ニーベルンゲン・シックザール〜竜殺しの英雄譚〜   作:ソール

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化け物でも救える

 

 

「アイズもレヴィスに勝ったか、ニーズホッグも終わり、六体のデミ・スピリットオルターも終わったか、フィン達も他の者ももう少しでこっちに来る、あとは・・・・・エインだけか」

 

「おいジーク!何を喋ってやがる!さっさと手伝え!」

 

「ああ、今取り掛かる。周りがどうなっているのか、気配で確認したかっただけだ」

 

 

「っ!?レヴィスも・・・ニーズホッグの気配も消えている!?」

 

 

「ああ、あとはお前だけだ・・・・エイン」

 

 

ニーズホッグに続いて、レヴィスの生命反応が消えたと気配で察知した。ここまで完全に追い込まれた。あとはヴィルガやヴィオラスとヴィスクムとヴァルグと残党くらいしか居ない。

 

クリーチャーはもう

 

 

ここに居るエインのみ

 

 

完全にデュオニュソスの計画は完全に壊れた。エイン一人と極彩色のモンスターの残りではどうにもならない。しかし、もう始めたここの戦いをやめることはできない

 

もうデュオニュソスの期待に応えることができない状況になったと言うのに

 

戦いをやめる考えなんて、クリーチャーであるエインがするはずもないか、と

 

 

最後の敵、エインを倒す

 

 

「レフィーヤ、エインをある程度抵抗できない程無力化はする、お前はあの胸にある魔石を壊せ。そうすればエインは死に意識はフィルヴィスに戻る。元々はフィルヴィスの体だからな、魔石を壊せばエインの魂は消える」

 

「ジークさん。魔石を壊したらフィルヴィスさんも死んでしまいますけど、そこは本当に策があるんですよね?」

 

「ああ、俺にはある。今は奴の魔石を壊すことを考えろ。いいな?」

 

「は、はい!」

 

「それ以外は引き続きエインの体力を削る。体を多少をボロボロにしても構わん。なんとしても反撃できないように痛めつけろ」

 

「後から来たテメエが俺に命令するな!」

 

「それだけ吠えずら掛ければ威勢としては十分だ」

 

「誰が吠えずらだ!!」

 

 

それ以外は引き続き、エインの体力を削るようにと抵抗できないように体を痛みつける。魔石がエインの心臓でもある。フィルヴィスのでもあるが、フィスヴィスはその後は俺がなんとかできるため、とりあえずまずは魔石が壊せるような体制にさせる

 

エインも計画が壊れたとはいえ、ここで死ぬつもりはないだろうからな、その往生際の悪さはクリーチャーらしいと感じた

 

 

だが、エインは強い。レベルなら6ってところか

 

 

先ほどベートがやられたくらいだ。今のエインはベートと同じレベル6ってところだ。魔力の大きさで感じる限りの強さとして、つまりはアイシャとリューとアスフィは力が足りない。春姫のウチデノコヅチで一つレベルが上がっても足りない

 

だから

 

 

「アイシャ、リュー、武器を俺の前に出せ」

 

「ん?ああ」

 

「何をするのですか?」

 

「レベルだけでは足りん。これを使え」

 

 

ガシ!!と俺はアイシャの大剣とリューの短剣の二つをフロッティを地面に刺し両腕で刃を掴む。すると

 

ボオ!!!

 

 

「うお!?黒竜の黒い炎!?」

 

「刃全体に!?」

 

「お前達二人に刃に黒竜の炎を掛けた。指で触るなよ。お前達二人には攻撃が足りない分それをエインに擦りでもいいから当てろ。そうすればもうエインはかなりのダメージを負える」

 

 

「なんだと!?」

 

 

「ほう、流石は黒竜の炎だね」

 

「つまりは魔剣ですか、これを当てればあのクリーチャーでも耐えられまい」

 

「無力化するには十分だ。アスフィ、お前にはこれだ。受け取れ」

 

「これは?袋?何か入っている?中身は・・・・これは!?」

 

「使えるアイテムが入っている。状況見て使え」

 

「わかりました!これは使えそうな物ばかり、有効に使わせて貰います」

 

 

俺はアイシャの大剣、リューの短剣二本の刃に両手から黒い炎を浴びさせ、刃だけに黒い炎が纏う。これをエインの体に擦りでもいいから付けてもかなりの火傷を負える。クリーチャーの皮膚でも耐えきれない炎を。まあ黒竜の魔剣と言うことだ

 

それだけでなく、アスフィにアイテムがいくつか入った袋を渡す。中身は・・・・今相手の身動きを止めるの良い物ばかり。それを上手く状況を見て、使えと指示する

 

マジックメーカーのアスフィならできるだろうと俺は渡した

 

 

「ウンディーネ。手加減抜きで、魔法を使いまくれ。俺の魔力を譲渡する」

 

