な制御を果たした姿、人間が怪物の力を得ると、このような姿をする

 

 

「俺もこれで怪物になった。仲間が増えた気分はどうだ?これでもお前は自分の気持ちは俺にはわからないと言うか?」

 

 

「なぜ・・・そんな姿に・・・・」

 

 

「やっと制御ができただけだ。だが、悍ましいだろう?こんな恐怖を纏うような姿。相手を恐怖をさせる、今は無いがエギルの髪飾りを付ければ更に恐れる、恐怖を体現させた姿!こんな姿を誰も受け入れることなどできないだろう!」

 

 

人の姿をしているが、羽や翼や角を生やしたこの悪魔のよう見えるこの姿

 

エギルの髪飾りを付ければ更に恐怖は増す。俺の恐ろしい姿にクリーチャーであるフィルヴォスでさえ恐れる

 

 

今の俺はフィルヴィスと同じ立場

 

 

こんな悍しい怪物を誰が人として扱う?誰がこんな怪物を英雄と呼ぶ?否、そんな者は居ない。今まで怪物を敵にしてきた人類に、そんな受入れなど誰も居ない

 

しかし

 

 

「だが俺の仲間は違う!こんな姿でもここに居る春姫、ウンディーネ、グラニ、ここには居ないベル、ヴェルフ、サラマンダー、命、ノーム、グリフォン、ヘスティア。そして・・・・シルは!俺がこんな姿でも受け入れてくれた!」

 

 

「そんな姿でも・・・・・」

 

 

「そうだとも、お前がそんな姿でも俺達は受け入れよう。お前が穢れていようとも。俺たちはヘスティア・ファミリアは怪物を友人にするようなおかしな派閥だ。お前くらい仲間に加えても平然に受け入れられる!」

 

「そうですよ!フィルヴィス様!ヘスティア・ファミリアに入りましょう!」

 

「あなたの居場所は、まだここにありますよ」

 

 

「ジーク・・・・春姫・・・ウンディーネ様・・・・・」

 

 

「フィルヴィスさん!ジークさんを信じてください!今のジークさんはファーブニルでも、私もジークさんを信じます!!」

 

 

「レフィーヤ・・・・・・・」

 

 

「さあ!私の手を取って!」

 

「俺たちの所へ来い」

 

 

 

「レフィーヤ・・・・ジーク・・・・」

 

 

 

俺がこんな姿でも、俺の仲間や主神は受け入れてくれた。ゼノスを友人にしているくらいだ。俺たちはある意味、常識にしてもまともなファミリアではない。だからこそフィルヴィスの居場所は俺たちのファミリアで作れる

 

デュオニュソスには作れない。平和な環境を

 

 

俺とレフィーヤはフィルヴィスの名を呼んで手を伸ばす・その言葉を聞いて、フィルヴィスも徐々に手を伸ばす

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふざけるな!!!」

 

 

 

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

「やはり邪魔するか・・・・エイン」

 

 

「あのお方をお前はまた裏切るのか!!」

 

 

「フィルヴィスさん!?」

 

「無駄だ。またエインに意識が乗り変わった」

 

 

もう少しでフィルヴィスが俺たちに助けを求めた所で、突然意識がエインに乗り替わる

 

エインの方はデュオニュソスの計画通りに動くことしか頭にないようで、クリーチャーとしての考えを、狂気な考えを持って、フィルヴィスの意識を引っ込めて自身の意識へと変えた

 

邪魔することはわかっていた。やはりエインを倒さなくては、彼女は助けられないようだ

 

 

「やはり魔石を壊す以外、フィルヴィスを助ける他無いようだ。デュオニュソスの計画を実行したら、お前も怪物の餌になるぞ?それでもか?」

 

 

「諄い!私はあのお方に寵愛を受けている!疑うことなど無い!!!例え同じ怪物になった貴様でも!!」

 

 

「だそうだ。全員戦闘続行。あの魔石を壊せ!そうすれば奴を殺せる!!今度は俺もやる」

 