「ありがとうございます。あれは流石に本気でないと、止めれそうにないです」

 

「春姫!ベートとレフィーヤにレベルブーストを残り二つを!」

 

「はい!!最後の二つをあのお二方に渡します!!・・・・ウチデノコヅチ!!」

 

「これは・・・・・」

 

「なんですか!?これは!?」

 

「レベルが一時的に上がる魔法だ。とにかくそれで戦え、それでないと勝てないぞ」

 

「なんだか・・・力が更に上がったような」

 

「これなら・・・・あいつを潰せる!」

 

 

「待たせたなエイン。さあ・・・・・決着だ。デュオニュソスの最後の眷属よ!!!」

 

 

「おのれ!英雄ヘラクレスウウウウウ!!!」

 

 

再度挑むのには、レフィーヤもベートも今の力じゃあ足りない。だからそのために、残り二つのウチデノコヅチの二つの力を、レフィーヤとベートに与える。それで一時的にレベルが一つ上がる

 

 

エインに再度挑むためには、より何か工夫できる強さを上乗せにする必要がある。そうでなければまたやられるだけだ

 

 

だが、今回は俺も居る。これで勝つための準備は完了した

 

 

あとは、俺たち次第でエインを倒せるかだ

 

 

「先陣だ。ベート。着いて来これるな?」

 

「テメエに言われるまでもねえ!」

 

 

「ぐう!英雄が加勢に入ったところで!!ぐふ!?」

 

 

「俺も怪物だ、対等になっても、余裕で居られるか?」

 

「俺も今はレベル7だ。ジークに遅れねえ!」

 

 

「ジークさんとベートさんがまた一緒に戦っている。またこんな光景が見れるなんて!」

 

 

まずは先陣をする。俺とベートで

 

俺は今黒竜の人型と言うクリーチャーと変わりない怪物、そしてベートは春姫のレベルブーストで一時的にレベル7、昔戦略でやった戦力で我慢強さもある俺とベートが先陣する

 

二年前も、これで敵であるモンスターを二人だけで引きつけた。仲間の退路の確保と、逃げる時間を稼ぐために

 

 

だからレフィーヤには懐かしい光景

 

 

レフィーヤ、俺とベートが共に戦う所を何度も見ている。腐れ縁とも相容れないとも言える俺たち二人ではあるが、それでも共通の敵を倒す時は、常に共に戦える。ここだけ仲が良いのは、俺たちの変な所だろう

 

 

だが、それでエインが怯み。さっきまでの戦いとは違い、余裕が見れなくなる

 

 

「追撃!」

 

 

「ああ!」

「はい!」

 

 

「っ!?両方から!」

 

 

「焼かれな!」

「覚悟!」

 

 

「ぐうう!!ぐわあああ!?」

 

 

「さっきより効いている!」

「手応えはあります!」

 

 

俺とベートだけが先陣するだけでなく、両方の横からアイシャとリューが追撃する。

 

数だけが増しただけでなく、力も増したからエインはもう本気で挑まねばやられると防御態勢を取る。が、黒竜の黒炎に直撃し、クリーチャーの腕肉も徐々に燃えていく

 

その炎の恐ろしさに、足でアイシャとリューの腹を蹴って下がらせる

 

 

「ぐう!!」

 

 

「ぐ!ちい!」

 

「く!威力は確かにありますが、深くまで入らなければ!」

 

「もちろんできるように俺とベートが先手を取る。ベート!」

 

「このまま叩き潰してやる!」

 

 

「図に乗るな!!一掃せよ!破邪の聖杖!ディオ・テュルソス!!!」

 

 

「雷魔法か、俺には通用しない」

 

 

ビリリリリリリリリリ!!!!

 

 

「なに!?魔法吸収しているだと!?」

 

 

「違う。『雷を吸収』している。俺にとって雷は体の一部だ。そんなものは通用しない」

 

 

アイシャとリューが追撃できるように、俺とベートが先陣を切る。特攻できる俺たちが二人が斬り込める戦況を作らねば

 

だがエインもやられるだけで終わるつもりもなく。雷魔法で俺たちに攻撃してくる

 

しかし

 

それを俺の左手で受け止める。

 

エインの雷魔法は俺の左手の中に全て吸い取られる。マジックドレインではなく、単純に雷そのものが操れる俺に雷など意のまま。これでも雷の神の息子。当然雷は俺の体の一部。魔法であろうとそれが雷であるなら、俺の物。ダメージなど入るどころかもはや充電もしくは回復に過ぎない

 

 

「図に乗るなと言ったな?いや・・・・・容赦しないだけだ!」

 

 

ガ!!

 

 

「ぐふ!?」

 

 

「ベート!」

 

「ああ!」

 

 

「ぐふ!?がは!?ぶは!!」

 

 

「どうだ?ファーブニルの打撃を喰らう気分は?」

 

「今度は俺も攻撃が通る!このまま潰してやる!」

 

「ベート!!遅いぞ!俺のほうが殴るのがもっと早いぞ!」

 

「ああ!?テメエより俺の方が早いに決まっているだろう!」

 

「なら、ここで俺に見せてみろ!ここにサンドバックがある訳だしな!」

 

「上等だ!俺の方が早いってところを見せてやる!」

 

 

「ふ・・・ふざ・・・・・けるなあああ!!」

 

 

「なら反撃して見せろ!できるならな!それまでに二人とも詠唱!!」

 

 

「愚かな我が声に応じ、今一度星火の加護を、汝を見捨てし者に光の慈悲を!!」

 

「雄々しき戦士よ。たくましき豪傑よ、欲深き非道の英傑よ!」

 

 

「詠・・・唱だと・・・がは!・・お・・おのれ!」

 

 

俺とベートが両手の拳でエインを打撃で何度も与えている間に、リューとアイシャは詠唱を開始する。

 

今俺とベートが引きつける。その間に次の追撃を、リューとアイシャに魔法を展開させる

 

更に

 

 

「主!お下がりを!」

 

「っ!ベート!一度下がれ!」

 

「っ!ふ!」

 

 

「っ!・・・なに!?」

 

 

「アクア・ウェーブ!!」

 

 

ザブン!!ザブン!!

 

 

「ぐ!!」

 

 

「アスフィさん!今です!」

 

「凍りなさい!!」

 

 

ピキピキ!!!

 

 

「な!?波を凍らせた!?か・・・体が!」

 

 

「まさか波を凍らせる、フリーズオイルを持っているとは、流石ヘラクレスです!」

 

 

俺とベートは一度下がる

 

そして、後ろで控えていたウンディーネが大波の魔法を発動させる。その大波にエインは飲み込まれる。それだけでなく、タラりあで宙を飛ぶアスフィが、その大波に俺が渡した袋の中から水色の液体が入ったグラスを取り出し、それをウンディーネの出した大波に落とすと、大波全体が凍る

 

大波に飲み込まれたエインは、飲み込まれたまま水波も凍らされてしまい。身動きが凍っていて動けない

 

身動きが取れない今なら

 

 

「今だ!二人とも!」

 

 

「ルミノス・ウインド!!!」

 

「ヘル・カイオス!!!」

 

 

ドガン!!!ドガン!!ドガン!!!

 

 

「ぐわあああああああああ!!!」

 

 

リューとアイシャの魔法が炸裂する

 

凍った大波を壊してでも、エインに直撃する。流石のクリーチャーでも、レベルブーストでレベル5の魔法は流石のエインにも通用する

 

しかし

 

 

「よし、次だ!レフィーヤ!!」

 

 

「はい!雨の如く降りそそぎ、蛮族共を焼き払え!ヒュゼレイド・ファラーリカ!!!」

 

 

魔法二つの攻撃だけでは足りないことは承知

 

だから後方で控えているレフィーヤに詠唱をさせて、そのままエインに炎の広域攻撃魔法で、炎の矢の雨がエインの上空から降り注ぐ

 

 

ガン!ガン!!ガン!!!

 

 

「がああああああ!!おのれ!!」

 

 

「っ!まだ生きているのか!?」

 

「不死身!?」

 

「クリーチャーと言うのはそういうものです!」

 

「だが手応えはある。このまま反撃できないよう、追撃を引き続き、攻撃だ!!」

 

 

エインの体は少し燃えて負傷気味だが

 

まだ倒れない

 

クリーチャーと言うのは、魔石を壊さない限り死なない生き物。だからアイシャ、リュー、レフィーヤの三つの魔法で攻撃しても、魔石が壊れなければ生きている

 

だがダメージが入っていて大分消耗しているのは事実。だから

 

 

「ベート。出し惜しみできる相手じゃないぞ?って言えばわかるな?」

 

「ああ・・ふう・・・・戒められし悪狼の王。一傷拘束。ニ傷痛叫。三傷打杭。飢えなる涎が唯一の希望。川を築き血潮と交ざり涙を洗え・・」

 

 

「っ!?ヴァナルガンドが詠唱だと!?」

 

 

あまりに使おうとしないベートの魔法の詠唱を始める

 

エインは魔石が壊れない限り死なない怪物。その怪物に更に痛みつけるには、更に強い攻撃を、そのためにはベートも本気を出すと、唯一にして一つだけの魔法を発動させる

 

 

「させ・・・ぐは!?」

 

 

「いいや、邪魔をするな!」

 

「ええ、ここは私たちが!」

 

「させません!」

 

 

俺とウンディーネとアスフィが接近戦で、エインの足止めをする。あれだけやられてまだ戦える体力があるのは、やはりクリーチャーの強さ

 

俺が無闇に、接近戦で攻撃していると

 

 

「ぐ!舐めるな!!」

 

 

ガキン!!