「ヘラクレス!それだと彼女は・・・・」

 

「その後は俺がなんとかする。策がある。まずはあの魔石を壊すんだ」

 

「アスフィさん。ここは主の指示に従ってください」

 

「ウンディーネ・・・・・わかりました。皆、ヘラクレスの指示に」

 

「助かるね。レベル7が居ると」

 

「リュー。俺の指示には従えるな?とは言っても、全力全開で挑め。いいな?」

 

「は、はい!!任せてください!あなたの期待に応えて見せます!」

 

 

やはりエインを倒さないと終わらない

 

今度は俺も参加して、戦闘を続行する。俺無しでもかなり苦戦していたようだが、今のエインはレベルで測るような強さでは無い。少なくともレベル六一人では足りない戦力が必要

 

だから俺も出る

 

 

だが、その前に

 

 

「だがまだ待て、そろそろあいつを起こす」

 

「ジークさん?」

 

 

そろそろ起こさねばならない奴を起こしに、戦いを始める前に、そいつの場所へ行く。そいつは今少し離れた場所でレナ・ナタリーに治療されてまだ気絶していた

 

その男の名は

 

 

ベート・ローガである

 

 

エインに派手にやられたようだ。さっさとこの男を起こすべきだと、より戦いが有利になるように。こいつも必要だと起こしに行く

 

 

「ベート・ローガ!起きて!お願い!」

 

 

「レナ・ナタリー。そこを退いて貰う。俺が起こす」

 

「ん?え!?誰!?もしかして・・・ジーク・フリード?」

 

「ああ、退いて貰おうか?こいつを起こすには『コツが要る』。だから俺が起こす」

 

「わ、わかった」

 

 

そうして治療中のレナ・ナタリーが少し下がる。レナ・ナタリーは黒竜騎士になった俺の姿に驚くも指示に従う。こいつを起こす。こいつを起こす方法は常に一つ。そんな声だけで起きるわけがない。こいつが気絶して叩き起こす方法を俺は二年前もした

 

その方法は

 

 

ガン!!!

 

 

「え!?」

 

「さっさと起きろ。クソ犬。でないと何度も俺が踏みつけるぞ?」

 

 

俺がベートを起こした方法は

 

 

奴の顔を何度も足で踏みつけること

 

 

これが俺が二年前にやった奴の起こし方、とても荒い上に、起こすと言うよりも叩き起こすと言っても、もはや暴力でこいつを起こすしかこいつは起きない

 

それでも起きないようだと、俺はある言葉を置いておく

 

 

「お前は俺より強くなるんじゃなかったのか?それなのにあんな贋作に負けて終わるのか?さっさと立て!いつか俺より強くなるんだろ?なら立て!!今のお前は俺より弱者だぞ!!!」

 

 

俺より強くなると息巻いたこのお事がこのザマでは情けない以外ない。こいつがあんな贋作如きに負けるなど、だから俺がさっさと立って、あいつに再戦しろと、顔を何度も踏んで叩き起こす

 

これだけ荒い起こし方をするのは。こいつがこの程度ではないからだ。俺の知るこの男は、この程度ではない。何度でも弱さを味わったからこそ強さにこだわる折れない心を持った男

 

だから、俺はこの程度で倒れるはずがないと、ベートの強さを信じる

 

 

「さあ立て、それとも俺が全部やっていいのか?クソ犬?」

 

 

最後に放つ、この言葉が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシ!!!