 

 

「・・・・・」

 

 

「な!?硬い!?・・・ぐ!・・・く!」

 

 

ガキン!ガキン!!ガキン!!!

 

 

「な!?・・・か・・・硬すぎる!?」

 

 

「それで終わりか?ふ!」

 

 

バキ!!!

 

 

「うぐ!?があああああ!!!」

 

 

「クリーチャーの打撃が効いてない!?ヘラクレスはなんでクリーチャーの攻撃が効かないんですか!?」

 

「今の主は、黒竜であるため体は魔法すらでも効かない硬い装甲ですから、クリーチャーの格闘攻撃なんて、主には効きません」

 

「言うなら、もうあのクリーチャーはあの状態の主には勝てません。絶対に」

 

「ジーク様の今の体は鉄より硬い体です」

 

「さ、最強なんですけど!?ジーク・フリード!?」

 

「いよいよ猛者より化け物になったんだが?ジーク・フリード、いや・・・化け物だったな、今は」

 

「と言うより、ジークさんが容赦ないのですが・・・」

 

「主は敵であるなら、いつもこうです。中身がフィルヴィスさんだとしても」

 

「シル。本当にジークに何をしたのですか・・・」

 

 

 

 

エインが俺に抵抗しようと、殴り返してくる。

 

 

俺には奴の打撃攻撃など通用しない。今の俺は黒竜であるため魔法で傷が付かない装甲をした体だから、俺は奴そのものであり、魔剣やオリハルコン製の武器でも傷をつけることが出来ない硬さであるため、俺にエインの拳や蹴りなど、全然痛みも感じない

 

代わりに、俺がエインの右足の膝を砕くように蹴り壊す。そして真っ直ぐ立っていた足が簡単に曲がった。エインが悲鳴を上げる。クリーチャーの癖に膝の骨を折れたくらいで悲鳴を上げるとは、案外大したことがないと思った

 

 

「癒せぬ傷よ、忘れるな。この怒りとこの憎悪、汝の惰弱と汝の烈火、世界を憎み摂理を認め涙を枯らせ、傷を牙に慟哭を猛叫に・・・喪いし血肉を力に、解き放たれ縛鎖、轟く天叫。怒りの系譜よ、この身に代わり月を喰らえ、数多を飲み干せ、その炎牙をもって平らげろ!!!」

 

 

「完了したか。ベートの魔法を篤と喰らうがいい」

 

 

「ぐ!?・・・・」

 

 

「ジークさん!?流石に女性の髪の毛を引っ張るのは良くないのですが!?」

 

「主は女性であろうと、敵であるならあんなこともします」

 

「慈悲がないですね・・・・」

 

 

ベートの詠唱がもう時期終わる。発動するのは確実

 

それで逃げられぬよう、エインの髪の毛を引っ張ってベートの前に出す

 

流石に女の髪を男が引っ張るなど、男がしてはならない話だろう。しかし、俺にそんな女の扱いも、心も、敵であるなら無い

 

女であるレフィーヤ達には俺のやることに酷さを感じると思うが、敵であるなら女であろうと容赦はしない。これがクリーチャーであるエインだから、尚更である

 

 

そして

 

 

「・・・・・ハティ!!」

 

 

「ぐ!!??」

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

 

ボオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

 

「ぐああああああああああああああああああああああああああ!?!?」

 

 

「相変わらずあいつの炎は派手だな」

 

 

魔法を発動させたベートの体は炎を纏う。

 

そのままエインに突っ込み。炎を纏った拳をエインの腹に直撃をさせる、直撃させた瞬間、俺は手を離して、エインは後方に吹き飛ばされる

 

ベートの魔法を確実に直撃し、体も徐々に再生が遅く再生速度が落ちている。それだけダメージを受け過ぎたのだろう。エインの体力が減り、更に体のダメージもかなり残るようになった。右腕は燃え果て、体に生えていた草木も全て燃えかすになった

 

しかし

 

 

「まだ・・・まだだ!!!」

 

 

「あれだけの攻撃を受けて!?」

 

「まだ戦う気か!?」

 

「魔石は壊れていないからな、まだ生きていて当然だ」

 

 

エインはしぶとくまだ戦おうと、右膝を俺に折られたにも関わらず、無理に左足だけで立ち上がろうとする、まだ戦うらしく、計画はもう崩壊したと言うのに、まだデュオニュソスのために戦おうとするのか、未だに俺たちに抗おうとしていた

 

まあ、今自分は殺されそうになっているのだから、抗って当然なのだがな

 

 

「人間共め・・・・あのお方の計画を壊し・・・狂乱の全てを台無しにした。忌々しい下界の生き物め!!」

 

 

「お前もその一人だろうが、デミ・スピリットに作られた贋作が。狂乱など誰が認める?人を殺されるのが楽しいだと?だったら俺がデュオニュソスを殺してやる」

 

 

「なんだと!?」

 

 

「あいつには罪がある、人を騙したこと、眷属を騙したこと、そして・・・・・フィルヴィスを穢したことだ。あいつには魂で償って貰う。人間が神に手を出さないと思ったか?俺は神を殺すと言う『人間の狂気』を俺が思い知らせてやる」

 

 

「貴様・・・貴様貴様貴様あああああああ!!!あのお方を殺すだと、絶対に許さん!」

 

 

「それはこっちのセリフだ。友人であるフィルヴィスにしたくもないことをさせて、何が愛しているだ。くだらん、そしてお前も愚かだ。あんな狂気な神の言葉を鵜呑みにし、言う通りに動いているお前を、本当にデュオニュソスがお前を愛していると思うか?」

 

 

「何を?」

 

 

「分からないならやはり贋作だ。眷属を自身の快楽の計画に使ったんだ。フィルヴィスもエインであるお前も、ただ愛していると嘘を付いてお前を利用しているだけだ!」

 

 

「嘘だ・・・・嘘に決まっている!!あのお方は私を・・・フィルヴィスではなく、私を愛しているんだ!!これを嘘であるはずがない!」

 

 

「クリーチャーの癖に神の愛など信じるのか、俺と同じ怪物の癖に、よりにもよって、眷属を見捨てた神を愛するなど、尚更救う価値ない。フィルヴィスの中から出て行け!クリーチャーエイン!!」

 

 

ここまで追い詰められて、それでもエインはデュオニュソスのために戦おうと、俺たちの前にむりに立つ

 

疑うなどしない。こんな怪物になった自分を愛した神を、何がなんでも信じると言った。ダンジョンでデミ・スピリットに怪物にされて帰ってきた自分を、優しく抱きしめて美しいと言ったデュオニュソスを疑わないと、自身の主神を信じた

 

 

「仮に、私が死んでフィルヴィスが生きたとしても、奴には大きな罪がある、バンシーと呼ばれたあいつも、それなりにあのお方のために暗殺をしたのだぞ?そんな人殺しをお前は友と呼ぶか!ジーク・フリード!!」

 

 

「呼ぶとも。それなら俺も同じだ。仲間や友のために敵を斬る、俺もフィルヴィスと同じ大罪人だ」

 

「そうですね、ジーク様はリュー様のためにルドラ・ファミリアの残党をダンジョンで見つけ殺しました。確かに人殺しはジーク様も同じです」

 

「・・・・・・・」

 

 

「な!?」

 

 

「それでもフィルヴィスの罪が許されないのなら、俺と共に生きて償わせる。それが俺が友にできることだ。俺は愛しているなんて分からない。美しさなど人それぞれ、それなら俺は共に生きることで償うような罪滅ぼしを俺と共にする。これはフィルヴィスにこれから俺と共にする予定の話だ」

 

 

フィルヴィスはデミ・スピリットにクリーチャーにされて以来は、デュオニュソスの命令で人殺しをしていた。そこに彼女の意思があったは分からないが、そんなことをさせる奴の側に俺は彼女を置いておく気はない

 

彼女が望んでなくても、俺がそうさせてやる。デュニュソスみたいに変なことはさせない。罪滅ぼしならこれから人のためになるようなことを、俺と共にすること。一人でなんてやらせない。それが友と言うもののはずだ

 

だが

 

 

「私も!フィルヴィスさんのために、何かしたいです!」

 

 

「っ!」

 

 

「レフィーヤ・・・・」

 

「ジークさんだけがフィルヴィスさんを友達と呼んでいるわけじゃない!私はフィルヴィスさんの親友です!ジークさんがフィルヴィスさんのために罪まで償いと共に生きるなら、私もフィルヴィスさんのために!その罪を共に背負います!!」

 

「だそうだ。エイン」

 

 

「ば・・・・ば・・・馬鹿な・・・そんな簡単ではないのに!!」

 

 

「そうだな、しかし、これを友愛と言うものでは?」

 

 

「ぐ!?・・・・・」

 

 

レフィーヤもフィルヴィスの友だ

 

親友の罪をレフィーヤも背負う。生きて償えばいいと、生きていれば補えるはずだと信じる。命を奪った罪は確かに重い、しかし、共に背負う。それが友というものだ

 

人殺しを他人任せでやらせようとする。デュオニュソスとは違う

 

フィルヴィスばかりを救う言葉を効いて、エインは

 

 

「ふざけるな・・・・ふざけるな・・・ふざけるな・・・・・フィルヴィスの罪を救うとでも言うか。お前達など、あのお方の生贄にさせるまでだ!!!」

 

 

「魔力が増幅したか、全力の魔法を放つか」

 

「ジークさん!ここは私に!」

 

「策があるようだな、分かった。だが加勢はさせて貰う。奴はまたあの魔法を打つ気だ」

 