 

 

「っ!?」

 

「・・・・・・遅いぞ。起きるのが」

 

 

突然、俺の踏みつける足に、腕で止めるような感触を感じた。どうやらやっと起きたようだ。そうさ、この男は負けない

 

まだな

 

 

 

「う、う、うるせええええええええええ!!!テメエに言われなくても!俺はまだ戦える!!!クソヒューマン!!!」

 

 

 

「ベート・ローガ!!!」

 

 

「馬鹿な!?あの攻撃でまだ生きているだと!?」

 

 

「甘いなエイン。この男はお前の攻撃程度では死なない。俺より強くなるまではな」

 

 

ベートが起きた

 

 

この程度で奴が死ぬわけがない。まだ俺よりも強くなってないんだ。それに今奴は俺よりレベルが低い。そんな今の状況で俺よりレベルを追い越されたまま終わるはずがない。もう一度立って、必ずエインに再戦すると信じていた

 

 

「お前の倒れた姿を見るのも。またお前の顔に踏み付ける事ができるとはな、それだけ強かったか?エインは?」

 

「は、たまたま油断しただけだ。まだ本気を出してねえ。それにテメエ・・・・その姿は・・・」

 

「説明要るか?」

 

「・・・・・・いや。それだけテメエが更に強くなったって事だろ?俺はそれでも負けねえ!」

 

「それでこそお前だ。再戦だ。今度は俺もやらせて貰う。指示はしない。好きに暴れていいぞ。ただレフィーヤの邪魔だけはするな」

 

「あのノロマにできるのか?あいつを倒すことが?」

 

「できるさ。俺も手伝う。友人の命が賭けられている。あいつならできると、そこはあいつを信じろ」

 

「ふん、あいつを倒すのは俺だ。テメエでも、あのノロマじゃねえ」

 

「ベート・ローガ!本当によかった!生きてて!」

 

「一々泣くんじゃねえ!俺はこのくらいじゃあ負けねえ!」

 

 

ベートは今の俺の姿を見るも、驚くことなく説明も聞かないで、俺と共に皆の所へ戻って持ち場に戻る。それだけ強くなったと、俺がこんな姿になった事情は聞かなかった

 

それにそんなことを聞いても、ベートは負けない。それでも戦いを続ける。更に強いあのエインを倒すために

 

さらなる強さと言う高みを追い求めて

 

 

「待たせたな、再戦だ」

 

 

「おのれ英雄め!!そこまであの方の邪魔をするか!」

 

 

「邪神の目指す冥府は俺たちが破壊する。お前達の好きにはさせない。そのためにフィルヴィスを巻き込んだ罪。償って貰うぞ」

 

 

「ニーズホッグも居る私たちに勝てると思うな!!」

 

 

再びエインの前に立つ

 

エインは俺にここまで揚げ足を取られたことに苛立っているのか、冷静さを失っている。この状況を見て追い込まれているのが分かるのだろう。しかもニーズホッグの力は封印されている。まだニーズホッグが生きていることには変わりないが、それでもまだ勝機があると思っているのか、エインは負け惜しみを見せる

 

しかし

 

 

「ニーズホッグか、もうあの邪竜も終わるけどな?」

 

 

「なに?」

 

 

ニーズホッグは確かにまだ生きている。しかし、もうそんなに長くは生きられないと、もう少しで奴は死に絶えると俺は言う

 

その証拠に

 

 

 

ゴン!ゴン!!ゴン!!!

 

 

「来たか・・・・・」

 

 

「なんだ?なんだこの鐘の音は!?」

 

 

「この鐘は・・・・・・まさか!」

 

「ああ、あいつがニーズホッグを倒す」

 

 

突然、大鐘の音が響く

 

クノッソス全域に響いた。この鐘の音が鳴る理由は一つのみ。これはニーズホッグが倒される合図、この戦いの決着に導く終わりの音

 

音からして場所は上の階層、それも11階層。この音を鳴らしてるのは

 

 

「まさか・・・・ベル・クラネル!?」

 

「ああ、この戦いに決着はもう少しだ」

 

 

そう、ベルのレアスキルの大鐘の音

 

ニーズホッグを倒すためにチャージを溜め終わるアイズの音、ラウル達は上手くベルを守れているようだ。

 

つまりはこの戦いに終わりはもう近づいている

 

そろそろ上の者達もこの戦いに決着が付きそうだ。この戦いも終わりに近づく

 

ベルが鳴らす、この大鐘によって

 

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