「はい!!カノン!!!」

 

「っ!フェアリーカノンじゃない?新しいスキルか?」

 

 

そろそろ止めに入るが、予定通り、レフィーヤが止めを刺すのだが、彼女はフェアリーカノンのスキルではない。別のスキルの魔法陣を展開した

 

確かレフィーヤはレベル4に上がったと聞いた。まさかその時に別のスキルを習得したのか、別のスキルを発動させる

 

更に

 

 

「ウィーシェの名のもとに願う。森の先人よ、誇り高き同胞よ。我が声に応じ草原へと来れ。繋ぐ絆、楽宴の契り。円環を廻し舞い踊れ。至れ、妖精の輪。どうか・・・力を貸し与えてほしい・・・・・エルフ・リング!!」

 

「使うか、そのレア魔法を、何を使うかは大体わかった。なら俺はこれだ」

 

 

レフィーヤが使うのはサモン・バースト。

 

レフィーヤの中で一番強い魔法だ。エルフの魔法を詠唱とその効果を完全把握していれば、他者のエルフが使っていた魔法を使用できると言う

 

 

つまりは『エルフ魔法コピー』

 

 

レフィーヤはこんなレアな魔法を持っているが故に、リヴェリアの魔法も詠唱と効果を知っていれば、簡単に彼女はその魔法を使えた。その魔法を今から使おうとしている

 

だが、足りない。力が

 

それを補うためには、この状態で俺もレアスキルを使う

 

 

「ウンディーネ!借りるぞ!」

 

「っ!はい!!」

 

 

「エレメンタル・ゼーレ!!!」

 

 

「っ!なんだ!?ジーク・フリードの体から虹色の光が!?」

 

「彼も何かまだ策が?」

 

 

俺は四大精霊の力を魔力をかなり消費させて使う

 

力が足りないなら、俺が貸せばいい。そのために四属性の魔法が必要だ。精霊の力でレフィーヤの魔法を強くする

 

これで、エインを

 

 

終わらせる

 

 

 

「消えろ!人間!エルフ!一掃せよ・破邪の聖杖!!ディオ・テュルソス!!!」

 

 

ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!

 

 

エインの両腕から魔法陣が展開し、再び紫色の雷、ディオ・テュルソスが発動する

 

その先で俺とレフィーヤは

 

 

「ジークさん!行きます!」

 

「ああ、いつでもいいぞ!」

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 

その雷を前にして、俺とレフィーヤは逃げることはなく、その魔法に迎え撃つように走った。そしてレフィーヤが俺の前に立つ

 

俺はともかく、レフィーヤはその魔法を受けたら死ぬ。それなのに、なぜ彼女の方に向かって走るのか

 

それは

 

 

 

 

 

 

彼女がくれた魔法を見せるため

 

 

 

「盾となれ!!破邪の聖杯!!ディオ・グレイル!!!」

 

 

 

「っ!?その魔法は!?・・・・」

 

 

「フィルヴィスの防御魔法か・・・」

 

 

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!

 

 

彼女が使ったのはフィルヴィスの防御魔法、デゥい・グレイルだった

 

この魔法で彼女の雷を防いだ。フィルヴィスが親友のために与えた魔法。詳細も効果も教えた。この魔法でフィルヴィスを救おうとした

 

 

「ぐう・・・ぐう・・・ぐうううううう!!」

 

「まだだ!!火よ水よ風よ土よ!妖精の盾に四大元素を上乗せする!!!」

 

「っ!力が!?マジックサークルが虹色に!?火と水と風と土が!?」

 

 

「「「行けえ!サウザンド!!」」」

 

「「レフィーヤさん!!」」

 

「レフィーヤ様!」

 

「ケリをつけろ!!」

 

 

「みんなが応援しているぞ。フィルヴィスの悲しみを終わらせろ、レフィーヤ!」

 

 

「ぬん!!うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!

 

 

「な、何!?」

 

 

俺はレフィーヤの肩を掴み、四大元素の魔法でレフィーヤのマジックサークルの盾に魔力を込め、マジックサークルが虹色に変わり、そこから火や水や風や土を巻き起こして、エインの雷魔法を弾いていく

 

そのまま、俺とレフィーヤはエインの元へ走り続ける

 

 

「おのれえええ!!人間め!エルフめ!!」

 

 

エインは最後の魔法を弾かれて、苛立ちを隠せずに、ただ嘆きに苦しむような恨みの叫びを上げる。

 

ここまで来て、邪魔される俺とレフィーヤに怒りを見せる

 

 

しかし

 

 

ガシ!!!

 

 

「っ!!?」

 

「もうやめろ。怪物の私・・・」

 

「っ!フィルヴィス!?お前・・・意識が・・」

 

「もういいんだ。私たちは失敗したんだ」

 

「何を言うんだ!?私たちはあのお方のために!」

 

「もう私は・・・あのお方のためにあの二人を傷つけることなんてできない。お許しください。デュオニュソス様」

 

「っ!?フィルヴィスウウウウウウウウ!!!」

 

 

突然エインの燃え焼かれた右腕が、魔法を解こうと左手を掴んだ。そうさせたのは半分の意志があるフィルヴィスだった。彼女はエインの意志を半分奪い、自身の口でエインに話しかけた

 

フィルヴィスは愛してくれた主神のためにはもう動けないと。そのために俺とレフィーヤを殺せない。俺とレフィーヤを選んでくれた。彼女が初めてデュオニュソスの命令を無視した

 

ずっと主を愛してくれたデュオニュソスを裏切ったフィルヴィスに、エインは怒りを顕にしてフィルヴィスを恨む

 

 

フィルヴィスの意志も混じっているのか、体の意識を少し取り戻し、魔法を撃って翳した左手は徐々に下ろして、ディオ・テュルソスの魔法を解く

 

更に、レフィーヤに止めを刺されようと、体の動きを硬直させ、両手を広げる

 

 

そして

 

 

 

「レフィーヤ!!ジーク!!私を倒してくれえええええええええええええ!!!」

 

 

「っ!レフィーヤ!聞こえたな!」

 

「はい!行きます!!うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 

 

フィルヴィスと思われる声を俺とレフィーヤは聞こえ、防御魔法を解除して、俺はその場で止まり、レフィーヤだけ走っていく

 

そして彼女は杖を横に投げ捨て、懐にある物を出して、フィルヴィスを止める

 

 

それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フィルヴィスさああああああああん!!!」

 

 

「ああ、やっぱり持ってくれていたのか、レフィーヤ・・・」

 

 

レフィーヤが彼女に止めを刺す物

 

 

それはフィルヴィスの短剣、『ティアーペイン』

 

 

正確には、彼女がクノッソスにやられる前にレフィーヤが拾った。フィルヴィスの遺品。彼女の使っていた短剣で、彼女の魔石を

 

この彼女の所有物で決着を付けに

 

彼女の前に辿り着き

 

 

 

 

 

 

 

 

バリン!!!

 

 

「うわああああああああああああああああああああああああああああ!!!???」

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 

フィルヴィスの短剣が、彼女の胸の魔石を貫く。

 

フィルヴィスではなく、エインの悲痛の叫びが流れる。レフィーヤは強くその短剣で、彼女の胸を貫いた

 

魔石は砕け散り、フィルヴィスの体は

 

 

ブウン!!!

 

 

「ああ・・・・あああ・・・ああ・・」

「はあ・・・・・・はあ・・・はあ」

 

 

「フィルヴィスさん!?」

 

「魔石を壊したことで、エインの体と分かれたんだ」

 

 

「ああ・・あああ!!・・・デュオ・・・ニュソス・・・・様・・・・・・」

 

 

サアアアアアアアアアアァァァァァァ

 

 

「エインの方だけ砂になったか、これでフィルヴィスだけになった」

 

 

フィルヴィスの胸にあった魔石を壊すと、突然彼女の体が二つに分裂し、もう片方は砂になって消えた

 

消えたのはエインの方、叫びからしてクリーチャーのエインが魔石を壊れたことで消えた

 

そしてフィルヴィスも・・・・灰に

 

 

「フィルヴィスさん!!」

 

「レフィーヤ。私の短剣を持っていてくれて・・・ありがとう。そして・・・私を止めてくれてありがとう・・・・」

 

「やめてください!そんな言葉を聞きたいわけじゃないんです!私は・・・あなたに!」

 

「いいんだ・・・・私はこれでよかったんだ・・・私はあのお方に縋るばかりで・・・そうすることしかできない・・・情けなくて美しくない私だった・・・・」

 

「そんなことはない!私にとってはいつも頼りになる親友でした。いつも私を助けてくれる私よりも美しい人!私がなりたかった人!」

 

「・・・・・・まさか。私をそんなふうに思っていたとはな・・・・」

 

 

ずっと愛していたのは、何もデュオニュソスだけではない。レフィーヤもだ

 

レフィーヤだって唯一別のファミリアでありながら、ずっと親友として愛していた。白い肌が羨ましいだとか、全然弱くなくて、どんなことにも必死に強くなるフィルヴィスを、本気で愛していた

 

レフィーヤが彼女を唯一愛していたのだ。だからフィルヴィスは今まで一人ではなかった

 

本当はフィルヴィスは気づいていたのではないのだろうか、例え自分が化物であろうとも、レフィーヤは受け入れてくれると

 

彼女の優しさを知っている彼女なら、この程度否定などしないと思った

 

だが

 

 

 

「もういいんだ・・・私はもう十分に・・・生きた・・・・・」

 

 

「フィルヴィスさん!!」

 

 

「申し訳ありません・・・デュオニュソス様・・・私は不甲斐のない女で・・・・申し訳ありません・・・」

 

 

彼女の体が限界に、魔石が心臓だった彼女も徐々に灰になろうとしている。それはそうだ。彼女も意志は本人でも、クリーチャーであることは変わりはない。魔石が壊れた彼女は

 

もう消えようとしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、何勝手に死のうとしている?お前を天に逝かせる気はないぞ?」

 

 

「っ!ジーク・・・・」

 

「ジークさん!策があるんですよね!?早くフィルヴィスさんをなんとかしてください!」

 

 

なんか勝手にお別れの会話をしているようだが、フィルヴィスは死なせない

 

俺には策があると言ったはずだ。だから彼女は死なせるつもりはない。ちゃんと彼女を助けるための策は用意してある

 

それは

 

 

「ああ、こいつをフィルヴィスに埋め込む」

 

「え?なんですか?それ?」

 

「緑色の・・・・魔石?」

 

 

俺が取り出したのは、『緑色の魔石」

 

見たことのない色をした魔石。こいつをフィルヴィスの心臓代わりにして、フィルヴィスの寿命を長くする。これはフェルズや他の神々でも驚く代物。こんな物を俺が作ったとフェルズが聞いたら、余計俺を危険視するだろう

 

この緑色の魔石がなんなのかと言うと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「賢者の石だ。これでフィルヴィスの寿命を長くする」

 

 

「え!?」

 

「賢者の石だと!?」

 

 

「ふん!」

 

 

「ぐわ!!?」

 

「ジークさん!?何を!?」

 

 

俺がフィルヴィスの命を救う方法

 

 

それは『賢者の石』

 

 

霊薬としてエリクサー以上の気象石にして、不老不死の永遠の生命を与えることができる不死の石。フィルヴィスは何千年も生きるエルフだ。これくらい付けても構わんだろうと、フィルヴィスはエルフでもあり、助かるならなんでもいいかと思い、錬金術においての禁術で作る錬金物を作った

 

これをフィルヴィスの胸部辺りに、俺は彼女の胸を貫いて、賢者の石を心臓に埋め込む

 

そして

 

 

「ぐ!?ぐわああああ!!!」

 

「フィルヴィスさん!?」

 

 

ブウウウンと、突然彼女の体は緑色に発光し、徐々に怪物だった体が、普通の人型の体に戻っていき、右足の膝も治り、燃えていた右腕も治り、灰にならずに

 

エルフの姿に戻る

 

 

「ぬう・・・・っ!?これは!?」

 

「元の姿に!?」

 

 

「お前の中に賢者の石を埋め込んだ。これでお前はエルフに元通りにして、お前はもう死ぬことはない。お前はもう自由の身だ」

 

 

フィルヴィスの心臓に賢者の石を埋め込んだことで、エルフの姿に元通り、これでもう彼女は化け物ではない。

 

ちゃんとエルフの姿に戻って、灰になって死ぬことなく生きている

 

 

「フィルヴィスさん!!良かった!!」

 

「お、おい、レフィーヤ!!」

 

「良かった!本当に良かった!!ありがとうございます!ジークさん!」

 

「ジーク。お前まで・・なぜ・・・・」

 

「勝手であることは承知、それでも俺はお前の友人、友人を見捨てるほど、俺は心を捨てていない。これからも生きてもらうぞ。フィルヴィス」

 

 

これで終わりになどさせるものか

 

理由なら友人であるからこそであり、俺は友人を見捨てるほど感情を失ってなどいない。助けられる手段があるなら、ルールを破ってでも、神々に文句を言われてもやる。それが俺だ

 

 

「だが・・・デュオニュソス様が私を許してくれるはずがない。私はあのお方の命令を無視したんだ」

 

「フィルヴィスさん・・・・」

 

 

しかし、フィルヴィスは自分に生きる価値はないと言う

 

今日も今までもフィルヴィスはレフィーヤや俺のためにデュオニュソスの指示を無視して行動してしまった、主神の期待に応えなかった自分など、生きる価値がないと言う

 

なら

 

 

「それならデュオニュソスの所へ行くぞ」

 

「え?」

 

「今からですか?」

 

 

 

「ああ、お前の生殺与奪の権を、あいつに握らせるものか、俺は『あいつを殺す』ためにここに来たんだ」

 

 

今からデュオニュソスの所へ行くと、俺が提案する

 

そんなにデュオニュソスの命令が怖いのか、何を言われるのか怖いのかと、なら今からデュオニュソスの所へ行き、フィルヴィスの自由を勝ち取るために

 

 

あいつを仕留めると、俺はデュオニュソスを神殺しに来たと

 

 

そのために俺はここに来たんだ。これが三つめのここでの俺の目的である。友人であるフィルヴィスのために。彼女の主神を殺す

 

これが俺の狂気であり、これが人間の狂気でもある

 

 

 

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